「ラブひな アナザー・K・ストーリー 1話(ラブひな)」モアイ (2004.11.25 00:33)


暗闇の中で片手に一本ずつ刃を持った黒尽くめの男が、巨大な何かと戦っている。



スパーーーン!!



JOWAAAAAAAA!!!!



「ったく! あの野郎、何が障害も出ても30位で、直ぐに終わるだ!! ゆうに300は、斬ったじゃねーか!!」


男は左手に持っている全長4尺以上はあろう刀で、巨大な何かを数匹まとめて真っ二つにすると、愚痴を叫んだ。


男が叫びたくなるのも無理は無い。男の本来の仕事は、数年前に発掘済みとなっている遺跡の最下層に自生しているある植物の採取である。遺跡自体は隅の隅まで調べられていて、内部地図も製作されており、迷う事は無い。危険があるとすれば、今男が戦っている巨大な何かが数匹出る程度であり、その巨大な何かも男には驚異ではないが、いかんせん数が多すぎるのである。その数、およそ300強。



「こいつらが、大量発生してるなんて話は聞いてないぞ!! ……………………………………そういやあの野郎の仕事を説明する時の表情は、やけに生き生きしてやがったな。俺がこうなる事を分かっていたって感じだから、白人至上主義の大馬鹿だろーな。ったく、貧乏くじもいいとこだぜ、ってセオリー過ぎて、逆にうぜーーよ!!」



ザァシュァ!!


GUWOOOOOOOOOO!!!!



男がこの仕事を回した白人の男の事を考えていると、巨大な何かの数体が背後から男を襲おうとしたが、男はそれを知っていたかのように右手に持っている1メートル以上の片刃の西洋剣で叩き斬った。だが、それでも大量の巨大な何かの行きよいは止まらない。




「そろそろ相手にするのも飽きてきたな…………………………残りは………………50って所か…………………はぁ〜、そろそろ決めるか」


巨大な何かの相手をするのに飽きてきた男は、残りの巨大な何かの数を数えると、うんざりとした表情をする。だが、直ぐに真剣な表情になり、両手に持っている剣と刀を純手から逆手に持ち代え、





「我式神鳴流 奥義 斬空列閃乱牙!!!


うをぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーー!!!!





斬、残、ザン、斬、残、ザン、斬、残、ザン、斬、残、ザン、斬、残、ザン、斬、残、ザン、斬、残、ザン、斬、残、ザン、斬、残、ザン、斬、残、ザン、斬!!





チッン!


「………………………………………痛みもなく消えれる事を幸運に思うんだな」


何かの技の名を呟いた次の瞬間には、男の咆哮と共に両手に持った剣と刀を幾度と無く振り回し、剣と刀が通った軌道から無数の鋭い衝撃波が巨大な何に向かって、高速で飛来する。衝撃波を打ち終えると、男が剣と刀を鞘にしまい、呟くとその場を立ち去る。そして飛来した衝撃波が通った場所にいた50匹ほどいた巨大な何を全てただの塊と化していた。







目的である植物を採取した男は、遺跡の近くに置いてあった車に向かう。幸いな事に先ほどの巨大な何かは車の周りにはおらず、車は無傷である。


「とりあえず、仕事は達成だな。………………………………………それにしても、あの大馬鹿野郎はどしてくれようか〜? まあ、半殺しは確定だがな」


男が先の仕事を斡旋した白人の事を考えながら、車に乗り込む。



♪〜〜〜〜〜〜


キーを差し込むと同時に男が持っている携帯電話が鳴り始める。携帯電話の画面を確認すると、自分の知らない番号であり、少々落胆する。


(おい、おい、おい、こんな時に誰だよ? まったく、あの大馬鹿野郎だったら、罵声の1つや百個は吐いてやるのによ〜〜)


