ここはリリアン学園を影から牛耳る山百合会の幹部の一人、黄薔薇こと支倉 令の私室である。
「ミスター・リリアン」の異名を取る容姿とはうらはらに、彼女の部屋はいわゆる乙女チックな部屋である。
著者の文章力があまりにもアレなため詳しい描写はできないが、とにかく乙女なのである!
その心安らげる部屋の中、部屋の主たる令は黄昏ていた。よくあることである。
「どうして・・・」
ん、なんか独り言ってます。音声さん、ボリューム上げて。
「どうして私はヘタレなんだぁ!」
ああっ令さまっ! 〜Oh my HETARE!〜
宣誓編
山百合会の総本山、馬鹿薔薇の館に咲き誇る三色の薔薇。
紅薔薇たる小笠原祥子、黄薔薇たる支倉 令、白薔薇たる藤堂志摩子。
このうち祥子と令には、薔薇の館を良く知る者のみに通ずる二つ名があった。
<ロサ・ヘタレンシス>に<ロサ・へタレ>
二人とも、妹に対して頭が上がらない事に対する親しみを込めた名称である。
頭が上がらないと言っても、内面的か全面的かの違いはあるが・・・
ちなみに、最近では姉に頭が上がらない<ロサ・ヘタレンティア>たる愛称も広まりつつある。
ともかく、令はこの現状に不満を感じていた。
「思えばマリみて無印の頃は完璧にリリアンの王子だったのに由乃が黄薔薇革命なんかするから私が徘徊老人みたいにリリアンを彷徨うはめになってからへタレの文字が見え隠れしだしたんだよねさらに由乃が元気になったのはいいけどなりすぎだよ医者勢い余って改造手術までしたんだそうだそうに違いないおかげでアクセルしかないトラックみたいな由乃が爆誕して祐巳ちゃんと志摩子に迷惑かけてるし私はそんな数少ない由乃の友達に頭が上がらない月の無い夜気をつけろよ医者極め着けに最近あの小癪なドリルが私の由乃の妹になっちゃたし最近かまってくれないし影薄いし・・・」
一息に言い切った。すごい肺活量です、さすが剣道部の主将。(関係ない)
さて、こんな風に自室にブラックホールを形成すること数時間。令は一つの結論を出した。
「主導権を握ろう」
由乃に引っ張られるんじゃなくて引っ張ろう。
そんなふうに落ち着いたらしい。
「さて、とりあえず・・・」
剣道の試合さながらに顔を引き締める。
惚れそうな貌(かお)だ。男も女も真ん中も。
サムライの貌をして、彼女は言い放った。
「お風呂入ろう」
タンスから子猫のプリントも勇ましい下着のセットを取り出すと、一路お風呂に向かう。
振り返ることなく、前を真っ直ぐに見つめて。
聖者の行進のごとく、決意にみちた足取りだった。
同時刻 小笠原邸
「先生っ、輸血用の血液が足りません」
「くそっ、なんでこの子はいつもいつも鼻血で死の淵を彷徨うんだ!何回我々が・・・」
「先生っ!」
「解ってる!屋敷の中から何人か使用人を拉致って来い!数打ちゃぁ当たる」
「もう既に何人か拉致ってあります!」
「うむ、優秀だな看護婦A。いや今は違ったか・・・ともかく血をよこせ」
「は〜い。では使用人の皆さん痛いのは一瞬ですからね?逃げないで並んで下さいね」
「あ、キミ」
「なんですか?」
「・・・献血カードの捺印を忘れないように」
「ジュースもですね?」
幸せそうに鼻血をたらし気絶している美女の傍らには写真が一枚。
明らかに盗撮とわかるアングルのそれは・・・
教室でブルマに着替える仔狸が写っていた。
あとがき(むしろ懺悔)
最初は・・・GAのシリアスタッチなSSを考えていたのに・・・電波を初めて受信したよ、仕事帰りの車の中で。(泣)
どうも、SS処女作からコレなアーベンです。
いつまでも人様の作品にレスってるだけじゃ駄目だと思い、キーボードに立ち向かいました。
結果は・・・(泣)なんで電波系か・・・
あとがき冒頭に書いたように、本当ならGAの本編再構成モノのはずだったんです。しかもシリアスっぽい。
プロローグはできてるんですよ?清書に移れてないけど。
しかし、車の中でデモン○インのサントラをノリノリで聞いていたら・・・
THE・受信
これだから人生は面白い(かな?)
とりあえず後編っぽいものは考えてあります。
感想待ってます。あるとアーベンが喜びます。
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