第一話・蒼月の夜に
今日は週末、楽しい花の金曜日(死語)
仕事に疲れたサラリーマンやOLが、命の洗濯のためにネオン輝く繁華街に繰り出している。
が・・・・ここですでに一時間も裏帳簿と睨めっこしている少年・横島忠夫には休暇という二文字は遠い。これも、事務仕事を彼に押し付け海外旅行へいってしまった上司の所為なのだが。
他のメンバーはどうしたのか?
シロとタマモは一緒に里帰り、おキヌも友人と一緒に2泊3日の小旅行へ行ってしまったのだ。
よって現在のところ、自分しか頼れるものがない状態なのだった。
「ちくしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!なぜに俺だけがこんな酷いめにあわねばならんのじゃぁぁぁぁあ!!」
叫んでも誰も助けてくれるわけはなく、虚しさが積もるだけで・・・いや、最高神も彼の不幸を嘆いて幸運の女神・・・もとい、戦乙女を連れてきたようだ。
「あまり大きな声で叫ぶな。近所迷惑だぞ」
「ワルキューレ・・・」
空に輝く蒼月を背に従え、窓辺に腰を下ろしている姿が美しくて、横島は一瞬見惚れてしまっていた。
「な、なんだ!!人をさっきからじろじろと!!」
「い、いや・・・綺麗だなと・・・」
ズガガガガガガガガガガガガガガ!!(MKマシンガン)
ズキューン!!ズキューン!!(ベレッタ)
ドコォォォォォォォン!!ドコォォォォォォォォン!!(デザートイーグル)
一時間ほど銃声が鳴り響き、応接間の壁は穴だらけになっていた。
「こらぁぁぁぁぁぁ!!何で、誉めたのにこんなふうになるんじゃぁぁぁ!!」
「うるさい!!不謹慎な言葉を吐いて、私を惑わせようとするからだ!!」
ワルキューレは動揺しているのを隠すかのように、また銃を構えた。(実際には少し顔が赤かった)
そんなワルキューレをこれ以上怒らせるのは得策ではないと判断し、横島はまた書類と睨めっこを再開した。さっさと自分から離れた横島に、なぜかわからないが胸に煮えたぎる熱い思いを感じてワルキューレは怒鳴った。
「貴様!!人がこうして来ているのに何の会話もなしか!!」
「悪い。でも、この書類整理が終わらないと美神さんに時給下げられちゃうんだよ。お前に手伝わせるわけにはいかないし、もう少しだけ待ってな」
「貴様、私が重火器にしか能がない戦争マニアだと思っているのか!!」
「す、すまん・・・」
「ええい!!知らん!!」
怒りをあらわにしてソファーに踏ん反り返るワルキューレにお茶を出すと、横島は最終チェックを始めた。
『何をやっているんだ!!私はバカかぁぁぁぁぁ!!書類整理ぐらい付き合ってやると言えば、怒らずにすんだだろうが!!
はあ・・・横島よ。お前はそんなに私が怖いか?確かに軍人としていくつもの戦場を駆け抜け、女らしいことなど料理と洗濯、家事全般ぐらいしかできないが言ってくれれば簡単な夜食ぐらい作ってやるぞ?何なら軽く乳でも揉ませてやろうか?って何を考えているのだ?!』
熱い緑茶を啜りながら、心の中でおもっいきり動揺しているワルキューレであった。
と、書類整理が片付いて一息ついた横島が叫んだ。
「終わったぁぁぁぁぁぁ!!それでも時給は変わらない・・・・」
肩を少し震わせてワルキューレは言った。
「まだなのだろう?夕食。軽く作ってやる・・・・感謝しろ」
奇跡のような雰囲気だ。
毎度のことながらワルキューレの家事能力の高さには驚かされてしまうが、それよりもこうして向かい合って食事をしていることが天からの贈り物のように横島には感じられた。
「で?美神はいつ帰国する予定なんだ?」
「ん?ああ・・・ラスベガスが目的地だって言ってたから、がっぽり稼いでこない限り帰ってこないだろうな」
「くだらん・・・金ぐらいいくらでもあるのだろう?」
ワルキューレは、箸を進めながらこの前のことを思い出していた。
数日前のこと・・・・
「横島・・・お前、魔界の軍人になるつもりはないか?」
横島は次の瞬間、缶ジュースを吹き出しそうになって激しく咳き込んだ。
「な?魔界の?!」
「うむ・・・知ってのとおり、魔界の軍人は皆がエキスパートだ。それは、魔界全体が実力社会であるからに他ならない。その意味で、横島、お前の能力は魔界軍総本部でも高い評価を得ている。どうだ?私と一緒に・・・」
「断る」
「な?!」
ワルキューレは耳を疑った。
総本部の評価を受けるということはかなりの信用であり、その将来は約束されたも同然。この惨めな暮らしから抜け出すチャンスだというのに!!
