あの日以来、私はあの情景が意識に焼き付いてしまい、本来やるべき事がおろそかになっている。
解決のためにするべき事はひとつ。
そのためにも・・・・・・
館いじめ・まえ
横島は、事務所の中に一人だけいた。
なぜ、彼が事務所の中で一人でいるのかと言うと。
先日、事務所であるこの建物に宿っている人工幽霊壱号から、霊的なメンテナンスを行う必要があると報告があったのだ。
その際に、横島の文珠を使えば経費もかからないと言う人工幽霊壱号の発言を美神が迷うことなく承認し、横島一人で事務所のメンテを行うこととなったのだ。
他のメンバーは、唐巣の教会を臨時の拠点として、除霊の仕事を行っている。
「で、まず何処から始めりゃあ良いんだ?」
横島は、複数の文珠を手の中で弄りつつ、そう尋ねた。
『ええ、まずはこのテレビなんですが。』
「はっ、テレビ?」
霊的なメンテで、何故にテレビ? などと言う疑問を頭に浮かべつつ、横島は素直にテレビの前に立った。
一瞬の間の後に、そのテレビに映った映像は、
『タマモ、タマモ、タマモ、タマモ〜〜〜〜〜〜〜!! ぐぅ、ぐ、がああああああああああ!!!』
『よ、よこ、よこ、よこしま、よこしま〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!』
とまあ、そんな感じで流れていた。
ちなみに、横島はそれを見た瞬間に、手を使わない前受身をしていたりする。
「あ、あの、人口幽霊壱号さん。 こ、これは一体?」
『見ての通り、この前の貴方とタマモさんの営みの映像です。』
顔を上げることなく、うめくように尋ねてきた横島の言葉に、人工幽霊壱号はそう即答した。
「こ、これをどうしようと?」
『今から言う私の要求を飲まなかった場合、美神さんにこの映像をお見せします。』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なななななな、なんですと!!!」
その人工幽霊壱号の答えに、横島はがばっと起きあがり、叫びだした。
「こんなもん、美神さんに見られたら、殺されてまうでないか!!!」
血走った目をしながら、横島はそう叫んだ。
はっきり言ってかなり怖いのだが、人工幽霊壱号はそれをものせずに、言葉を続けた。
『私の要求をのんでくれれば、そんなことはしません。 大丈夫です、そんなに難しい事ではありませんから。』
あくまで冷静な物言いに、横島も冷静になり、ため息をつきつつ話を進めた。
「はあ、・・・お前、性格変わってないか? 美神さんの影響でも受けたんじゃないか。 まあいい、・・・・・で、俺はなにをやれば良いんだ?」
何故か人工幽霊壱号は、この問いには即答せずに、一拍を置いた後に答えを紡いだ。
『・・・・・・・・・・・・・・・・まず、文珠によって私に人の肉体を作ってください。 その後に、この映像の中で貴方がタマモさんに行った行為を、私にもして下さい。』
そのぶっ飛んだ内容に、横島は再び前受身を敢行した(もち、手無し)
「いや、待て、そもそもお前って女だったんか?」
なんとか意識を保った横島は、開口一番にそれを口にした。
『最初はどちらでもなかったのですが、長い間オーナーである美神さんの強力な霊気を頂きまして、そちら側に偏りはじめていたのです。 その上に、先日のあなたとタマモさんの性行為の際にタマモさんから放出された霊力を吸収する事によって、完全に女として固定されました。』
そのことに対して、一応納得はいったが、まだ横島には納得がいかない事があった。
「だけど、なんでお前が、その、なんだ、あんな事をして欲しいだのと言い出すんだ?」
『女として固定される原因となった霊力がタマモさんの絶頂時に放出された霊力であったせいか、俗に淫乱と言われる部分が強くなってしまったらしく。 加えて、女として固定されて初めて見たものが、あなた方の激しい性行為でしたから、我慢できないというのが現状です。』
