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▽レス始

「お兄ちゃんと一緒♪ 第四話(機動戦士ガンダムSEED・Destiny+ネタバレにつき未記入)」

春の七草 (2007-02-22 09:36)
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一、
 「議長、先日の案件のことですが」
 「そこに置いておけ、後で見る」
 「議長、予算案についてカナーバ議員からの意見書が来ていたはずですが」
 「今見ている。返事はすぐに送ると伝えておけ」
 「議長、戦死者遺族年金削減に関して福祉担当者が抗議を」
 「なるべく暇そうな秘書を対応に当てろ、今私は対応できん」
 「議長、ボアズ要塞の雨漏りについて駐留部隊から修理の要請が」
 「それは私のところではなく、補給課に回せ!」

 書類で埋まった議長執務室の机を眺め、パトリック・ザラはため息をついた。執務室の扉はひっきりなしに開閉され、幾人もの人間が出入りし、パトリックへと用件を伝えていく。その度に執務室の机は更なる書類で埋もれ、重要書類が山をなす。

 (ええい、何故こんなに忙しいのだ!)

 気を抜けば崩れそうになる鉄面皮を何とか保ち、いい加減凝ってきた肩の痛みを無視して姿勢をぴんと正す。
 例えナチュラルとの徹底抗戦を断念しても、ザラ家当主はやはりコーディネイター至上主義者である。コーディネイターは新人類。愚鈍愚昧なナチュラル如きとは隔絶した存在でなければならない。旧人類を超越した優勢種たるコーディネイター。その指導者であるパトリック・ザラともあろうものが、高々書類仕事程度で疲れなど見せるわけにはいかないのだ。

 (しかしいい加減、私の処理能力を超えているような気がするな)

 ラウ・ル・クルーゼの仮面よりも遥かに無表情なその顔のまま、パトリックは内心うんざりして机上の書類の山を眺めた。
 セキュリティの問題から電子上に残すわけにはいかない重要書類だけでも、見上げるばかりの立体をなしているのだ。より優先度の低い、電子上の書類は一体如何程の量になるのか。平気で他人の頭上に核爆弾を落とせと言える彼といえども、手元のモニターを見るのが怖かった。

 (大西洋連合を主軸とした理事国との全面戦争が、極めて困難なのは最初から分かっていたはずだ。そうであるがゆえに、全面戦争を始めた時点でこういった多量の問題と直面する可能性というのは確かに存在していた。そう、こういった事態は予測されてしかるべきなのだ)

 書類と格闘し、コーディネイター特有の驚くべき反応速度でサインを入れながら、パトリックはそう考える。彼が書類を処理する速度より、部下の持ってくる書類が山をなす速度の方が速いような気がしたが、そこは考えないことにした。如何な先天的遺伝子改造人間といえども、目を背けたい悲惨な事実というものは存在する。

 (……ともかく、この程度の量の。私が処理すべき問題が存在すること自体はそう驚くべきことではないのだ。プラントの人口は約五千万。対する理事国側は合計約三十億。人口比六十倍の敵を相手取れば、国家は大幅なダメージを受ける。プラントという国家が全力回転しない限り理事国側との戦争継続など不可能であり、プラントが全力稼動することにより私自身の負担が大いに増えるのも当然だ。当然なのだが……)

 「議長、予算案についてアマルフィ議員から連絡が」
 「軍事費目的の国債発行の件か? 二時間後に会談を設定しておけ」
 「議長、核動力モビル・スーツの戦略的運用に関するミーティングがそろそろ始まるのですが」
 「ジュール議員を代わりに向かわせろ。私は手が離せん」
 「議長、クライン元議員捜索に関する中間報告書が」
 「そこら辺において置け。いつか見ておく」
 「議長、ジャンク屋の物資輸送に対する支払いに関して少々」
 「それについては……」
 「議長、プラントの食糧事情に関するレポートが届いております」
 「ああ、分かっ……」
 「議長、月面都市市長からの連絡が来ておりますが」
 「あ……」
 「議長、ビクトリア宇宙港の放棄に関して評議会最右翼からの抗議が」
 「議長、量子通信装置開発部より予算増量の嘆願書が」
 「おい……」
 「議長」
 「議長」
 「議長」
 「「「議長」」」
 「ええい、一度に話しかけるな! 私は厩戸で生まれたわけではないのだ!」

 返答する間さえ与えられないほどの、怒涛の報告。延々とやって来る部下たちを前に、ついにパトリックの鉄面皮が崩れた。普段のように“上から”睥睨するのではなく生身の反応で怒鳴り返し、天井を仰ぐ。

 (ええい、まったく。確かに、忙しいのはおかしな話ではないのだ。正直、ここまで忙しいのは予想外だったが、ともかく我がプラントに多量の問題が存在するというのは何らおかしな話ではない。だが、だが―――――)


 (何故、一体何故―――――)


 ( “突然” 問題が噴出するのだ!?)


