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「偽・恋姫†無双(恋姫†無双+色々)」

シマンチュ (2007-02-19 20:45/2007-02-25 15:15)
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―――――目が覚めるとそこは、大荒野でした♪←これ、サブタイ(嘘


って、いきなりそんな風に言われてもワケ判らないよね。

うん、俺もワケ判らん。

どうやら、ちと混乱しているようだ。


とりあえず、まずは深呼吸して落ち着こう。

「スッ、スッ、ハ〜、スッ、スッ、ハ〜」

なぜかラマーズ法・・・・・・。


うむ、落ち着いたところで今一度状況把握。

「知らない天井だ・・・・・・」

・・・・・・ごめん、まだ混乱してるっぽい。ダメやん。


「ってなんでじゃ〜〜!!!!
またあのはっちゃけ爺さんなのか!?いきなりほかの世界に飛ばすの勘弁してくれって言ったのに!!」

魂のシャウトを吐き出す俺。

はっちゃけ爺さんとは、なんか宝石で出来てるっぽい短剣を持ったダンディーなオヂサンで、宝石翁とか魔道元帥とか呼ばれている人である。本人曰く、「(平行)世界を気ままに旅する流浪人」らしい。ちなみに、すでに人間やめていたりする。

どうも、家のじっちゃんと知り合いらしく、たまに拉致当然でどっかに連れて行かれたりする。
じいちゃんもそれを承認してるっぽい。正直勘弁してほしい。

起きた時、周辺を死徒がウロウロしていたのには、マジでビビったし。まあ、雑魚だったから良かったけど。


「・・・・・・ああ、遠野と衛宮は元気でやってるかな」

俺は、心の友である二人の親友を思い出す。

ちなみに、この二人もゼル爺さんの被害者だ。三人そろっていろんな所に飛ばされたな〜。それもまたいい思い出・・・・・・・たぶん。

・・・とまあ、現実逃避もこれくらいにして、再度現状確認。


「だだっ広い荒野。遠くに山。晴れた青空。以上!!」

いや、これだけかい、自分・・・・・・。


「まあ、間違いなく聖フランチェスカじゃないよな。
なんか中国の水墨画とかに出てきそうな感じがする雰囲気だよな」

自分が本来いるはずの場所と比べる。

なんてゆうか、ここで昼寝すると気持ちいいんだろうな・・・・・・。

え、楽観的過ぎ?・・・・・・・・・こんなのもう慣れたよ(泣)。

ああ、そういえば、俺のことはまだなんも言ってないな。

俺の名前は北郷一刀(ほんごう かずと)。しがない普通の高校生さ!(キラ〜ン☆)


偽・恋姫†無双
第一話 目覚めるとそこは、大荒野でした♪(ォィ


とまあ、ようやく完全に落ち着いたところで、なぜこうなったかを思い出す。

「えっと・・・・・・たしか及川と一緒に歴史資料館に言って、それから・・・・・・」

うちの学校の理事長が趣味か何かで作った資料館に行って、感想を書くっていう宿題があったのだ。

資料館には、三国志の時代のものも数多くあり、なかなかよかった。

っていうか理事長、あんなのどっから集めてきたんだろうか?

