かたかた…キーボードを打つ音だけが俺の部屋を支配している。
今何をしているかというと…簡単だ「The World」をやるためだ。
理由は簡単だ「面白そうだから」これに尽きる。
……いや、もしかして違うかもしれない。やらないといけない…そんな感じもするからだろう。
「登録データを確認しました。
最後に
本名
PC名
を登録してください」
画面にそう映った。当然ながら偽名なんて使うわけがない。
「坂城 仁」
それが俺も本名だ。弟もいたりするが……いろいろな意味での弟ではないため。紹介はしない、意味もないし。
さてと…次にPC名だ、これはもう決めている。
「セツナ」
だ
刹那…どこかで聞いた時から気に入っている言葉だ。だからPC名に登録をすることにした。
そのまま決定ボタンを押す。
「データを登録しました、「世界」を楽しんでください」
その文字と共に画面が暗転する。
戻ったときにはPCのインデックスが移っている。
「さてと…さっそく行くか……」
メールが来ていたがあんまり関係ないだろう、俺は世界をやるために「The World」のアイコンをクリックする。
当然最新型のFMDを装着してだ。
「The World」
世界……きっと楽しめるだろう。
俺はログインした。
暗転した先は黄昏に染まっている町だった。
「ルートタウン・アク・マナ」だったよな?
それははじめての俺に対して祝福しているかのように輝いていた。
さてと……改めて自分の姿を確認する。
身長はリアルでいう150センチ前後。
装備は双剣つまり双剣士ってわけだ。
装備は基本的に軽め軽装だな。
白色主体の鎧…まさにセツナだな。
鎧の形状は…どちらかというと普通の服にガントレット、アーマープレートをさらにつけたような形状だ、付近にこれのようなグラフィックのPCはいない。
「よし、さてと……」
この「世界」に特に目的はない可能性があるってわけだ。つまり言い方を変えると……
「まず何をするかぜんぜんわからないんだよな…ふふ」
というわけだ、とりあえずセーブ屋でセーブをして考えることにした。
セーブをして…さて、先ほどもいったが何をするべきなのか検討すらつかない。
このまま今日はログアウトするか?
そう思いログアウトをしようとしたとき
「あんた」
いきなり呼ばれたしかも「あんた」かよ、他人と初めて会うときは名前で呼ぶようにとか言われてないのだろうか……
と思い振り返ると。
そこには見た感じ防御力ゼロの水着な鎧を身にまとっていた褐色の肌が特徴的な少女だった。
もしリアルでもそうなら笑顔で逃げたいところだ、というか今逃げたい。
「ねぇ、聞いてるの?」
「……何用ですか?」
とりあえず聞いておこう厄介な事なら何も言わずに即ログアウトだ。
「見た感じ初心者よね」
「は……はぁ…」
じゃなきゃなんだ、というツッコミは混乱を招きそうなのでやめておいた。
「なら、あたしがいろいろ教えてあげる、いいわね?」
「は…はぁ…どうも…」
まぁ、デリメットが無いと思うのでついていくことにした。
「『Δ 隠されし 禁断の 聖域』。そこに行くわよ?」
「は…はぁ…」
とりあえず教えてもらったワードを登録するためカオスゲートに近づく。
基本的な操作は説明書で呼んだ、だから行ける。
「ところで、戦いはできるの?」
転送間際に褐色の少女が尋ねてきた。
ここは素直に言うべきだな。
「基本的な動作なら、わかるけど…?」
「そう…・・・よかった」
最後の部分だけ聞こえなかったが……まぁ、いいか。
そう思って俺と褐色の少女はカオスゲートによって転送された。
『Δ 隠されし 禁断の 聖域』
画面が暗転して再び画面が見えるようになったとき、俺の目の前には。
「教会……?」
そう、教会が聳え立っていた。多分オリジナルなんだろう、見たことが無い教会だ。というか無駄にグラフィックを使ってるなぁ。
「……先行くわよ」
「ん、あぁ」
褐色の少女はすたすたと教会に向かっていく、俺も遅れるようについていく。
扉が開く。
その先には普通の教会だただ違う点は。
「少女の……像?」
鎖に雁字搦めに縛られている少女の像が一番奥に置いてあった。
下に何か書いてあるのだが……わずかしか読めないし。英語なので読む気が無い。
「敵…いないな…」
周りを見るが魔法陣も敵の姿もない…どうやら特別なエリアのようだ。
「助かった…」
少女がふぅとため息をついて剣をおろした瞬間。
『ギャォォ!!』
LV1の敵ゴブリンが現れた。
「なっ…時間差!?」
その数は2…まぁ、倒せない数じゃないLV1とLV1だから互角だし。
安楽して褐色の少女の方をみて…思わず硬直した。
「いやぁぁぁぁ!?」
『ギャォォ!』
逃げていた、それも泣きながら。こっちが泣きたい。
「こないで、こないで、こないでぇぇ!」
『ギャォォォ!』
…とりあえず、こっち側のゴブリンを倒してあっちを助けよう。
「せぇい!!」
斬撃。そのままゴブリンを零距離で……
「舞武!!」
無数の斬撃でさらに追撃。結果ノーダメージで倒す。
…と、ここでいいとして…問題は褐色の少女のほうだ、相変わらず逃げている。
「おい!……えーと、お前! アーツ使え! アーツを!!」
逃げながら褐色の少女は聞いていたのだろう。やはり逃げながら叫ぶ。
「あたしの名前はブラックローズ! お前じゃないわよ! 後アーツってなに?」
ちょいまて、説明書が同根されていなかったか? もしかして読んでないってことかおい。
「だぁぁぁもう! そのまま逃げ続けろ!」
「いわれなくて……ってきゃぁっ!」
ブラックローズが躓いて転ぶ、クソ!まにあわねぇ!!