最初は無視しようかと思ったが、30秒経ってもまだ鳴っている為に、男は溜息を付いて、通話ボタンを押して、


「はい、どなたさんですか?」


見知らぬ相手と話し始める。が、


「………………………………………」

「ん? ………………げ、婆さんかよ。………………………………………っで、何の用だよ? また何かの厄介事か?」


どうやら、男の親族のようであり、男の反応からは、あまり会いたくない相手のようだが、立場的には相手の方が上のようであるが為に、逆らえないようだ。


「………………………………………」

「えっ? そんな事は無い? …………………………………忘れたのか、10年前の事?」

「………………………………………」

「何故そこで、間を開ける? まあ、良いけどな。それで今回の用件はなんだ?」

「………………………………………」

「【ひなた荘】? ……………………………待て。あそこは、旅館じゃなかったのか?」

「………………………………………」

「え、旅館は儲からないし、そっちの方が面白いからだ!? ………………………まあ、あんたんだから、俺がともかく言う筋合いは無いがな」

「………………………………………」

「はい、はい。だけど、今すぐには行けないからな。手続きとかあるから、最低でも一週間はかかるからな。それでいいか、婆さん?」

「………………………………………」

「分かった、それじゃあな」


ピッ!

ブゥゥゥゥゥウウウンン!!


男が携帯電話を切ると、車のエンジンを起動させ、


「ふぅーーーー、はあぁ〜〜。 また厄介事かよ。……………………………とりあえず、やる事やって、さっさと向かうかな? それよりも、何で婆さんは俺の仕事用の携帯の番号なんて知ってたんだ?」


またもや愚痴を呟くと、直ぐにその場を離れた。





一週間後、男は目的地である「ひなた荘」に向かう為に、機上の人となる。だが、男の目的地である「ひなた荘」では、男の恐れているモノが存在するとは知らないで……………



余談 男が機上の人となる頃に、ある町の白人男性が、謎の怪我を負って全治半年となり、地方紙の三面記事に載る事になった。





ラブひな アナザー・K・ストーリー

第1話 呼び出された"K"







「はぁ〜〜〜、何で10月なのに日本はこんなに熱いんだよ〜。 えぇ〜〜〜〜っと、ひなた荘はこっちで良かったかな〜〜?」(怒)


日本に着いた男は、目的地であるひなた荘に向かおうとしたが、目的地であるひなた荘には少なくとも2年近くは訪れていない。その為に断片的な記憶しか男には無い。それゆえに同じ様な場所を彷徨っている。それに加えて、現在の気温は30度近くはあり、一週間前までいた国が涼しい気候であった為、男の不快指数を上げている。因みに男の服装は、黒尽くめではなく、白いワイシャツにGパンを着ていて、右手にスーツケースと左手に1メートル以上ある長細いケースを持っている。




「………………………………………ん? あ、ここは見覚えがあるな。…………………ここをこう行って、ここをこう行けば………………………………………あったな、ひなた荘発見だ」


迷いに迷った先に、男の持つ断片的な記憶に当てはまる物が見つかり、それを辿っていくと、視界が広がり、正面に巨大な和風建築の屋敷が姿を見せる。そう、男の目的地である「ひなた荘」が、ひっそりと佇んでいた。




「うぃーーーす。婆さ〜〜〜ん、約束通り来てやったぞ〜〜〜〜。……………………………ん、留守か? ……………………………いや、感覚的には5人は居るはずだが、何もしらん住人だろうな。…………………ま、上がらせてもらうか」


男はひなた荘に入るなり、依頼人にを呼ぶが、出てくる気配はしない。仕方なく男は精神を集中させ、この建物に誰が居るかを探り始める。探り始めた結果、数人は確認したが、出迎えるてくれる気配はしない為、勝手に上がる事にした。




「えっと、こっちが201号室だから、こっちが婆さんの部屋の管理人室か……………………………お、あった、あった。 それじゃ、邪魔するか」


男が部屋に入るなり、持ってきた荷物を置く。少し整理したところで、ある事に気づく。その事とは………………………………


「そういや、ここって露天風呂があったな。……………………………少々時間は早いかも知れないが、久しぶりだからいいな♪」


露天風呂の存在である。男は、2年ほど海外を転々としていた為に、日本のように風呂に長くつかる事がほとんど無かった為、内心は入りたいと猛烈に思っている。その証拠が、語尾の♪マークだ。





カッポーーーン!


