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▽レス始

「.hack//Splash外伝 backup_2(黄昏の腕輪伝説+.hackシリーズ)」

箱庭廻 (2007-02-05 03:46)
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 強さとはなんだろうか。

 強くなるためには何が必要なのだろうか。

 俺は無性にそう考える。

 あの桜吹雪の日から、あの七夕の夜から。

 そして、今この時さえも考える。

 そう。

 俺は考える。

 ――生き延びるために。


「たぁーすけてぇええええええええええええええええ!!!」


 訂正。

 拝啓 国崎 怜奈様。

 お兄ちゃんはこの日死ぬかもしれません。


【.hack//Splash】
   Backup_2 国崎秀悟育成計画


【堯\犬ぬ个襦‖生鼎痢仝諺曄


 その日、俺が死にかけるような出来事と遭遇する十数分前のこと。

「でっかいなぁー」

 俺はエリアの真ん中で堂々とそびえたつダンジョンの入り口を見上げていた。

 これまで何度となくダンジョンに挑んだことがあるが、その入り口は今まで見てきたダンジョンの入り口と比べても軽く二倍近くデカイ。

 巨人でも入れそうだな……と半ば本気に思うぐらい巨大な入り口。

「驚いたか?」

 背後から聞こえた言葉に、俺は振り返りながら当然だと答える。

「まあ驚くか……お前もそうだったか? “月長石”」

 背後に立っていた砂嵐さんは、その横に立っていた一人の双剣士にそう言った。

 すらりとした長身に、黒ずくめのスーツ。口元を覆う真っ赤なマフラーはどことなくオウルと似ているような気がする。

 この人の名前は【月長石】 砂嵐さんの知り合いだとのこと。

「……少しだけ」

 砂嵐さんに話しかけられた月長石がボソリと答える。

 なんか口数が少ないんだよなー、この人。

 出会ったばっかりのせいか何を考えているかよく分からないし、本当にこの面子で大丈夫なんかなぁ?

 え? なんでこんな面子で、ここにいるかって?

 ――思い出してみよう。


【Δサーバー 水の都市 マク・アヌ】


 その日、俺は三十郎さんからのメールが届いたのでマク・アヌに移動した。

「よ、シューゴ」

「なんですかー、砂嵐さん。俺に用事って」

「一緒に冒険にいかないか?」

「いいですよー」

 俺は首を縦に振った。


【堯\犬ぬ个襦‖生鼎痢仝諺曄


 以上。

 というわけである。

「……しかし、ここまで来るのに敵が出なかったなぁ」

 そうなのだ。

 このエリアなんかダンジョンみたいな構造だったのだが、その最中でも魔法陣が一回も出現しなかったのだ。

 精々密林みたいな森の中をテクテク歩いていただけで、すぐにここまで辿り着いたのでこのエリアがどんなモンスターが出るのかさっぱり分からん。

「まあ、さすがにダンジョンの中だとモンスターは出るぞ。気を引き締めたほうがいい」

「ですよね」

 まあ大抵の敵なら砂嵐さんがいるなら平気だろうけど。

 二つ名持ちっていう高レベルPCなだけあって、めちゃくちゃ強いしね。

 月長石っていう人はよくわからんが。

「よし! 行くぞっ!!」

 気合を引き締めて、俺はダンジョンの中へと歩いていった。

 その時、俺は気付くべきだったんだ。

 そのエリアレベルが……【50】だったことに。

 そして、俺の後ろで歩く二人が楽しそうな笑みを浮かべていることに、俺は気が付かなかった。


【堯\犬ぬ个襦‖生鼎痢仝諺曄


 木属性のダンジョンは木の中身をくり抜いたような感じで、見渡す限りの木の壁だ。

「あー、なんかデカイログハウスみたいだなぁ」

「そうだな」

 正直な感想を述べると、その言葉に同意したように三十郎さんが頷く。

「うーんアイテム神像はどこらへんだ?」

「確か、このエリアは地下五階まであったはずだ」

 え?

「前に来たことがあるの?」

「ああ。かなり前だが、月長石ともう一人と挑んだことがある」

 憶えてるか? と砂嵐さんが言うと、月長石がコクリと頷いた。

「……ああ」

「じゃあ、道も」

「いや。さすがにそこまではな……なんせ数年前のことだし」

 それじゃさすがに無理だ。

 やっぱり自力で行くしかないか。

「じゃあ妖精のオーブで最短で行こう!」

「――いや、その必要はないんだ」

「へ?」

「このダンジョンは特殊でな。全フロアが階段まで一本道だ。モンスターを倒していけば勝手に辿り着ける」

 そうなんか?

「まあ逆に言えば、戦闘は避けられないんだがな」

「いや、俺も経験値も稼ぎたいから丁度いいし。そういえばどんな敵が出るんだ?」

 まったく聞いてなかったけど。

 大型じゃないといいなぁ。

 なんか散々追いかけられたり、襲われたり、殺されかけまくったからもうトラウマもんだよ。

 うん、マジで。

「どんな敵、か?」

「そっ」

「……歯ごたえがある」

 ボソリと月長石がそう言った。

 歯? 歯ごたえ?

