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▽レス始

「ゼロの丁稚(GS+ゼロの使い魔)」

まじ (2007-01-21 23:20/2007-01-24 17:01)
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「あんた誰?」

横島が玄関の扉を開け、一歩踏み出し、光る落とし穴に落ちたと思ったらそこには見知らぬ女の子がいた。
周りに広がる草原。
どこを見渡してもアパートが存在しない。
そして周りにはマントをつけた魔法使いみたいな格好をした少年少女たち。
幻覚?
時間移動?
愛子の中みたいな異次元?
わけのわからない現状に横島がパニックになっていると、再び少女がいらだった様子で話しかけてきた。

「ちょっと聞いているの! 平民の分際で貴族の私のことを無視をするなんて何様のつもり? 答えなさいよ!」

その少女の金切り声にパニックが少し収まり、改めて少女の姿をじっくりと見てみた。
色白な肌に赤い瞳、顔立ちはかなり整っており、ウェーブのかかったピンク色の髪が白い肌に良く映える。
その格好はミニスカの制服にマントをつけて、細長い棒をもってまんまコスプレである。

(うーんかわいいけど、どうみても中学生なんだよな〜。全体的に小さいし、特に胸が。
くーおしい! あと3年もすればストライクゾーンなんだが」
「ふーん、やっとしゃべったと思ったらそんな風に私のことを見てたんだ」

少女はこめかみに青筋をうかべ、ぴくぴくと頬を引きつらせている。

「って、もしかしてまた考えてる事が口に出てた!?」
「幼児体型でわるかったわね!」
「あべろばっ!!」

腰の入ったパンチを顔面に受け、地面に転がった横島を執拗に蹴りまわす少女。
数分後ボロ雑巾のようになった横島が地面に転がっていた。

「あはは、ちょっとやりすぎちゃったかしら?」

少女は冷や汗を流しながら、決して横島の方を見ようとせずにそう言った。

「ル、ルイズ。サモン・サーヴァントで平民を呼び出して、しかも半殺しにしてどうするんだ?」

顔を青ざめさせてルイズと呼ばれた少女から距離をとりつつ様子を見ていた少年達の誰かがそう言うと、場に沈黙が広まった。

「わ、私はわるくないわよ!平民の癖に貴族の私を侮辱したこいつが悪いのよ!」

場の空気に耐え切れずルイズがあわてて弁解する。

「ちょっとやりすぎただけじゃない!」

ルイズの指差した先にはぴくぴくと痙攣を続けるボロ雑巾、もとい横島の姿。
誰の目から見てもちょっとどころではないことがわかる。
また嫌な沈黙が場を支配する。

「あー死ぬかと思った」

そんな中何事も無かったように立ち上がり、服のホコリを叩き落とす横島。
体どころか服にすら傷ひとつ無い姿を見て唖然とする少女達。

「なんで怪我ひとつ無いのよ!」
「そりゃおまえ、ギャグマンガの人は爆死以外じゃ死なないのは当然だろうが」

ギャグマンガってなんだ、という疑問がその場にいる全員の頭を占める。

「ところでさルイズちゃん、お姉さんとかいないかな?」

復活した横島はルイズの肩をしっかりとつかみながらそう言った。

「い、いるけど」

あまりの横島の剣幕に思わずそう口にしてしまったルイズ。

「うおおぉ!マジか!? 今すぐお姉さんを俺に紹介してくれ! この横島忠夫がすぐにあなたの元に行きますから! 待っててくれお姉さん!!」

ストライクゾーンからわずかにはずれているが、ルイズは美少女である。
そのルイズに姉がいる、つまりストライクゾーンの美女がいると知ったら横島が暴走しないはずが無い。

「何であんたなんかにお姉さまを紹介しなくちゃいけないのよ!」
「おいおいルイズちゃん、俺のことは遠慮なく義兄さんと呼んでくれ」

にっこり微笑み、フレンドリーにルイズの肩に手を乗せる横島。

「ふざけたこといってんじゃないわよ!」

その横島の手を振り払い、胸倉を掴みひたすら顔を殴るルイズ。
数分後、ぴくりともしない血だるまが地面に転がっていた。

「ミスタ・コルベール!」

ルイズが大声で怒鳴ると、少女達を書き分けて大きな木の杖をもった黒いローブを着た中年の男性が現れた。
その風貌はどこかの神父を思い出させる。髪の薄さとか。幸の薄さとか。

