先だって忍法魔界転生によって復活を果たし、念願かなってヨコシマと結ばれました。
今では二人の子供にも恵まれ平穏な日々を送っております。
…
……
………
…………
いえ、正直になりましょう。実は子育てについて、ひっじょーーーに不安があるのです!
ケース1:六道学園(小等部)からの呼び出し
「お宅では一体どんな教育をなさってはるんですか!?」
鬼道教諭が目を怒らせて苦情を並べ立てる。
「ウチは除霊を教えているんでっせ!それが授業中に悪魔を呼び出そうとするなんてどういうつもりでおます!」
ちなみに生贄はクラスメイト達だった。
「すみませんすみませんすみませんすみません!」
何度も必死に頭を下げる蛍子。傍らには二人の子供を伴っている。
驚くほど良く似た男女の双子で、名を横島タダヨと横島タダキチという。
「タダヨ!タダキチ!あんた達もあやまんなさい!」
子供の頭に手をやって下げさせようとする蛍子。
「ふーんだ、人形オタクのくせに偉そうに。ねータダヨ姉様」
「キモイわよねータダキチ兄様。秋葉で美少女フィギアでも漁ってなさいよー」
だが、二人は謝罪どころか逆に毒舌を吐きはじめる始末だった。
ちゃんとあやまんなさーーーーーーいッ!!!!
−ボカーーーーーーーーーッ!×2
わーーーーーーん!ママがぶったーーーーーー!!×2
………不安です。
ケース2:小竜姫からの苦情
「お宅では一体どんな教育をなさってるんですか!?天竜童子さまがノイローゼになった責任をとってくださいな!」
小竜姫が目を怒らせて苦情を並べ立てる。
「あの…と、おっしゃいますと……………」
「んまーーーーーーーっ!今更しらばっくれるおつもりですの!?」
回想シーン:天竜童子とタダヨとタダキチのお遊び。
「ねーねー。天竜ちゃん、あっそびましょ♪」
「何をして遊ぶのじゃ?」
「んーとね、じゃあ“動物のお医者さんごっこ”お道具も一式揃えてみたのよ〜」
やたらとゴツイ道具を取り出してみせるタダヨ。いやな予感がした童子は逃げ出そうとしたがタダキチが首根っこを掴んで逃がさない。
「だーいじょうぶ。優しくしてあ・げ・る♪」
「ちゃーんと僕らが大人にしてあ・げ・る♪」
「嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ!しょーりゅーきーーーーーーーー!………」
「あれ以来、天竜童子さまは寝小便が再発し!イモ虫じゃないとかウワゴトばかり言ってるんですのよ!」
「すみませんすみませんすみませんすみません!タダヨ!タダキチ!あんた達もあやまんなさい!」
「聞いた?タダキチ兄様。貧弱なボウヤねー」
「そうだね、タダヨ姉様。この程度で壊れてたら、激動の二十一世紀生きてけないよ」
ちゃんとあやまんなさーーーーーーいッ!!!!
−ボカーーーーーーーーーッ!×2
わーーーーーーん!ママがぶったーーーーーー!!×2
………不安です。
ケース3:教会からの返答
「失礼ですが、お宅では一体どんな教育をなさってるんですか?」
ピートが沈んだ目をして語りかける。
「ま、まさかあの子達……神父さまにも何か!?」
自分では手に負えないと判断した蛍子は、人格者で知られる唐巣神父に説諭してもらおうと預けたのだが…。
回想シーン:唐巣神父とタダヨとタダキチのお話。
「わーいわーい♪和弘さんだわ和弘さんだわ♪」
「ずるいぞータダヨ姉様。僕も神父さまに抱っこして欲しいよー」
タダヨとタダキチは、神父の膝の上に乗って嬉しそうに纏わりついてくる。
「いや、まず二人とも落ち着きなさい。大事なお話があるから」
「ねぇー和弘さん。その前にチューして、チュー。んー♪」
「神父さまー、僕にも僕にもー。んー♪」
「じゃあしてあげるから、ちゃんとお話聞くんだよ」
「「うん♪」」
−チュッ×2
「ぶーー!違うの!おでこじゃなくて、ちゃんとお口に!」
「そうだよー。いつもパパとママがしてるみたいにさー!」
「そういうチューはもっと大きくなってからだよ」
「「大きくなってから!」」
声を合わせると、二人は急に目を輝かせ始める。
「まかせて!あたし達“大きくする”の得意なの♪」
「僕らのテクにかかったら……ウフフ。すぐ昇天♪」
「ちょっ!まっ!止めなさ…!こら、ズボンを離しなさ…!うぁあああああああああ!」
「…………あれ以来神父様は懺悔室に引き篭もったきりなのです」
「すみませんすみませんすみませんすみません!タダヨ!タダキチ!あんた達もあやまんなさい!」
「あれは惜しかったねー、タダヨ姉様。もうちょっとだったのに」
「大丈夫よ、タダキチ兄様。和弘さんは押しに弱いタイプだから次こそは♪」
ちゃんとあやまんなさーーーーーーいッ!!!!