「なあ・・・俺の能力を高く評価してくれてるって言うのはうれしいよ。でもな、何か大事なことを忘れてないか?」
「・・・・神族過激派のことか!!」
横島はうなずいた。アシュタロスを倒すために横島は今は亡き恋人、ルシオラの持つ“魔族の因子”を取り込み爆発的な能力UPに成功した。
だが、それは同時に人間から遠ざかることでもあったのだ。更に、人間がそんな力を持っていることが知られればとんでもない大事に発展する恐れもある。
「し、しかしそれは最高指導者様に相談すれば何らかの対策を考じられるはずだ!!」
「ワルキューレ・・・人間である俺が出現して出世したら、魔族は嫉妬するんじゃないのか?いや・・・殺意すら抱くかもしれない。新参者の出世を喜ぶほど、大人な奴が魔界には存在するのか?」
その答えは・・・否である。
横島の言うとおり、魔族も嫉妬する。それが人間界から来た新参者ならば、なおさらだろう。
「しかし・・・」
「ワルキューレ・・・・お前の気持ちは嬉しいよ。でも、とんでもない大事に発展したとき、お前やジークを巻き込むわけにはいかないよ」
「横島・・・・」
それで話は終わっていた。
だが、ワルキューレはあきらめきれなかった。
夜、想像してしまうことがある。横島がいて自分がいる温かい家庭の風景を。横島が子供を膝のうえに抱いて絵本を読み聞かせていたり、二人で旅行に行ったり。
弟に話したことはないが、自分は横島忠夫を心から愛している。求められたら、身体さえあずけてしまうだろう。それぐらい愛している。
「ところで・・・お前ジークはどうしたんだ?それに、小竜姫様に頼まれていた重要書類の作成とかは?」
「ん?ああ・・・それだったら“ゲームジャンキー猿”に預けてきた。最新ゲーム予約得点つき3本で快く了承してくれたぞ」
「おい・・・斉天大聖をそんなふうにしてもいいのか?」
「さあ?何かあってもジークが“優しい姉”のために何とかしてくれるだろう」
横島は書類作成に追われて、ちっとも休めない二人を想像してかわいそうになってしまった。
まあ、そのおかげでワルキューレの料理を独占しているのだから感謝しないといけない。
「ふう・・・それにしてもお前の作る料理はうまいよな。これが毎日食べられたら最高なんだけど・・・・・な」
ゴットォォォォォォォン・・・・・
ワルキューレは茶碗を取り落とした。
「な、ななな!!何を言っているんだ!!軍人である私にそんな暇があると思うのか?!」
「そんなに激しく言い返さんでもええやんか!!毎日カップ麺で命を繋ぐ俺には、こういうことはほとんどないんやぁぁぁ!!おキヌちゃんと小鳩ちゃんが鉢合わせしたりしたら、空気が凍って氷河期みたいになるんだぞ!!落ち着いた雰囲気で食事するのがええんや!!」
横島の爆弾発言に、ワルキューレは真っ赤になってしまった。
横島もワルキューレのそんな表情を見ているうちに、胸の鼓動が聞こえるほどドキドキしていた。
そのまま何も喋らずに食事を続ける。
「「ご、ごちそうさまでした」」
完璧なユニゾン、シンクロニシティだ。思わず顔を上げると目が合ってしまった。二人とも顔が真っ赤になっている。
ガタン!!