人工幽霊壱号の澱みのない返答を聞き、横島は頭を抱えることとなった。
「あ〜〜〜、つまり、その、原因は俺だから、何とかしろと?」
『その通りです。』
* * * * * * *
「じゃあ、文珠はここに置くから、好きな肉体をイメージしてくれ。」
部屋の真中に、[肉][体]と文字の入った二つの文珠を置きながら、横島はそう言った。
これで準備はよしだったので壁にもたれて待っていると、数瞬後に文珠が強い光を放ちだし、その光の中で何かが生まれるのが見えた。
「おお、成功か! ・・・・・・・・・・・て、なんじゃそりゃあ!!!」
その光景を見て、成功かと喜んだ横島だったが、光りが薄れると同時に雄たけびを上げた。
なぜなら、そこにいたのは、・・・・・・・・・・・・・
年の頃13,4と言ったところの、少女がいたのだから。
「な、なぜにロリですか!!?」
横島は、全力で自分の疑問を目の前の少女にぶつけた。
「タマモさんに性的な興奮を覚えていた事から推測して、あなたはロリコンであると推測したのですが?」
・・・・・即答である。
反論したくても、実際に興奮して、しかもしてしまった横島には何も言えなかった。
ただ零れる涙が心を語っていた。
「それよりも、どうでしょうか? なにかおかしな所は無いでしょうか?」
少女はそう言って、その場で回転しながら横島に尋ねた。
その容姿は、可愛いというより、美しいと言った方が良いものだった。
髪は腰まで伸びていて、その色は吸い込まれるような黒色。
全身の肌は、透き通るほどに白く感じさせ、生命力を感じさせる艶に満ちていた。
顔立ちは、古典的な言い方だが、日本人形を思わせるように整っている。
その顔には、楚々とした笑顔が浮かび、それがまた心を引き付ける。
しばらくの間、呆けたようになっていた横島だったが、その手を幽鬼のような動きで少女に近づけていった。
その手が今まさに届こうとした瞬間に少女はひょいっと離れ、窓にかかったカーテンを取り、自分の体に巻きつけて肌を隠した。
「まだダメですよ、横島さん。 その行為をするふさわしい場所も、すでに決めてあるんですから。」
そう言って、微笑を浮かべる少女の顔を見て、横島は頷く以外のことはできなかった。
* * * * * * *
「ここかよ。」
横島が案内されて入った場所は、最初にここを訪れたときのテストの終着地点で、現在美神が事務室に使っている場所であった。
「そうです、最初に言った通りここにあるのは玉座、よってここは神聖たる王の間という事になります。 まあ、女性の体で言えば、子宮にあたるのではないでしょうか?」
最後に、首を傾げつつ口元に人差し指を添えてそう呟いた少女の仕草に、横島は可愛いと思いつつ苦笑するのだった。
「ああ、それと、文珠を四個ほど頂けませんか?」
何かを思い出したような表情を浮かべて、胸の前でポンと手を合わせながら、少女はそう言った。
「文珠を? 何に使うんだ?」
横島は、訝しげな表情を浮かべたが、手の中に言われた数の文珠を作り出した。
「ええ、実は肉体との結びつきに不具合がありまして、補強が必要なので。 四個あれば、行為の最中に何が起ころうとも対処できますから。」
その答えに納得がいった横島は、すぐに手の中にあった文珠を渡した。
「どうも。 ・・・・後、名前をつけて欲しいのですが、よろしいでしょうか?」
「名前? 人口幽霊壱号だろ?」
横島のその答えに、少女はやれやれと言わんばかりにため息をつきつつ、肩を落とした。
「女である以上、それにあった名前が欲しいと思うのは当たり前だと思うのですが。 それに、情事の際に、あなたは私のことを人口幽霊壱号と呼びつづけるのですか? それはムード、というものに欠ける行為なのではありませんか?」
そう捲し立てるように言いながら詰め寄ってくる少女の様子に、横島は後ずさりしながら、
(なんか、性格が変わってねえか、こいつ?)