「久しぶりの風呂が、温泉で尚かつ露天風呂とは豪勢なもんだな〜〜。ここんとこだけは、婆さんに感謝してもしきれないな。まさに婆さん様々だな」


温泉に入るなり、男は気が抜けたようにだらけながら、今回の依頼人に感謝していると、



カラカラカラカラ、


誰かが、男が入っている露天風呂に入ってきた。


(ん? 誰か入ってきたな。だが、どうせここの住人だろうな。まあ、逃げんでも説明をすれば騒ぎにはならんか……………………………)




チャポン


「あーー、いいお湯だね〜〜」

「へぇ!?」


だが、男はここである間違いをした。何故なら露天風呂に入ってきた人物は、十代後半の髪の長い女の子であったからだ。そして男は、不覚にも驚きの声を上げてしまった。


「んー? どうしたのよ、キツネ? そんな声出すなんてアンタらしくない」


少女は、男が少女の知る人物だと誤認している為、男に近づいてくる。


(ここは、女風呂だったか? いや、確認はしたからそれは無いはずだが…………………それはこの際どうでもいい。さっさとここを離れなければ…………)


このままでは、いらぬ誤解をしてしまう為、直ぐにここを離れようとするが、


「あ、何処行くのよキツネ。………………………………ん? あ………」


少女はここにいるのが、自分と自分の親友であるか不安に思い、側に置いてあった眼鏡を取って、男の方をしっかりと見ると………………………………


「………………………………………」

「げっ、………………………………………じゃ!」


ここにいるのが自分の親友では無い事に気づき、少女の時間が止まる。男は、少女と同じように時間が止まるが、直ぐに元に戻り、その場から一目さんに消え去る。



「………………は! すぅーー、キャアアァァァァァァーーーーーーー、誰かーーーー!!!!! 痴漢!!痴漢!!痴漢よーーーーー!!!!



少女の時間が動き始めるとほぼ同時に悲鳴を上げるが、男は既に少女の側には居なかった。何故ならば、男は既に露天風呂にはおらず、脱衣所にて下の下着とGパンを掃き終える所だった。


「まったく、いい迷惑だぜ!! 寮になってるなら、こんな事はザラにあるだろうが、なのに何で痴漢扱いだ!! いい加減にして欲しいぜ!!」

「何やあんさん、見かけん顔やな? それに痴漢って何や?」


男がGパンを掃き終えると、同時に声がする。男が振り向くと、そこには先ほどの少女と同じ位の歳のショートカットの少女が立っていた。いや、今度の少女は、十分に女性といっても過言ではない雰囲気を持っていた。


「げっ、またかよ。」(呆)

「またって、なにがや?」

「いや、直ぐに分かるよ。じゃあな。」


男はワイシャツを着終わると同時に、脱衣所から駆け出す。女性は、なにが起こったか分からなかったが、


「ちょっと、キツネ!! 今ここを男が通らなかった!? そいつ痴漢なのよ!!!」

「何言っとるんや、なる? それにさっきの兄ちゃんが痴漢やて? そうは見えなかったけどな〜〜。なる、見間違いとちゃうか?」


露天風呂から出てきた少女(なる)の怒声を聞き、女性(キツネ)は理解した。だが、キツネ自身は男が痴漢だとは思えなかった。何故ならば、痴漢や覗きにしては堂々としているし、雰囲気が昔の知り合いに似ていたのだ。だが、