 つい数日前までは殆ど何も置かれていなかった執務机を前にして、書類の山に埋もれたパトリックは声にならぬ悲鳴をあげた。


 お兄ちゃんと一緒♪ 第四話/機動戦士ガンダムSEED・Destiny二次創作


 「災難でしたな、議長」
 「まあ、な。……笑うな、エルスマン議員」

 くつくつと笑うタッド・エルスマンに、パトリックは憮然と返す。
 パトリックが声にならぬ悲鳴をあげていた辺りから数時間後。相変わらず書類は山をなしているものの、執務室には二人の人間しかいなかった。重要度の低い、議長以外でも処理できる書類については全て部下に回したのだ。
平時ならばともかく、戦争中の国家の指導者が書類仕事で動けないのは危険である。無論、官僚的な書類仕事も重要であるが、トップは先ず国家戦略についての判断をしなければならないのだ。書類仕事だけに忙殺されているわけには行かない。
 パトリック・ザラ議長の殺人的な仕事量は、ここ数日閣議にも出られなくなった彼の状態に驚いたタッド・エルスマンの計らいにより緩和されたのである。今や絶望的な書類の山を見上げる羽目となっているのは議長やその他評議員ではなく、行政組織のトップである高級官僚たちであった。

 「いや、失礼。しかし、ここ数日で一気に仕事が増えましたな。……異常なほどに」
 「同感だ」

 パトリックは未だ憮然とした気分を胸中に押し込め頷く。
 実際、ここ数日の仕事量の増加は異常だった。幾らパトリックや、その他のコーディネイターが優秀であっても処理しきれないほどの問題が、唐突に、大挙して現れたのである。

 「戦死者遺族年金の削減は九ヶ月前に議会を通った案件だ。今更文句が出るくらいなら、九ヶ月前に出て然るべきはずだ」
 「ジャンク屋を利用した交易ルート。その支払いに関する問題も八ヶ月ほど前のものでしたな」
 「食糧事情に関する問題など、開戦前からの話だぞ。何故、今になって問題となるのだ?」

 何れも、問題となり、何処からか抗議が来て当然の問題であった。戦死者遺族年金が削減されれば、死亡した兵士の遺族は生活に困ることになるし、支払いに問題があれば幾ら変人の多いジャンク屋とはいえ抗議が来る。食糧問題に至っては、下手をすれば明日の食事にさえ事欠きかねない重要な問題である。確かに、どれもこれも問題となって当然の案件ではあるのだ。

 「だが、今になって問題とされるようなものではない。もっと以前から出ていなければおかしいものばかりだ」
 「ですな。そもそも、今までが上手く行き過ぎている。プラントに、理事国側国家群と長期的全面戦争を出来るほどの体力などあるはずが無いのですから」
 「人数差の問題か」
 「ええ。ご存知の通り、プラントと理事国側国家群の人口比は、現在約一対六十。これはZAFT軍の兵士一人が死ぬことによってプラント社会が蒙る被害が、理事国側国家群の兵士六十人が死ぬとき理事国側国家群が受ける被害と同等のものであることを意味しています。幾ら我らのモビル・スーツが優勢であろうとも、これではそれを支える社会が持たない
 おまけにその死んだ一人というのは必ず……」
 「分かっている。兵士として死ぬのは子供でも老人でもない。働き盛りの若者だというのだろう」
 「ええ。まあ、我らが国防軍たる……ああ、義勇軍と呼びたければそれでも結構。何れも両者並び立たぬ表現ではありませんからな……ZAFTは十三歳程度からも入隊は可能ですから、実際には微妙な表現ですがね」

 ZAFT……。プラント軍は十三歳から入隊が可能である。例えばアスラン・ザラの同期であるニコル・アマルフィも、アカデミー入学時には十四歳であった。少なくとも十五歳からしか入学できないなどということは無い。
 大体、基本的に軍隊というものは成人年齢に達しなくても入隊が可能なのが常である。訓練に一定の時間が必要である以上、態々頭の固くなった成人だけを集めるのは無意味な行動だ。子供の頃から教えた方が覚えがいい以上、成人になるまでは門戸を閉ざされている軍隊など笑い話にもならない。

 「ともかく、兵士として死んで行くのは十代前半から四十代までの働き盛りの人々。例えば祖父、祖母、父、母、兄、妹の六人家族であれば、その中の父と兄といった所ですな。家庭に……そして産業に携わるために残るのは老人と子供。そして母親たちだけです。働き盛りの、最も生産力の高い人材は不経済なことこれ極まりない戦場で消費の真っ最中。総力戦というものは、絶望的に生産力を破壊します。
 生産力の枯渇に関する問題。
 今までこの問題が噴出しなかったことが異常なのです。議長が叩き潰した穏健派を態々檻から出してまで和平路線に転向したのは、やはりこの問題が表面化したからではないですかな?」
 「……」

 パトリックは褐色の議員の問いには答えなかった。代わりに引き出しからファイルを取り出し、これ見よがしに広げて見せる。アイリーン・カナーバにも見せたそのファイルには、プラントの経済が既に末期的な様相を呈していることが示されていた。

