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▽レス始

「終わった世界のその後に 十六話(GS+Fate)」

シヴァやん (2007-03-15 13:16)
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※注意:GS陣はオリ設定が多いです。と言うかほぼ別物に近いです。
     また、FateもGSほどではありませんが、オリ設定はかなりあります
     そう言うものが許容できない方は読まれると不快に感じるかもしれません。
     そのことをご承知の上、読み進みください。


no side

 真円を描く月の下で。
 いずれも和服姿の直立する一人と、蹲る二人。


「そろそろ時間ね。準備は良い?」
「ハァ、ハァ……。ちょ、ま、これ以上やる気なの母様!?」
「そうだけど?まだ結界の外に力漏れてないし。何か問題ある?」
「ぜぇ、…問題だらけだよ。いいからちょっと止まってまわりの惨状を見よう母!」

 そう言って示す先は、焼き抉られ表面がガラス化している穴が多数。

「別に良いじゃない。どうせ直すの私じゃないんだし」
「うわ、最悪だ母!」
「まあ、直すの私たちじゃないし、私たちが言うことでもないけれどね」
「なら良いじゃない」
「いやそれ以前にそろそろ力が尽きそうだって言いたかったんだけど……」
「修練が足りない」
「無茶苦茶だよ。全力じゃなくても伝説の大妖相手にここまでもったって事をもっと評価して欲しい」
「よくやった」
「「嬉しくない!」」

 文句をいう二人、二十歳前後の黒髪の男と十代前半の銀髪の少女とその相手、十台半ばの金髪の少女。
 それぞれが絶世と呼ばれるほどの美貌だった。
 特に銀の少女は年齢的に、まさしく人形のようなと言う表現が良く似合っている。
 ……金髪の少女の発育だけは絶望的なほどに乏しいが。

「とにかく、次で訓練は最後にするから気合入れなさい」
「はぁ、わかったよ」
「はい。それで、一体何をするの?」
「私の本気攻撃の防御か相殺」
「「絶対に無理!」」

 男女が二人そろって絶叫した。

「いま我らの力の残量がどれくらいかわかってるか、母?半分以下なんだぞ?そんなところに母の全力なんて防げるわけが無いだろう?」
「使うのは炎の尾なんだから不可能じゃないわ。水克火と水生木。二つ合わせれば」
「木生火ってこと忘れてない?」
「……………まあ、成せば成る」
「そんな無茶苦茶な!!」

 男が絶叫した。
 銀髪の少女も同意するようにこくこくと頷いている。
 しかし構わず発動。

「死なないでね、黒耀、銀呂。九尾の一、狐火、極炎の鞭

 全長数百メートルはある言う膨大な熱量を持つ炎の尻尾が顕現し、

「あーもう容赦しね〜よこの母!雷轟牙蛇

雪割の花

 それに続いて同規模の雷の蛇が現出し、数百を優に超える氷の剣が空中を覆った。

八重ね

「「何ぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」」

 さて打ち出そうと二人が構える前に発せられた声に従い、炎が体積をそのままに八本に分裂した。
 威力は単純計算で八倍。一本を防ごうとしていた二人が対処できるはずも無く、

「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」


ジュウッ!


 絶叫が木霊した。


「それじゃあ行ってくるね」
「何事も無く旅立つのね、タマモ」
「何か問題が?」
「いいえ」
「あ、あの、二人とも?あそこにいる二人のことはスルーですか?」

 白い騎士が指差す先には目を回している銀と黒の狐が二匹。
 。
 それを一瞥して、金髪少女は轟然と言い放った。

「あの程度の幻術も破れないんじゃまだまだ未熟」
「世界最強の幻術使いが言っても説得力が無いぞ?」
「でも事実よ。そんなことでは目標の達成なんて夢のまた夢ね」
「まあ、身内の五人なら力技でぶち抜きそうだけどね。特に炎帝は」
「ううん。あの娘はそもそも幻術が効かないのよ。視線に術混ぜてもたどり着く前に燃え尽きるし」

「……相変わらず出鱈目ね。彼女に勝てる相手なんているの?と言うかいたの?」
「前の世界のハイエンドには出力的に無理ね。相性次第で勝ったこともあるけど。SS+の魔王とかにも。
 蝿の王とか龍神王とか無価値の大悪魔とか、あとはレヴィとかには負けてたし。
 大体中級神魔あたりから相性が関係してくるかな?B-あたり?自分と同じS-ランクあたりだともっと顕著になるけど」
「……どちらにしても非常識な」
「ああ、人間で言うなら………字でいいか。
 世界共感者とか幻想殺し、禁書目録に影の刃に……」

