「ラブひな アナザー・K・ストーリー 2話(ラブひな)」モアイ (2004.11.25 00:34)
 
 
 
 
ラブひな アナザー・K・ストーリー
 
2話 住人との対面

 
 
 
「はるかさん………………………………どうしちゃったのかな?」(大汗)
 
「さぁ、ウチにはさっぱり分からんわ」(大汗)
 
「はるかさん…………………………何か妙に足取りが軽くありませんでしたか?」(大汗)
 
「そかな〜〜〜〜、ウチには全然わからんは〜〜」(笑)
 
「………………………………あの人の方が心配なんですけど………………………」(大汗)
 
 
はるかが景斗を担いで物干し台から姿を消して、残された5人はいつもはるかと違う人物を見たのではないかと言うくらいの変わり様を見て呆然とし、先ほどの痴漢騒ぎをすっかり忘れていた。

 
 
 
 
「………………………とりあえず、ここにいても埒があかないから、1時間くらい待ちましょ。話はそれからじゃなきゃ始まらないようだし………………………………」

 
なるの言い出した提案に他の4人は、反対する事もなく賛成し、全員その場を後にした。
 
 
「それにしてもあの男とはるかさんは、どういう関係なのでしょうか?」
 
「ん〜〜〜、ウチには分からんけど、以外と恋人だったしてな」(笑)
 
「考え過ぎよ、キツネ。だって、はるかさんはあの男のことを「兄さん」って呼んだのよ? そんな事考えると後ではるかさんに何かされるわよ」(呆)

 
等と談笑して、1時間ほどを潰すために各自の部屋に戻っていく。1時間程経って、5人が集合場所であるロビーに集まるが、まだはるかと景斗は現れてはおらず、さらに20分ほど経ちようやく2人が現れたが、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「よ〜〜〜、遅くなって悪かったな〜〜」(弱)
 
「………………………………遅くなった」(赤)

 
景斗は1時間前とは明らかに窶れていて、はるかは肌に艶が増していて、頬を赤く染めて表情も満足げであった。明かにこの1時間の内にご休憩でやっちゃたんだろ!? っと言わんばかりの姿で登場した。
 
 
 
 
 
 
「………………………………何やってたんですか、はるかさん?」(滝汗)
 
「いやなに、ただの久しぶりにあった兄妹の挨拶だよ」(赤)
 
「………………………………そうですか」(滝汗)

 
とりあえず、何故来るのが遅かったのをなるが聞くが、はるかは頬を染めながら、ただの挨拶だと答える。それを聞いたなるも、これ以上の事は聞く勇気がなかった為、聞くのを止める事にした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「………………………………おっほん、それでなんですけど、景斗さんでしたよね? 何であの時、露天風呂にいたんですか? 私の納得のいくように答えて下さい」(怒)

 
気まずい空気がロビーに流れていたが、なるが思い切って景斗に今回の事を質問する。いや、なるの迫力のせいか、見方によっては尋問に近いだろう。だが、景斗はそんな事は何ともないよな表情をしている。景斗にとってこの程度の睨みなど、何ともないらしい。

 
「まぁ、君は納得がいかないかも知れんが、一様説明するか。今から一週間くらい前に婆さんから連絡があって、用事があるからひなた荘に来いと言われた。それでここに着いた事はいいんだが、出迎えが無かったんだ。どうせ俺は婆さんに呼ばれたんだから、ここの住人は知ってると思ったんだよ。それにここが寮になってるのも婆さんから聞いていたが、俺は男女混合の学生寮になったと思ってたんだが、まさか女子寮になっていたなんて思わなかったからな。いや〜〜すまなかった」
 
「当たり前だ!! 謝って済む問題ではないぞ!!」

 
景斗がなるの質問に答えると、その答えが気にくわなかったのか、素子が立ち上がり、更に景斗の行いを責める。だが、

 
「まあ、確認しなかった俺が悪いのは認めるが、その後君たちが取った行動は、どう見ても過剰防衛だぞ? 俺のような奴じゃなかったら、警察行く前にまず病院行きだし、それに確率的には、逆に君たちの方が警察のお世話になる事だって否定出来ないんだからな? 今後は気を付けた方がいいぞ? その年でテレビや新聞には出たくないだろ?」

 
「「うっ!!」」

 
景斗は一応自分に否がある事を全面的に認めたが、その後の物干し台での事を言われたなると素子は、それ以上景斗にきつい事を言う事は出来なかった
 
 
 
 
 