「確かに歯ごたえはあるな。まあ戦いがいがあるということに間違いはない。多分シューゴも一度戦ってみろ。それで分かる」

「り、了解」

 どんな敵なんだ?

 うーむ。


 ズシンッ。


「あ?」

 腕を組んで唸っている俺の声だろうか?

 なんか不吉な音がしたような……


 ゥゥウウウウウウンンッ。


 あれ?

「なんか、地面が揺れてないか?」

 なんかガクガクと視界がずれているような気がする。

「来たな」

「……ああ」

 二人が戦闘態勢に入る。

 そして、俺もつられたように音がした方向に振り返る。

 ――ズシンッ。

 音がした。

 ズンッ。

 音がしました。

 ズシン。ズシン。ズシン。

 なんか嫌な予感。

 なんか奥のフロアがゆっくりと揺らめいているような気がするのは俺のキノセイデショウカ?

 そして。


 ――ズシンッ!!!!


 現れたのは。

 なんか見覚えのある怪物鎧♪

「――【超鎧将軍】か」

 やっぱリィいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!??

 俺の本能は即座に命じました。

 逃げないとアカン。即座に死ぬで?

 と!

「逃げます!!!」

 全速・離脱!

 ――ガシッ!

「どこにいくんだ? シューゴ」

 逃げ出そうとした瞬間、俺の首根っこを砂嵐さんに捕まれました。

「せ、戦略的撤退であります。つうか死ぬぅうう!! あんなの相手にしたら死ぬって!!」

 大型は嫌いなんだよぉ!!

 ジタバタと地面につかない脚をフル稼働させながら、俺は必死で逃げ出そうと努力するが。

 所詮レベル21。レベル90以上の方からはまったくもって逃げられません。

「安心しろ、シューゴ」

「え?」

「敵はあれだけじゃないから」

 そういって、砂嵐さんが指差した方向には鎧超将軍以外にも一杯いるモンスターの方々。

 しかも、全員【大型】です。

「な、なんで大型……?」

「はっはっは、ここの敵は経験値が多くてな。レベル上げには丁度いいんだ」

 いや、それはいいんですけど。

 ねえ。なんで大型ばっかりなの? 他の小さい奴とかいるよね? いるよね? ね?

「安心しろ。ここは全て大型モンスターだけだ。経験値も豊富だぞ?」

「NOおおおおおおおおおおおお!!!」

 いやー、お家帰るー! 帰るー!

 たァああああああああすけてええええええええええ!

「さて、行くか」

「……承知」

 俺は首根っこを掴まれたまま、死地へと旅立つことになった。


 だが、ここまではまだマシだったんだ。

 そうこれから味わう地獄に比べれば。


【堯\犬ぬ个襦‖生鼎痢仝諺曄


「さて、どっちから行く?」

「……どちらでもいい」

「帰るって選択肢はないんだよねえ……」

 首根っこから、腰に抱えられた体勢にチェンジした俺はチラリと上を見上げてみた。

 そこにはおっきなお友達が一杯♪

 具体的にはなんか巨人と小人みたいな?

 ていうか、踏み潰されそうなぐらいサイズ差があるんだけど。

 死ぬって絶対!!

「ふーむ。普通なら襲ってくるところなんだが、なにやら囲まれているな」

「……ああ」

「なんでそんなに余裕があるんだ?」

 ああ。なんかもう周りがギラギラとした野獣の目をしているんですが。

 ねえ分かってんだよな?

 状況分かってんだよな?

「なんにせよ、経験値は稼げそうだ」

「良いトレーニングになる」

「いや、そういう場合じゃなくて!!」

「――シューゴ。一つ質問だ」

 は?

「強さとはなんだと思う?」

 いや、そういう話をしている場合じゃないだろ!?

「な、ええとぉおおレベルとか?! 装備とかだろ!!?」

「そうだ。レベルだ。戦い方次第では多少のレベル差なら覆せるだろうが、最終的にはレベルによる基本性能が勝敗を決める」

 だから?

「――今回はお前のレベル上げに来たんだ」

 え?

「喜べ。経験値は稼ぎ放題だ!」

 そういった瞬間、俺の視界がグルンと回転した。

 具体的には横にクルクルと回りながら、上空の方へと視点が切り替わる。

 いや、正直にこう言おう。


 ――上空に投げ飛ばされました。


「行くぞ!」

「殺!!」

 クルクルと回りながら、俺は眼下の砂嵐さんたちが武器を抜いたのが見えて。

GISYAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!

RUXUXUUUUUUUUUUUUU!!!!

 周りを取り囲んでいた大型モンスターが一斉に二人に襲い掛かり。

 “群雲”

 “暗光旋風”


 チュドムッ!!!


