あるところに、一人の少年がいました。
その少年は、ただまっすぐで純粋。そして、女の子を守るという自分なりの正義を持つ者。
その少年が進むのは、覇業を止める道。そして・・・愛する者たちを守る道。
現代の戦乱蠢く関東。群雄割拠の時代。
そんな中、関東へと現る奇跡の少年。その軌跡を・・・見届けよ。
零の巻 少年、三国の少女たちと出会う。
【11年前】
少年はその日、幼稚園の帰り道に公園で遊んでいこうと思っていた。
「今日は砂場で城作るぞ〜!」
少年はワクワクな表情で公園に入る。すると、砂場で数人の男子が集まり、一人の女の子を泣かせていた。
「・・・何してんだろ?」
少年が目を凝らして見ると、茶色の髪にメガネをかけた女の子が泣いていた。どうやら、男子たちが取ったらしい本を取り返そうとしながら泣いていた。
「か、返してください〜〜〜」
「へへ〜んだ。このメガネブス、悔しかったら取り返してみろよ」
そう言って、男子たちは本をパスしあって女の子にとらせないようにした。女の子は、ワタワタしながら取り返そうとする。
「ひっく・・・ひっく・・・」
「なんだ、なっさけね〜な《バキ》いって!」
本を持った男子がニヤニヤしながら笑っている時、突如その男子が吹っ飛んだ。そこには、公園に入ってきた少年が、怒った表情で立っていた。
「な、何すんだよおまえ!!」
「女の子を・・・・泣かせるな!!」
男子たちが集団でイジメようとするが、少年の目から放たれる何かに恐怖していた。そしてそのまま、男子たちは逃げ出して行った。少年は落ちていた本を拾うと、女の子に近寄る。
「はい、これ君のでしょ?」
「え・・・・・は、はい。・・・・ありがとう」
「いいのいいの♪女の子を泣かせるやつは、僕が許さないから」
「・・・・くす」
少年のわんぱくさに、女の子は思わず笑い出した。そして、二人は名を名乗る。
「僕は○○○○。君の名前は?」
「私・・・・・・私は・・・・・りゅうび、劉備玄徳(りゅうびげんとく)」
これが、少年と後の成都学園頭首【劉備玄徳】の出会いだった。それから仲良くなった二人は友達になるが、少年の父が転勤のために別れる事になる・・・。
【9年前】
父の転勤で新しい学校へ来た少年。少年がクラスで馴染みだした頃、少年は学校の屋上にいる一人の少女をよく見かけるようになった。」
「ねえ○○。あの娘は?」
「え・・・・ああ、関羽か」
「かんう?」
「そ、関羽雲長。変わった名前だよな〜」
少年の友達がそう言っている中、少女はただ、空をを見ていた。その瞳は、とても澄んでいて、綺麗な眼だった。
「綺麗だね」
「お、○○は関羽に興味ありか?」
「え・・・ち、ちが」
「おーい、○○はな〜」
そんなこんなで、数日が立った。ある日、少年は学校の帰り道を歩いていた。
「早く帰ろう・・・・・ん?」
少年が前から走ってくる何かを見た。すると、一匹の大型犬が少年めがけて走ってきたのだ。
「い、犬!?逃げなきゃ!!」
少年は逃げようとするが、小石につまずいて転んでしまった。その間に、犬は少年にとびかかる。
「もうだめだ!」
少年が目を瞑る。しかし、聞こえてきたのは、犬の悲鳴のような声だった。少年が目を開くと、そこには長い髪・澄んだ瞳・褐色の肌の少女・・・・関羽雲長が立っていた。その手には、犬に噛まれただろう傷痕が存在し、血が流れていた。
「・・・・どっか行け」
関羽の言葉に、犬はさっさと消えた。そして、関羽は少年の方を向き、手を差し伸べた。
「・・・大丈夫?」
「う・・・うん」
「立てる?」
「だ、大丈夫」
関羽の手を掴み、立ち上がる少年。すると、少年は関羽の手から血が流れている事に気づいた。
「血が流れてる・・・」
「これくらい平気・・・」
関羽は気にしていない様子だったが、少年はポケットからハンカチを取り出すと、そのまま傷口を縛って止めた。
「これで、大丈夫」
「・・・・気にしなくていいのに」
「よくない!女の子の髪と肌は命だっておとうさんに聞いたんだ。それに、女の子には優しく、それが僕のモットーだ」
少年のまっすぐな言葉に、無表情だった関羽の頬が赤く染まった。
「あ、僕は○○○○」
「私は・・・」
「関羽雲長ちゃんでしょ?」
「・・・知ってるの?」
「うん。空を見てる姿が、可愛かったから」
少年の言葉を受け、関羽は再び頬を赤く染める。それが、少年と関羽雲長の出会いだった。それから、関羽が先に卒業した事により、二人は別れる事になる。
【4年前】
少年が中学校の始業式へ向かって走っていた。いわゆる寝坊である。
「急がないと・・・・」
少年が走っていると、前方に銀髪の綺麗な後ろ姿の女性とがゆっくりと歩いていた。その姿は、歩いているだけなのに美しかった。
「綺麗だな・・・あだ!!」
少年は目の前を見てなかったのか、電信柱に激突した。それにより、少年の意識はブラックアウトした。
「・・・あれ?」
少年が目を覚ますと、ベットに寝ていた。
「あれ・・・・僕は」
「気を失ってたんですよ」
「うわああ!!」
突然の声に、ビクっと驚く少年。目の前には、あの美しい銀髪の女生徒が座っていた。線目なのだが、何故か表情が優しく見えた。
「あ・・・・そっか。電信柱に」
「そうですよ。漫画じゃないんですから」
そう言って、クスっと笑う女生徒。そんな中、女生徒は何かを思い出したのか、少年の方を向く。
「私の名前は、超雲子龍。貴方と同じ中学の二年生です」
「あ、じゃぁ僕の先輩なんですね」
「そうです。よろしくお願いしますね」
「は、はい。僕は○○○○って言います!!」
それが、少年と超雲子龍の出会いだった。そして、超雲子龍が先に卒業した頃・・・。
【現在】
少年が家でノンビリしていると、突如電話が鳴った。
「はい・・・もしもし」
「あ、○○ちゃん?」
「あ、おばさん。お久しぶりです」
「ほんとよね〜。何年ぶりかしら」
「ですよね・・・で、どうしたんですか急に?」
「実はね、今度そっちの高校に伯符が転校するから」
「え、マジですか?」
「マジよ♪」
「・・・あの天然な伯符か・・・はぁ〜」
「まぁまぁ、会いたがってるわよ貴方に」
「はぁ・・・・分りました。来たらこっちで対応します」
「お願いね〜」
少年は電話を終えると、窓から見える月を見ていた。
「伯符か・・・・・何年振りだろ・・・・懐かしいな」
少年はそう呟きながら、昔の幼馴染を思い出すのだった。それから数日後、少年の運命・・・・いや、【周瑜公瑾】の運命が動き出す・・・。
あとがき
・・・やってしまった(汗)。一騎当千DDを見て、つい執筆魂に火が(滝汗)。
本当は絶チル×メタルダー、私の救世主さま×ウルトラマンメビウスとかもしてみたいのに、こっちに走ってしまいました(汗)
この作品は、スローペースでやっていこうと思います。正直、GS小ネタのヒーローが最優先なので(汗)。
では、機会があったらまたお会いしましょう。さらばです!