 
「そういや、婆さんは何処に居るんだ? 俺は婆さんの依頼の件でここに来たんだが、その婆さんが居ないんじゃ、話にならんだろう?」

 
そんな中、景斗がここに来た理由である、彼の養母であるひなたの所在を確認するが、

 
「ああ、知らないのか兄さん? 婆さんなら、1年以上前から世界一周旅行に行ったっきりで、連絡なんぞたま〜〜にFAXが来るくらいだぞ」
 
「へぇ!!?? それはマジか?」 
 
「ああ、いい歳して、新しい恋いの出会いをしたいんだとよ」(呆)
 
「じゃあ、婆さんが俺を呼んだ理由は何なんだ?」

 
依頼人が不在の為、話が進まないことで少々考えていると、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「えぇ〜〜〜と、景斗さんで良かったよな〜?」

 
キツネが景斗に話しかけた。

 
「なんだ?」

 
「悪いんやけど、自己紹介してくれへんか? 一様、あんさんの訪ねてきたのはひなた婆さんなのは分かったやけど、はるかさんと2人で話を進めるのは、こっちにも分かる様に説明してかにしてほしいわ」

 
どうやら、景斗の正体が気になったのだ。キツネの言い分ももっともだ。いきなり現れて先の騒ぎを起こしたのだ。キツネ自身は景斗の事を悪く思っていないが、この場合はしかた無いだろう。景斗の方も、いきなり訪ねてきて先ほどの騒ぎになったのだから、流石にこのまま正体不明で通すのも悪いと思い、5人に自己紹介をする。

 
「まあ、何も知らないのは気の毒だし、それに迷惑もかけたんだし、自己紹介くらいは当然だな。まず名前だが、【浦島 景斗】な。歳は今年で29で、現在フリーターなんだが、持ってる資格が多いから直ぐにでも職は見付から、無職って訳じゃないな」

 
景斗の自己紹介は、なんら問題は無かった。むしろ、あの謎の多いひなた婆さんの義理とはいえ息子なのだから、これくらいは当然だと5人はそう思ったが、
 
 
 
 
 
 
「すみませんが、はるかさんとはどうゆう関係なんですか? 姓名が一緒なのと、先ほどのお二人の様子では、ご兄弟としては仲がよすぎませんか? 何故か、もう少し上の関係のような感じが少ししましたが?」
 
 
素子のある質問で、ロビーの空気がだんだん寒くなっていく。はるか以外の住人は何故寒くなったのか分からなかったが、
 
 
(な!! なんだこの空気の変わり様は!! こんな事は、今の私には絶対に出来ない!! もし出来るとすれば、京都にいる姉上くらいだ!! この男、実はかなりの実力者か!!)
 
 
素子はその原因が話の中心である景斗だと瞬時分かった。更に目の前の男が、実はかなりの実力者であり、憶測ではあるが京都にいる自分の姉くらいの実力が無ければ、勝負にはならないだろう。そんな事を考えていると、景斗が住人に対して、青ざめた表情をして説明する。その表情を見た素子は、信じられなかったが、
 
 
 
 
 
「いや、はるかとは仲がいいが、夫婦じゃないな。関係だが、一様戸籍上は義理の兄妹なだ。まあ、こいつはそうは思ってないがな」(青)

 
一部驚愕の内容があり、ロビーは騒然とする。いつもはクール&ビューティーであり、落ち着いた大人の女性であるはるかからは想像もつかなかったからだ。
 
 
 
「…………………と、言うと、もしかして………………………………」(滝大汗)

 
キツネが住人を代表して、聞いてはならないある一言を聞く。因みに他の4人であるが、なると素子としのぶは、顔を真っ赤にして何やら変な事を呟き、カオラは笑いながら「義理ってなんや〜〜? それうまいんか?」等と言っている為、カオラだけは話が分かっていないようだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ああ、そうだ。みんなが想像しているのとほぼ同じで、こいつは俺の事を兄としてではなく、”男”として見ている。」(青)

 
景斗は、はるかとの関係を住人に暴露する。さらに、

 
「君と君くらいの年頃には、何度何度も夜ばいをかけられたよ。まあ、さっきのもそんな感じだ。それに………………………………」(青)

 
「ふふ、兄さんにその気があるんなら、直ぐにでも準備は出来てるぞ」(赤)

 
「な?」(青)

