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▽レス始

「蟲と獣のコンチェルト第14話(まぶらほ+GB)」

ラッフィン (2007-02-21 22:21)
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「ご主人様、ただいま帰還しました」
「おう、シンシア。で?リーラ大尉はどこかな?」

和樹達に追い返されたシンシア達第二装甲猟兵侍女中隊は本拠地であるイギリスに戻って来た。シンシアは帰還するとすぐに、主人であるヘンリーの部屋を訪れる。そこで、リーラ達を連れてくる任務のことについての質問にシンシアは顔を顰める。が、真実を言うしかない。

「申し訳ありません。失敗してしまいました」
「は?失敗だと?」
「はい・・・思わぬ邪魔が入りまして・・・」
「ほう、言い訳か。聞くだけ聞いてみようか?」
「は!水銀旅団と所属不明の少年少女達です」

シンシアの報告を聞いたヘンリーは驚き固まる。水銀旅団はわかる。が、所属不明の少年少女とはなんだ?ということだ。さらに詳しくシンシアから事情を聞くと怒り叫ぶ。

「お前達はたった数人のガキどもに負けておめおめと帰って来たというのか!?」
「子供でもあやつらは普通ではありませ「黙れ!貴様達がガキにやられたのは事実だろう!」・・・はい」
「お前らには失望したぞ・・・。優秀だと思っていたのだが、とんだ思い違いだった。もう下がれ」
「申し訳ありませんでした」

一礼して部屋を後にするシンシア。その後、部屋で物を破壊するような盛大な音が鳴り響き、後に掃除しにきたメイド達が掃除に手間取ったとか。部屋を出て次の仕事をするために、肩を落として廊下を歩いていたシンシアに声をかける人物がいた。

「あ、シンシア。帰って来たのね。おかえりなさい」
「アネット様!」

ヘンリーの娘であるアネットだった。金髪の綺麗な髪を靡かせ、シンシアに駆け寄ってくる。本来なら寄宿舎に入っているためにここにはいないはずなのだが、休日を利用して帰って来ていたのだ。

「どうしたの?何か落ち込んでいるみたいだけど」
「ハァ、ご主人様の指令を遂行できずに帰還したため怒られていました」
「珍しいわね。あなたが任務に失敗するなんて」

シンシアの優秀さをしっているアネットはまさか任務に失敗していたとは信じられないようである。そんなアネットに苦笑するシンシア。

「事実にございます」
「どうして失敗してしまったの?そんなに難しい任務だった?」
「いえ、ごく簡単な任務だったのですよ。途中までは・・・」
「途中まで?」
「はい。実は――」

シンシアは前に起こったことを全て話して聞かせた。話を聞き終えたアネットは、目を輝かせて興奮しているような印象を受ける。擬音で表すとワクワクといった感じであろう。シンシアの脳裏に嫌な予感がよぎる。

「へぇ、興味あるわね。その人達。あってみたいわ」
「しかし、彼らがどこの誰だかわからないのです」
「あってみたいわ」
「いや、ですから「あ・っ・て・み・た・い・わ」・・・わかりました。早速調査してみます」
「よろしく〜♪」

わざわざ一文字ずつくぎって物凄い迫力で迫るアネットに折れたシンシアはため息とともに調査をするといってしまう。それに満足して頷き、アネットは自分の部屋に戻っていった。

「彼らっていうか、式森和樹だっけ?その人の話をしているときのシンシアの顔が・・・ふふ、どんな人なのかしら?」

その言葉を聞いている者はいなかった。


第十四話「激闘!あなたは私の班!!」


宴を終え翌朝。和樹達は日本に帰ることにした。日本に帰るメンバーは和樹、ケイ、矢夜、松葉、ネリー他数名のメイドだけである。リーラはMMMの上層部に自分達のご主人様が決まったとの報告、セレン達は第五装甲猟兵侍女中隊以外の部隊の動向を探りに、アリシア達は水銀旅団の動向を探りに動いてもらっている。
そして、一緒に日本に戻って来たネリー達だが、以前松葉が本を出さないか?といわれたことを覚えているだろうか?ネリー達にはそれを手伝ってもらうことにしたのだ。以前は紫乃がやっていたのだが、紫乃は多忙であるためにネリー達に任せるほうがいいとの判断である。紫乃にはすでに話は通っているのですぐに仕事が始められることになっていた。
日本に到着するとネリー達は和樹達の寮の近くにあるホテルをとり、しばらくはそこで寝泊りをすることにする。リーラ達が戻ってくるころにはどっかのマンションかビルを買収し、そこを拠点に活動するとか。和樹達は庶民なので、その手の話は大きすぎて苦笑いしか出来なかったのは別の話。