「なんだね、ミス・ヴァリエール」

コルベールは横島の返り血を浴びたルイズの姿にちょっと引きながらルイズの前に立った。

「あの!もう一回召喚させて下さい!」

ルイズはコルベールにそうお願いした。
しかしコルベールは首を横に振り気まずそうな顔をして言った。

「それはダメだ。ミス・ヴァリエール」
「どうしてですか!」
「決まりだよ。二年生に進級する際、君たちは使い魔を召喚する」
「でも! 平民でしかもあんなのを使い魔にするなんて聞いたことがありません!!」

半泣きでルイズはコルベールにお願いした。
普段はルイズをバカにして笑っている少女達も今回ばかりは心底彼女に同情した。
いくらなんでもあれはちょっとなぁ、と誰もが思っていたからである。

「平民、というか本当に人間なのかどうかも怪しいが君が呼び出した以上、君の使い魔にしなければならない。

ミス・ヴァリエール、君の気持ちも理解できるが儀式を続けたまえ」

「どうしてもあれと契約しないとダメですか?」

二人の視線の先にはいつの間にか傷ひとつ無くなった状態で座っている横島の姿があった。
周りをきょろきょろ見渡しており、非常に挙動不審に見える。

「ミス・ヴァリエール、もう召喚してしまったんだ。諦めて契約をしたまえ」

コルベールがそういうと、ルイズはすごく不満そうだがしぶしぶ納得した。

「あなた、感謝しなさいよね。貴族にこんなことされるなんて、普通は、一生ないんだからね……」

そう言うとルイズは目を閉じ、杖を掲げた。

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。このものに祝福を与え、我の使い魔とせよ」

ルイズは浪々と呪文らしき言葉を唱え終わると目を開き、ゆっくりと唇を横島の唇に近づけていった。
まさかの展開に固まってしまった横島にルイズの唇が触れた。
ルイズが唇を離すと、すぐに横島は我に返りと奇声を上げ地面に頭をぶつけだした。

「うおー!ドキドキなんてしてないぞ!! 俺はロリコンじゃない、俺はロリコンじゃない……」

ルイズは幼児体型だが美少女である。
そんな彼女にもてない煩悩魔人横島がキスをされたのである。
はっきり言ってドキドキした、しかし彼の理性はそれを認めるわけにはいかなかった。
少女にドキドキしたらロリコンになってしまうからである。
ロリコンは犯罪なのである。
地面に血の海が広がりだしても横島は頭突きをやめない。
あまりの事態にルイズもコルベールも、周りの少年少女達も唖然としていた。
気がつくと横島の左手の甲には、いつのまにか刺青のようなものが刻まれていた。
一番最初に我に返ったコルベールはその事を確認し、儀式の終了を知った。

「どうやら使い魔のルーンは刻み込まれたみたいだし儀式は終了だ」
「あっ! いつのまに!?」

使い魔の証を刻んだルイズにも、刻まれた横島にも気がつかれる事が無く契約の儀式は終了した。
横島にはろくでもない契約しか結べない運命でもあるのだろうか。
今後の人生を左右するだろう使い魔召喚の儀式がわけのわからないまま終わり茫然自失のルイズ。
いまだに独り言をつぶやき続ける横島。
そんな二人を見なかったことにして、コルベールは横島の左手の甲を観察した。

「フム……珍しいルーンだな」

それを確認すると、少女達の方を向き直り声をかけた。

「それじゃあ教室に帰ろう」

箒にまたがり空を飛んでいくコルベールと少年少女達。
誰もが酷く疲れた顔をしていた。
横島の暴走を始めてみたならそれはしょうがない事である。
横島が我に返ったとき、その場にはルイズと横島しかいなかった。

「そういや、結局ここってどこなんだ?」

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