 その言葉でその場にいた四人の内の三人。
 黒姫と黒騎士と白騎士が奇妙な顔で固まった。

「ちょっと待て。人間が?S-ランクの上級神魔を打ち負かす?冗談ではないのか?」
「本当。あの時代って人類戦闘力の絶頂だったらしくてね。
 神界とか魔界とか人間界とかの区切りが消滅していたし、突然変異的とか突発的に強大な力を持つ人間が生まれてたのよ。
 それこそ、今で言う二十七祖クラスとかがぽんぽんと。
 もちろんそういうのは人間側の最強(ハイエンド)ってのに認定されていたけどね」
「なんとまあ無茶苦茶な……」

「まあ、相性もあるのよ。あとは知り合いの人間側のハイエンドの知り合いは……
 魔装王国に十二の御使い、契約者、咎食らい、人間じゃあないけど喰霧の渦に狼王とかかしら?
 あと本当に知り合い程度だけど、ロリコン陰陽師と人間核爆弾ね。
 まあ、正確にはわからないけどORTクラスが何人か」
「完全無欠に化け物ね」
「世も末だ」
「いやリィゾ?用法が激しく間違ってる気がするよ?」
「そうか?」

 指摘する白騎士と首を捻る天然黒騎士。その横で笑っている黒姫と金髪娘。
 一頻り笑い、

「まあいいわ。そろそろ行くから」
「お土産楽しみにしてるわよ」
「息災でな」
「だから微妙に違うって。ああ、お土産は美少年の血を」

「お土産……京人形で良い?」
「それなら地酒を頼むわ」
「了解。それじゃ」
「いやあの血を」
「無駄だ。あきらめろブラド」
「そう言えばピートにも薔薇疑惑はあったわね。先祖帰りかしら?名前もブラドーだし」

 そんなことを言いつつ。
 とにかく金髪娘、幻炎の姫・横島(ここ重要)タマモは旅立った。


「あ、これ美味しそう。おじさーん!これ三つほど包んで!
 あとそれも!」

 道中買い食いなどで腹と舌を満たしつつ。


 side YOKOSIMA

「ハァ、ハァ、ハァ……」

 衛宮が荒い息遣いで二本の剣を構えている。
 対するセイバーは対照的に汗一つ流さず悠然と剣を構えていた。
 まあ、当然だな。素人剣士の衛宮が正統騎士のセイバーあいてにして戦いになんかなる筈がない。
 今のところ最高打ち合い回数八、最低零回。いや、打ち合い回数というより防御回数か?
 セイバーが振るう剣を衛宮が持つ双剣で防ぐ、と言うことを繰り返している。
 まあ、反射神経はそこそこ良いらしい。全力じゃないとはいえセイバーの打ち込みに何とかついていけてはいるから。
 フェイントにはまったくと言って良いほど対処できていないが。

「もうそろそろ終わりますか?」
「そう、だな。一日中やってたし、そろそろ体力が限界だ」
「わかりました」

 衛宮が剣を鞘に収め、セイバーも構えを解いた。

「ありがとうございました、バーサーカー」
「ああ」

 セイバーが蛍鱗を渡してくる。

「バーサーカー。これは返さなくていいんだよな?」
「わかってるじゃないか」
「でもこんな大きなもの四六時中持っているなんて不可能だぞ?特に日中、学校だと」
「問題無い。鞘に収めた状態で腰の後ろに持っていってみろ。ああ、左右互い違いにな」
「?」

 不思議そうにしつつ双剣の鞘を腰の後ろに持っていく。
そしてその二つがちょうど腰のあたりに来た瞬間、

 シュゥン!

 という音を上げて消え去った。

「え?あれ?消えた?」
「これでよし」
「って、バーサーカー。一体どうなったんだ?」
「契約と言うか持ち主登録と言うか。原理は俺もよく知らん。だから聞くな。
 とにかく、それでもうその剣は見ることも触ることもできなくなったわけだ」
「へー」
「で、合言葉はどうする?」
「合言葉?ああ、取り出す時のキーワードですか。どうするのですか?シロウ?」
「言っておくが変更は効かないからな。
 戦闘時に言いやすい言葉で、適度に短くて、かつ日常的に使わず、
 尚且つ格好良ければ理想だな」
「いや格好って……。
 そんなに重要なことか?」

 衛宮がそんなたわけた事を言っている。
 そんなことを言って良いのか?