 「やはりそうでしたか。まあ、本来ならば予想されて然るべきことですな」

 自陣営と敵陣営に大きな人数差があれば、自陣営がどんなに強くても勝利は困難である。何故なら割合で考えた場合自陣営……人数の少ない方……は人命一人当たりの損失によって受けるダメージが大きく、そしてそれによって後方で失うものも大きくなるからである。

 例えばプラント兵士一人が死んだ場合、その補充のために後方から一人兵士を補充する。その兵士は補充される前は生産に携わっていたはずであり、その人物が兵士として補充されたために生産の側に一人分の穴が開いてしまう。この穴を埋めるのは、その補充として兵士に行った人物よりも無能な人物……例えば最新の技術を知らない老人や、未熟な子供……である。
 敵に勝つには相手よりもより良く、より沢山の物が必要である。人数が少ない側がより良く、より沢山のものを造るためには、作り手が恐ろしく有能であることが必要となる。例えば人数比が一対六十であった場合、作り手は、量であれ質であれその合計であれ、ともかく単純計算で六十倍以上の価値のあるものを造らなければならない。果たして、相手よりもそこまで優秀であることが可能であろうか?
 或いはもしかしたら、熟練し、働き盛りで脂の乗ったコーディネイターであれば、そんな異常に優秀な仕事をこなすことも可能かもしれない。だが、その優秀なコーディネイターが兵士にとられた後の、コーディネイターであるといっても既に老いた老人や、或いは未だ未熟な子供たちにそんなことが可能であろうか? 勿論、不可能である。彼ら非熟練工の造るものは、今まで生産に従事していた優秀なコーディネイターたちの作るものよりも劣っている。そして劣った製品が例えば武器であった場合、戦場に出た兵士たちは以前よりも劣った武器で戦うこととなる。そして戦う者たちには、補充され兵士になったばかりのコーディネイターたちが含まれている。

 補充されたばかりで錬度の低い兵士が、以前よりも質の悪い武器で戦争をする。
 当然死者は増え、生産に従事する後方からまた新たな若者……熟練工……が徴兵されていく。その穴を埋めるのは……以前の補充では候補に上がらなかった、更なる高齢者や、非常に幼い子供達である。彼らは年齢の関係上、ほぼ確実に以前補充された子供や老人よりも能力が低く、生産能力は更に低くなる。当然、そこで造られた武器というものは更に質が悪く、質が悪くなった分兵士たちの死ぬ割合も増え、その穴を埋めるために更に生産から若者が引き抜かれていく。見事なまでの悪循環となってしまうのだ。

 人数が多い側はこの悪循環に囚われにくい。何故なら、彼らの社会には余剰人員が存在するからである。普段生産にそう関わっていない若者というものが存在するため、彼らを兵士の補充に充てればよいのである。
 が、人数の少ない側にはそんな横着は許されない。彼らの社会には余剰人員が少ないか、或いはほぼいない。どこかで人数が減れば、他の部署から回してもらうしかないのだ。
 人数の多い陣営は生産力が中々減らず、少ない陣営は生産力がどんどん減っていく。数の少ない側がどんなに優秀であろうともそれに変りは無い。何故なら個人個人の能力の問題ではなく、総体としての社会の問題だからである。
 理事国側国家群よりも圧倒的に人数の少ないプラントは、例え連戦連勝を続けていようとも、総力を持って戦争を始めた時点から緩やかな破滅に向かっていたのである。

 「確かに、予測されて然るべきことだな」

 パトリックは頷いた。その鉄面皮には、注意してみれば僅かに苦いものが含まれているのが分かっただろう。

 何故、こんな単純なことを自分も含めた誰も今まで提起しなかったのか―――――

 幾ら考えても、納得の行く理由など出てこない。まるで、脳裏で堅果がくるくる回っているかのようだ。
 タッドも同じような疑問を持っていたのだろう。冗談めかして口を開く。

 「今まで出てこないほうがおかしいのに出てこなかった問題が、今更になって突然現れる。やれやれ。まるで我らの社会が、ここに来て突然」


 「“正気に返った”かのようですな」


 口元に皮肉な笑みを湛えてそう呟いたタッドは、ふと薄ら寒いものを感じて口を噤んだ。見れば、パトリックもやはり黙りこくっている。心なし、その顔も青い。
 両人の脳裏に、一瞬血の色をした瞳の少女の影が映った。それはまるで、離散集合を繰り返す虹色の球体群のように禍々しく、狂気に満ちていた。

 「……今は原因を探るべき時では無い」

 数分の沈黙を破ったのは、パトリックの方であった。不吉な幻想を振り切るように立ち上がり、壁にかけられた地図を見上げる。数ヶ月前に比べて、ZAFT勢力下であることを示す赤い色は随分と減っていた。理事国諸国家軍による反撃は、彼らプラント首脳陣の予測を超えて激しかった。

 「ともかくこの問題。絶望的な経済と生産の状態を何とかせねばならん。さもなければ、プラントが潰れてしまう」

 現状では、理事国側は勝つためにプラントを攻める必要さえ無い。適当に戦闘を仕掛けていれば、時期にプラントは後方から崩壊する。プラントを、祖国を生き残らせるためには戦争などしている暇は無い。