 次の瞬間、周りの取り囲んでいた十数体が一斉に消し飛んだ。

 方々は一斉に上半身から斬り飛ばされ、もう片方は粉微塵に消し飛んだ。

 ピロリロリーン♪

 あ。レベルが上がった。

「へ?」

 呆然としながら、俺は天井付近から落下。

 ドサリと砂嵐さんの腕の上に着地する。

 そして、そのままキャッチ&ダーシュッ♪

「行くぞシューゴ」

「ど、どこまで?」

 まるで物の如く運ばれながら、俺はそう尋ねた。

「――最下層までだ」

 それは地獄という意味デスカ?

GUGUFUGAGUAAAAAAA!!!

BOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!

 お、奥の方からさらなる咆哮が聞こえる。

「まだまだ居そうだな」

「……退屈しない」

「ハハハ」

 俺死ぬかもしれません。


【堯\犬ぬ个襦‖生鼎痢仝諺曄


 拝啓 怜奈様。

 多分このログを見ている時には俺は死んでいるかもしれないし、死ぬ2.5秒前かもしれません。

 今のところ生きてます。

 そう。


「たぁーすけてぇええええええええええええええええ!!!」


 ダンジョン内を超高速で滑空しながら生きてます!

「ナイスだ。月長石!!」

 ――バシンッ!

 投げ飛ばされた俺を砂嵐さんがキャッチしながら、そう叫ぶ。

「どこがナイスだぁああああああああ!!!?」

「――殺!」

 投げ飛ばされた俺が一瞬前まで居た場所。

 そこには月長石さんが見上げんばかりの巨大な丸々とした鎧【イカポッド】やら、どことなくプチグソに似ている巨大石造【スフィンクソ】などが殺到する前にただ一人立っていた。

 無防備に立っている月長石に、イカポッドの拳が振り下ろされる。ぶぅんとモーションを付けたその拳を。

「甘い」

 トンッと十数メートルはありそうな跳躍で躱し。

 “暗光旋風”

 風をも飲み込むような旋回で廻る。

 翻るような闇色の閃光がイカポッドを縦に両断し、踊るように着地した月長石の旋回によって【スフィンクソ】が横に両断される。

 ピロリロリーン♪


「やるなぁ。月長石」

「――って後ろ、後ろぉおお!!!」

 感心している砂嵐さんの背後から差し迫る影に、俺は叫んだ。

GIGIGIGIAAAAAAAAAA!!!

「ん?」

 咆哮と爪撃。

 ドラゴンのようにしか見えない巨大なモンスターの爪が、振り返った砂嵐さんとついでに俺に振り下ろされる。

 やば。

 ――挽肉にされるぅ!?


 ガシィィイイイイイン!!!


 だが。

「あれ?」

 そんな俺の想像は現実にならなかった。

「不意打ちか」

 目の前で。

「いい戦法だが」

 片手で。

「――力不足だな」

 ドラゴンの爪を受け止めている砂嵐さんが、そこにいた。

 しかも、俺を担いだままでだ。

 っていうか本当に人間ですか?

「悪いな」

 パンッと蝿でも叩くかのようにドラゴンの腕――【グランゴン】の腕を弾き飛ばし、流れるような動きで砂嵐さんは刀を抜いた。

 ジャキッ。

 円を描くように刀身が回転され、縦に振るった鞘から刀が飛び出す。

 その柄を握り締め、無造作に砂嵐さんは刀を振り上げた。

 “神吼荒”


 斬!


 ピロリロリーン♪

「ま、真っ二つになったぁ!?」

 無造作に振り下ろされたと思った一撃。否、“二撃”。

 上下に三分割された【グランドン】が、そこにいた。

「ふう。紙切れだな」

 両断された部位から光を迸らせながら、消滅するグランドンを見つめ、ただそう言うだけ。

 桁が違いすぎる。

 ピロリロリーン♪

 レベルアップ音に目を向けてみれば、先ほどゴーレム二体を斬り殺していた月長石がさらなる大群をボコボコに打ちのめしていた。

 なんていうか、怪獣対自衛隊?

 でも、自衛隊は素手で怪獣を殴り飛ばします♪ みたいな勢いだし!

 やばいよ、やばいよ。

 高レベルPCって絶対に人間じゃないよ〜。

「お? また新手か」

「へ?」

 ガシンッ!

 ガシンッガシンッガィンッ!

 部屋を埋め尽くすかのように、巨大な剣を携えたモンスターたちが部屋と飛び込んでくる。

「――妙に多いな?」

「……魔法陣も開放してない」

 スタンといつのまにか戻ってきた月長石が、砂嵐さんの言葉にそう答えた。

「しかし」

「?」

「――問題があるか?」

 ニヤリと渋い微笑を浮かべる砂嵐さん。

 あのー、なんか嫌な予感がバリバリするんだけど。

「……皆無だ」

 ジャキンッ!