「なら『俺は変態だ!』とかにしてみるか?
 戦うたびにそう叫ぶ衛宮。事あるごとにそう言う衛宮。とっさに叫ぶ衛宮」
「ごめんなさい許してください想像したくないです。
 というかそんな変なキーワードにするわけが無いだろ」
「ほんの一例だろうが。さっきの状況も考慮して考えろってことさ」
「そうだなぁ。
 参考までにバーサーカーはどうしてたんだ?」
「俺か?使ってなかった」

「……そうなのか?」
「ああ。使う必要が無かったからな。
 凛ちゃんに使わせるなら考えがいがあるんだがな」
「リンに、ですか?」
「魔女っ娘リン育成計画でも発動してやろうかなと」
「魔女っ娘って……」
「似合いそうじゃないか?
 フリフリのスカート履いて杖もって高いところを飛び回る」
「………………」

 宙を見上げる衛宮とセイバー。
 セイバーは想像できないらしく難しい顔をしているが、衛宮は赤い顔だった。
 どうやらばっちり想像できているらしい。このスケベ。
 まあ、その程度で赤くなるようじゃまだまだだな。
 というか、詳細に想像できるのは何故だろう?
 しかも似合っている凛ちゃんてどうなんだろう?年齢的に。

「まあいいか」


 で、夕食が終わった後に凛ちゃんが衛宮を呼び、セイバーが自分は魔力節約のために寝ると言い、
 それなら俺はどうしようかと悩む前に凛ちゃんが一緒に来いと言ったのでついてきて。

 現在凛ちゃんの部屋。
 正確には衛宮の家で凛ちゃんが間借りしている部屋の中。
 向かい合う凛ちゃんと衛宮の横で座りながら作り出して伸ばした霊糸で家捜し中。

 あ、生理用品発見。

「まず士郎。スイッチはきちんとできてる?」
「え?あ、ちょっと待ってくれ」

 最初にそう言う凛ちゃんに、衛宮が答え目を瞑る。

「確かにあるのが分かるな。これを入れればいいわけか」
「そ。ならそれを入れて魔術を使ってみなさい。
 そうね……このランプを強化してみなさい」
「わかった」

 そのまま精神を集中している衛宮を見つめている凛ちゃんは何処か憎々しげだった。
 話に聞いた魔術師と言うのの気質上、朝に見たアレは許せるものではないのだろう。
 その上できちんと指導しようとしているのだからえらい。
 こういうところが元上司後共同経営者最終的妻と違うところか。あいつは技術的な指導なんてほとんどしなかったし。
 まあ、それもあながち間違った方法でも無いが。
 ついでに取り敢えず心眼起動。

同調、開始(トレース・オン)

 そう呟いた衛宮から魔力が噴出す、と言うより量的に滲み出すが正解か?
 凛ちゃんとは比べるべくも無い僅かな魔力が漏れ出し、それがランプへと染み込むように同化し、
 構造を補強するのが視えた。

 そして衛宮は目を開けて、

「でき、た!!」

 嬉しそうに感嘆の声をあげた。
 無理も無いか。今まで魔術回路を一々作っていたらしいし、その上成功率なんてほぼゼロだったらしいし。
 一発で成功したのがよほど嬉しいのだろう。

 ちなみに普通の魔術師は、一度魔術回路を作ればスイッチができ、
 以降そのスイッチを切り替えることで魔術回路を起動する。
 最初に魔術回路を作るときはそれこそ命がけの作業となるので、
 それを毎晩のように行っていた衛宮は、今生きているのが不思議なほどである。
 以上全部凛ちゃんの受け売り。

「すごいぞ遠坂!一発で、しかもこんなに早く成功するなんて!」
「落ち着きなさい。
 成功率はともかく、速度に関して言えばスイッチを作ったんだから当たり前よ。
 むしろ今までできなかったのが不思議なんだからそれくらいで騒がない」

 ぴしゃりと言って衛宮を撃墜。

「次は投影をやってみなさい。
 対象はやっぱりこのランプで」
「?
 でも投影は役に立たないって親父が言ってたぞ。
 それに投影は基礎の確認や気分転換にやってただけだし」

 それを聞いて凛ちゃんの米神がピクリと引きつり、笑顔になった。
 寒気がする類の笑いだけど。

「い・い・か・ら・や・ん・な・さ・い」
「う。わ、わかった」

 そう言ってまた目を瞑り、意識を集中する。

投影、開始(トレース・オン)