贋作も多くあったが、本物もちらほらとあるし。

なぜそれが分かるかって?それは衛宮みたいに俺も解析ができるからだ。

あいつの解析はとんでもなく正確だし普通真似することは出来ないが、俺の魔術も一般と比べると異質な部類に入るし、その特性のおかげで可能となったのだ。

それでも、衛宮と比べたら精度は天と地ほどあるがな。それでも真贋を見抜くことくらいは出来る。贋作は見慣れてるし。

俺の魔術については後述するとして、とりあえず続きを。

「んでもって、なんか目つきの悪い奴がいて・・・・・・」

体つきががっちりしていて立ち振る舞いにも隙がなく、かなり鍛えこんであるのが判った。

あと、顔つきもかなり整っていて、十二分に美形といっていい。・・・ちくしょう。

間違いなく、歌舞伎町二丁目の住人方やオカマの魔装術使いのストライクゾーンまっしぐらの大好物間違いない感じの奴だった。

「うむ、今度あいつらに紹介しようかな」

どうやってとは聞いてはいけない。

念のため、あいつが美形だからってひがんでる訳ではないぞ。ほんの七割ほどだ。残り三割は、面白そうだから。


ちなみに某所では、

「(ゾクッ!!)な、何だこの悪寒は!?」

「どうしたのですか、左慈?顔が真っ青ですよ。(ああ、そんな顔の左慈もいいですね。ジュル・・・ハッ、涎が)」

「うお!?さらに悪寒が強くなった!?」

などというやり取りがあったとかなかったとか。


「んでもって、あいつが資料館のブツを殺気だった目で見てたのが気になったんだよな。
なんつーか、いまにもガラスケースぶち破って盗んでいきそうな雰囲気だったし」

あいつが見ていた鏡みたいなのは、本物だった。

それどころか、なにやら魔力じみたものも発していた。俺の解析の精度では、さすがにどういうものでどう使われたか等は判らなかったが。

あの鏡に、何か恨みでもあったのだろうか?

「でも、あれって千八百年も昔のだしな。それはない・・・・・・・・・・・・と言い切れんな」

俺だって(強制)異世界放浪の旅を経験してるし、三国志の世界に行ったことのある知り合いもいる。

「おお、そう言えばあの二人、今度結婚するって言ってたな」

あの二人ならおしどり夫婦とか呼ばれるだろう。いや、鳥じゃなく龍か?うむ、仲良きことは素晴らしいことだ。


「ちと脱線したが、まあ、そんな昔の物に恨みを持っている奴がいても不思議じゃないか。

んでもって、俺が日課の鍛錬を終えて散歩してたときに、あいつがいきなり襲ってきたんだよな・・・・・・」


あいつの一撃は、当たれば骨の一本や二本は軽く折れるくらい鋭いものだった。

さすがに殴られて感じる変態ではない俺は、決死の覚悟で反撃したが紙一重でかわされ、そのときにあいつが鏡を割ってしまったのだ。

「うむ。鏡が割れたのは俺のせいじゃないな。すべてあいつが悪い。と言うわけで、俺が弁償することはないってことだ」

うむ、理論武装はカンペキだ。微妙に事実を捻じ曲げたが、気付かれなければどうってことない。

俺のチェーンソーを扱う技術は、ゼンGさんや葉月さんにはぜんぜん及ばんしな。あの二人なら、簡単にあいつ真っ二つにできるだろうし。

ちなみに、ゼンGさんは、とある高校の用務員で、葉月さんは、ある大金持ちの屋敷のメイド長をやっていて、「チェーンソー友の会」の常連でもある。

チェーンソーを扱わせたら五本の指に入るといわれ、この二人で一個中隊を壊滅できるとか出来ないとか言われている。あくまで噂だが。

余談だが、俺はランキングベスト16、13日の金曜日に出没する殺人鬼は大体真ん中(総勢数百人中)あたりだ。上には上がいるもんだ。


ん?なぜそこでチェーンソーが出てくるかって?

そんなの、襲ってきたあの野郎をぶった切る為に使ったからに決まってるじゃないか。


んでもって某所、

「畜生、あの化け物め・・・・・・人がいくら殴ってもぜんぜんこたえねーし、それどころか、どっからかチェーンソー取り出して切りかかってくるし、チェーンソーでアスファルトの地面切り裂くし、めちゃくちゃ人間離れした速度で走るし、一瞬で人の後ろに回りこむし、本気で瞬間移動してるんでね?と思ったじゃないか。ていうか、チェーンソーで示現流使うなよ。しかも掛け声が「ダーーーイ!!」だし・・・・・・。あれほどの恐怖は初めてだぜ。おかげで、とっさに鏡でチェーンソー受けて鏡は真っ二つになるし・・・・・・畜生、あいつを殺さないとこの役目から逃れられんけど、あいつの前に立つのは、正直勘弁(ブツブツ)・・・・・・・・・」

大師が北郷一刀について尋ねたときの左慈の反応である。完全にトラウマと化しているみたいだ。

「左慈、たかが人間一人くらいに何を大げさな・・・・・・(汗」

何が大げさなものか!!!!
あいつは人間じゃない!鬼だ!!悪魔だ!!いや、そんな生易しいもんじゃない!!