「だろ」

 チャキッ。

 二人が楽しげに武器を構える。

 いや、表情は変わってないし、別にそういう態度じゃないけど。俺には分かる。

 ――楽しんでる。

 絶対に楽しんでるって!!!

「行くぞ、シューゴ」

「え?」

 ブゥンと俺の視界が歪む。

 というか位置がずれる。

「あ」

 もしかして。

「切り込むぞ、月長石!」

「承知!」

 ブォオオオオオンッ!!!!


「キャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」


 俺は再び空の支配者となった。


 そして、俺たちはガンガン突き進んだ。


【堯\犬ぬ个襦‖生鼎痢仝諺曄

 そこにいたのは巨大な――グレイ!

 つーかエイリアン?

「で、でっかい宇宙人!?」

「【スターバイキング】か」

「……一撃だ」

 “疾風荒神剣”

 ドガガガッガガガガッガ!!!

「宇宙人が蜂の巣ー!?」


 と軽く蹴散らしたり。


【堯\犬ぬ个襦‖生鼎痢仝諺曄

 ガキギイッィインッツ!!

 その日、初めて三十郎さんたちの一撃が弾かれた。

「なっ!? 砂嵐さんたちの攻撃が効かない?!?」

『ZAZAZAZAZAA』

 身体を揺らし、不気味に笑うのは巨大な砂の塊【サンドマウンテン】

「――物理耐性か」

「……アイテムだな」

 ――バッ!

【水帝霊王召還】!!!

【火炎霊王爆誕】……!

GIAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!

RURRURURURURURURU!!!

 砂の怪獣に、水を纏った巨大な龍と、炎を吹き出す竜が襲い掛かる。

「怪獣大決戦――!?」

 チュドォオオオオオオオオオオオン!!!

ギャースッ!!

 怪獣大決戦の流れ弾に吹き飛んでみたり。


【堯\犬ぬ个襦‖生鼎痢仝諺曄

「なっ、これは?!」

「……気をつけろ」

「へ?」

 警戒する二人の目の前に見えるのは。

「……単なる【人面犬】じゃん」

 テコテコと近づく俺。

 これなら俺でも倒せるだろ。という判断だったのだが――

「待て! シューゴ!! そいつは――」

【人面犬 LV99】!!」

「へ?」

 ――ギランッ!

 “真・暗黒舞踏 五の段・極”

 チュヅドアドオオオオオドオッドドドドドオドド!!!!!

「ギャァアアア!!!」

 断末魔の叫びが上がった。

 俺の。


 薄れゆく意識の中で死闘を開始する二人と一匹の姿を目撃したり。


【堯\犬ぬ个襦‖生鼎痢仝諺曄


 そんな感じで何とか最下層まで来たのである。

「お、俺生きてる?」

 ある意味奇跡かもしれない。マジで。

「ああ。それよりももうすぐアイテム神像のフロアだぞ」

「……目的地は近い」

 ああ、開放への道も近いのか。

「しかし、ずいぶんとレベルが上がったんじゃないか?」

「あ、上がったよぉ」

 ええ。レベルは上がりました。

 一つのダンジョンで15レベル以上も上がるなんて初体験だよ。

 今レベルはなんと36だ。

 でも。

 こんなに嬉しくないレベルアップは初めてだ。

「さっさと行って終わらせるぞー」

 あの人面犬にやられた分以外はダメージは負っていないが、いかんせん精神的ダメージがデカイ。

 ふらふらとした足取りで、最後のフロアを進む……って。

「あ。魔法陣」

 モンスターが封じられている魔法陣が、久々に目の前に飛び込んできた。

「じゃあ、お二人とも頼みます!」

 ざっといつものように俺は飛び下がって、二人の活躍を見物――って。

 あれ?

「二人ともいかないの?」

 何故か後ろで二人とも腕を組んだまま、俺を見つめている。

「いや、俺たちが行ってもいいんだがな」

「……最後だ」

 え?

「最後の敵ぐらいはお前で倒してみろ」

「同意だな」

 ……マジで?

「いや、俺は弱いし」

「――強くなるために来たんだ。行って来い」

「……これを貸す」

 そういって月長石から渡されたのは【双剣 暗殺式】という武器。

 ……勝てる気がしないんですけど。

「えーと」

 俺はチラリと二人を見た。

 二人はいつも通りの笑みと表情だった。

 瞳の色は善意100%だった。

(……駄目だ)

 逃亡不可能と判断して、俺は泣く泣く魔法陣へと向かった。

 う、運がよかったら宝箱かもしれないしね!

