なんだろこれ………やわらかくてずっと触ってたいな……
「あ……公君ったら朝から激し……あんっ」
…………なんか目が覚めてきた………………はぁ、またか………
僕は勢いよく布団から飛び出しなぜか横にいる幼馴染の女の子に向かって叫ぶ。
「詩織!何度言ったらわかるんだよ。朝、ベットに潜り込むのはやめてって言ってるだろ!」
「あら、公君。朝に潜り込んだんじゃないわよ」
詩織がベットからゆっくりと起き上がり僕に色気たっぷりの視線を向けて喋る。
「昨日の夜からずっとだもん……」
「余計に悪いわ!!」
「ああ……公君って相変わらずいい匂い………」
僕の声を無視していきなり抱きついて匂いをかぐ電波幼馴染。
「人の話を聞けええええ!!」
どうやら今日も僕の幼馴染は絶好調のようである。
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愛すべきは幼なじみ?
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「いい加減にしてよ、今度やったら本当に怒るからね」
「うん、ごめんね公君」
リビングで朝食をとりながら隣でにこにこして僕を見ている詩織に警告する。
その顔に反省の色がまったく見られないのが非常に気になるがとりあえず朝食を優先する。
「ねえ公君、いよいよ今日から高校生だね!」
「……ああ、そうだね」
食事中なのにお構いなしにどんどん喋りかけてくる。
「私……公君と一緒のクラスになりたいな〜、公君だってそうでしょ?」
「……いや別に」
なぜか椅子を近づけ頬をなでなでする詩織。目がなんかうっとりしてる。
「もう、公君ったら素直じゃないんだから……でもそこが可愛いのよね〜」
「いや、本音なんだけど…」
「ふふ、もう食べちゃいたいぐらい可愛いわ………」
目が怖いです、詩織さん。
「うふふ、うふふふ………」
「……………………………」
しばらく僕は彼女のされるがままになっていた。
「公!いつまで、ご飯食べてるんだい。始業式に遅刻するよ!」
母の声が響く。我に返り時計を見るとすでに8時5分を指していた。
ここから僕の行くことになるきらめき高校までは徒歩で20分ぐらいはかかる。
「もう、詩織のせいでご飯食べる時間なくなっちゃったよ!」
テーブルにはまだ6割ぐらい残っている朝食があるがもう諦めよう。
「詩織ちゃん!公の事頼んだよ。」
「もちろんですわ、お義母様」
満面の笑みで母に返事する詩織。
何故か母の中ではいつからか僕と詩織は恋人同士ということになっているらしい。
僕はそんな事実は一切無いと訴えたがあえなく却下された。
母公認となってから詩織は、ほぼ毎日僕の部屋に忍び込み今朝のような事を繰り返してきた。
僕としても詩織と寝る事は嫌いではないというかむしろ気持ちいいし好きなのだが
一度許してしまうとそのままイク所までイッちゃいそうなので表向きは頑なに拒んでいる。
僕は詩織と一生を共にする気などまったく無い。もっとまともな子と付き合いたいのだ。
「さ、公君行くわよ(はーと)」
僕より3センチ背が高い詩織は僕の腕を抱いて玄関へと向かった。
…………まあ嫌いじゃないんだけどね(腕に伝わる感触を味わいながら
「ねえ、詩織…」
「なあに、公君?」
学校へと歩いている僕と詩織だが気になる事があるので言う。
「腕……離してくれない?」
「だ〜め。公君はずっと私と腕を組むの。」
もうすぐ学校だというのに腕を離してくれないのである。
今後の学園生活を考えるとこんな状態で学校に向かうのはやめた方がいいだろう。
「もう、いい加減離してよ!」
「ぶぅ〜わかったわよ〜」
語気を強めて言うと本当にしぶしぶといった感じで腕を離す詩織。
ふぅ……なんとか誰かに見られる前に離してくれたか。
「どうして腕組んじゃだめなの〜?」
「どうしてって…恋人同士って思われたら恥ずかしいよ……」
そう、僕と詩織は恋人同士じゃないのだ。それなのにいきなりあんな所見られたら
恋人同士じゃないって言う方が無理がある。
そんなことになったら彼女が作れなくなるじゃないか!!
「だったら問題ないじゃない、私達恋人同士なんだから(はーと)」
そういって再び腕を取る詩織。
「いつから僕と詩織が恋人同士になったんだよ。」
強引に詩織の腕から逃れ言い返す。
「決まってるじゃない。生まれた時からよ。」
もう一度腕を取り返す詩織。なんだかすっごい笑顔。
「僕は生まれてからずっと一人身のつもり……なんだけどね!」
かなり強く持たれている腕を思い切り力を込めて取り戻した。
「照れ屋なんだから公君は。でもあんまり意地悪言ってると………おしおきしちゃうわよ(はーと)」
「………………………………」
勝負有り 藤崎詩織 1R45秒 貫録勝ちです!
僕の頭の中にそんな言葉が浮かんできた。
「詩織〜僕のクラス何処かわかる〜?」
「ん〜ここからじゃよくわからないわね。ちょっと見てくるから待ってて公君」
ようやく学校にたどり着いた僕らはまずクラス分けが掲示されている場所に向かった。
道中時間が少しかかったせいか既に多くの生徒や保護者らしき人達で溢れ返っていた。
ちなみにその中でも僕らは結構な注目を浴びてしまっている。
結局あのまま詩織に押し切られて腕を組んだまま学校に入ってしまったからだ。
いわゆる嫉妬が篭った怖い視線を僕はずっと感じ続けている。
なんてったって僕の隣にいるのが詩織だからね。正直こうなるとは思ってた。
成績優秀スポーツ万能なんていうありがちなフレーズに完璧に当てはまる(性格は別)上に
容姿まで完璧で中学時代は正に学園のアイドルだった。
そのせいで僕もこういう視線を三年間浴び続けてたんだっけ……
嗚呼、せっかく高校になってやり直せると思ってたのに……
今度こそ彼女が作れると思ってたのに……いや、諦めるのはまだ早い!
幸い詩織が掲示板を見に行ってくれたおかげで視線は結構向こうに流れている。
この隙に逃走……したら後で詩織が怖いから却下として……
せめて!せめてまた腕を組まれたりするのだけは避けよう!うん、これしかない。
なんて事を一人決意してると詩織が凄い勢いで帰ってきた。
「公君やったわ!!私達同じクラスよ!やっぱり私達は運命で結ばれてるのね〜!」
言うが早いか抱きつくが早いか。ともかく僕の計画は2秒で破綻した。
「し、しお…わかった、わかったから離して!」
「これで一日中公君とらぶらぶできるわね!」
「恐ろしい事を言うなああ!!」
こんな感じで僕の高校生活は始まってしまった。
3年間にも及ぶ人生において最もといってもいいぐらいの大事な日々。
いったいこれからどんな事が僕を待ち受けているのだろうか。
僕にはほとんど予想もつかない。
ただ一つだけわかっている事といえば………
「公く〜ん(うっとり)」
「いい加減離れろ〜〜〜!!!」
なかなか乱れた日々になりそうって事ぐらいかな(遠い目
初めて投稿させていただきます真空ワカメです。
ときメモはやった事ないんですがときメモSSは大好きなので書いてみました。
かなり変な文になってると思いますが生ぬるい目で見てください。でわ。
………これは壊れに入るのだろうか(汗
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