などと思っていた。
「ああ、わかった。 ええっと、その、なんだ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おお、そうだ! タマキってのはどうだ?」
追い詰められながらも必死で考えて思いついた名前を、横島は口に出した。
「タマキ、ですか? どういった経緯でその名前を?」
「いや、ここを王の間と言ってただろ。 だから、お姫様って言葉が浮かんでな。 んで、魂に姫で、魂姫ってな。」
それを聞いて、少女―魂姫は、反芻するようにその名を口にした後、横島に向かって微笑んだ。
「そうですか、ありがとうございます。 気に入りました。」
その微笑を見て、横島は赤くなりながら、こめかみを掻きつつ顔をそらしていた。
それを見て、魂姫はくすりと笑いながら、手の中の文珠を発動させようとした。
「では、そろそろ準備を終わらせますね。」
そう言って文珠を発動させた後に、光りが収まった中にいた魂姫の姿に、横島は今度は絶句した。
何故なら、・・・・・・・・・・・・・
そこにいた魂姫は、首輪を装備していたのだから。
「待てい!!! 何故に首輪!!!!」
再び叫ぶ横島に、魂姫はこれまた即答で答える。
「この前のタマモさんとの行為を見て、横島さんはSであると判断したので、このほうが良いのではないのかと思いまして。」
やはり、これにも何も言えなかった横島は、ただ涙するだけであった。
しばらく横島が泣く様子を見ていた魂姫であったが、それが当分続くと判断したのか、おもむろに近づくと同時に横島の襟を引っ張り、キスを敢行したのだった。
「んぐっ!! ・・・ぷはっ、いきなり、何してんだ、おのれは!!!」
そのキスによって正気に返った横島はそう叫んだが、魂姫はそんな事は関係無いとばかりにきれいに無視すると、横島の前にひざまずくような体勢になり、ズボンのチャックに手を伸ばした。
「お、おい! ちょっと待てって!!」
「待ちません。 こういった事をするということは、最初からずっと言っていたはずです。 だから、待ちません。」
そう言ってどんどん作業を進める魂姫を、横島は止める事ができずにあたふたして、その間にチャックが開かれ、そこから横島のペニスが取り出された。
すでに、魂姫の裸を見たりして半立ちしていたそれを取り出された横島は、手で目元を押さえながら天を仰ぐのだった。
なんだかんだ言って、すでにその気になって半立ちさせてしまっている自分が情けないやらなんやら。
そうやってしばらく途方に暮れていたのだったが、ペニスを取り出した後、何もアクションが起きない事を疑問に感じて、横島は手をどかして前を見てみた。
すると、目の前には、
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
微妙に顔を赤くしながら、なんと表現すればいいのかわからない表情で固まっている魂姫がいたのだった。
「あー、その、・・・・どした?」
今までは積極的に事を進めていた魂姫のその反応に、拍子抜けしたような気になって、横島は尋ねた。
「・・・・・・いえ、・・・やはり、自分の目で至近距離から見ると、迫力が違うもので・・・・」
表情を変えずに、口だけを動かして、魂姫はそう答えた。
それを見た横島は、ため息のような息を吐いて、魂姫が取り出したペニスをしまおうとした。
「 っ、何をしているんですか!」
肉体を持った後で初めて聞いた魂姫の大声に、横島は驚いたが、すぐに気を取りなおしてそれに答えた。
「いや、やっぱやめとこや。 さすがに体を持ったその日に直ぐ、てのはあかんだろ。」
「私は、我慢が出来なくなったからして下さい、と言ったはずです! だから、そんな気遣いは無用です!!」
その横島の答えに、魂姫はさらに声を荒げた。
だが、横島は落ちついた様子で、言葉を続ける。
「いや、そりゃ嘘だろ。」
「・・・・・・・・・・・・何を根拠にそんな事を?」
魂姫は、横島の言葉に動揺した様子もなくそう答えた。
だが、つい先程まで声を荒げていたのに、いきなり静かな様子になったことが彼女の隠された動揺を伝えた。
その様子に、横島はこんどこそため息を吐いて答えを口に出した。
「本当に我慢できないなら、場所を変えるなんて面倒くさい事せずに、その場でやるだろ。 それにお前、体持った後も冷静すぎるし。 まあ、百歩譲ってそんな事は無いとしても、我慢できないって奴が、一応待ちに待ったものを目にして硬直するか? しねえだろ?」