 テクテク。

 そして、ある程度近づいた途端、魔法陣は光を放って開放された。


 BATELL MODE ON


「……」

 見えたのは巨大なシルエット。

 手には巨大な漢の浪漫――ドリル。

 目には某機動戦士に蹴散らされる雑魚機体を思わせるモノアイ。

 まるで出てきた途端主人公の機体を打ち抜いたかのような不思議なオブジェがそこに居た。

 そして、その上に出てくるアイコン。

 へえ、名前は【スピンフィギア】さんなんですね♪

「ど、どうも初めまして。ボク、シューゴです」

 一応、友好的に挨拶をしてみる。

 ――ギュィン(目のモノアイが光った)

「ええとすいませんけど、一つお願いがあるんですが」

 ――キチキチキチ(ゆっくりと頭部がこちらに向く)

「あのー、ですね」

 ――キュルキュルキュル(少しずつ手のドリルが回転し始める)

「あ、あのー、ここ通してもらえないですか?」

 ――キュィイイイイイイン(物凄い勢いで、ドリルが回転している)

「だ、駄目ですよね? そうですよね、駄目ですよね……」

 ――キュバァンッ(こっちを睨んで、モノアイが異様な輝きを帯びる)

「やっぱり無理だよなぁ」

 ジャキンッと俺は密かに受け取った双剣を握り締め。

 叫んだ。


「――命とったぁああああああああ!!!!!」


 急襲・不意打ちによる迅速な殲滅。

 それしか生きる道がない!!

 ――故に俺は全力で、双剣を繰り出す。

 弾んだ会話による油断。完璧な人畜無害を装った態度。そして、素敵さ溢れる俺の魅力で、敵は完全に不意を撃たれたはず!

「てやっ!」

 ――72

 全力で殴ったダメージが72。

 無理だぁ。

「ええと」

 ――ギュルルル!!!

 目の前には凄まじい勢いで回転しているドリルが二つ。

 死んだなぁ。

 あはははー。


 ――DIING


「え?」

 ――ボフン!

 ディスプレイにその一文が出現した途端、目の前のモンスターがいきなり煙を吹いた。

 見れば、そのHPゲージがいきなり“四分の一”になっている。

 双剣・暗殺式。

 それは瀕死の追加効果を持つ双剣だった。

「これならいけるか?」

『RIXIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII!!!!』

 俺は絶叫しながら双剣を握り締め、目の前のドリルもどきは奇妙な声を上げる。

 やったらぁあああああああ!!!


【堯\犬ぬ个襦‖生鼎痢仝諺曄


「勝った、勝ったぞぉおおおおおお!!!」

 長い死闘の果てに、ヤァーと俺はドリルの丘で喝采を上げた。

 足元に転がるのは元スピンフィギア。

 俺は見事に生き延びた。

 ――半分死にそうだが。レッドでピコンピコン言ってるし。

「やったなシューゴ」

「……見事だ」

「やったよ、二人とも……」

 ふふふと俺は薄く笑って、ガッツポーズを決めた。

 二人も静かにサムズアップしてくれる。

「これでアイテム神像までいけるな」

「……そういえば、ここのアイテム神像のアイテムって何が入ってるんだ?」

「見てみるか?」

 そういった砂嵐さんに付いて、俺たちはアイテム神像のフロアに言った。

 巨大な剣を携えた武神の像の前に置かれた宝箱の前で、砂嵐さんが足を止める。

「シューゴ。開けてみろ」

「え? 俺が?」

 罠とかないよなー。

 まあアイテム神像にあるわけがないが。

 というわけでカパッと開けてみる。

 そして、その中にあったのは。


 一対の双剣だった。


「双剣?」

【絆の双刃】だ。効果は保障する、今度からそれを使ってみろ」

「え? ……砂嵐さん、もしかして」

 これを俺に渡すために誘ってくれたのか?

「……肯定だな」

「まあ月長石の言うとおりだな」

 ボソリと月長石が言った言葉に、砂嵐さんが照れくさそうに頬を掻いた。

「ありがたく貰っておく」

 双剣をデータ化して、俺はアイテムパネルの中に格納する。

「じゃ、脱出するか」

「賛成」

「……ああ」

 そして、俺たちは精霊のオカリナでダンジョンから脱出した。


【堯\犬ぬ个襦‖生鼎痢仝諺曄


「そういえば、前に来た時はどうだったんだ?」

 ダンジョンの外に辿り着いた俺は、不意にダンジョンに入る前に砂嵐さんが言っていた言葉を思い出した。

 確か、前にも月長石と砂嵐さんと他の人で来たって言ってたけど。

「ああ。あの時か……」

「……大変だった」

 大変?

「俺たちも今のお前ぐらいのレベルしかなくてな。しかも、もう一人も精々50ぐらいのレベルしかなくてな」

「……それでも攻略した」

 え?

 マジで?

 あの怪獣共の群れの中をか?

「アイツは昔からけっこう無茶はする奴だった。冷静で、落ち着いていて、マトモなように見えるが一番無理をするタイプだ」

「……同意だ」

 へえ?

 どんな奴なんだろうな。


【リアル】

「クションッ! あれ? 夏風邪引いたかな……」

 僕は上着を羽織りなおしながら、やりかけの参考書に再び取り組んだ。


【Δサーバー 水の都市 マク・アヌ】


 その後。

「――ということがあってさぁ」

「ほぉ。そうなのか」

 ミレイユのホームで、ミレイユと凰花とレナにこの間の冒険の話をしていた。

「しかし、月長石か……」

「ん? もしかして知ってるのか」

「ああ。確か無双と並ぶ二つ名の――【月光】のPC名がそれだったと思うが」

 マジで?