 無知蒙昧な旧人類、ナチュラルとの和平か。不快だが、それも止むを得ん―――――

 (先ずはコーディネイターの国家であるプラントを生き残らせる必要がある。ナチュラル憎しはその後だ)

 以前の彼ならば絶対に出なかった発想を持って、パトリックは今後の方針について己に言い聞かせた。


二、
 「市民権?」
 「そう、市民権だ」

 そんな言葉も知らんのか。そう言わんばかりの不遜な態度。
いかにも役人といった、慇懃無礼これ極まりない入国管理官の不快な反応に、シン・アスカは危うくその胸倉を掴みそうになった。

 赤道連合よりはるばるやって来た、プラントの窓口たる入国管理局。その入り口で、半日以上待たされた挙句のその対応である。沸点の低いシン・アスカでなくとも不愉快なことは確実である。

 結局彼がそうしなかったのは、彼の自制心が確固として己の行動を統制していたからではない。只単に、あっさり暴挙に及ぼうとした兄を、隣にいた血族が物理的手段を持って制止したからである。つまるところ、シンの妹たるマユ・アスカが力一杯彼の向うずねを蹴り飛ばしたのだ。

 「ええと、詳しく説明していただけませんか?」

 痛みに固まるシンを無視して、マユ・アスカが説明を促す。兄の無愛想なそれとは違い、無邪気そうなニコニコとした笑顔までつけている。
 無論別に、彼女がそんな顔をしたい気分だったわけではない。寧ろ彼女としても、皮肉の四つや五つ言いたい気分ではあった。彼女もまた入国管理局のお役所仕事にはうんざりしており、十二時間に及ぶ待機時間で忍耐をすり減らしていたのだ。只、彼女の方がシンよりも多くの忍耐力を持っており、更には手っ取り早く相手の態度を軟化させるには、女の子の笑顔が有効であると知っていたから、そうしたまでの話である。
 実際、極めて事務的な表情を保っていた入国管理官は多少相好を崩した。硬直しているシンに不審そうな一瞥をくれた後、先ほどまでよりは幾分柔らかく、優しい口調をもって説明を続ける。

 「いいかい、君たち。現在君達にプラント市民権は無い。そしてこの市民権が無いままプラントで生活するのは極めて困難だ。知っての通り、プラントは閉鎖空間にあり、そうであるがゆえに仕事が有り余っているわけでもない。市民権の無い人間は、単純な就労や、保険を使用しての医療サービスを受けることさえ困難だ。
 現在君達が持っていないこのプラント市民権が、今からプラントで生活しようという君たちに必要なのはわかるな?」

 どうかと問う管理官に、マユは首肯を持って答えた。それでと続きを促す。

 「プラント市民権を得る方法は様々だが、手っ取り早く、克君たちにも可能なのは一つだけだ。ま、我々コーディネイターの置かれた状態を鑑みれば、すぐに分かるだろう」

 管理官の言葉に、マユ・アスカは嫌な予感を覚えた。
 彼の言葉の続きに、ではない。彼が言わんとしている事については、マユ・アスカには大体想像がついた。古今東西、国家が新参者の“同胞”に求めるものなど相場が決まっている。問題は、それを聞いたときの、隣にいる極めて直情的な“お兄ちゃん”の反応である。

 マユ・アスカの内心、その表れである彼女の表情をどう解釈したのか。存外に頭のめぐりの良さそうな少女を前に気分を良くした管理官は、彼女の予想通りの言葉をつむいだ。

 「ZAFT、プラント国防軍に入隊したまえ。二十五ヶ月の兵役義務期間を無事に終えれば、晴れて君達はプラント市民権を得られる。まあ、それが君たちには最善の手段だろうね」
 「なっ、マユを……」

 管理官の台詞と同様、“お兄ちゃん”の行動も、彼女の予想範囲を逸脱することはなかった。
 “マユを戦争に出す気か”とでも言おうとしたのだろうか。再び管理官に掴みかかろうとした兄を、全力で足の小指を踏みつけることで黙らす。今度は固まるだけではすまなかったらしい。痛みに耐えかね、シンは悲鳴もあげられずに蹲る。

 「市民権の詳細、ZAFT入隊の詳細、そういった諸々の解説は何処で見ればいいのですか?」
 「ああ、それは資料課の方に行けばいいのだがね。
ところで君、仮にも年上の兄妹相手にそれはないんじゃないかね?」

 兄を悶絶させておきながら、何事もなかったかのように話を続けるマユを見、管理官は流石に冷や汗を禁じえなかった。


 「お兄ちゃん、大丈夫?」
 「そう聞くくらいなら、やらないで欲しかったんだけど」

 入国管理局の待合室でそう聞いてくる妹に、シンは恨めしそうに返した。未だに、足の小指はずきずきする。

 「だってお兄ちゃん、ほっとけばあのまま入国管理してる人に殴りかかったんじゃないの?」
 「いや、それは……」
 「どうなの?」
 「……その通りです、はい」

 睨まれれば、或いはシンは“そんなことない”と言い張れたかもしれない。だがマユは、心底心配そうに兄の顔を、上目遣いに見上げてきた。重度のシスコンである彼にとって、妹の懸念を無視するような態度は取ることが出来ない。
 マユはため息をついてシンの目の前に立った。腰に手を当て、年下の子供を叱るように言う。