「は〜、やっと帰って来た〜・・・」

寮にある自分の部屋について早々の和樹の言葉だ。向こうにいたときは緊張の連続と擬態の連続でさすがの和樹もお疲れの様子。風呂から出るとそうそうに寝に入ったのだった。それは和樹だけでなく矢夜達もそうだった。矢夜達も風呂から上がったらすぐに夢の世界に旅立った。

―翌日―

「おはよ〜」
「おっはよ〜」

朝の教室の風景。登校してきた生徒達は互いに挨拶を交わしていく。そんな中、和樹も登校してきた。ケイ、矢夜、松葉、夕菜の四人とともに。ここで、いつもなら夕菜と登校してきた和樹に怒りの魔法攻撃が飛び、慌てて和樹が逃げるのだが、今日はなにやら雰囲気がおかしい。

「おう、式森おはよう」

なぜかクラスメイトのみんなが好意的に接してくるのだ。そんなみんなの態度に疑問を抱きつつ、和樹は自分の席に座る。すると、後ろの席の片野阪雪江とその雪江と話していた柴崎怜子が話しかけてきた。

「おはよう、式森君」
「おはようございます。式森さん」
「あ、おはよう。片野阪さん、柴崎さん」
「なんで、今日はみんなが自分に好意的に接してくるんだろう?って思ってませんか?」
「え?よくわかったね」
「顔に書いてあったわよ」

二人とも和樹の心情を見透かしたようにクスクス笑いながら答えてくれる。まいったな〜と頭をかきながら苦笑を浮かべる和樹。

「それで、なんでこうなってるのかな?」
「それは、今度修学旅行にいきますよね?」
「そうだね」
「その班を今日決めることになってるのよ」
「ああ、それでね。納得した」

今日は修学旅行の班を決めることになっていた。クラスの主観では悔しいことに和樹は夕菜と親しい。つまり、一緒の班になる可能性が高い。ここで式森と班になればもれなく宮間さんと一緒になれる。という考えからみんなが和樹に好意的に接してきているのだ。

「おら〜、お前ら。席につけ〜」

とちょうど担任が入って来たので話しは終った。それから、本日の授業が始まるのだった。

「本日はこれまで。号令!」
「きり〜つ、礼!」

本日最後の授業が終了し、後は帰りのHRだけとなる。そして、和樹がもっとも危険に感じていた時間でもあった。

「よし、これから修学旅行の班とバスの席を決める」

この言葉で今まで喧しく騒いでいたクラスが一瞬で静まり、視線は和樹と夕菜に集中する。まさに餌に群がるハイエナ状態である。その雰囲気に夕菜は気がついていない。和樹以外のことになるととことん鈍感な夕菜。対してその視線に気がついてぐったりしている和樹。恋愛に対しては鈍感だが、周囲には敏感である和樹。この正反対な二人など関係なしに話はどんどん進んでいく。どうやら、男子、女子と別々に決めて最後に男女の班をあわせるようだ。

「よし、早速班を組め〜!その後に部屋を決めるぞ!あたしはとっととゲーセンに行ってライバルとの決戦を行いたいから5分以内で決めろ!」

担任の伊庭の言葉で一斉に動き出すB組の生徒。女子は一部を除き夕菜のところへ、男子はこれまた一部を除き和樹のところへ真っ先に駆け寄る。が、その件の和樹の姿がない。

「式森はどこにいきやがった!?」
「探せ、校外には出てないはずだ!」
「よし、下駄箱経由班と屋上経由班の二組に別れて捜索するぞ」
「おう!」

この後、B組の男子は一部を除き教室から慌しく出て行く。自分達の野望―清純派アイドルである夕菜と一緒の班になるために―彼らは気がつかなかった。クラスの一匹狼こと駒野と自称忍者の末裔の服部、そして件の和樹の名前が書いてある用紙が伊庭に提出されたことに。
流れはこうである。和樹が教室から出て行く直前、服部と連絡を取り一緒の班になる約束をし、服部が自称忍者というだけありその実力を発揮し、誰にも気付かれず駒野と連絡を取ることに成功し、班を決定できたのだ。
何故、和樹はこの人選をしたのかというと、この二人は比較的単独行動を好んでいるため、自分への被害が少ないと思ったからだったりする。やはり、和樹とて年頃の学生である。修学旅行を楽しみたいと思っていても不思議ではないのだから。ちなみに次点のメンバーは同性愛者の北野とボディービルダーのような外見の伊藤、女性恐怖症の數馬だったりする。これも比較的被害は少ないようだが、別の意味で自分の身に危険を感じる、気弱な部分があって世話をするはめになりそう等の理由から次点となったのだった。余談だが、この次点メンバーは同じ班になった。
一方女子のほうはというと。