貞子でもあいつの前では本気で逃げるね!!(ガクガクブルブル)」

「(くっ、涙目でしかもすがる様な目をしないでください!理性がマジでヤバイ)そ、そこまで左慈が怯えるなんて、・・・・・・ちょっとその人物に興味が出てきましたね」

「(キュピ〜ン)そうだ、お前がいるじゃないか。どうせ俺は表立って動けんし、おまえがあいつを殺せば万事解決じゃないか!頼むぞ、干吉(相棒)!!」

干吉の言葉に、顔を輝かせながらそんなことを言う左慈。本気で嬉しそうである。

「あ、相棒・・・・・・いい響きです。
大船、いやさタイタニックに乗ったつもりで任せておいてください、左慈!!」

ビシッとサムズアップ!

「ああ、持つべきは相棒だな」

満面の笑顔で左慈もビシッとサムズアップ!


「タイタニックって・・・・・・・・・沈むんじゃない?」(傀儡1)

「それは言っちゃいかんよ」(傀儡2)

「しかし、あの左慈様があそこまで怯えるのもまた珍しい」(傀儡3)

「あの左慈様、なんか可愛く見えるな」(傀儡4)

「ぶっちゃけ、萌えるね」(傀儡5)

「ああ、まったくだ」(傀儡6)

「普段とのギャップがすごいな(おっと、鼻血が)」(傀儡7)

「なんか、こう・・・守ってやりたい感じがするよな」(傀儡8)

「うむ、みんなで左慈様を守ろうじゃないか!」(傀儡9)

『おお〜〜!!』(全員)

傀儡達をも萌えさせる左慈。その魅力は原作のヒロイン達に負けていない。
おかげで士気はMAX値を軽く超えている。左慈にとってはあんまり嬉しくはないだろうが・・・・・・。

「・・・ホントにこいつ等に任せていていいのか?」

そうぼやきながら、大師らはため息をついた。

苦労してるな・・・・・・いつかいいことあるさ。たぶん。


「また少し脱線したが、あいつが鏡を割った後、なんかすごい光に包まれて・・・・・・・・・・・・」


少し回想・・・・・・。


「何じゃこりゃーーーー!!!!」

別に腹を撃たれたわけではないのであしからず。

強烈な白い光に全身を包まれ、視界もどんどん白く染まる。

体を動かそうとしても、ピクリともしない。


「無駄だ・・・・・・」

俺を嘲笑うようなあいつの声が、どこからか聞こえる。
・・・なんかちょっとムカツクな。さっきまでさんざんビビッてたのに。

「もう戻れん。幕は開いた」

「幕?それはいったい・・・・・・」

「飲み込まれろ。それがお前に降る罰だよ」

「罰だと?鏡割れたのはあんたが盾にしたからじゃねーか」

「・・・・・・・・・この世界の真実をその目で見るが良い」

「その前に、人の目を見て話せよ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

そこで俺の意識は途絶えた。


回想終了。


「・・・・・・・・・やっぱあいつ、捕まえて歌舞伎二丁目に転がそう」

改めて心に誓う。

「まあ、此処に来た経緯はこんなもんとして、此処はいったいどこだろう?」

少なくとも、聖フランチェスカではないのは確かだ。
ていうか、日本でもありえなさそう。

「日本にこんな広い所ってないもんな」

じゃあ、もしかしたら外国かも知れんな。「おい」

なら、外国と仮定して、どこの国だ?「おいったら!」

そういえば、さっき中国の水墨画に雰囲気が似てると感じたな。「おい!話を聞け!」

ふむ、改めて見ると、確かにそんな感じだ。

「じゃあ、此処は中ごk「おい!!」だあああ!!うっせええ!!!!

何ださっきから、気が散るじゃねーか!!

「・・・って、へ?」

「へ?じゃねぇよ。人が呼んでるのに返事くらいしろよ、このクソ野郎!」

なんだ、この偉そうなチビは?