 またもや魔力が滲み出し、それが手の平へと集まり、
 次の瞬間には結実して投影物が出来上がった。

「っ」

 それを見て凛ちゃんが息を飲み、次いで怒りの波動が全身から噴出した。怖っ!
 もっともそれも、衛宮が目を開ける前に抑え込んだらしいが。普段の猫かぶりの賜物か。流石だ。

 そして目を開けた衛宮は自分の手の中に投影物、つまりはランプがあるのを確かめて、

「やっぱり中身は空っぽか。
 もしかして、とも思ったんだけど」

 凛ちゃんの笑みが深くなった。
 内心の激情がラインを通じて漏れ出て来て外面の怖さが倍増です。

 それはともかく、何とか衛宮に気づかれないように深呼吸して激情を抑え込んでいるけど、
 逆にいえば抑え込んでいるだけで静まってないので、爆発したときには被害がすごいんだろうな。
 十中八九衛宮に行くだろうけど。

「やっぱりね。
 士郎。言っておくけれどそれは投影じゃないわ」
「え?
 ど、どういうことだ?」
「いい?
 ふつうの魔術師なら強化の練習に投影を行うなんて怪現象が起こるなんて筈は無いの」
「怪現象って。
 でも物を強化するより、ゼロから創り上げる方がよっぽど楽なんだけど……」

それが怪現象だって言ってるのよこのへっぽこ〜!

 あ、仮面外れた。

そもそも投影ってのは強化、変化の上位魔術よ!
 それが楽!?
 言っておくけど普通の魔術師がこれ見たら脊髄ごと脳みそホルマリン漬けにされるんだからね!?

「あ、う、わ、わかった!分かったから!」

 うがーと吠える凛ちゃん。
 それを必死に宥めようとしている衛宮。


 どうでも良いけど今が夜だって事わかってるか?
 大声で騒ぐなよ近所迷惑だぞ。二人とも。

 あと、俺がここにいる意味あるのか?


 side SHINJI

「ガ、ア……ハァ………グゥ……」

 胸の内から這い登る衝動を、唇をかみ締めて耐える。
 昔から慣れ親しんだ……いや親しんではいないけど……感覚だ。
 はじめは我慢できなかった。
 それが僕が自覚した最初の罪。

 今でもこの衝動を抑えきれているわけではない。
 少しでも気を抜けば、これは容易く僕の理性を食い破る。そんなことは看過できない。許さない。
 だから全身全霊を持って押さえ付ける。

「ほう、まだ抗うか。身を任せれば楽になれるというに、頑固者よな」

 横から声が聞こえるが、そんなものに構っている余裕は無い。
 最速にして全力で自分の内、その深部へと埋没し接続する。

 ガキンと自分がずれる。

 ガチンと自分が外れる。

 その途端に溢れる力。

「ほ。もうその深度まで潜ったか。
 今までのタイムレコードじゃな」

「…………………………」

「ん?何じゃ?
 そう睨むな。何ぞ言いたいことでもあるのか?」

「……………………………………」

「やめておけ。今儂に手を出すならこやつとてただではすまん。
 それにこれはこやつが自ら望んだこと。お主達がとやかく言うことではあるまいよ」

「…………………………………………………………」

「それを承知で儂を手にかけるか?
 分かっていると思うがそうしたところで大した意味は無いぞ?」

「…………………………」

「怖や怖や。
 そろそろ儂は退散するかの」

「…………………………………………………………」

「ぐ、ハァ、ハァ、ハァ……」

 胸の内、より正確に言えば心臓からの衝動をどうにか静め、荒い息を吐いた。
 そこまできて、ようやく部屋に自分のほかに人がいることに気が付いた。

「どうしたんだ二人とも?こんなところで?」
「シンジ……」

 沈痛と言うか、痛ましげと言うか、気遣わしげと言うか。
 その表情だけで言いたい事は良くわかる。

「あ〜……
 大丈夫だよ。取り敢えず暴走するなんてことは無いから」
「そんなことを言いたいのではありません!」

 分かっているさ。そんなことは。

「そうだ。
 我の生涯の伴侶だと言う自覚はあるのか?」
「そうです。共に生きようと言ってくれた、あの言葉は嘘ですか?」

 うわ、相当怒ってるなこりゃ。

「だから大丈夫だって。
 このくらいで死んでやるほど、僕は潔くないんだ」
「当たり前です!」
「第一夫人である我の許可無く死ぬことなぞ許さん。
 我のものであると言う自覚をもて」