 
景斗はなるとキツネの方を向いて、2人と同じくらいの歳にはそう言う関係になったと告げる。はるかが、頬を赤く染めながら、何かの準備は直ぐに出来ると言う。そんなはるかを見て、親指をはるかに向けて、5人に確認を取る。住人ははるかを見るなり、心の中で思いっ切り引いた。何故ならば、今のはるかであれば瞬時に想像通りの事をやってしまうだろうからだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「そう言えば、これから兄さんはどうするんだ? 話の中心である婆さんが不在だからといって、何処かに行く訳にもいかんだろう? それに実家や京都にも行く訳にはいかんだろうし、だったら必然的に残るのは、近場の旅館かここしか無いんだろ? それだったら、金のかからないここに居ると良いんじゃないか?」(邪笑)
 
 
はるかが景斗に突然、これからどうするか聞いてきた。依頼人である婆さんが居ないからと言って、このままここを出て行けば、後で何をされるか分からない。現にはるかの話を聞いた景斗の表情は少し青ざめている。だが、はるかの顔には邪な笑みを浮かべているを景斗は知っており、少々考えた後に、
 
 
「そうだな。だが、女子寮であるひなた荘に住む訳にもいかんし、腹くくってはるかの所に世話になるか………………………ああ、三ヶ月後がマジでこぇ〜〜〜〜(真っ青)
 
 
顔を真っ青にしながら、景斗が住人とはるかに告げる。それを聞いたはるかは満面の笑みを浮かべる。住人の方は、景斗の発言の最後の方が気になったが、おそらく自分たちの想像道理であろうと思い、口にはしなかった。まあ、例外は1人いるが。
 
 
 
 
 
「………………………ん、まぁこれで一応、兄ちゃんはひなた荘の住人になったんやし、こっちも自己紹介した方がいいかもしれんな?」

 
そんな中で、キツネが住人に景斗に対して自己紹介するように提案する。一応はるかの自宅に住むとはいえ、景斗を呼び出したのはひなた婆さんである。もしかしたら呼び出した用件は住人である彼女らにも関係あるかも知れないからだ。

 
「確かに、キツネの言う事も一理あるな。悪いが、全員兄さんに自己紹介してくれ」

 
はるかも、キツネの提案に賛成する。いくら自分と同じ家に住み、口では言えないあ〜〜んな事や、こ〜〜んな事を毎晩して、そして1〜2年以内には景斗と結婚式をする予定を立てているとはいえ、それまでに先の痴漢騒ぎ以上の事が起これば、愛しの景斗は出て行くかも知れないと考え、少しでも景斗と住人の仲を良くしようと思ったからだ。
 
 
「……………………分かりました、はるかさん。なんか、貴方に自己紹介するのは何か気にくわないけど、まあいいわ。私は「成瀬川 なる」よ」

 
始めに、景斗に露天風呂で鉢合わせをしたなるが自己紹介する。だが、言い方は、景斗の事が気に入らないせいか、ややきつめである。

 
「次は、ウチやな。ウチの名前は「紺野 みつね」や。でもみんなは「キツネ」って呼んどるから、景斗さんもそう呼んでや?」

 
次に、脱衣所にて出会った細目の女性のキツネがなるに続く。その前のなるとは違い、景斗にとても友好的である。

 
「ウチはな〜〜、「カオラ・スゥ」っていうんや、よろしくな、ケート!」

 
今度は、褐色の肌を持つ陽気な少女のスゥが景斗に話しかける。

 
「………………わ、私は……………「前原 しのぶ」です………………………」

 
その次に、景斗とぶつかりそうになった少女のしのぶが自己紹介する。しかし、微妙な年頃なのか、男に対して免疫が無いのかは分からないが、何処かそわそわした感じ残る。

 
「最後は、私だな。貴様のような軟弱者には名乗りたくないが、致し方ない。「青山 素子」だ。一度で覚えろ!!」

 
最後は、景斗にとって見覚えのある少女の素子がほぼ投げやりな言葉で景斗に言うと、
 
 
 
 
「なるちゃんに、キツネちゃんに、スゥちゃん、しのぶちゃんに、素子ちゃんね、………………………………ん? ちょっと待て! 「青山」に「素子」だって!?