 「“ぼーりょくは駄目です”なんてPTA的なことを言う気は無いけどね。あの場で役人を殴ったら、プラント入国自体無理になる可能性だってあったんだよ? あたし達はプラントの人間にしてみればお荷物の、何の技能ももっていない難民に過ぎないんだから。」
 「あ、うん。……ごめん」

 難民がいざ入国しようとした時点で、管理局の人間といざこざを起こす。それがどんな問題を引き起こすのかなど、少し考えれば分かる話である。誰だって、いきなり他人に暴力を振るうような人間を自国に入れたいとは思うまい。
 冷静に考えてみれば、シンにもその程度のことは理解できる。シン・アスカはコーディネイターであり、頭が悪いわけではないのだ。ただ、平然と最愛の妹を戦場に出す選択肢を“最善”と説かれた瞬間、理性も悟性も。何もかもが蒸発してしまったのだ。
 シン・アスカにとって、そういった状態に陥ることは珍しいことではない。両親に与えられたこの紅い瞳を馬鹿にされたときも、家族に関する問題を論われたときも。そして勿論、マユがオーブでナチュラル達に苛められていたときも。目の前が真っ赤になり、激情に身を任せることとなってしまうのだ。

 それが良くないことなのだとは、シン自身理解していた。感情に流され暴れるなど、自我の抑制さえ出来ない子供のやることである。少なくとも、ここプラントではそろそろ成人しようかという年齢の人間がやっていいことではない。コーディネイターの成人は、ナチュラルに比べると早い。彼らは社会的に、より早く成熟することを求められているのだ。“子供だから”などという言い訳が通用することはない。

 やっぱ、すぐに怒ってばかりじゃまずいのかなぁ―――――

 少しだけ、自分の欠点について問題意識を持つ。
 実際の所、今までそのことについて彼が深く考えることはなかったのだが。彼の偏愛の対象であるマユ・アスカにそのことを指摘されたことは、少しだけ彼に自身の問題点を考えさせることとなった。


 「さ、というわけでお兄ちゃん。ZAFTの受付に行こ」
 「え……。ちょ、ちょっと待ってよ、マユ」

 お説教はこれでおしまいとばかりにあっさりと話題を変えるマユに、シンは慌てる。

 「お前に言われたこと、ちょっと真面目に考えてたのに……。あ、いや。そうじゃなくって。マユはZAFTの受付は関係ないだろ?」

 入国管理官はZAFT入隊を勧めていたが。勿論のことシンにとって、マユがZAFTに入るなどという事態は論外だった。シン・アスカにとってマユ・アスカは守るべき存在である。そんな彼女を、危険な戦場にやるわけには行かないのだ。

 「ZAFTには僕が入隊する。マユまで入隊する必要は無いよ」
 「そういうわけにも行かないでしょ?」

 マユは呆れたようにこちらを見て、先ほど取ってきた諸々の資料を待合室の机に広げて見せた。

 「取りあえず、あたし達が当面プラントで生活する。このことに異論は無いよね?」
 「え、あ、うん」

 そのことに、異論があろう筈も無かった。
大西洋連合に制圧されたオーブにはいられなく、その他地球の諸国家はコーディネイター排斥の動きが大なり小なり存在する。月面中立都市はすぐ側に大西洋連合の一大基地がある。いつコーディネイター弾圧の機運が高まっても不思議では無い場所だ。
 噂では、アメノミハシラなるサハク家所有の宇宙コロニーがあるとのことだが。残念ながら、シンにはこの混乱の中、どうやってそこに行けばいいのかさえ分からなかった。

 結局、コーディネイターであるアスカ兄妹が行ける場所など、ごく限られているのだ。だからこそ、二人はプラントへと来たのである。勿論、そこで生活をするつもりでいるのだ。
 マユの言ったことは只の前提であり、今更何か異論を言うようなことではない。

 「で、そのためには市民権が必要。それにも異論は無いわよね?」
 「うーん。無い、ね」

 目前の資料をぱらぱらとめくりながら、プラントに来るまでに目を通した求人関係のサイトを思い出す。そういえば、履歴書にはプラント市民のIDナンバーを打ち込む欄が存在した。打ち込まずに応募しようとすると、エラーが出ていた気がする。目の前の資料を見る限り、IDナンバーは市民権を証明するもののようだ。

 「市民権が無いと、アルバイト的な就職さえ難しそうだね」
 「ついでに言うなら、医療関係の国家的補助も受けられないわね」

 保険や、その他のサービスというものは、基本的に国内向けのものである。特に、それが個人的なものであれば尚更だ。よく分からない人間まで保険に加入させていては保険会社は立ち行かない。結局、市民権のような“身分証明書”が存在することは、それらのサービスに加入するための必要最低限の条件であるのだ。