 いや、確かにめちゃくちゃ強かったけどさあ。

「すっごいねえ。普通そんな簡単に二つ名持ちと遭遇しないよ?」

「そうなんか?」

「そっ。実際ボクだって、凰花以外今まであったことないしねー」

 俺って運がいいのかなぁ。

 ……微妙なところだな。どっちかというと。

「――類は友を呼ぶっていうしねえ」

「それはどういう意味だ、ミレイユ?」

「うーん。悪いけど、シューゴ。今までの行動を見ていると否定できないよ」

 言うな、妹よ。

 俺もちょっと気にしてる。

「となると、後は【蒼】の三人と会えば完璧だな」

「蒼?」

「蒼天、蒼海、そして最強と言われるPC――【蒼炎】。前者の二人は別名【フィアナの末裔】といわれているらしいが、最後の一人はまったく知られていない」

「へえ」

「まあ、いずれ手合わせを願いたいところだ」

 バシンッ! と凰花が掌を打ち合わせて、笑う。

 凰花と同等クラスの連中の戦い。

 災害になるんじゃないだろうか?

「まあそんなことがあったんだよ」

 そういって、俺は話を終わらせようとした。

 のだが。

 その時。


 もう手遅れだったことに俺はまた気付かなかった。

「シューゴ」

「なに?」

 凰花が笑う。

「そんなに強くなりたかったのなら、私に言えばよかったのに」

「え?」

「今度私のトレーニングを付き合わせてやる」


 これから先。

 度々凰花のトレーニングと称したバトル地獄に巻き込まれるようになるなんて。

 俺は気付いていなかったのだ。

 マジで。


 続く?


あとがき

 パワーレベリングという言葉があります。
 MMORPG用語だそうです。
 意味は低レベルなのに、首根っこ掴まれて、強制的に強敵と戦わされる生き地獄だそうです。
 レベルはガンガン上がります。
 致死率もうなぎ上りです。

 今回はまさにそんな感じでした。

 そして、用語の意味は確実に違います。ごめんなさい。


 今回は大幅に遅れてすみませんでした。

 ちょっとスランプに掛かっていて、今回も不調です。

 次回から名誉挽回!

 目指していきます!

 次回は【ホタルと杖とドーベルマン?

 HOTARUと二人のゲストキャラによる物語の予定です。
 ヒントはゲーム版から一人。
 SIGNから一人です。

 絶対に想像出来ない組み合わせなのでお楽しみにw

 では、出来るだけ近いうちに。


あとがき2

 ……シリアス書きたい病に身体がやられています。

 が、外伝終わればー、シリアスが書ける。

 頑張れ自分。

 他の.hack作者に負けないように頑張ります!

 ……でも、本当に肩身狭いなぁ。

 ああ、あとシューゴは好きですよ?

 別にいじめでありません。

 いじればいじるほど面白く。

 後半は漢になりますので、お楽しみにw



ついに十四回目。
あるいは外伝第二回!
レス返しのネタがなくなりつつあります!!


>SS様

 まあ、あの手口はデフォルトかとw

 三週目あたりから真っ当な手段では勝てないゴブリンたち。
 どこが初心者向けなんだ? と首を捻りました。

 というわけで、集団の正義、一部の地獄ルートでGOです。

“此の傷を癒すには貴方が作品を完結させるしか無いんだ!”
>途中で死なない限り、完結させる気満々です。
 三話目書いた時点で最終話までのプロットは出来上がってますので。
 描写技術と時間だけですw


>白亜様

 あーれー(光になった)

 っていうか、あなた様がそれを言いますか?(苦笑)
 素敵オリキャラ作家め!!(褒め言葉)
 というわけで、今後も純粋なオリキャラは登場しません宣言です。

 ええ、本当に(ニヤソ

“今回はオウル君によるゴブリン虐殺プレイ。悪魔か(笑”
>別名、白い悪○。
 取り合えずゴブリン大辞典には歴史に残る事件になったようです。

“何時かシューゴに虐殺されるその日まで”
>多分三年後まで病院送りですw
 全治三年(長い)


>シヴァやん様

 俺も三匹に増えた時は吹きましたw
 そして、泣きながら殴り飛ばしたもんです。ええ。


“これが受験のストレスでしょうか?”
>無いとは断言出来ませんが、基本的に暴言の数々で笑いながら怒ってましたw
 こめかみにビシビシと紅い十字マークが浮かんでたそうです。


“ハーレムエンド”
>それを達成するにはスプラッシュが事件解決後、二十話続かないと不可能と思われます。
 あとハーレムやモテモテの展開は苦手なので多分ないです。
 でも恋愛フラグやラブコメがないとはいいません。
 ええ、言いませんよ?(ニヤソ)