−ボカーーーーーーーーーッ!×2
わーーーーーーん!ママがぶったーーーーーー!!×2
………とてつもなく不安です。
ケース4:自宅にて
「あなた、あの子達悪戯ばかりするのよ。厳しく叱ってやってくださいな」
「よーし任せろ!父親の威厳でビシッと叱りつけてやる!」
蛍子から相談を受けた横島は、二人の子供を呼び寄せる。
「タダヨ!タダキチ!ちょっとこっちに来い!」
「「はーい。なーに?パパ」」
「何じゃない!お前達!最近悪戯が過ぎるようだな!」
「「…ごめんなさい」」
−シュン…。×2
横島から叱責を受け、子犬のように気落ちした表情を見せる二人。
その愛らしくも切ない顔に、つい気後れしそうになる横島。
「……う。だ、だからだなぁ…」
「僕がいけないんだ!僕がタダヨ姉様を無理に誘ったんだ!だから……怒るなら僕だけにして!」
「違うわ!あたしからタダキチ兄様にもちかけたの!兄様は悪くないの!だから……兄様をぶたないで!」
目に一杯涙を溜めてお互いを庇いあう二人。その様子をみていた横島は……。
「ウオオオオオオオオオ!何ていい子たちなんだお前たちはーーーーっ!こんないい子をパパはぶったりなんかするもんかーーーーっ!」
感動のあまり号泣して二人を抱きしめていた。
「じゃあこれからはママの言うことをきちんと聞くんだよ。いいね」
「「はーい、パパ大好き♪」」
−ちゅっ×2
横島の両頬に口付けして自室へと戻る二人。目尻を下げまくって見送る横島。
「ちょっとあなた!今日という今日は厳しく叱ってやってくださいと…」
「いーじゃないかー♪ふたりはあんなにプリティでキュアキュアなんだから♪」
(駄目だこりゃ…)
「ちょろいわね。タダキチ兄様♪」
「朝飯前だよね。タダヨ姉様♪」
〜暫くして〜
夫は全く頼りにならないと気落ちしながらも、子供たちの様子を見に寝室を訪れる蛍子。
−スクーーーッスクーーーッ
寄り添うように寝入っている二人の姿は、まるで天使のようであった。
あれ程悩まされたのに、その愛らしい寝顔で蛍子は疲れも吹き飛ぶような心地に……。
−ガチャンッ!ガチャガチャガチャッ!!
「ワウワウワウワウ!(た、助けてくだされ!)」
「ギャウギャウギャウギャウ!(こ、この子達。シャレにならないわよ!)」
そこには檻に捕らえられたシロとタマモの姿があった。
そして、本棚には『韓国発!美味しい犬料理レシピ』『初心者にも簡単。狐の襟巻き作成』
が備えてあった。
「…………………………………………………………………………………ハァ〜〜」
蛍子は疲れきった表情で二匹を檻から逃がしてやった。
そんなこんなと、不安な日々が続きますが…
−ジャーーー。バシャバシャ、カチャカチャ。
水仕事をしている蛍子にタダヨとタダキチが声を掛けてくる。
「ねーねー、ママ」
「石鹸あるーっ?」
「あー?買い置きがあるでしょー」
「はーい。ねぇ例のヤツは手に入れた?」
「大丈夫。理科室からちょろまかしたから」
「………………………………マイト作ったら殺すかんね」
「「えーーーーーーーー」」
最近慣れてきたのが自分でも解ります。
知っている方はお久しぶりです。知らない方は初めまして。
yu-san改めYu-sanでございます。
“ここだと18禁ネタが出来るようなので”
また小ネタで遊ぼうかなとやってまいりました。どうぞ宜しく。
手始めに夜華に投稿した小ネタの焼き直しです。
更に元ネタは「ブラック・ラグーン」という漫画からです。
但し、コミックス第二巻のオマケ漫画のネタですので本編の内容は全く生かされておりません♪
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