 
いきなり景斗が立ち上がり、素子の肩を掴んで、自分の姓の事を聞いてきた。

 
「ええーい!! 聞こえなかったのか!? 私の名前は「青山 素子」だ!!」

 
素子は、景斗を振り払い、再度景斗に対して自分の名前を叫んだ。その叫びを聞いた景斗は、はるかの腕を掴んで他の5人から少し離れた場所で、話始める。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「おい、はるか!! ここにあいつが居るなんて聞いてないぞ!! あいつ自体は何でもないが、鶴子がここに来たらどうするんだ!! 来た瞬間に、俺はなりふり構わず消えるぞ!!」
 
「ああ、その事なら問題はない。何故かは、鶴子がここに来た事はない。素子ががひなた荘に来た時も、電話だけだったから、おそらく大丈夫だ。まあ、あいつが鶴子に連絡を入れなければ、来る事は無いさ。安心しろ兄さん 私も兄さんとの時間を短くはしたくないからな
 
「何か、言ったかお前?」(汗)
 
「いや、何も」(邪笑)

 
 
 
 
 
 
 
「はるかさんと景斗さん、あんな隅っこの方で何話とるんかな? 何か気にならん?」
 
「まあ、確かに気になるわね。特に素子ちゃんの名前を聞いた瞬間に焦ったから、もしかしたら素子ちゃんの実家の関係者じゃないのかしら?」
 
「…………………………そ、そうですね。で、でも……それにしては景斗さん、さっきまでの表情からは信じられないくらい、焦ってましたけど………………………………」
 

素子の名前を聞くなり、態度を変えた景斗に不信感を抱いた住人が少し集まって話し始める。だが、素子の方はその話合いには参加せず、
 

(何故この男は、私の名前を聞いてあんなにも驚いたんだろうか? それに先ほどのはるかさんがあの男に言っていた事の中に京都とあったが、何故そんな選択肢があるんだ? 前にはるかさんに聞いた話では、実家の方は京都ではないのだから、親類が居る確率は少ない。だとすれば、残りは何だ? この男の実力を考えて、もし神鳴流を習っていたとしても、それは不可能だ。外来の者がたった数年で習得できるほど我が神鳴流は甘くない)
 
景斗の言葉に気になる点があり、その事を考えていた。素子がそんな事を考えていると、景斗とはるかが戻ってくる。
 
 
 
 
「いや〜〜〜〜、取り乱してすまんかったな。俺が、あんな行動を取って、みんなが驚くのも無理はないな。実は結構前に、京都のお前の家で世話になってたんだ。そん時にお前の姉貴にある種の恐怖を植え付けられたからだ。そんで「青山」って名前に敏感になったんだ。気を悪くしたんだったら、謝るよ」

 
景斗は、素子に対して驚愕の事実を話した。

 
「な、何!? その話に嘘偽りは無いだろうな!?」
 

「ああ、本当だ。証拠は俺の実家の方にあるから、今日にでも電話して送ってもらうから、明後日くらいには届くだろうから、確認してくれ」
 

「…………………いや、それでは遅い。………………よし、すみません。ちょっと実家の方に連絡を入れますので………………………………」
 
 
素子が景斗の話を聞き、少し考える。明後日には証拠の写真が届くが、それでは何か気に入らなかったのか、今実家に聞こうとして、電話の置かれている方へ向かおうとするが、
 
 
 
 
「ちょっと待て〜〜〜!!」
 

ドゲシ!!

 

景斗が先のはるかのようにヘッドダイビングを、素子の腰に対して放つ。
 
 
 

「グハァ!! な、何をする無礼者が!!!」
 

当然のごとく、素子は景斗に対して憤怒の表情を向けるが、
 

頼む!! あそこに俺の存在を知られないでくれ!! あそこに連絡すること自体は何とも無いが、あいつに、おまえの姉貴に俺の存在を知られたくないんだ、頼む!! あいつだけには、あいつだけには、知られたくないんだ!! 一応慣れたとはいえ、あいつのあの責めだけはできるならば、受けたくないんだ!!!
 
 
男として恥ずかしくは無いのかと言わんばかりの表情で、景斗が素子に激しく頼み込む。それほどに素子の姉である「鶴子」の存在が、景斗にとって恐怖の対象なのだろう。
 

「お前………………………………それほど………………………………」
 
「分かってくれた、素子ちゃん………………………………」
 

二人の中に何か共有できる秘密があったのだろか、お互いの手を取ってうんうんとうなずいている。だが、二人の内心はこうだ。
 

(この男も私と同じように、姉上のお仕置きという体罰を受けたのか………………………)
 
 
 
(アイツが俺の事を好きなのは分かるが、真剣勝負の時のあの目で、俺の寝込みを襲うなーーーーー!!!! マジでビビる(大汗))
 
 
 
………………………………何かを共感した2人だが、どこかずれているようだ。素子は、電話の方に行くのを止め、元いたソファーに戻る。景斗は素子が自分とは少々違うが、鶴子の恐怖を知っている為、京都の方に連絡を入れないだろうと安心する。そして、


 
(しっかし、いくらあんな事があって、俺が日本を離れる事になったからとはいえ、鶴子が寝込みを襲い始めたのが、15の冬なんて、この子にゃ言えんよな〜〜〜。もし知ったら、錯乱するかあいつ?)
 