 「医者にかかるとお金が凄くかかるってことかぁ……。それは困るな」
 「でしょ?」

 コーディネイターは、基本的に丈夫である。殆どの疾患にはそもそもかからないし、風邪などのようにどうしても根絶できない類の病気さえ、短時間で治してしまう。普段ならば、病院の厄介になることなどほぼありえない存在なのだ。
 だが、無論彼らでさえかかる病気というものも存在するし、自動車事故その他による大怪我というのも考えられる。得てしてそういった病気や怪我の治療には大量のお金が必要となり、それらに対して保険による補填が行われないというのは、酷く拙い。

 「お兄ちゃんがZAFTに入れば、確かにお兄ちゃんは市民権を得られるよ。でも、あたしは得られない。そりゃまあ、お兄ちゃんがZAFTに入れば、入らないよりはお金の心配はなくなるけどね」
 「えーっと、つまり。マユも市民権が必要だから、僕だけがZAFTに入るのじゃ駄目だってこと?」

 普段使わない頭をぶすぶすと動かし、シンは答える。同時に、会話の雲行きが怪しいことを自覚し始めていた。このままだと、妹のZAFT入隊を認めざるを得ない方向に話が進みそうだ。
 妹に対し少々過剰なまでの愛情を持つシン・アスカにとって、それだけはなんとしてでも避けたいものだった。

 「うん、そういうこと。だから―――――」
 「え、ちょっと待って!」

 話を続けようとする妹を見て彼は慌てる。彼女が軍隊に入るなどとんでもない。何とかして、その意思を翻させなければならない。

 「うーん、マユ。軍隊に入ると危ないよ? 戦争やってるし、死んじゃうかもしれないし」
 「で、お兄ちゃんはその危ない組織に入るわけ? 説得力が皆無じゃない?」
 「あ……。え、えーっと。だけど。女の子が軍隊に入るなんて……」
 「オーブだろうとプラントだろうと大西洋連合だろうと。男女平等は憲法の基本理念だよ? 何超絶的に時代錯誤な主張してるのよ」
 「う……。でも、男性の方が軍隊に多いのは間違いないじゃないか」
 「論点がずれてるよ? お兄ちゃんのさっきの主張は“女の子が軍隊に入るのが問題だ”でしょ? 軍隊における男女人数比は関係ないわね」
 「ぐ……」


 シンとしては、妹のZAFT入隊など冗談ではない。必死になって頭を使い、彼女の意思を翻させようとする。が、それは土台無理な話であった。
 本来のマユ・アスカが相手ならばさておいて。現在のマユ・アスカを相手取っての口論は、直情的で未熟な思考回路しか持たないシンには荷が重過ぎた。
 ある程度頭を使うことを要求される世界の十八歳の少女と、才能が全てを決定し、努力も思考も意味をなさない世界の十四歳の少年。どちらがより高度な思考が出来るかなど、明々白々である。
 シンが頭から煙を上げつつ考え出した意見は悉くマユに論破され、相応に粘っては見たものの、結局彼女の軍入隊を諦めさせるだけの意見をシンは考え付くことは出来なかった。

 「で、お兄ちゃん。まだ言いたいことはある?」
 「……ない」

 結局シンは、妹のZAFT入隊を認めざるを得なくなる。他の人間に論破されたのなら感情的に叫んでいたであろう。だが、彼が今言い合っていたのは、最愛の妹たるマユ・アスカである。幾ら“原作”で短絡的克稚拙な思考しか出来なかったシン・アスカとはいえ、彼女の前で喚くなど、そんな無様な真似を晒すことは出来なかった。

 「じゃ、お兄ちゃん。ZAFT入隊の受付に行こっか」
 「う……。分かった。でも、後方任務に志願するんだぞ? モビル・スーツパイロットとかは駄目だからな」
 「うん。分かってるよ。あたしもそんな物騒なとこ志願する気は無いし」

 マユが軍隊へ入ることを止めるというシンの目的は、結局達成されることはなかった。
 シンの知恵熱が出そうなほどの必死の思考は、まったくの徒労に終わったのである。

 少なくとも、彼自身の主観においては……。


三、
 (うーん、割合上手くいったのかな?)

 数分後、シンと分かれてトイレに入ったマユは、そう考えて首を傾げる。洗面台の鏡に映るのは、十三歳の少女の姿だ。まるで血のような色をした瞳が印象的である。

 (お兄ちゃん、原作だと絶望的に頭が悪かったからね。ちょくちょく頭を使ってもらわないと)

 実際の所、マユが態々口論しようとしない限り、シンがマユのZAFT入隊を止めるべく頭を使うような状況にはならない。他の面ではさておいて、少なくとも思考能力という点においては、マユ・アスカは兄を圧倒的に凌駕しているのだ。最初から、一切の反論が不可能なレベルで論理展開をし、シンに自身のZAFT入隊を認めさせることなど、マユにとってはさしたる難事では無いし、口論よりもそちらの方が楽である。
 にも拘らずマユが口論……シンが頭を使う状況……になるよう仕向けたのは、偏に彼の成長を促すためであった。