「何言ってるのよキツネ!! あいつは私の裸を見たのよ!!! 十分に痴漢でしょ!!」


なるの勢いには勝てず、男を痴漢として捜すはめになった。





一方、男の方はと言うと………………………………


「どうしてこんな目に遭わなければ、ならんのだろうか?」


何故こんな事に成ったのかを考えながら、旅館内を慎重に移動していた。これならば、気づかれる事もないだろうし、部屋に置いてきた荷物も直ぐに回収する事可能であったが、


「何やってるんや、にーちゃん?」

「うをぉ!!」


背後から声をかけられる。驚き振り向くと、そこには褐色の肌を持つ十代前半の少女が大きな桶を持って、不思議そうに男を見ていた。


「で、何やっとるん?」

「答えたくないな。だが、いずれ分かる」

「? 何言ってるか分からんけど…………………………」

褐色の少女は、男の言う事が理解できなかったが、





「こをぉらあぁぁぁーーーーー、変態痴漢何処に行った!!!!」

「何!! 痴漢ですと!!?? 何処ですか!!」



先ほどの少女であるなるが、大声を出しながら男を捜し回っている。そこにもう一つの声が加わる。声を聞いた感じかからは、真面目な古いタイプの人間が想像できた。少女はその声を聞いて、やっと理解した。


「にーちゃん、チカンなん?」

「違うと言いたいが、見方によっては言い切れんがな」(呆)


褐色の少女は男に質問するが、帰ってきた答えは理解できるものではなかった。男は、直ぐにそこから移動するが、


「もぉ。何の騒ぎですか?」


目前に、エプロンを付けた褐色の少女と同じくらいの歳の少女が現れる。だが、現れた時が問題であり、次の瞬間には男と正面衝突をするからであった。


「あ、しのぶ危ない!!」

「えっ、キャアアアア!!!


褐色の少女がエプロンを付けた少女(しのぶ)に危険を告げるが、間に合う筈もなく、しのぶは男とぶつかる為、悲鳴を上げるが、



ヒョイ…………………………………トス



「くう〜〜、大丈夫か?」

「えっ!?」

「おおーーーー」(パチ、パチ、パチ、パチ)


一瞬で男は上手くしのぶを持ち上げると、前宙を加えながら着地する。男が取った動作がとても上手かったせいか、褐色の少女は男に対して多くの拍手を送る。


「怪我は無いな?」

「えぇ、は、はい」(

「ならいい。じゃあな」


しのぶに怪我がないか確認すると、男はすぐさまその場を離れた。そして男が立ち去った直ぐに髪の長い少女のであるなると、木刀を持った袴姿の少女が現れる。


「あ、しのぶちゃん、大丈夫? あの痴漢に何かされなかった?」

「い、いえ、何もされてませんけど………………………………………」(

「いや、奴は痴漢だ。何もされない方が妖しい」

「ほんとやで〜〜、しのぶに怪我をさせないように、抱きしめるしな〜〜。結構かっこよかったで〜〜」


なると木刀を持った少女は、しのぶに対して何もされていないか聞くが、その聞き方は男がしのぶに対して何かをはたらいた事を決めつけるようなものだった。


「ん〜〜にゃ、あの兄ちゃんは、何もしとらへんで。それどころか、ぶつかりそうなしのぶを助けたしな〜〜」

ちょ、ちょっとカオラ〜〜」(真っ赤


褐色の少女(カオラ)は先の出来事を2人に話すと、しのぶは顔を真っ赤にする。その時は突然の事でどうでもなかったが、今考えてみるならば、とても恥ずかしいことだ。


「………………………………………素子ちゃん?」

「………………………………………はい。分かりました、なる先輩」


しのぶの真っ赤な顔を確認したなると袴の少女(素子)は、お互いを見ると、


「「やっぱり(やはり)、あいつは痴漢だ!!!」」


更なる闘志を男に向ける。







「ちっ、やってられるか!! んん? げっ、ここ物干し台じゃね〜か。少し戻るか………………………………あ!」


男は更に逃げるが、どうやら屋上の物干し台に出てしまったようだ。男が少し戻ろうとするが、そこには……………………………




「ふっふっふっふっふっ、もう逃げられないわよ〜〜〜〜」(激怒)

「神妙にお縄について貰おうか?」(怒)


「悪いな〜〜、兄ちゃん。この2人の押しには勝てんかったんや」

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさ……………」

「にゃはは、又あったなにーちゃん」


先ほど出会ったばかりの4人と、見覚えのある少女が立っていたが、その内の2人は、今にも攻撃して来るような迫力であった。


「ちょっと待て。俺はここの経営者である、婆さんの頼みでここに来たんだが、なんでお前らにこんな仕打ちを受けなければならないんだ?」


男がここに来た理由と、何故この様な事になった訳を聞こうとしたが、



「鉄拳パーンチ!!!」


ブヲーーーン!!!!