あと、その隣にいるおっさんとデブ。

なんか変な格好をしているな。コスプレか?いい年して・・・・・・さすがに痛いと思うぞ。

「なんだ、そのかわいそうな人を見るような顔は?」

「いや・・・まあ、趣味は人それぞれだから何も言わんが・・・・・・」

「はあ?何言ってんだてめぇ?」

「まあどうでもいいが、いい服着てるな、兄ちゃん」

チビを抑えて、おっさんが話しかけてくる。

「は?いや、普通の学校の制服だが」

「そうか・・・その学校ってはなんだか知らないが、
とりあえず兄ちゃん。身ぐるみ置いていけや」

「・・・・・・は?」

「だから、は?じゃねぇよ!アニキが身ぐるみ置いていけってんだから、さっさと脱ぎやがれ!!」

だからなんでこう偉そうなんだ、このチビ。

「ぬ、脱げよお前・・・」

このデブ、ごっつぁんです!ってセリフが似合いそうだ(意味不明)。

「何黙ってんだよ!さっさと脱げよ!!」

「チビ、まあ待てや」

おっさんがチビを止める。

「兄ちゃん、まだ死にたくないだろ?」

そう言いながら、腰の剣を抜く。

「こいつで喉ブッ刺してやろうか?それとも、バッサリ腕を切り落としてやろうか?」

おっさんは剣を俺の喉に突きつける。
先ほど解析したとおり、この剣は本物だ。

喉につめたい感触を感じるとともに、皮膚が浅く切れ、血が少し流れる。

「で、どうすんだい?身ぐるみおいていくか、それともここで喉をバッサリ切られるか。選びな」

う〜〜む、どうしたもんか。

べつに、この程度の輩の脅し程度でどうにかなる精神はしてないし、ぶっ飛ばすのも問題ないが、ぶっちゃけメンドい。


「けけけけけ」

「げっげっげっ」

気色悪い笑い声を上げるチビとデブ。
この笑い声を聞き続けるくらいなら、ちゃっちゃとぶっ飛ばそうと思ったその時――――――、


「待てぃ!」


威厳を伴う凛とした声が聞こえ、サイドテールに、ミニスカ、オーバーニーソックスを纏った一人の少女が近づいてくる。

「なんだぁ?」

「てめぇは何者だぁ?邪魔すんな!」

「邪魔すんの、ダメなんだぁ」

三人が口々にそんなことを言いながら少女を見る。


あ〜〜あ、こいつら、やっぱ素人か。

この少女から放たれる、鳥肌が立つほどの威圧感に気付かないんだから。

この子、めちゃくちゃ強いぞ。真っ向から戦ったら、まず勝てないだろう。
ていうか、衛宮の所にいた英霊に匹敵するんじゃないか?この威圧感。


まあ、それは置いといて。

俺を前にしてよそ見するたぁいい度胸だ。


「必殺!!悶虐陣・破壊地獄!!」

ドグッシャァァァァッ!!!!

「ぎゃぁぁぁぁ!!??」

とある柔術家から習った投げ・当て身・関節技を同時に使用する技を目の前にいるおっさんにかける。

頭から地面に落とされ、おっさんの首はなんかヤヴァイ方向に向いており、全身がピクピク痙攣している。

だが死ぬことはないだろう。そう言う技だし。あくまで死なないってのがミソだ。
“殺さない必殺技”という所が、結構気に入っていたりする。

「ア、アニキーーー!!」

二人が倒れたおっさんに気を取られている隙に、次のターゲットに向かう。

デブの頭の上に座り、顎の下で足を組む。

「うひ!?」

その姿勢のまま体を右に倒していく。

そして―――――――、


ゴキリッ♪


そのまま一回転するとあら不思議、デブの首の骨が折れてるじゃあないか。

さすが転蓮華。中国四千年は伊達じゃないな(謎)。

とりあえず、重要な部分は外したから命の危険はないはずだ。

「デクッ!!」

デブがやられたのを見て、顔を真っ青にするチビ。

その右脇腹にボディーブロー!

「ごっ!」

顎が下がった所にガゼルアッパー!

「がっ!!」

んでもって・・・!

「あぼあぼあぼあぼあぼ・・・!!??」

上半身で∞を描きながら連続ブロー!!

これぞ日本フェザー級チャンプの必殺ブローだ!!


