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「龍の守護者 参の巻(一騎当千+少しだけネタ)」

煌鬼 (2007-03-16 17:10/2007-03-16 17:12)
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とある地のスイカ畑。そこに、一人の青年と、一人の少年が対峙していた。


「南陽弱体化の件、ご苦労様。呂布クンが向こうに行っちゃったのは残念だけど・・・これで、南陽学院は僕のモノだね」


そう言いながら、少年はカッターで自分自身を傷つけていた。それに対し、青年は左手に持っていた袋から、ある物を取り出す。


「悪いが・・・それはない」
「草薙神剣・・・いや、百辟剣・・・・【龍】だね」


青年はそう言うと、剣を少年に向ける。


「【  】・・・アンタは強くなりすぎた。孫策の覚醒には時間がかかりすぎる。だが・・・この古代最強の宝剣なら、アンタの持つ最強の勾玉に対抗出来るからな」


そう言って、青年は宝剣を構える。すると、少年は自分の手首をカッターで切り裂いた。それにより、鮮血が舞い・・・少年の顔を汚す。それと同時に、少年の目には・・・・禍々しさを宿した・・・・・“何か”がいた。


「後悔させてあげるよ・・・・・たとえ古代最強の宝剣でも・・・“ ”の前では無意味だと」
「な・・・!?」


少年が発した単語に、驚愕する青年。そんな事とは関係なく、少年は右手に禍々しい黒い気を練り始める。そして・・・。


「左慈くん・・・・・残念だよ」


その少年、【董卓仲穎】は純粋な悪意を発しながら襲いかかったのだった・・・。


参の巻 集う者。そして、近づく大闘士大会。


夏侯惇との再会から数日。公瑾は家に惇を呼ぶと、ある事を提案したのだった。


「なぁトン」
「ん、どしたコウ」
「実は、トンにお願いがあるんだ」
「お願い、なんだいきなり?」
「伯符に・・・基本を教え込んで欲しいんだ」


それを聞き、側にいた伯符が食いつく。


「な、なんでさーーー!!」
「これから、大闘士大会が始まる。そうなったら、戦いは避けられない。でも、今の伯符はケンカ闘法しか出来ないから、後になって必ず苦しくなる。だから、今のうちに基本だけはマスターしておいて欲しいんだ。そうしないと、多分勝てない」


公瑾の真剣な表情に、ウっとなる伯符。しかし、それに対し同じく側にいた呂布が問いかける。


「けど公瑾、基本ならアンタが教えてもいいんじゃないの?確かにこのバカ「誰がバカだ!」基本バカなら教えるのはうまそうだけど、アンタなら伯符の潜在能力引き出せるじゃない。私みたいに」
「そうしたいんだけど・・・僕はちょっと出かける所があるんだ。大闘士大会の当日までには戻る」


そう言うと、公瑾は家のガレージから・・・・飛蝗の形をした一台のオフロードバイクを出した。それを見て・・・三人はそれぞれのリアクションを出してしまった。


「あ〜〜〜!!“ばとるほっぱー”だ〜〜〜〜!!」
「おーーー!!やっぱり俺達の世代なら“ぶらっく”が基本だぜーーー!!」
「・・・・公瑾、アンタの親父さん趣味で作る物にも限度があるわよ」


三者それぞれのリアクションに苦笑しながら、公瑾はバイクに跨り、ヘルメットを被る。


「それじゃ、伯符を頼むよ」
「おう、任せとけ」
「はいはい」
「ぶーーーーーー!」


そう言って、公瑾はアクセルを全開させ、出かけて行った。


公瑾は出かけた頃、呂蒙はある病院の一室にいた。病室には、【程普徳謀】と書かれたプレートがあった。


「そっか・・・・負けたか」


程普は呂蒙から、自分が負けたという悔しさの愚痴を聞かされていた。しかし、一切嫌な顔せず、ちゃんと話を聞いていた。


「悩んだって、しょうがねえだろ。負けたけど、お前は死んでない。死ななければ、いくらでもチャンスが巡ってくる」
「そうは言うが・・・」


今回の公瑾との戦い、そして敗北。この経験は、呂蒙にとっては大きな打撃となっていたのだ。そんな中、程普は窓を見ながら、ある事を話し始めた。


「覚えてるか、二年前の大闘士大会」
「・・・ああ、忘れもしない。私のせいで反則負けになった戦いだ」
「ああ・・・・・・けど、あん時の呂蒙子明は、一番輝いてたぜ。なんにも迷わず、ただ進むべき事をするためにな」


その言葉を聞き、呂蒙はハっとなる。


「イカす伝説を作れ、呂蒙子明」


そう言って、サムズアップする程普。それを見た呂蒙は、気恥ずかしいながらも、お返しのサムズアップをして、病室を出る。すると、ストレッチャーに乗せられた一人の青年が運ばれてきたのだ。その青年の顔を見て、呂蒙は思わず叫んだ。


「さ・・・左慈!!」


そう、そこにいたのは・・・・両手両足を骨折した、左慈だったのである。


「あ〜・・・・蒙ちゃんじゃん」
「な、何があった!?」
「いや〜、董卓に攻め入ったんだけど、アッサリ返り討ちにあっちゃってね」


ボロボロの身体でありながら、苦笑する左慈。それを見て、呂蒙はただただ涙を流す。


「あ〜蒙ちゃん。一つ頼まれごとしていい?」
「・・・ああ、言ってみろ」
「俺と甘寧・・・・四天王から抜けるわ」
「・・・何!?」
「だって、この身体じゃしばらくは宣戦離脱な訳だし・・・だから、孫策を頭主に、呂布と周瑜を新しく四天王に加えるように言ってくれ」
「・・・あの周瑜ならともかく、孫策とかいう女は・・・」
「江東の小覇王。彼女の中には、龍が眠っている。董卓の中に眠る化け物に対抗できるのは、龍に選ばれし者だけだ」