ズズズズッ!!
「じゃ、じゃあ!!俺、帰宅の準備しないと!!」
「わ、私は食器を片付けないと!!それから、弟に連絡を!!」
二人は同時に動き出そうとして、床にすっ転んでしまった。
「あたぁ!!」
「おわぁ!!」
気がつくと、何だか大変な体制になって転んでいた。横島が上で、ワルキューレが下。イヤン♪イヤン♪これが青春なのよぉぉぉぉぉぉ!!
ワルキューレはパニックになっていた。
おかしい!!自分はどうしてしまったのだろう?
いつもならここで銃を突きつけ、蜂の巣にする勢いなのに身動きひとつできないなんて・・・・
ワルキューレは思わずうつむいて、スーツの下からでもはっきりわかる豊満な胸を、両手で庇うように隠した。
この構図・・・・さながら深夜ドラマで見た光景にそっくりだった。
姉が昔付き合っていた男性に恋をし、男性のマンションで思い切って自らをさらけ出したあのヒロインのような・・・・・なんだったかな?タイトルは?
顔を上げると、同じように顔を赤く上気させた横島が自分を見つめている。心成しか肩が少し震えていて、瞳が潤んでいるように見えた。
横島はワルキューレの肩を抱き寄せた。
ワルキューレも瞳を閉じて、その瞬間を待った。
「「はあ・・・っ!!」」
互いの息遣いが一瞬聞こえて、唇が重なり合った。
そしてその瞬間、二人の運命は決定した。
ワルキューレの腕が横島の背中に絡みつき、横島の腕もそれに習う。
ワルキューレのしなやかな肢体が、横島の腰を捕まえた。
口付けが互いの口膣を舌でいやらしく舐めまわし、離れると銀色の橋が出来上がっていた。
横島の手がスーツの上から胸を捏ね回すと、ワルキューレは突然の快感に身体を糸のように張り詰めさせる。横島は彼女を落ち着かせるように、また、熱い口付けを交わした。
気持ちいい。
気持ちよくてたまらない。
私はこんなにもいやらしい女だったのだろうか?
腰が横島のペニスを求めるように、蠢いている。
いや、これは横島の前だからこんなになるんだ。
なら全て曝け出してしまいたい!!
「うあっ!!はあぁん!!」
俺の身体の下で、ワルキューレがかわいい声で鳴いている。
はっきりとした快感を示すような、かわいらしい鳴き声。
唇を交わしたままじゃ触ることもままならない。
それでも、これを逃してしまったらワルキューレがどこかへ行ってしまいそうで怖い!!
こんなスーツの上から触っているのに、ワルキューレの胸は俺の指を押し返すくらい弾力がある。
それに、ワルキューレの腰の動きは本当に淫らだ。
いつもの彼女からは想像もつかないほど・・・・
そんな彼女を感じるたびに、俺のペニスがどくどくと脈打ちながら膨らんでいく。
熱い!!熱すぎる!!
擦りつけるヴァギナの中に、横島の引き締まったペニスが脈打っている!!
ヴァギナの裂け目が広がるたびに、そこから大量の愛液が流れ出す。
欲しい!!もっと欲しい!!
横島ぁ!!私をめちゃくちゃにしてくれぇっ!!
駄目だ!!もう止まらない!!
最後の瞬間が近づくにつれ、俺は叩きつけるように腰を振った。
それでも、それでも足りなくてワルキューレの腰を強く引き寄せる。
ワルキューレが、獣のような声を上げている。
彼女が俺の動きに答えて肢を絡めた瞬間・・・・・!!