魂姫はそれに答える事はできなかった。
彼女は俯きながら、体に羽織ったカーテンをぎゅっと掴んだまま、黙ってしまっていた。
「まっ、女としての自分ってのを確立して生まれた好奇心って奴からなんだろ? これから時間なんていくらでもあるんだから、好きな男って奴を見つけて、そいつとやったほうが良いって。」
そう言って、横島は笑いながら魂姫の頭に手を乗せた。
その瞬間、魂姫は弾かれたように顔を上げ、横島に向かって小さな何かを投げつけた。
「うわ、・・・・・・って。文珠かよ!」
投げられたものは[縛]の文字の入った文珠だったらしく、横島は驚いて倒れた体勢のまま動けなくなっていた。
魂姫は、その横島に近づくと、再びペニスを取り出そうとした。
「な、お、おい、魂姫! 何を意地になってやがんだ! そういうのは好きなおと 「私はあなたが良いのです。」 ・・・ハイ?」
横島の言葉を遮る形で、魂姫は自分の言葉を紡いだ。
「女として固定されて日が浅く、今日肉体を持ったばかりの私に、男女間の恋愛事は正直言って理解しきれません。 ですが、女としての性が固定され始めた日から、人に造られた“物”として思っていたことがあります。 ・・・・・私は、あなたの所有物になりたいと。」
そう語る魂姫の目は、真っ直ぐ横島を見据えていた。
「我慢できなくなったのは、本当の事です。 あなたがあの日、タマモさんに言ったあの言葉の所為で。 自分の物である証を刻むという言葉の所為で、もう我慢ができなくなったのですよ。 好奇心などと言うものではありません、これは純然たる私の欲望。 あなたの物になりたいという、私の欲望です。」
静かに、だがどこまでも響くような声で、魂姫は言葉を紡ぐ。
その言葉に、横島は思考が止まったようになっていた。
そんな横島を余所に、魂姫は取り出したペニスに口を付け、舐め始め、
ぺちゃ、ぴち、ぺちょ、ぺちゅ、ぴちょ
そんな水音が辺りに響いていた。
「んぐ、が、うお。」
それは慣れの入った行為ではなかったが、それでも横島にしっかりと快感を与えていた。
同時に、魂姫は己の股間に指をやり、受け入れる為の準備を整えていた。
最初はこちらも慣れない仕草で、快感を感じる事が出来ずに、秘所は湿り気を帯びる事はなかった。
だが、やはり自分の体のことであった為か、いつしかその指の動きは的確なものとなっていき、その秘所からは口元から聞こえてくるものと同じ水音が聞こえるようになっていた。
目の前で行われるその淫靡な光景に、横島のペニスは完全に屹立し、反り返った肉棒へと変貌を遂げていた。
「ん、ふう。 ・・・・・・・・・」
魂姫は、それを確認すると口を離し、横島に貫かれんが為に体を横島の上に乗せた。
「いや、ちょっ、ちょっと待て! あの時はああ言ったが、そんな事をして物になるとかならんとかでは、・・・・・」
なんとか魂姫を止めようと言葉を続けたが、その言葉に魂姫を止める事はできなかった。
「別に良いです。 例え一時でも、例え偽りであろうとも、あなたの物になるという望みがかなうのでしたら。」
そう口にしながら、魂姫は横島の肉棒に手を添え、己の秘所に誘導する。
そこで一拍の時を置き、魂姫は微笑を浮かべながら、少しさびしそうな表情で言う。
「それに、いらなかったら、捨ててくださって結構なのですから。」
その言葉と共に魂姫の足から力が抜け、腰が落ち、その秘所の中に横島の肉棒を受け入れていった。
後書き
今回も、寸止めでござい♪
・・・・・・・いや、わざとではなく、思ったより長くなったんで、区切りの言いとこで終わらせただけですよ。
しかし、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・エロがねえ!!
前振りだけで前編がほとんど終わってしまっているし、エロは無いし、18禁は難しいっす!!
一応、ロリってことでインモラル指定入れたし、最後の方は少し18禁に入ってるけど。
なんか、落ちこんできますわ・・・。
前振りなんか無しで、もっと直接エロパートの方を書いたほうが良いんですかね、そこんとこどう思いますか、皆さん?
後編の方は、また2,3日中に出しますし、それが終わったら竜の方を焔さんのHPの方に出します。
では皆さん、後編にて、また。
またのご来訪をお待ちしてやんす〜〜〜♪
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