ここは東京タワー展望台室。1人の少女が、町を眺めていた。
もうすぐ夕方。彼女は、ここから夕焼けを見ようとじっと待っていた。
シュ
「え?」
(なんか今、見えた?)
いきなりの出来事に、彼女は、目をこする。
今一瞬、ガラスの向こうに、赤いバンダナを巻いた小年が、下から上へ飛んでいったのを見たような・・・?
(疲れてるのかな?)
昨日、日本についたばっかりで、今日は朝から東京見物。ラストに夕焼けを見て終わろうと思い東京タワーに上ったのだが・・・。
(少し、はしゃぎすぎたかな?)
こすり終えた彼女の目に入ったのは、夕焼け。
今、この瞬間、太陽が、一日の役目を終え、沈もうとする。
(綺麗な夕焼け。)
彼女は、夕焼けを見てつぶやく。
「「昼と夜の一瞬のすきま短い間しか見れないから、きれい」」
少し時間は戻り、場所は変わってここは展望台の上。
一般人は、立ち入り禁止のこの場所で横島は、夕焼けを待っていた。
(相変わらず馬鹿やってるけど、俺は元気だぞ。
美神さんには、セクハラして殴られ、依頼人をナンパしては、殴られ、美人の幽霊に興奮しては殴られてるけど・・・・・。)
「それでも俺は元気だ。」
口に出した方が、届く気がした。
夕焼け。
ゆっくりと落ちる太陽を眺めながら横島はつぶやく。
「「昼と夜の一瞬のすきま短い間しか見れないから、きれい」」
「よく言ってたよな、おまえは。」
横島の目に涙がたまる。
「ごめんな、約束守れなくて。夕焼け百回でも二百回でも見ようって言ったのに。」
涙が、落ちる。
「でも来世では、俺の子供として生まれてきたら、絶対幸せにするから。
この約束だけは、絶対、守るから。」
涙をぬぐい、ニカっと笑い、
「だから、待っててな。ルシオラ。」
太陽が沈んだ。
〔飛〕〔翔〕の文殊を取り出し、
「またな。」
少女が、東京タワーから出て、ふと空を見上げると、もう真っ暗。
明後日から新しい学校に通うことになる。少しドキドキする。
(新しい友達ができたらいいな。)
そして、
どんな人だろう?
「横島・・忠夫さん」
〔あとがき〕
はじめて小説を書きます。義王(ぎおう)といいます。
みなさんの作品を読んで、「俺も書きてーーー」と思い書きました。
下手なりに、一生懸命書きますので、よろしくお願いします。
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