「………誰が第一夫人ですか誰が!」
「我以外にその座に相応しき者などいないだろう?」
「黙りなさい!家事音痴のあなたが相応しい訳ないでしょう?」
「ふ、甘いな。
 第一夫人は二号以下に家事を任せて夫に甘えれるのだ」
「な!?
 そんな美味しいポジション!尚更渡すわけにはいきません!」

 なんかガンガン本筋から離れていってるんだが。
 まあ好都合と言えば好都合か。
 と、

 クイクイ

 袖を引かれる感触。

「ん?」

 視線を向ければ、そこにいつの間にやらいたのはメイド服の少女。
 というか、正真正銘家で雇っているメイド。
 そして僕の罪の一つ。

「どうぞ」
「あ、ありがとう」

 差し出されたのはコップに入っている水。
 遠慮なく受け取って、のどに流し込む。
 よく冷えた水が火照った体に心地よい。

「大丈夫ですか?」
「ああ。
 二人にも言ったけど、大丈夫だよ。心配要らない」
「そうですか。
 ところで……」
「ん?なんだい?」
「私は第何夫人ですか?」

 ブッ! 

 飲んでいた水を吹いた。

「ゲホッ、ガホッ、ゲヘッ……。
 い、いきなり何を」
「私にもその権利はあるでしょう?
 ほら、三年前のあの日。何も知らない私に向けてあなたは猛った欲望を……」
「わーわーわー!
 分かった分かったわかったからその話は止めてくれ!」

 いきなりなんてことを言うんだこの娘は。

「はい。
 あと桜ちゃんも……」
「あ、あいつは衛宮に貰わせる」
「貰わせるって……強制で?」
「勿論だ。
 僕の目の黒いうちは、桜を振るなんて許さない」
「それって普通使い方逆なんじゃ?」
「それは父親の場合だろう?
 僕は兄だからね。妹の望みはかなえないと」

 それが、償いになるとは言わないけれど。
 誰もいなくならずに、みんなが笑って迎えられる未来を目指す。
 それがかつての過ちを、少しでも埋めてくれることを願って。


 ああそうさ。犠牲なんて出してやるものか。
 絶対にハッピーエンドで終わらせてやる。覚悟してろよ。クソジジイ。


 <後書きですたぶん>

どもです

今回の更新は早かったな
このペースが続けば……
まあ無理か

文章の書き方を変えてみました。
前とどちらが読みやすいでしょうか。
読みにくかったらなら戻します

今回書いたシンジサイドは結構重要だったり
こんなところで書く予定は無かったんですけどまあ良いかと
彼らの正体は一応秘密と言うことで。というか分かりますかね?

おかしな所、矛盾してるところ、誤字脱字疑問点、などがございましたらご指摘ください
まずいネタや質問、意見や要望はメールにてお願いします


 ではレス返しをば
○うにーくさま
ジャスティスはまあ、弓兵の神経思い切り逆撫でするでしょうね
でも、ここでの彼の一番の目的は原作とは違いますので、怒りを抑えてくれる……かなぁ?

>西条に共感する士郎
私の中で西条は貴族というより公務員なんですよね
だからどうしたって訳でもないですけど、自分の信じる正義のために悪い奴をなぎ倒すって感じで。

ちなみに双剣に共感しても、使い手の記憶は聖剣ジャスティスの物なので、戦闘技能は上がらなかったり。
だから総合的に、干将莫耶の方が良かったり。駄目じゃん。

○蝦蟇口咬平さま
うわ、まじですか?
ま、まあ、勢いとギャグ補正と言うことでひとつ。

えっと、書き直したほうが良いでしょうか?
流石にそれはちょっと。せっかくここまで書いてしまいましたし

士郎の弱さについては申し訳ないです。
いろいろ弄っているうちにあんな風に。
精進します

○遼雅さま
まあ、セイバーと衛宮なら技術的に天と地ですし
相手にならないでしょう

慎二はけっこう頑張りますよ。幸せになるかどうかは分からないですけど

メドさんについてですか?
簡単に言えば宇宙から降ってきたメドさんを科学者が培養
意識が無いのでプロセッサも復活させたんです
で、それをタツキの元に埋め込んだんです。
その時には損傷がかなり直っていたので、埋め込んだショックで意識が復活しました


ではでは

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