>ロードス様

 G.U.クリアおめでとうございますー。

 時間がなくて殆ど進めてない自分としては羨ましい限りです。はい。
 というわけで(なにが?) 今回もギャグでしたw

“ダークなオウル”
>意図的に黒くした覚えはないんですけどねー。
 なんでだろう? これが私の本性なのかなw
 取り合えず今後は黒くない優しいオウルで行こうと思います。はい。

“ミレイユそのうち召喚可能か?w”
>いえいえ、ゴブリンシリーズはオウルが壊滅させましたからw
 あるとしたらあの武器だけです。もちろん召還は不可。両断は可能w

“ハアハア”
>心臓麻痺を起こさないことを祈ります(意味深)


>シャミ様

 どうも、今回は少し早めに出せました。
 以前よりは遅いですが、これからもマイペースで投稿していこうと思います。

“お前一応勇者だろ”
>忘れてはいけません。彼は自分から勇者と名乗ったことはないのです! 勇者と呼ぶのは他人だけ! すなわち本性は誰も知らない(え?)
 勇気ある者が、黒くてはいけない決まりはないのですよー。
 まあこれからは以前どうり白く生きていきますが。

“シューゴとカイト”
>ニヤリ。それよりも凄い展開を考えていますよ、ハイ。


>細道様

 すみません。
 前回のお話が不快に感じられたようならば謝罪するしかないですね。

 大人気ないと言われても、まだ子供。
 面を持って暴言を吐かれたら、怒るものですよ?

 というわけで今後はある程度セーブしながら頑張ります!


>somosomo様

 そうすると本当の外道ですよ(苦笑)
 取り合えず放置プレイでそのまま新たなる戦いにオウルは出向きました。

 そして、三十分で終わらせてシューゴたちのところへ行くっと。


 今後とも時々明るいほのぼのを混ぜて生きたいと思います。
 でも、俺は黒専門ですw

 あー、シリアスが書きたいです(私情)


>KOS-MOS様

 なんで皆様外道っていうんですかー!?

 あれですよ? 前回のお話は基本的にゴブリンメイン。ゴブリンラブ。ゴブリンと僕たちのふれあい編♪ ついでに退治。

 ――な。お話なのですから!!


>趙孤某様

 どうも。
 どこのレンタルビデオ店でもアニメ版がなくて、困ってる箱庭廻です。

 しかし、盗猫様から趙孤某様ですか。今後は試練(シ○ン)ですかな?
 っと戯言はともかく。

 今回のお話も楽しめてもらえたら光栄です。

“今回は確かに微妙でしたが壊れにはならないと思います”
>実はlogin_12で壊れていたのはレキとシューゴ(ラスト)だけだったり。
 あとはデフォルトでしたw

“シューゴ道化編”
>修行編あるいは戦場のジャーナリストでしたw。
 行動を起こしては巻き込まれるタイプですね、シューゴはw


>カンナ様

 復讐とは常に実を結ぶとは限りません。
 襲い掛かって、ぽてちんと返り討ちにあることも多々あることです。
 いやぁ、現実ってとっても厳しいですねw

“あの方”
>……あの方。
 それはゴブリン幼稚園を花組で卒業、その後ゴブリン英才教育を受け、主席でゴブリン大学を卒業する超エリートでしたが、初の実戦で所属部隊(?)は全滅、その後唯一生き延びた彼は辛い下済み生活を送っていたが、十年前革命グループ【暁に吼えろごぶ】を結成し、前神聖ゴブリン帝国に見事革命の嵐を引き起こし、かの有名な絶叫大橋での血も凍るようなチキンレースを前ゴブリン皇帝との死闘の末勝利し、民衆からの絶賛の声で二代目皇帝となった神聖ゴブリン皇帝ゴブキングマーク13+Aのことですかな?(長い説明だ)

 奴との戦いは一大巨編ドラマ(三十分で終わる)になるので、執筆予定はありません♪


>朱雀様

 一応三週目までは自力で殴り倒していた箱庭回です。
 でも、三匹に分裂したところで、正攻法での勝利は不可能と気付き、前回の手段で倒しました。

 三匹に分裂って卑怯ですよね?


“タロット使った方法やってみようかな?”
 タロットの使用はお勧めですよー。そのあと巨大ゴブリンで踏んでください。
 四週目は呪紋使い+2と自分で間断無く呪紋を叩き込めばミディアムの完成です。


神速の皇帝グラム様

 キョォオオオオオオオオオオオオオ!(某オロチ)

 とはさすがに叫びませんよ?
 多分書いている時になにか憑いてました。
 でも、この展開は昔から考えていました。

 あれ? じゃあ素なのでしょうか?

 今後共楽しめる作品を目指して執筆していきます!