とどめにギャ○クティカ・マグナム!!なぜかこの技だけ伏せ字だ。他意はない。

「げぶほぁ!!」

いい感じで吹っ飛んでいくチビ。

うむ、スッキリ。


なんかカッコ良く登場した少女は、見せ場もなくただポカンと口をあけていた。

残念、見せ場を作ってやればよかったかな。この子ならこの程度の連中に負けるわけなさそうだし。

「え〜〜と・・・」

「あっ、大丈夫でしたか?」

さて、どうやって声をかけようかと思っていると、少女の方が我に返って話しかけてきた。

「あ、ああ・・・まぁ・・・・・・」

「そうですか、それはよかった」

うれしそうな顔をする少女。うっ、なんて破壊力だ!!
俺の萌えスカウターが危うく爆発する所だったぜ。それくらい、彼女の笑顔は魅力的だった。

「でも、手助けは別に必要ありませんでしたね」

「いや、キミがあいつらの注意をひきつけてくれたからだよ。ありがとう」

それがなくてもどうとでもなったが、彼女のおかげでかなりやり易くなったのは事実だ。

「それはそうと、キミは?こんな所でいったいどうしたの?」

正直俺の方が世話になりたい所だが。

この子が迷子だったとしても、俺は何も出来んぞ・・・・・・。

「これは失礼。申し送れましたね。
姓は関、名は羽。字は雲長。あなた様をお迎えに上がるため、幽州より参り
ました」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・へっ??」

「どうかされましたか?」

きょとんとした表情で尋ねる少女。

・・・・・・俺の耳、おかしくなったのかね?

「ごめん、風が強くてちょっと聞き取れなかった。もう一回名前言ってもらってもいいかな?」

「わかりました。ならばもう一度名乗りましょう。
姓は関、名は羽。字は雲長。あなた様をお迎えに―――――――――」


「なんでやねん!!
何で関羽やねん!!しかも何でこんな可愛い女の子やねん!!
志狼さん!!あなたの言っていた関羽とぜんぜんちゃいまんがな!!」

なぜか関西弁で突っ込みながら叫ぶ俺。

だって志狼さん、関羽はさらさら髭を生やしたナイスミドルのおっさんだって言ってたじゃないスか!

真澄さん!あなたもそう言ってたじゃないですか!渋いオジサマだって・・・・・・。


「あ・・・あの・・・・・・
私がどうかしましたか?もしかして、以前私とお会いしたことがことがあったとか。それと、シロウさんってどなたですか?
あと、頭大丈夫ですか?もしや先ほどどこかにぶつけたとか・・・・・・」

オロオロしながら、何気にひどいことを言う関羽を名乗る少女。顔がちょっと引きつっていたりする。

それはそうか。いきなり頭抱えて悶絶しながら関西弁で叫ぶ人は、頭おかしいと決め付けられるわな。少なくとも俺なら黄色い救急車呼ぶね。

・・・・・・まあ、別に関羽が女の子だからって問題あるわけじゃないし。むしろ、ナイスミドルのおっさんより可愛い子の方が断然良い。
かの有名な騎士王だって可愛い女の子だったし。食べっぷりは正に王だったけど。

「ああ、すまん、ちょっと取り乱した。
俺の名前は北郷一刀。よろしく」

どうにか落ち着いた俺も自己紹介する。

「こちらこそ、よろしくお願いします。一刀様」

「いや、様付けはしなくていいよ。むしろ呼び捨てでかまわない」

「いえ、それはなりません。
天の御遣いたる一刀様を呼び捨てにするなど恐れ多い」

「てんのみつかい?なんだそれ?」

少なくとも、俺にそんな二つ名がついた覚えはない。

殺人貴とか、錬剣の魔術使いとか、マジックガンナーとか、魔道元帥とか・・・、そんな感じで俺もなんかカッコイイ二つ名は欲しかったりするが。

「先日、この戦乱を治めるために天より遣わされた方が落ちてくると管輅という占い師が言っていたのです。
その場所は正にここ。そして私は一刀様に出会った。
あなた以外に、誰が天の御遣いだというのですか」

嬉しそうに語る関羽。

いや、俺以外にも天の御遣いに相応しい人沢山いるし。むしろ、俺よりあいつらの方が向いてるんじゃね?

「それ以外にも、陽光を反射して煌きを放つ服を着るなど・・・・・・。
あなたが天の御遣いであることを雄弁に物語っている。
・・・・・・そうでありましょう?」

「いや、これポリエステルだから」

学校の指定の制服だ。俺の世界では別段珍しくない。

「ぽりえすてる・・・・・・
ふぅむ、天の言葉は珍妙なものが多いのですな」

横文字使ったのこれが初めてのはずだが、なぜ珍妙な言葉が多いってセリフが出てきたんだ?