それを聞き、悔しそうな呂蒙。


「な、お願いだよ」
「・・・分かった」
「ありがと・・・んじゃ、俺っちはしばらく寝るから」


そう言い終え、左慈は運ばれて行った。そして残ったのは、拳を強く握り締める呂蒙の姿があった。


「左慈・・・・・董卓は・・・・・必ず倒す」


ひとつの決意を固め、呂蒙は病院を出て行った・・・。


「一に基本!二に基本!!三にきほーーーん!!」
「波ーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」


近くの河川敷で、トンの言葉に従うように、伯符が拳を突き出す。そう、公瑾に頼まれた修行メニューを行っていたのである。


「それにしても、成長性だけは高いわね〜」


眠そうに欠伸をしている呂布。そんな中、突如嫌な気配を感じ、周りを見た。すると、そこには大勢の闘士。そして、その中心には・・・。


「アンタ・・・・太史慈子義ね」
「・・・・呂布奉先か。すげえ奴がいるもんだ」


関東で五本の指に入るAランク闘士【太史慈子義】の姿があった。


「Aランク闘士のアンタが、なんでここに?」
「俺の目的は、孫策伯符を殺せ・・・だ。まぁ、俺は常識範囲内でしかやる気はないが」
「ほんとはどーでもいいんだけど、公瑾からのお願いがあるからダメよ。お引き取り願えるかしら」
「・・・んじゃ、アンタが相手をしてくれるか?アンタが俺を倒したなら、孫策との戦いはチャラにするぜ」


それを聞き、彼の上の闘士が文句を言っているが、子義は全く聞く様子はない。そんな中・・・。


「あーーーーー!!強そうな奴はっけーーーーーーん!!」


修業中の伯符が、子義に気づいてしまったのである。それを見て、たまらず呂布は呆れ返る。


「・・・まったく」
「妹分の扱いは難しいようだな」
「・・調教師でも無理よ」
「だろうな」


そう言って、子義は苦笑していると、一気に伯符が子義の前に立った。


「アンタ、強そうじゃん!!」
「ああ、これでも強いぜ」
「んじゃ、バトルしよ!」
「おいおい。Eランクで俺に挑むのか?おれもそれなりに強いぜ」
「うん、確かに負けるかも。でも・・・このワキワキは止められないんだもん!!」


そう言うと、伯符はトン直伝の基本拳の構えを取った。その瞬間、伯符から強大な気が発せられる。


「うお!?」
「基本覚えただけで、この闘気!?」


呂布とトンが驚く中、それを見た子義がマジでの戦闘態勢に入る。そして・・・。


「マジだ・・・・・・泣いても知らねえぞ?」
「そっちこそ!!」


二人は飛び出した。そして、伯符の拳と子義の拳がぶつかり合う。その瞬間、河川敷にとてつもない衝撃波が起きた。そして、衝撃波が収まると、そこには・・・。


「アンタ・・・・サイコーだね」
「お前さんも・・・・・やるじゃねえか」


大の字でぶっ倒れ、楽しそうに笑う二人がいた。


「た・・・太史慈さんが!?」
「ど、どーすんだよ!!」
「ひるむんじゃねえ!!あの孫策さえ倒せば、董卓に顔向け出来る・・・・やれ!!」


その言葉に、百人もの闘士が武器を持って襲いかかる。それを見て、呂布とトンが構える中・・・一本の日本刀が回転しながら投擲され、子義へと放った投げナイフを切り払った


「なっ!?誰だ!!」


その闘士が、刀の返っていく方向を見た。すると、そこには銀髪の長い髪にブレザーを着て、帰ってきた日本刀を右手で受け止める少女が立っていた。何故か左腕には、二・三歳になる赤ん坊を抱えているのが不思議な光景だが。


「な・・・何者だテメエ!?」


男の叫びに、少女は呆れながらも・・・ゆっくり答えた。


「成都学園二年・・・・・・・超雲子龍・・・・参上です」


子龍はそう言うと、赤ん坊の入った籠を呂布に渡し、百人の闘士たちめがけて突進していくのだった・・・。


「さて、遅くなったけど・・・到着」


公瑾はバイクを降りると、山奥へと入っていく。そして、とある民家・・・・というか武家屋敷並に古い建物に辿り着いた。


「すいませーーーーん!!どなたかいらっしゃいませんかーーー?」


公瑾が何度も呼びかけるが、返事はない。公瑾が仕方なく待っていようと思っていると・・・。


≪ガタン≫
「・・・わぁ」
「うわ!?」


突如天井が開き、そこから一人の少女が落ちてきたのだ。公瑾は慌ててそこ少女を抱きとめる(お姫様抱っこ)。すると、公瑾はその少女に見覚えがあった。水色の髪をツインテールに束ね、着物に近い感じの服を纏った少女。それを見て、公瑾はその少女の正体を確信した。


「こ・・・・・・・孔明ちゃん!?」
「お久しぶりです。兄様(あにさま)」


その少女・・・・名を、【諸葛亮孔明】という。


あとがき
さぁ、古代最凶の勾玉を持つ董卓が遂に動き出した。はたして、董卓の中に棲む異形とは?
そして、公瑾が孔明の元へと向かった訳とは?次週、遂に大闘士大会が始まる。波乱なる運命を・・・・ぶっ壊せるか!?次回まで、さらば!!

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