続編というか、エピロ−グ別バ−ジョンってとこです。
一人の、金髪の少年がロバ・・・馬・・・いやとにかくそんな生き物に乗って王宮の廊下を歩いている。
彼の名はガッシュ。
魔界の宰相を勤める、最強クラスの魔物である。
「ティオ!おはようなのだ!」バタンと扉を開けるとそこにはおどろおどろしたオ−ラを背負った魔界の女王陛下がテレビの前に鎮座ましましていた。
「・・・どうしたのかの?」
「ム・・・」「ム?」
「ム○マサブレ−○が見つからないのよ!盗賊の短刀も!カシナ○トの剣なんかもういらなぁい!」
ちなみに彼女は最近人間界のゲ−ムがお気に入り。しかもCGメインな電子紙芝居作品ではなく
大ハ−ドなRPGやコレクタ−好みなある種のカ−ド収集型ゲ−ムが趣味だったりする。
他にも「バッテンオ○ラの○チャラカ空中戦」や「○ルノフ」なんかも好みのようだ。
「何を言っておるのかわからんが・・・散歩にでもいかんかの?気分転換しようではないか」
「・・・そうね、ちょっと待ってて。五分ほど」
で、十五分後現れた彼女は、先ほどとはまるで別人のように身嗜みを整えていた。
「行きましょガッシュ!さ・デ−トよデ−ト!」「うむ」「メルメルメ−」
「・・・なんでウマゴンがここに居るの?」「先ほどからおったが」
「邪魔ね」
などとミニコントを繰り広げる三人(二人と一匹?)が王宮の外に出た瞬間
「やあ、久しぶりだねティオ」「・・・」「・・・」「メルメル?」
「・・・ど、どうしたんだい?久しぶりなんで感動してるのかい?」
「・・・え−っと・・・」「ティオ、知り合いかの?」
「失礼だな、お前は。ぎりぎりまで勝ち抜いたとはいえやっぱり落ちこぼれは落ちこぼれだ」
「・・・あ−あ−、そうそう久しぶりね」「本当に久しぶりだ。元気だったかい」
「ええ、もちろんよ。あの・・ほら・・・その・・・えっと・・・ほんと久しぶりねぇ。元気そうで何より」
「・・・マルスだよ・・・」
「え?」「何?」
「・・・ボクの名はマルスだっつってんだ!!!」
「・・・あ・・・」「おお(ポン)」
「『あ』じゃない!『おお』でもない!お前らはっきりきっぱり忘れてたろ、俺のこと!」
「だって・・・ねぇ」「うむ」「メルメル?」
全身で息をしているマルスは、無理矢理呼吸を整えるとキザったらしく髪を掻き揚げ、壁にもたれかかる。
「まあいいや。それにしても君には謝りたかったんだ」
「誤るのかの?オヌシに誤られる覚えはないのだが」
「字が違うわ!それにお前じゃない!ボクが謝るのはティオだ!」「あたし?」
「ああ。あの時は『王になるための戦い』だったんで混乱してたボクは、ついつい君を攻撃してしまった」
ナニやら自己陶酔を始めたマルス。混乱しているガッシュとウマゴン。そして半目になりつつマルスを睨み付けるティオ。
「そう、ボクはあの時君を傷付けるつもりはなかったんだ。
君をこの忌まわしい戦いから解放しようとおもったんだよ。
そしてそれ以上に、君を求めたのさ。君を求め、君を欲するあまりの行いだったんだ。
そうか許して・・・ってどこ行くんだ?」
ガッシュを促し、ウマゴンに乗っかったティオはマルスを尻目にその場を離れようとしていた。
「せっかくボクが謝っているんだ。頼むから最後まで聞いてくれないか」
「あ−も−い−わ。謝らなくていいからどっかいって。
あの時の事ぁ根に持っちゃいないから」
「だったらまたあの時のように二人で・・・ってティオ!
そんな運が良いだけの落ちこぼれと一緒にいないで、ボクと一緒に出かけよう」
「運が良いだけって・・・アンタねぇ・・・」
「で、なぜわたしが戦わねばならんのかの?」「とりあえずこのアホゥ黙らして欲しいのよ。ね、お願い」
「キサマ・・・落ちこぼれの分際でオレとティオの間に割り込む気か!」
「おヌシが何を言っておるのか判らんのだが・・・」「やっちゃえガッシュ」
ボヤくガッシュの後ろでシャド−なんかやってるティオ。
「事態というのがどうもよく理解できんのだが・・・つまりオヌシを倒せば良いのだな」
「倒すだと!落ちこぼれが偉そうな事ヌカすな!
あの時俺が負けたのは偶々、でなければ人間のほうがクズだったからだ!
やり直せば絶対俺の勝ちだ!食らえ『ガンズ
だが、彼はそれ以上呪文を唱えられなかった。
前へ突き出した腕を掴んで、かの落ちこぼれが自分の眼前に居るのだ。
「オヌシは勘違いしておるようだの」「か・・・勘違い・・・だと?」
「左様。確かに魔界に帰った我等は人間界に居る頃より自由に術が使えるようになった。
しかしそれは我等が弱体化したのを意味するのだ」
「弱体化ぁ?お前何言ってんだ?足手纏いが居なくなった俺らは強くなったんだぜぇ」
「だからアンタは阿呆なのよ!」突然叫ぶティオ。どこから取り出したのか付け髭と三つ編みのウィッグを付けている。
「ティオの言う通りなのだ。パ−トナ−と共にある事で我等は我等自身の二倍、三倍、
いやそれを遥かに上回る力で居られた。
それが判らぬオヌシは何度やり直そうと私には勝てん!」
強烈なアッパ−がマルスの腹部を抉る。前のめりに崩れ落ちるマルス。
てふてふてふと近寄ったティオは、倒れているマルスの両足の間に後ろから近付くと
「せ−のっ!」かきん
泡吹いてるマルスはほったらかしといて
「さ、ガッシュ行きましょ」「うむ・・・しかしティオ」
「何?」「その髭取って欲しいのだ」
続く・・・かも
何か書いててマルスかちこっと哀れに思えてしまいました。
それはともかく「続編が見たい」と仰って下さる方が幾人か居られてくれたので書いてみました。
続きは考えていますが、書くかどうか微妙です。
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