「夕菜!私と組みましょう!」
「あ、ずるいわよ。和美!宮間さん、私と組もう?」
「何いってんのよ!夕菜ちゃんはわ・た・しと組むの!」

夕菜大人気であった。話題の中心の夕菜は困ったような顔をしてオロオロしている。だが、ときおりチラチラと男子のほうを見てはため息を吐いていることに気がついている者はいない。この夕菜争奪戦はだんだんと白熱してきて、5分では確実に時間が足りなさ過ぎる。伊庭は早くゲーセンにいきたくてしょうがないとイライラしていた。
そんな女子達を尻目に仲良く談笑している者がいる。B組の中で唯一の常識人グループの人達である。

「やっぱり、ここは東寺はかたいわね」
「平等院は?」
「わたくしは延暦寺に訪れてみたいですわね」
「天龍寺の方丈裏の庭園なんていいと思うわ。龍安寺の方丈南側の枯山水庭園も捨てがたいんだけどね」
「風流ね〜、私は断然金閣寺ね」
「ええ〜!銀閣寺のほうがいいわよ」
「「「「「渋いわね」」」」」
「みんなしてツッこまなくてもいいじゃない・・・」

後ろで行われている壮絶な奪い合いとは無縁な雰囲気をかもし出して修学旅行の計画を立てている六人。ケイ、松葉、矢夜と沙弓、怜子、雪江である。彼女らは班決めが始まるとすぐに組んで旅行計画を立てていた。
そんなとき。

コンコン

「え?って、和樹君!!」

何かをノックする音が聞こえたので振り返ってみると、窓の外にぶら下がっている和樹を見つける。松葉はすぐに窓の鍵を開けると、軽々と中に入ってくる和樹。松葉達は和樹の運動神経を知っているので余程のことがあっても動じないが、沙弓、怜子、雪江の3人は目が点になっていた。

「「「なんで窓から入ってくるの?」」」
「いや、仲丸達が襲ってきそうだったから」
「ああ、宮間さんのことでですね?」
「そうそう」
「それで、壁伝いにここにきたと?」
「そうだよ」

正確には屋上から降りて来たのだが、言わないほうがいいと思い訂正はしなかった。

「それはそうと。班は決まったの?」
「うん、もう提出してあるよ」
「え?じゃ、なんで追われてるの?」
「まだ、気がついてないんじゃない?」
「まぁ、いいじゃない。それより和樹君。一緒の班になりましょうよ」
「いいね。後でメンバーに言っておくよ。たぶん反対はでないと思うけど」
「よろしくね」

「OK」と返事すると和樹は班員にこのことを伝えるべく去っていく。ケイ達は再び計画立てに入った。

「遅い!!5分で決めろといったはずだ!」
「式森のせいだ!」
「そうだ!損害賠償を要求する!」
「うるさい!次は女子と男子のペアと部屋割りだ。とっととやれ」

それから30分がたち、ようやく教室に戻って来た男子は和樹に責任を擦り付ける文句を並べるも、ゲーセンにいきたいのにいけない伊庭の怒鳴り声で黙る。静かになったところで、女子の班と男子の班のペア決めが開始された。真っ先に動いたのは夕菜だった。

「和樹さん!私と一緒のは「ケイさん、みんなOKだって」って、え?」
「そう、なら決まりね」
「和樹君と一緒?やった〜!」
「ホッ・・・」
「ん?決まったのか?」
「はい、式森班と諏訪園班で「ちょっと待ってください!」・・・何よ?」

和樹と一緒の班になろうと声をかけようとした夕菜だが、その前に和樹がケイに声をかけてしまった。しかも、話では前から約束していたような感じである。でも、修学旅行は和樹と一緒がよかった夕菜は諦め切れなかった。