 
自分の3人の天敵内の最後の一人(一人目、ひなた。二人目、はるか)である人物の昔の事を思い出していた。
 
 
 
 
 
 
 
「とりあえず、全員の自己紹介が終わったやし、あれいこか?」
 
「あれ〜〜? ……………まあ、しかたないか。私達は、貴方を歓迎します………………」

 
素子がソファーに座ったのをキツネが確認し、住人にアレをしようと提案する。他の住人は無言で頭を縦に振るが、なるだけは少し渋ったが、また少し考えたのちに、キツネの提案に賛成する。

 
「ん? あれって何だ?」

 
景斗は何のことだか分からず、はるかに聞こうとしたが、はるかは何も答えずに苦笑しかしなかった為、何が起こるか分からなかったが、
 
 
 
 
 
 
 
「「「「「ひなた荘へ、ようこそっ」」」」」
 
 


 
 
 
住人全員が景斗を歓迎する言葉を発する。景斗は先のはるかが何故あのような態度をとったか分かり、苦笑しながら、
 
 
 
「ああ、これからよろしくな、みんな」(苦笑)
 
 
 
みんなに感謝の言葉を贈った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
夕方を過ぎ、午後11時頃になって景斗は、はるかの住む和風茶房「日向」にある電話で誰かと話している。話し相手は、おそらく実家の人間だろう。素子に見せる証拠を送ってもらうように言っているようだ。

 
「………………………………ああ、すまないな。そういえば、景太郎はどうしてる?」
 
「………………………………」
 
「…………………いつも通りか………あいつらしいな。(笑) あいつも今年合格したから、お前も大変だろ? 未来の妻として、なあ?」
 
「………………………………」
 
「はっはっはっ、そうか、そうか。それじゃあ、もお遅いから切るな。じゃ、がんばれよ、可奈子。義父さんは応援してるぞ」(笑)
 
 
 
 
「誰が出たんだ、兄さん?」

 
寝室で景斗が来るのを待っていたはるかが、実家で景斗の応答をした人物を聞くと、

 
「我が義娘である可奈子だよ。景太郎と仲良くやってるってさ」(苦笑)

 
景斗が自分の義娘である可奈子だと答え、はるかのそばに座る。

 
「そうか………………………………あいつも、念願の東大に一浪とはいえ入れたんだし、可奈子がいるんだから、景太郎も幸せだろうな」

 
景斗の話を聞いたはるかは、半年より少し前に狂ったように喜んでいた自分たちの甥と、その甥と共に喜んでいた自分の未来の義娘の事を思い出した。

 
「ああ、そうでなけりゃ、俺が本気で潰すがな」


景斗はもし、幸せになれなかったら自分の全力を持って景太郎をボコすと言う。それまでの景斗の努力を考えれば分からなくない考えではあったが…………………
 
 
 
 
 
「そう言えば、兄さんは何時まで日本にいるんだ?」

 
それからくだらない事を話し合っていると、はるかが何時までここにいるかと聞く。やはり、愛しい人は自分の側に何時までもいてほしいのだ。

 
「ん? ああ、とりあえず婆さんが何とも言わなけりゃ、2〜3年くらいはいるつもりだ。そんなに、寂しそうな顔するなよ、はるか」

「だが、兄さんには前科が二つある。少し信用できない」

「あははは、そいつはすまなかったな、はるか。だが今回は大丈夫だ。あいつの手がかりも無くなったし、その手がかりも直ぐには見つからんから、すぐにゃ行かないよ」(苦笑)


はるかの質問に景斗は何気なく答えるが、はるかの方は景斗の答えが気に入らなかった。何故ならば、景斗ははるかの前から二度姿を消しているからだ。(一度目は、幼い頃景斗が京都に行った時。二度目は、2年前に景太郎に何かの武術を教えてすぐに消えた)二度も消えれば、信用もなくなるだろう。


「信じるよ、兄さん。今度は何処にもいかないでよ」


はるかは景斗の言葉を信じ、景斗に寄り添う。景斗ははるかを抱きかかえ、


「ああ、分かったよ、はるか」


寝室の窓から見える夜空を見ながら、呟いた。


翌日にこの件の依頼人から、重大な記述が記載されたFAXが届くとも知らないで、



続く





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