>シロクロネコ様

 どうも初めまして、シロクロネコ様。
 箱庭廻(はこにわまわし)と名乗っている者です。

 レス、ありがとうございます。

“当時から知ってたんかぁーあんたら!”
>一応知ってました。モルガナも一応はマザーAI。世界の管理者です。
 というか、ゲーム中でもグラフィックの破壊などを除けば、正常に機能していたTHE WORLD。
 職務放棄はしていなかったようです。

 やけっぱちでストライキを行っていたゴブリンに頭を痛めてそうなイメージが浮かびます。

“モルガナゴブリン?”
>……八相ゴブリンとか見てみたいです。個人的に。


>アークン様

 どうも、初めましてアークン様。
 腕輪伝説から遠のいた世界に移行しつつある箱庭廻(はこにわまわし)です。

 というか、そんなに腹黒いですか?(泣)
 一応二匹目までは殴り倒してますよ? ええ。

 そちらの作品も常にチェックさせてもらっているので、今後とも頑張ってください。
 応援してます。

“ところでゴブリン…よくモルガナに削除されなかった。”
>あれを削除するほど、器の小さいモルガナではなかったようですねw
 というか他のもそうですけど、マルチナにいたっては絶対にスケィスよりも足が速いですよ? 削除しようにも逃げ切るような気がw


>ATK51様

 爆走・暴走・大脱走(?)がテーマに、ガシガシ書き上げました。
 外伝の大半はこんな勢いで上げていきます。

 楽しんでもらえれば幸いです。

“黒いと言うより暴走なオウル”
>一応カイトも人の子ということで、怒ってもらいました。
 でも、あれだけの準備をしていたということは言われなくてもやるき……ちょっとやりすぎましたかね?

“某おしゃれ魔女”
>作品内容はよく知らないんですが、HPを見たとき主人公の片割れが似てましたねw
 性格はどうなんだろ? 見る気と勇気が出ません。


>零様

 受験は人を変える……

 そして、ゴブリンたちの態度はオウルのこめかみに十字マークを浮かべるには十分でしたw
 もうぼっこぼっこです。殺してはいませんがw

“グレートアップするシューゴ”
>大きくレベルアップはしましたねw
 でもトラウマを負ったかもw


>白雨様

 どうも、白雨様!

 ――あなたは修羅ですか?(いきなり)
 さ、先読みって無理です。ピーとポーが一般人には無理な高等テクです!

 どうやったら出来るんですかあ。一応絢爛舞○は笑って取れますが、自分。

“何体のゴブリンを葬ったのだろう……”
>A:43匹です。
 (ゴブリン将軍37+ゴブリン四天王&1+(神聖ゴブリン皇帝ゴブキングマーク4+A))なのでw モブはカウントしてません!

“ゴブリンを壊滅(虐殺?)作是非書いてもらいたいモノです”
>というと。
 【VSゴブリン37将軍! 怪奇絢爛大激闘!!】
 【神聖ゴブリン皇帝ゴブキング! 暁に埋められる!?】

 のことですかな? 一大大河ドラマと化すので、多分執筆は不可能化とw

“シューゴのでなくてレナとかならすっごくなっとくしそうなのはナゼなんでしょう?”
>うーむ。なんというかギャルゲーぽいタイトルですな。
 国崎怜奈育成日記? 育成ゲーム? 妹は嫁には出さんぞ! と叫ぶ主人公シューゴを操って、ゲームクリア……ラストは妹の恋人と殴り合いエンドかもw


>アッシャ様

 ああ。ゴブリンたちに愛の手を差し伸べてくれる人が一人。
 おめでとうゴブリンー。

 ありがとうございました。アッシャ様。

 今回はシューゴが頑張ってます。

“何気に楽しそうに見えるのは錯覚でショウカ。”
>キ、キノセイデスヨ? 笑いながらゴブリンをぶっ飛ばしてましたけど。
 こめかみにぶっとい十字マーク浮かべて、ニコニコしながら双剣を振り回し、タロットを突き出し、スクロールで発動させましたが、多分気のせいですヨ?

“いろいろフラストレーションたまってたのか?”
>彼も人間ですから、疲れも悩みもあります。笑って明るく振舞っていますが、結構内心の方では孤独に傷ついてます。
 ――今回の件とはまったく関係がございませんが!

“ミレイユの好感度アップ”
>それは素です!

“(出来ればハーレムも期待)”
あなたもですか!? ブルータス!!


>夜偽様
 どうも、本当にお久しぶりです。
 途中でつまらなくなったのかと思ってカタカタしてましたw

 今後共飽きさせないよう頑張って書いていきます!
 そっと見ていてくれると頑張れますので。

 それでは。

“コレこそ真の勇者”
>むしろ主人公ですな。まあ元主人公ですが。
 負けるな、現主人公!!

“シューゴにゃ、勇者が務まるわきゃねーよww”
>その言葉撤回させてみせますよ!
 今後かっこよくなるシューゴにご期待ください!!


良介様
 少しでもあなたの鬱憤が晴れれば幸いですw

 もうゴブリンへの憎しみや狂気を叩き込みましたw
 これでもうゴブリンなんて怖くないです!

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