「うっ・・・うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁああっ!!」
「い、い、いくぅぅぅぅぅう!!」
いっちゃた・・・・・
横島に犯されていっちゃった・・・・!!
横島のペニスが布地ごしに、脈打っているのがわかる。
気持ちいいの・・?
私のでいって、気持ちいいの・・・?
うう・・・
か、かわいい!!
そんなふうに見つめられると、また膨らんでしまう。
また、何かを期待してるような、何も知らない少女のようにワルキューレが俺を見つめていた。
横島の瞳を見つめ返す・・・・綺麗・・・
一回気持ちよくなったから、もう、あんなに自分を苛むようなことはない。
ああ・・・どうしよう・・・
見つめられていたら、いけない場所からまた溢れ出してきた・・!!
おかしいよ・・・私
変になっちゃったのかなぁ・・・横島ぁ?
やれやれ・・・・俺の限界はどこにあるんだ?
ワルキューレに見つめられていると、逆に罪悪感を感じてくる。
腕のなかのワルキューレは信じられないくらい小さくて、抱きたい気持ち以上に愛しく思えて、また、キスを交わした。
桜色の唇に舌を這わせて、甘噛みすると、彼女はふるふると震えながら身体を預けてきた。
抱きしめられている彼女があんまり愛しくて、絶対に離したくないと思った。
ああ・・・・た、たまらないよ
横島、いいよ。
たくさん、たべて。
よく味わって。
身体中、全部あなたのものだから。何もかも食べ尽くして欲しいの・・・
だから、横島のも食べさせてね・・・・
「はあ・・・」
ま、また熱くなってきた!!
駄目!!助けて!!
服の中に熱がこもっているようで、私は横・・忠夫に呼びかける。
「ねぇ、忠夫・・・・服・・・脱いで・・ねっ?」
ここまでいって私は気がついた。
裸になるということは、直に忠夫に抱きしめられてしまう。
男女の営みがどういうものか知識として知ってはいたが、具体的なイメージは写真のように浮かんではこなかった。
でも・・・今は、はっきりとわかる。
肌を通してお互いの熱さを感じること。
とても・・・とても・・・気持ちよくて、恥ずかしいこと。
私は何も言えずに、下を向いてもじもじしてしまった。
「ねぇ・・・忠夫・・・服・・・脱いで・・ねっ?」
ワルキューレがうつむいた理由は、すぐに理解できた。
彼女は、俺に抱いてもらいたいんだ。
なんだか・・・すごくもったいない気持ちになる。
でも、俺は彼女の気持ちにこたえてあげたい!!
俺は着ていたTシャツを脱ぎ捨てると、肌をあらわにした。
私の前で忠夫の肌があらわになった。
私は、思わず顔を覆ってしまう。
指の隙間から覗き見ると、長い間の戦いで引き締まった無駄な脂肪が除去された細身の身体が眩しかった。
忠夫はジーパンと一緒にトランクスを降ろした。
振り出される忠夫の引き締まったペニス。
さっき出した精液の臭いにまみれて涎をたらしながら自己主張するそれを見たとき、私ははしたなくも生唾を飲み込んでしまった。
立ち上がる雄の臭いに、私の頭はくらくらしていた。
「なあ・・・・ワルキューレも脱いで」
「・・・・」
「脱がないと、できないよ?」
「は、恥ずかしいから・・・!!た、忠夫が脱がせてぇ!!」
ワルキューレは悲鳴のように叫んだ。そして、身体を震えさせながら縮まってしまう。
忠夫はそんな彼女が愛しくて、優しく抱きしめた。そして、唇を優しく味わいながらスーツを脱がせていく。脱がせてしまうと、美しいラインと愛液に濡れた挑発的なショーツが眼前に現れた。
俺は、彼女を優しく抱きしめる。
そして、ショーツの上から濡れきったヴァギナを撫ぜまわした。
ワルキューレは待ちきれないように、尻を振っていた。
続く・・・・
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