一応防御の体制をとっているが多分無意味だろう…もう少し早く移動できれば!!
そのままグレムリンが攻撃…をするまえにどこからともなく発動された魔法攻撃で吹き飛ばされた。
「ふぅ……大丈夫かい?」
振り向くといつの間にか一人のPCがいた。
LVはわからないが…見た感じ俺たちと大して変わらないだろう。
双剣を構えていて、緑色で特徴的な帽子…こんな感じのグラフィックでもよかったかも…と少し後悔をする。
「にしても、そのLVでここに来るなんて…かなり無謀だと思うよ?」
「…いや、文句ならブラックローズに言ってくれ…」
指で示した先には安堵のため息を吐いているブラックローズだった。
にしても…このPCいつの間に? そもそも誰だこいつ。
「あ、自己紹介がまだだったね、僕の名前はカイト、君の名前は?」
「セツナだ…まぁ、ありがとうな。助かった」
カイトが手を差し伸べてきたのでその手を掴む、握手だ。
人類が人類としてのコミニュケーションのひとつだ。
思えば…
この出来事があったから俺とカイトとブラックローズはあの出来事に巻き込まれたのだろう。
ただ、今の俺たちではそんなこと予想もしていなかったのだ。
続く。
の、まえにパロディーモード。
「あんた」
いきなり呼ばれたしかも「あんた」かよ、他人と初めて会うときは名前で呼ぶようにとか言われてないのだろうか……
と思い振り返ると。
そこには見た感じ防御力ゼロの水着な鎧を身にまとっていた褐色の肌が特徴的な少女だった。
もしリアルでもそうなら笑顔で逃げたいところだ、というか今逃げたい。
「ねぇ、第二次世界大戦についてどう思う?」
「はぃ?」
なんかいきなり話しかけてきた。しかもまったく持って関係性が無い、
少しやばくないかこいつ。
「あの戦争は人々の冷たい心が引き起こしたもの。だからあれは冷戦と呼ばれていた。だけど、それがなければ今のこの世中はない」
「は……はぁ……」
すごくログアウトしたい、というかログアウトさせてくれ。
「なら、あたしがその世の中について説明をする、ついてきて」
「いやです」
即答した、だが
「では行きましょ」
聞いてなかった……PKしていいですか?
そのあといろいろあったが…とりあえずカイトという少年と出会った。とだけ言っておこう。それ以外はまぁ……少しだけ記入する。
「せぇい!!」
斬撃。そのままゴブリンを零距離で……
「舞武!!」
無数の斬撃でさらに追撃。結果ノーダメージで倒す。
…と、ここでいいとして…問題はあの電波少女だ、俺は振り向いて…硬直した。
「戦争とは皮肉なものでもそれで恋はできるもの、あなたと私が恋する可能性だって誰も否定できない…」
『ぎ…ぎぃ』
うわぁ……ゴブリンが話し聞いてるよ、電波だよ奥さん、もう帰っていいですか?
「……一応助けるか…ゴブリンを」
近づこうとした瞬間。
「バククルズ!」
そんな声と共にゴブリンが文字通り燃え散った。
というか双剣士なのにバグクルズって有りかおい。
「ふぅ……大丈夫かい?」
「あぁ、あなたのおかげでまた私は死に損なった…だけどありがとう」
「あ…はぁ…とりあえず僕の名前はカイト、君の名前は」
多分俺だろう、あの電波少女には目すら向けていない
「セツナだ…まぁ、ありがとうな。助かった」
思えば…考えるのもあほらしくなった。
というわけで今日はログアウトする。
できればブラックローズ(帰る直前に教えてもらった)には二度と会いたくない…
今度こそ続く。
というわけであとがき
はじめまして、アークンです。
自分もやってみましたドットハックシリーズ…英文じゃないのはまぁ…打つのがすこしめんど…いえ、何でもありません。
物語はカイトとオリジナル主人公セツナを中心としてお話です。
基本の筋は変わりませんが…変わる部分もありますよ。
なぜならここでカイトはデータドレインを身につけるはずですからね。
伸ばした理由は・・・また後ほど。
ちなみにパロディーモードは話の接点はまったくありません。完膚なきまでにありません。気にした場合負けます。
それでは次の話はどんな話になるのか…それは異伝…異なるものがたりです。
>NEXT