「まあそれはともかく、俺は天の御遣いじゃ―――――」

「姉者ーー!!!!」

俺が天の御遣いとやらを否定しようとしたとき、なにやらでっかい声とともに、ドドドド・・・といった地響きが聞こえてきた。

「おお、鈴々か、ようやく追いついたな」

土煙と共に現れたのは、赤い髪をし、赤いマフラー、バッタっぽい姿をしたバイク乗りに変身できそうなベルトとつけ、スパッツをはいた将来が楽しみな小さい女の子だった。

手に持っているあの子の数倍はあるデッカイ槍とのギャップがすげぇ・・・・・・。


「ひどいのだーっ!鈴々を置いていくなんてー!!」

着いたとたん噛み付かんばかりの勢いで関羽につめよる少女。

「何を言っている。
おぬしが子犬と戯れているのが悪いのではないか」

「むーっ、それはそうだけど・・・・・・。
ところで、このおにいちゃん誰?」

ちびっ子が、俺を指差して問いかける。

「こら、失礼な言い方をするな。
この方こそ、私たちが捜し求めていた天の御遣いなのだ」

「へー、お兄ちゃんが天の御遣いの人なんだ」

「なんか納得されているが、俺はそんなもんじゃないぞ」

「じゃあ、自己紹介なのだ!」

・・・聞いてねぇし・・・・・・。

「鈴々はねー、姓は張、名は飛!字は翼徳!真名は鈴々なのだ!」

「張飛って・・・・・・あの張飛か?」

張飛の外見って、志狼さん曰く、老けて髭を生やしたガ○ガリ君っぽいらしいと聞いたけどぜんぜん違うな。というか、関羽と同じく性別から違うし。

「良く分かんないけど、そうなのだ!」

満面の笑みで言う張飛・・・らしい女の子。

確かにチッコイが、身に纏う空気は一流の武人のそれである。

知り合いに、そう言った人たちが結構いるから良くわかる。

真っ向からなら、俺はこの子にも勝てんだろう。いろいろやれば負けんと思うが。
う〜む、いくら相手が張飛だからって、こんな小さい子にも勝てる気がしない自分がちょっと情けない感じ・・・。

まあ、それはそうと、

関羽に張飛。なぜ女の子なのかはこの際置いておくとして、この二人の名前から、ここが三国志の世界であると予想される。

色々な世界に飛ばされたおかげで、こういったのにもあまり抵抗を感じない。・・・こんなんでいいのか俺の人生は?

「まあ、しょうがないか」

あのはっちゃけ爺さんに目をつけられたんだから、諦めるしかない。

「おお、認めてくださいますか!」

「ありがとう、お兄ちゃん♪」

「・・・・・・はぁっ?」

いきなりなに言ってんだ、このお二人さんは?