 (原作だとお兄ちゃん、ゲドンの怪人並みに頭が悪かったもんね)

  “原作”でのシン・アスカ。“お兄ちゃん”の行動を思い出して、少女は眉をしかめる。

 (国家元首への暴言。命令無視での連合国軍人虐殺。無断での捕虜返還。で、捕虜返還に関してお咎め無しなのは“自分の正しさを理解してくれる人が上層部にもいる” から? “今までの戦績を鑑みて”って言ってたじゃない。“取りあえず使えるから檻に入れない”って意味だって、何でわかんないかな。あの分だと、ラクス・クラインがクーデター(?)起こしても起こさなくても、将来は真っ暗だったでしょうね。
 まあ、あたしのお兄ちゃんにそんな人生歩ませる気は無いわけだけど)

 “原作”におけるシン・アスカの最大の欠点は、ものを考えないことだ―――――

 マユ・アスカはそう考える。

 (ものを考えないというのは、SEED世界の人々全員に言えることだけど。お兄ちゃんのあれはSEED世界馬鹿決定戦をやったら上位三位に食い込めるレベルよね。戦闘のときは頭使ってるのに、何で実生活では使えないのかなぁ……。フリーダム撃墜したときの十分の一でも使えれば、大分幸せになれたと思うんだけど……。って、原作のこと考えてても仕方が無いか)

 横道に逸れはじめた思考を慌てて修正する。

 (ともかく、お兄ちゃんの最大の欠点、“頭を使わないこと”をなんとかしないと非常に拙い。時々暴走するし。
 今回はあたしが隣にいたから止められたけど、いつも隣にいられるわけじゃないだろうし。
 なるべくなら、実戦に参加するような事態になる前に、もーちょっと頭を使うようになってほしいんだけど。
 でも、二年程度でアレが直るのかなぁ……)

 思考とは、訓練によって強化されていく。無論、個人差はあるが、反復して使うからこそ頭はよくなるのである。
 “原作”では驚くほど頭を使っていないシン・アスカ。入国管理官に掴みかかる所を見るに、こちらのシンも“原作”と五十歩百歩のようだ。果たして二年程度の訓練で、人並みに“頭を使う”よう仕向けられるだろうか?

 (無理っぽいけど。
 責任あるヒトゴロシ……もとい軍人にならないと、お兄ちゃん碌でもない人生送りそうだし。
 あたし自身の生存とか、生活とか、色々目的はあるけど、これも気にしとかなきゃいけない、か)

 とにかく生きるために行動すべき。
 生活のために軍隊に入るべき。
 お兄ちゃんのために彼を成長させるべき。

 (何だかどんどん、当初の目的とは関係の無い目標が増えていっているような……)

 生きることだけが目的なら、今回のことは“面倒ごと”なんだけどな―――――

 そう思いながらもマユの頭脳はすでに、シンの成長をどう促していくか、あれこれ考え始めていた。その口元には苦笑が浮かんでいる。もっともそれは、彼女自身が思っているほど、苦いものを含んではいなかったが。


四、
 「っ……」

 酷く不快な感覚を感じて、少女はベッドから身を起こした。自室を出て、暗い廊下を歩く。

 「今のは……」

 一体、何だったのだろうか。酷く近しくて、そして遠い感覚。まるで、全てに隣接しながら何処にもいけないかのようだった。

 「それに」

 ちらりと脳裏をよぎった。まるで死に逝く人が最期に流す血液のような、暗鬱な赤。未だ幼い少女の目にあったそれが、不吉な胸騒ぎを感じさせる。

 一瞬“感じた”のは、見覚えの無い少女だ。
 コーディネイターである彼女は、記憶力にも自信があった。あんな特徴的な瞳をした少女に会ったことがあれば、忘れれるはずも無い。初めて見たのだと、断言できる。

