痛む身体を引きずり、必死に叫ぶ。
しかし声は届かない。
必死に伸ばした手も……
想いすらも……届いてはくれない。
それでも必死に叫び続ける。
それでも必死に手を伸ばし続ける。
それでも……ずっと思い続ける。
「烈火にいちゃーん!!!朝だよー!!!!」
腹に思いっきり衝撃を受け、ぼんやりとしていた意識は鮮明になる。
それと同時に痛みが襲ってくる。
「うがっ」
軽く痙攣する身体。
「ん?烈火選手!ダウンかー!?」
「ひゃっほーい!!俺がチャンピオンだーい!!」
顔を上げると、そこには元気に飛び跳ねている小金井と父親の姿がある。
「……」
「?」
痛む腹を押さえ、烈火はゆっくりと立ち上がった。
いつもならば寝起きでもパワフルに構ってくれる筈なのに……どうも様子がおかしい。
それに気がつき、小金井はすぐに烈火の元へと駆け寄った。
「烈火兄ちゃん?どうしたんだよぉ」
心配そうに見上げる小金井、片手には鋼金暗器。
武器を持っている手にはしっかりとバンダナが巻かれている。
烈火は目の前に居る小金井の頭を軽く撫で、笑顔を浮かべた。
「小金井」
「……何?」
「朝から何すんじゃーい!!!」
「ぎにゃー!!!!」
烈火は小金井の首に自分の腕を巻きつけ、思いっきりしめた。
一応死なない程度に手加減しつつ。
父、茂男はそんな二人を見て。
「おぉっと!!小金井選手!ファイアー烈火の地獄のチョークから抜け出したぁ!!」
延々と実況をしていた。
次の瞬間、陽炎のフライパンによって朝のプロレスごっこは幕を下ろした。
「ご飯ですよ」
「「「はーい」」」
この三人、血の繋がりは無いのだが……かなり思考回路が似ているかもしれない。
漆黒の闇の中、炎が踊る。
ゆらりゆらりと円を描き、ゆっくりと形を作る。
一つは少年に。
一つは少女に。
一つは青年に。
一つは女性に。
『上手く戻れたようだな』
髪の長い青年が呟く。
それに小さく頷く少年。
『……残りはどうした?』
『もうしばらく出番は無いだろーから寝てるってさ』
その言葉に小さく溜め息をつく。
軽く頭痛もする。
『炎になっても……性格は変わらないな……』
『変わったら楽しくないもん☆』
そう言って楽しげに微笑む天使。
その笑顔を見て女性は苦笑する。
『貴方は楽しそうね』
『うん!だって皆の力になってあげられるし、それに……』
烈火君と一緒に居られるもん。
★感想有難うございます。
なんか……続いちゃいました。てへv
原作片手に書いてますが、こうして見ると……文章にしずらいよぉな……しやすいよぉな。
なんとも不思議な感覚です。
九尾様>どのへんのシーンかと言われると……オリジナル?一番最後?
少し首を傾げてしまいます(自分の話なのに)
皇 翠輝様>た、楽しみにされてしまいました!!
烈火の炎の逆行ネタが無いか探したのに無かったので……書いてしまいました。
本当に一体何があったんでしょうねぇ?
shin様>き、期待されてしまった!!(しつこい)
それは今回を見て分かってくださると嬉しいです!
……二十二巻ですね!!
カットマン様>それは禁句です!!思っても言っては……
けど作品自体がパクリと言われてゲームまで……
はっ!!!いかん!!罠に嵌ってしまった!!!
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