俺を置いてきぼりにしながら、おそらくこれからの計画であろう相談をし始める二人。

「おーい・・・」

とりあえず呼んでみるが、無視された。

「よーし!ワクワクしてきたぞー!!」

「そうだな、県境の谷に潜んでいるという話しだし・・・・・・」

「サンセーなのだ!!じゃあ、すぐ行こう!早く行こう!急いで行こう!」

二人で勝手に話し合いを終え、張飛は猛スピードで走り去っていった。

・・・ああ、遠野や衛宮は、いつもこんな気分を味わっているのか・・・・・・。
自分が話の中心のはずなのにその話に加われないなんて、なかなか理不尽やなぁ。

まあ、暴力が無いだけまだマシか・・・・・・。


「さあご主人様、
われわれも早く向かいましょう」

あれ、関羽の俺に対する呼び方が、いつの間にか「ご主人様」になってるぞ。

うむ、なかなか萌え・・・って、そうじゃなくて。

「チョイ待ち!
俺はまだ状況を理解し切れてないし、いきなり色々決められても困るんだが」

「困る・・・ですか」

関羽は、少し困ったような、落ち込んだような顔をした。
う゛っ・・・ちょっと良心が・・・・・・。

「そもそも、キミらの主人って、劉備のはずだろ。
もうこの時期なら出会っているはずだが」

「劉備って誰ですか?
私はそんな人の下に付いた覚えはないのですが」

ちょっと怒った感じで関羽が言う。

「・・・・・・マジかよ」

これはおかしい。

関羽と張飛がいて、黄巾党の乱も起きているのに、劉備がいないなんて・・・。

まあ、劉備が居るなら、関羽が主探しなんかしないか。

まさか、俺が劉備の代わりだったりして・・・・・・(汗

いやいや、落ち着け!そんなことあるわけ無いじゃん・・・と言い切れないような経験ばっかして来てるから、否定し切れん!・・・どないしよ・・・・・・。

うんうん唸っている俺を見て、関羽が寂しそうな顔で口を開く。


「あの・・・あなた様は天の御遣いではないのでしょうか?」

「うーん、たぶん違うね。
俺にそんな大それた力なんてないし、乱世を沈めるためなら、俺なんかよりもっと向いている人知り合いに沢山いるし」

裏の世界において、俺の知り合いは大概俺より強いし、志狼さんらにいたっては、同じように三国志の世界で生き抜いてきている。

それに、あいつらの周りには自然と人が集まってくる。ある種、カリスマみたいなモノを持っているのだ。

もし本当に乱世を沈めるためなら、俺なんかより志貴っちやエミやんらの方が遙かに向いているだろう。

「そう・・・ですか」

なんかとんでもない沈み具合ですよ、関羽さん。

関羽は、今にも泣きそうな表情で、ポツポツと自分のことを話してきた。

戦乱の世を鎮めるべく、その力を持つ主に仕えるために鈴々と一緒に故郷を離れたこと。

主を探している間にも戦火は拡大し、無力な人々が死んでいったことに対する悔しさや自分の無力感を感じたこと。

管輅に出会い、お告げを聞き、自分の仕えるべき主に会えるという嬉しさ。
これで人々を救うことができるという喜び。


―――――だが、期待していた人物は天の御遣いではないときた。

そのときの絶望感ときたら如何程のものか、俺には想像できん。


「・・・失礼しました。
あなた様にこんなことを言っても仕方がありませんね」

「私はこれから鈴々と一共に、村の近くに潜伏する黄巾党と戦います。
・・・おそらく、義勇兵は百も集まらないでしょう。
しかし、この戦いこそ正義!」

関羽の眼は、どこまでも真っ直ぐで、一切の曇りもなかった。

「きっと・・・きっと勝利しましょう。
あなた様は旅の空で我らの名を聞くでしょう。
そのときは応援してください。我らの戦いを・・・」

「・・・・・・・・・」

「では、失礼します」

関羽は俺に一礼し、立ち去ろうとする。

「あ〜〜・・・チョイ待ち」

頭をかきながら、関羽を呼び止める。

「・・・なんでしょう」

「話を聞いていると、天の御遣いってのは、かなり大義名分になるんじゃないか?」

「それはもちろんです。戦乱に苦しむ庶人達は皆、自分達を救ってくれる英雄を求めている。
天より降り立った英雄を、諸手を上げて歓迎するでしょう」

俺は英雄と言う言葉に顔をしかめた。

かの騎士王や、世界の守護者となった赤い弓兵を始め、英雄と呼ばれる者は必ずといっていいほどの苦しみと後悔が付いてくる。

志狼さんも同じように別の世界に飛ばされ、色々な苦労をしてきている。そのときの表情は、見ていてこっちが痛々しいくらいだ。


人を殺し、仲間が殺される。


俺もこっちの世界に浸かっているから、その辺の経験もある。

だが、今回のは戦闘ではない。戦争なのだ。

何千、何万の兵が、殺し、殺されるのだ。

これだけの人数だから、俺一人で全員を救うことは出来ない。むしろ、俺を守って死んでいくだろう。

俺一人の命なら良いが、さすがにこれだけの命が懸かっているとなると、尻込みしてしまう。現在、衛宮の家にいる腹ペコ王も、かつて国を支えていたときはこんな気分だったのだろうか?


