それはもしかしたらの物語……
IF 烈火
目の前が真っ暗になっていた。
一体自分が何処に居るのか……
一体自分が何をしているのか……
それらが全く分からなかった。
理解出来なかった。
理解したくなかった。
「何だよ……これ」
やっと出せた声は掠れ、自分でも上手く聞き取れなかった。
数回瞬きし、自分の周囲も視覚に入ってきた。
そこには……倒れている自分の仲間達。
そして……守りたかった人。
思い出さなくては。
嫌だ、思い出したくない。
何故?
嫌だ。嫌だ。嫌だ。
凍りついた心で考える。
「お前も来るか?」
そんな時に聞こえた声。
一体誰?
顔を上げると……そこには仮面の男が立っていた。
見覚えのある顔。
だが思い出せない。
「今まで一度も立ち止まらず走り続けてきたお前が……こんな所で終わるのか?」
「私は一度も立ち止まらずに来た」
「お前は……ここまでか?」
その言葉に答えず、ゆっくりと腰を上げた。
仮面の男の後ろには……巨大な穴が空間に空いていた。
「立ち止まるな、我らのように……」
その肩には美しき炎の天使が微笑んでいた。
今までの道のりには沢山の犠牲もあった。
それでも……立ち止まりはしなかった。
「……分かってるよ……それ位」
そう呟き、ゆっくりと口元を上げた。
凍っていた心を自らの炎で溶かしていった。
『ようやく、烈火らしくなったじゃんよ』
そう言って一人の炎が笑った。
『ふん、お前が沈んでいては……話にならないからな』
『そうそう、兄ちゃんはそうで無きゃね!!』
『全くだぜ!!』
『行きましょう、烈火!』
それに答えるように他の炎も肩を叩いた。
一番後ろへ視線を向け、小さく微笑みを浮かべる。
そこには優しい微笑を浮かべた天使が浮いていた。
『行こう!烈火君!!』
「あぁ!!行こうぜ!!姫!!」
差し出した手を掴む天使。
その後を追いかける炎達。
大きな穴は、一同を飲み込み……ゆっくりと消えていった。
★久しぶりに烈火を読んだりゲームをしたりしたら……書いてしまいました。
これのアニメは中途半端な所で終わっていたので切なかったのを思い出しながら書いてました。
意外に声優さん豪華なんですがねぇ……(遠い目)
ん?これって続くのか?
もしかしたら続くかもしれないが、これで終わっているかもしれない……
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