 「一体……」

 何故だろうか。彼女が自分の大切な何かを侵しているような感覚がある。酷く不快で、不安で、居た堪れない。
 少女は思わず壁に手を付いた。

 「……? どうか、されましたか?」

 見回りをしていたのだろうか? ワインレッドの髪を短く刈り込んだ男が近付いてくる。少女は内心の動揺を押し隠し、いつも通りの微笑を浮かべて見せた。

 「いえ、何でもありませんわ。少し、立ちくらみを感じただけです」
 「そうでしたか。あの……宜しければ、医務室までご案内しましょうか?」

 男は少女に、過剰なまでの敬意を示す。まるで彼女が唯一無二の崇拝対象であるかのように。少女はそれを当然と受け入れ、普段の超然とした態度を取り戻す。

 「ありがとうございます。でも、結構です。もう、治りましたわ」
 「それは何よりです。あなたに万が一のことがあっては、一大事ですから」

 背筋を伸ばし、男は敬礼する。

 「どうか、ご自愛ください。我々には、いえ、プラントには貴方が必要なのですから」


 「ラクス・クライン」


 マーチン・ダコスタのその言葉に、桃色の髪の少女は少し困ったような、しかしどこか超然とした仕草で。
 ゆっくりと頷いて見せた。

 <続く>


<あとがき>
 こんばんは。春の七草です。お兄ちゃんと一緒♪/第四話、投稿させて頂きました。
 前回から大分間が開いてしまいました。いえ、別に何があったわけでもないのですが。次回はここまで間は開かない……といいなと思っています。
 プラントと理事国側国家群の人口については、残念ながら資料がありませんでした。SEED、こういった資料が少なすぎです。取りあえず、プラントの人口についての考察は第五話を出すときにあとがきで示す……かもしれません。私の示した“プラントの人口は約五千万”に納得がいかず、それはおかしいと抗議する方が多ければ出します。
 理事国側国家群の人口については。まあ、こんなものだと思います。合計で三十億程度。以前に核戦争があったようですが、元々人口というのは笑えるほどえらい勢いで増えていくものなので。核戦争があったといっても文明は崩壊していないようですし、これでもかなり少なめの見積もりでは無いかと。
 ともあれプラントの補正解除、及びシンの暴走とマユの対策のお話でした。

 皆様、感想ありがとうございます。以下は“レス返し”です。

○亜鈴☆様
 返事が送れて申し訳ありません。第一話に書いていてくださったんですね。ありがとうございます。
 >冒頭のアレって……
 ……大正解です。まさか、アレを読んで一発で分かる方がいるとは……。大分、マイナーな化身だと思ったんですけど、凄いです(笑)。
 今回も、ちょびっとだけクロスオーバー先の存在が顔を出しています。こちらは殆どの方が分かるようなメジャーなものですが(笑)

○ZX様
 ほんと、何ででしょうね(笑)
 まあ一応、“何故か”の理由は決めてあります。……限りなくアホらしい理由ですが(苦笑)。

○とんぺい様
 >ユウナ、パトリックが人が変わったかのようになりましたが、一体原因はなんなのか気になります。
 原因は……後々明かされます。今回ちょっとだけ示されましたが。ユウナとパトリックは、割とこれからも活躍します。気のせいか、半分以上世界全体に関わる話になってしまってますし。

 >シンとマユ、プラントへ。まだ今は脇という感じですね。
 主人公はマユのはずですが(苦笑)。まだ外堀を埋めている段階なので、まだ暫くは脇役です。
 ユウナとは……そうですね。一応そういう展開も考えていたはずなのですが。一体何処へいったのやら(笑)。原作よりは早く会う予定です。……ん? そもそも、シンやマユって原作でユウナと会ってましたっけ?

○MAHO様
 イケイケ路線って(笑)。なるほど(笑)。
 今回の補正解除は“プラント社会”でした。……解除されないほうが幸せな補正なのですが。まあ、補正解除もいいことばかりではないというわけです。

 >あと最後に「NJで無く核を」というパトリックの主張。〜
 うーん。それはちょっと分かりかねます。正直、私のイメージとしては全面核戦争並みの核を落とす気なのかなぁとか思ってたので。大体、この時代の核兵器って、現代のものよりも強力なはずなんですよね。超ギガトン級の水爆なら、一発落ちれば地球の気候が変りそうですし……。全人口の一割が死ぬのと、どっちが拙いんでしょう?

○通りすがりの名無し様
 うーん、それは幾つかは決めてあるのですが、今のところ秘密です。多分、次々回か次々々回あたりには勇者王も出てくる……筈なのですが。
 そのあたりになっても読んでくだされば幸いです。

○ATK51様
 いつも感想ありがとうございます。……いえ、まだ第四話ですが(苦笑)。
 パトリックの方針転換の理由については、こんな感じです。小規模な国家(しかし、プラントは何時独立したのだろうか?)は大規模な国家と戦うのが物凄く難しいです。戦闘に全部勝っても、気がついたら負けていました。なんてことになりかねませんし。

 >でも、カガリはともかくやはりキララクは「そのまんま」とか…?
 う……割とその通りっぽいような(汗)。“お気に入りのキャラを成長させて、嫌いなキャラにぶつける”などという間抜けな展開になりかねない危険性を持っているんですよね、このやり方。

 シンはともかく、マユは気をつけないと完璧超人になりかねなくて怖いです。早いとこ弱点をつけないと、本当にメアリー・スーになりかねません。
 ……なんだか最期の方が感想に対する返信じゃないような気もしますが……。ともあれ、今後も読んでいただければ幸いです。

○種屋さん様
 >公式(設定製作部)でザフトへの入隊は成人年齢(15歳)に達していないとできません。
 そーなんですか? アカデミー(つまり訓練校であり、入った時点で軍人として扱われる)にニコル・アマルフィは十四歳の時点で入っているのですが……。まあ、SEEDの設定は矛盾だらけですし、そういった設定があっても何らおかしなことではないのですけど。取りあえず、その設定が現実に存在しても問題ないようにお話を進めてみますね。
 ところで。公式(設定製作部)とだけ書かれても一体何処を参照すればいいのか完全に不明です。宜しければ、種屋さん様の確認された書物なりサイトなりを教えていただけませんか? こちらでもその部分を確認してみます。

“レス返し”は以上です。次回も、気が向いたら書いてやってください。

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