俺は関羽を見る。

凛々しい顔、真っ直ぐに澄み渡る眼、絶対に人々を救うという気迫が見て取れた。

その表情を見て、俺の腹は決まった。


「よし、じゃあ俺を天の御遣いということにして、義勇兵を集めよう」

「・・・は?」

「だから、俺を天の御遣いだってことにすれば、義勇兵が集まるだろ?
俺が天の御遣いってのを名乗るだけで皆が助かるんなら協力するさ」

「で、ですが、あなた様は天の御遣いではないのでしょう?」

関羽はなにやら戸惑っている。
むう、人を天の御遣いだって言い出したのはそっちなのに。

でも、戸惑った表情の関羽も萌えるな。

「俺がどれだけ天の御遣いだって言っても、結局判断するのは世間だしな。
まあ、嘘も方便ってやつだ。俺を祭り上げて、義勇兵が集まって、黄巾党を追い出して、皆幸せになるってんならやる価値がある」

俺は笑いながら言う。

「しかし・・・あなた様はそれで本当にいいのですか?」

む、まだ納得しないか。

「まあ、正直言って行く当てもないし、黄巾党追っ払う代わりに村に住まわして貰えるかもしれないという打算もあるけどな。
あと、これが一番の理由だけど・・・」

「・・・?」

「可愛い女の子がつらい目に遭うってのを見逃せないしね」

「なっ!!・・・かっ、可愛いなどと・・・、
あなたは私をバカにしているのですか!?」

顔を真っ赤にしていっても説得力ないぞ。

「そんなつもりはないさ。
だけど、関羽や張飛みたいな可愛い子はやっぱり笑顔でいて欲しいからな。
そのためなら、協力を惜しまないさ」

まあ、お人よしだって自覚はあるし。良く皆からも言われてたしな。

今なら、異世界放浪の旅で出会った煩悩魔人・横っちの気持ちがわかるな。
可愛い子の笑顔のためなら、例え火の中水の中・・・ってか?

「というわけで、これからよろしくな」

右手を前に出す。

「あの・・・、えーっと・・・」

なんか、まだ戸惑ってるね。

「握手だよ、握手。これからよろしくっていう」

「いえ、それは出来ません」

「なぬっ!」

俺の手って、そんなに汚れているか?もしかして臭いとか?はっ、それともあれか?女同士で愛し合うという、俗に言うY・U・R・Iな人なのか!?男の汚らわしい体なんか触りたくもないってか?

せっかくの美人なのに、勿体無い・・・・・・(泣)。


「今までのあなた様の言葉を聞き、私の中でやはりあなた様は天の御遣いだと、その思いが確信となっています。ですから―――――」

言いながら、関羽は深々と頭を下げる。

「我が主よ。天の御遣いよ。我らと共に、この戦乱の世を鎮めましょう」

「お、俺が主!?」

「ええ。私はあなた様こそ自分の主人に相応しい方だと認めました。
そしてそれは鈴鈴―――張飛も同じでしょう。
ですから今後、我らのことは真名で呼び、家臣として扱ってください」

「家臣って・・・」

なんかとんでもない事になってきたな・・・・・・。

「そうです。我が名は関羽。字は雲長。真名は愛紗
これからは愛紗とお呼びください。私はあなた様をご主人様と、そうお呼びします」

劉備は義兄弟、俺は主従関係か。この辺も結構違うな。

さっきもそう呼んでいたんだけど、やっぱり関羽・・・もとい愛紗みたいな美少女に“ご主人様”なんて呼ばれると、なんか、こう・・・萌えるね。

・・・どうも、さっきからシリアスな空気だったせいで、ちょいと頭の回線が狂ってるみたいだな。


「では、ご主人様。これより鈴鈴のところに向かい、黄巾党を追い払いましょう。
そしてここより、我らの戦いが始まるのです!
さあ行きましょう!そして戦うのです!!民たちのために!!」

愛紗は、そう言いながら街の方へ走っていく。

俺はそんな愛紗の嬉しそうな顔に苦笑しながら、愛紗に遅れないように走り出した。


つづく・・・たぶん


あとがきらしいもの

ど〜も〜、恋姫無双にはまって一気にクリアーしたシマンチュです。
なかなかすばらしい作品でした。キャラがいいね。萌えって奴か。

あと、このゲームをプレイするきっかけが、時守氏のSSを見てからでした。さすがです、時守氏・・・。

まあ、そんなこんなでこんな駄文を書いちゃいましたが、生暖かい目で許してくれると嬉しいです。

・・・夜道で左慈に襲われそうだな・・・・・・。

主人公・一刀の魔術については、後々出てきます。ていうか、次回使います。

では、また自壊・・・もとい、次回!!

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