「うを!! ちょっと話くらい聞け!!!」 

「はっ!!!」



ショーウ!!


「ってまたかよ!!!」

「にゃはは〜〜」


バコ!!


「痛ってぇ!!」



いきなり、髪の長い少女(なる)が、男に対して殴りかかってきた。男は上手い具合になるの拳を避けるが、今度は木刀を持った少女(素子)が、木刀で斬りかかってきて、男は寸前の所で避ける。そして最後に褐色の少女(カオラ)の足蹴りが飛び、男に当たる。恐ろしくタイミングの良いコンビネーションだ。


「何で、私達がこんな事すかですって!? それはね、アンタが痴漢行為を行ったからよ。でもそれ以前にね、ここは男子禁制の契約アパートすなわち女子寮なのよ!!」





沈黙




「は?」

「聞こえなかったの!? ここはね女子寮なのよ!! 分かった!!!!」




「じょ、じょ、じょ、女子寮だ〜〜〜〜〜〜!!!! ちょっと待て、寮には成ったとは聞いていたが、女子寮などに成ったとは聞いとらんぞ!!!」



少女(なる)の驚愕の事実を突きつけられた、男は半径100メート以上に聞こえそうな叫びを出す。


「さぁ、大人しく警察に行って貰おうかしら?」(邪笑)

「ええ、そうですね。この様な軟弱者はそうした方が世の為です」(邪笑)


「ちょ、ちょっとなる? それはちょっとやりすぎじゃないんか?」(汗)

「そ、そうですよ、なる先輩。それはいくらなんでもひどすぎですよ〜〜」(泣)

「にゃはは〜〜、にーちゃん、大丈夫か〜〜?」(笑)


男と他の2人の意志とは関係なく、事を進めようとしたが、


「騒々しいな、いったいどうした?」


そこに男の思いもしない人物が登場した。その人物とは………………………………………


「あ、寮長。痴漢が出没したので、これから警察に突きつけようと思うんですけど………………………どうしたんですか、寮長?」






「えっ! は、はるか!!??」

「に、兄さん…………………………景斗(けいと)兄さん………………………」


男(景斗)の義理の妹である、「浦島 はるか」であった。



「………………………えぇ〜〜〜っと、お知り合いですか、はるかさん?」


なるが、はるかに話しかけるが、答えは返ってこず、はるかは沈黙を守っていたが、景斗がいきなり走り出した。だがその先はなんの足場もなく、ただの悪あがきだと、なると素子は思ったが、目の前を黒い影が信じられない速度で通りすぎた。その影とは……………



「逃がすとでも思ってるのか、兄さん!!」


バゴォ!!



はるかであり、景斗の腰にヘッドダイビングを喰らわし、尚かつ景斗の腰に抱きついた。


「ぐはぁ!! は、離せはるか!!」

「離すもんか!! 離せば兄さんは逃げるだろが!?」

「あったりまえだ!! いいから離せ!!
(ドゴァ) ブハァ!!


ガク!!



景斗の脇腹を強打して景斗の意識を飛ばしたはるかは、景斗を肩に担ぐと、物干し台を後にしようとしたが、


「あの〜〜〜、はるかさん? そいつを一体どうするんですか?」


なるが、おそるおそる聞いてくる。他の4人でもなると同じ質問をするだろう。


「ん? ああ、ちょっと個人的に聞きたい事があるからな。なる、悪いが1時間くらい経ったら、ロビーに集まってくれないか?」(邪笑)


はるかはそう言うと、軽い足取りで気絶した景斗と共に消えていく。その時にはるかの浮かべた邪笑に、残された5人は気づく事もなかった。



続く



後書き

以前書いた「ラブひな」のSSの改訂版です。感想は、これから連続で記載される話の方にお願い致します。モアイ

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