「私も和樹さんと一緒がいいです!」
「でも、ケイさん達と約束しちゃったし」
「私も諏訪園さん達の班に入ります」
「いや、夕菜は違う班でしょ?」
「じゃ、諏訪園さん。私を班にいれてください」
「ちょっと、そしたらあなたが今までいた班の人数が合わなくなっちゃうわよ?」
「なら、そっちから誰か抜いてください」
「んな無茶苦茶な!!」

和樹と一緒がいいという主張をどうしても曲げない夕菜。久々の暴走モードにはいってしまっている。後ろでは男子が「何故、式森なんだ」と怒気と殺気を沸きあがらせているが、今は関係ないので無視だ。

「我儘言わないでよ。もう決まったことなんだから」
「でも・・・私も和樹さんと・・・ヒック・・・一緒の班が・・・ヒク」

どうしても和樹と一緒の班がいいという夕菜は泣き出してしまう。が、和樹と一緒の班がいいのはケイ達も同じ。これは譲ることが出来ない。早い者勝ちである。
しかし、人生何が起こるかわからない。

「泣いても駄目よ。私達だって和樹君と一緒の班がいいもの」
「でも「うるさあああああああああああああああああああい」・・・先生?」

今まで耐えに耐えていた伊庭の堪忍袋の緒が切れたようだ。いつまでたっても終わりそうにない論争に終止符が打たれようとしていた。

「あたしは早くゲーセンにいきたいんだよ!話が終んないようだからあたしが全部決めてやる!宮間、お前は諏訪園班に入れ」
「はい!」
「そんな!じゃ、宮間さんが抜けた穴はどうするんです?」
「4人の班があったはずだ。そこから一人抜け。文句は受け付けない」
「横暴だ!」
「うるさい!教師権限だ!退学になりたくないなら黙れ!」

退学にするの一言でクラスは黙り込む。名門である葵学園を退学になる、これは将来、社会に出たときに不利になることだからである。B組は金儲けや陰謀が大好きな連中であるため、自分に不利になるようなマネはしないのだ。結局この場は夕菜の一人勝ちで終ったようなものである。

「和樹さん、これで一緒です♪」
「は、ははは・・・ハァ」

涙が一転して無邪気に喜ぶ夕菜を見て、乾いた笑いしか出来ない和樹、思わずため息を吐いてしまった。


あとがき

最近、よろず掲示板の更新がはやくてビビっているラッフィンです。

はやいです。投稿してから一時間くらいでもう4番目くらいになっちゃいますし。4日で次のページに消えましたし。びっくりです!

さて、この話の補足をさせていただきます。

部屋割りですが、当然男女別の2班で一部屋です。ケイ達は沙弓班と一緒です。和樹は次点メンバー班と同じ部屋になってます。移動中の座席は原作と同じように同じ班の人が纏まるように座るので和樹、駒野、服部と座り対面にケイ、矢夜、松葉ケイ達の隣席に夕菜となります。これは4人組なのでこうなってます。決め方はジャンケンで負けた人が隣になるってことで夕菜が負けたとしてください。

修学旅行懐かしいです。私の高校では沖縄でした。京都は中学でいきましたけど。楽しかったです。またいきたいな〜。

次回!修学旅行において定番?イベント勃発!の巻きw
タイトルは違うかもしれませんが、内容はそうなので。

では次回もフラグゲットゲット〜♪ラッフィンでしたw


レス返しなのです!(メイド編が終わったのでご主人様というフレーズも終わりました)


BLESS様

やりましたw記録に残りましたよ!!(マテ
偉業を成し遂げた感想は?
まだ、実感が沸きません(激しくマテ

私の式森和樹の印象
とことん人畜無害、とことんお人よし、とことん優柔不断、とことん朴念仁、とことん女たらしですw


覇邪丸様

>フラグゲット率はもはや「とある魔術と禁書目録」の主人公上条当麻並
原作を知らないのですがそうなんですか?これは読破して参考にせねば!!
さらなるパワーアップを(笑)そしたら、タイトルも変えなければならないかも(激爆)


秋桜様

誰か〜、電波が届かないのでなんとかしてくださ〜い(泣)
さて、愚痴はここまでにして。

メイドさん達はしばらくはヾ(*∂▼∂)おやすみいーっ(∂▼∂*)ノ~''です。
数えるの放棄しちゃったんですか?残念です。


黒冬様

久しぶりに夕菜の我儘モード発動しましたけどどうでしょう?
とりあえず、メイドとの対面はまだ先になりますね。
フラグも期待されているようですし、応えねばなるまい?ふふふw

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