忍法魔界転生によって復活を果たした後、ヨコシマとの間に二人の子供を授かりました。
お陰さまで自家も購入し、まったりとした日々を送っております。
…
……
………
…………
いえ、正直になりましょう。実は子供たちが毎日何がしかの騒ぎを起こすのです!
〜とある日〜
昼前の柔らかな光が、ダイニングキッチンを満たしていく。
そんな中で、ミセス蛍子はゆったりとお茶を楽しんでいた。
「………ふぅ〜〜……いいお天気。今日は何かいいことがありそうね♪」
−ちゅど〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んっ!!!!
突如リビングから鳴り響く爆発音。
「な!何が起きたの!?」
リビングへと急ぐ蛍子。そこで目にしたものは…。
「「あ、やっば〜〜……」」
見つかっちゃったという表情をするタダヨとタダキチ。
そして、煙を吹く機械が一台。
「きゃああああ〜!!て、テレビが。テレビが〜〜〜〜〜!」
蛍子が悲鳴を上げたのも無理はない。
先日、満員のカーネギーホールの舞台でぶっつけ本番で踊る覚悟で購入したばかりの三十二型プラズマテレビが滅茶苦茶になっているからだ。
「タダヨ!タダキチ!これは一体何!?」
「「見て解らない。壊れたテレビだよ」」
「テレビが壊れたのは見れば解ります!」
「「見て解るなら聞かないでよ〜〜」」
−ハーーーーーーーーーッ
蛍子が拳骨に息を吹きかけ始めると、おちょくるように誤魔化していた二人も焦りだす。
「えーと、だからねママ。この間買ったばかりでしょ。珍しくてタダキチ兄様と色々遊んでたのよ」
「機能も沢山で、リモコンもボタンが多くて凄いねってタダヨ姉様とあっちこっち押していたら…」
「「ぼかん」」
「うぅ…ど、どうしてリモコンをいじるだけでテレビを爆発させることが出来るの?あんた達には………負ける」
「ありがと」」
「褒めてません!一体これどうするつもりなの!パパに知れたら怒られるわよ!」
「パパだったらへーきだもーん。ねータダキチ兄様」
「おねだりすれば又買ってくれるもーん。ねータダヨ姉様」
確かに、二人にゲロ甘の横島ならまた買い与える可能性は大だ。
しかし、そんな親を舐めきった態度に、蛍子の怒りが爆発した。
「いい加減にしなさい!お金を稼ぐことがどれだけ大変なのかあんた達はまるで解ってないわ!今日という今日は許しません!」
「あんた達二人、働いてテレビを弁償させることにします!」
「「ええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?」」
〜魔法料理店『魔鈴』〜
「……成る程。蛍子さんが二人にお手伝いをさせて欲しいといってきたのは、そういうことだったの」
「「よろしく〜」」
店主:魔鈴めぐみに挨拶するタダヨとタダキチ。
「で、めぐみお姉さん。あたし達は何をすればいいかしら?」
「動物を絞めたり捌いたりするのなら、僕達大得意だよ」
「う〜〜ん。ま、子供のあなた達にはどうせ大したことは出来ないから、とりあえずお外でお店の宣伝とお掃除でもしておいてちょうだい♪」
−むかっ×2
“思ったことをそのまま口にしてしまう”魔鈴の物言いに、向かっ腹を立てる二人。
「聞いた?タダキチ兄様!ずいぶん舐めたこと云ってくれるおばはんよね」
「そうだね、タダヨ姉様。ま、客引きをしろというんだからしてやろうじゃない」
〜往来にて〜
「「こんにちは〜。お兄ちゃん♪」」
「え?お、俺?」
フリフリのエプロンドレス風制服に身を包み、通りがかりの男に声を掛ける二人。
(タダキチは長髪のカツラまで被る徹底ぶりだ)
「あたし達、この魔鈴ってお店の宣伝をしているの。お兄ちゃん♪」
「おいしい料理と真心で、おもてなししますわ。お兄ちゃん♪」
「え?いや、いきなり呼ばれても…」
「「お兄ちゃんに……来て欲しいな」」
全く同じ顔の“美少女”達に左右からすがるようにおねだりされて、男は堕ちた。
「行くぜ!」
「「は〜〜い。お客様ごあんな〜〜い」」
「「こんにちは。お姉さま」」
「え?あ、あたし?」
凛々しいタキシード風の制服に身を包み、通りがかりの女に声を掛ける二人。
(タダヨはウィッグを被り長髪を隠す徹底ぶりだ)
「僕達、この魔鈴ってお店の宣伝をしているんです。お姉さま」
「ステキな料理と真心で、おもてなしいたしますよ。お姉さま」
「え?いや、急に言われても…」
「「お姉さまと……お近づきになりたいな」」
全く同じ顔の“美少年”達に左右からすがるように囁かれて、女は堕ちた。
「行くわ!」
「「は〜〜い。お客様ごあんな〜〜い」」
〜その結果〜
−ざわざわざわざわ!
『魔鈴』店内を埋め尽くす、いつもとは明らかに異なる客層。
−早く俺の天使を出せー!
−あたしのぼうやー!
−お兄ちゃん来たよー!
−早くお姉さんの所に来てー!
「な・な・な・何なの!?この殺気立ったお客さん達は!?」
怨念のように何かを待ち望む群集に、魔鈴は恐れすら抱いていた。
「やっぱりヲタさんや腐女子を狙ったのは正解だったね。タダヨ姉様」
「奴らから金を搾り取るのが一番手っ取り早いわよね。タダキチ兄様」
その光景を物陰から覗き見て、密かにほくそ笑むタダヨとタダキチ。
「「じゃ、プロデュース料ということで…」」
右往左往する魔鈴を置いて、二人は売り上げの入った金庫を抱えて消えた。
〜横島家〜
「すみませんすみませんすみませんすみません!すぐに二人を連れてお詫びに伺いますので!はい!はい!本当に申し訳……!はい!すみませ〜〜ん!」
電話口でありながら、何度も頭を下げ侘びの言葉を連発する蛍子。
しばらくして、蛍子は深い溜息と共に受話器を戻した。
−ガチャ
「「ただいま〜〜。ママー、こんなに稼いできたよーー」」
「タダヨ……タダキチ……」
なんてことをするのあんた達はーーーーーーッ!!!!
−ボカーーーーーーーーーッ!×2
わーーーーーーん!ママがぶったーーーーーー!!×2
今日もいつものような一日でした。(蛍子の日記より)
“後書きという名目の愚痴”
皆様憶えておられますか?Yu-sanでございます。
ほぼ一ヶ月ぶりですね。いや、大したことは無かったんですよ。
ただちょっと…
ハードディスクがクラッシュしただけなんですけどね。
で、データがふっとんでーたー…な〜〜んちゃって、ははは……
ぽくぽくちーん
〇←魂
‖
⊂⌒~⊃。A。)⊃
思わず絵文字をコピペしてしまうくらいのショックでした……(涙)
うう…yu-sanで書いたSSが…夜華の投稿作家の皆様の保存データがが…じぇ〜〜〜んぶ夢幻。
バックアップさえしておけば〜〜〜〜!!(号泣)
マジで凹みましたが一からやり直しと、とりあえず小ネタを出してみました。
皆さん!おっくうがらずにバックアップを取りましょう!
ハードクラッシュはある日突然起こります!
明日といわずに今日取りましょう〜〜!
ところで、どなたか私のSSを保存しておりませんでしょうか?(←未練アリアリ)
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