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「.hack//Dawn 第1話(.hackシリーズ+オリジナル)」

白亜 (2007-01-11 11:04/2007-01-19 11:41)
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 他の人にはこんな経験があるだろうか?

 目が覚めたら別の世界に行っていました。 みたいな事。

 まぁ、これがゲームの召喚物ならありえるかもしれない。 でもさ召喚物ってぶっちゃけ拉致だよな。

 本人の意思に関係なく呼ばれる上に、それが世界を勇者なんです、なんて言われたらもう終わったも同然だ。

 っていうかそれって世界の命運を他の世界の人間に押し付けてるも同然じゃん。

 ……閑話休題。

 まぁ、ここまで話せばなんとなく分かるかと思うが、俺こと月白白夜は朝起きると何故か異世界に居た。

 いや、異世界と言っても、別にとんでもない生物が街中をうろついていた訳でもないし、ロボットやビームが飛び交うSF世界に居た訳でもない。

 ぶっちゃけ、起きたら普通に自分の家のベッドの中だった。

 え、何? 何処が異世界だって? その辺もちゃんと説明する。

 最初はここが異世界だって俺には分からなかった。 だって普通に自分の家だし、自分の部屋だったし、外だって普通の街中だ。

 起きてからは、普通に今年入ったばかりの高校の制服――私立高校であるからブレザー――を身に着けて学校に行ったもんだ。

 学校に行ってからも普通だった。 何時ものように自分のクラスに行き、友人達に朝の挨拶をして、授業を受ける。 あまりにも普通の生活だ。

 結局、学校でもそこが異世界だって分かる筈もなかった。

 で、結果的にその答えを得たのは家の自室に帰ってからだった。

 自室のパソコンを起動させた時に最初の違和感を得た。 パソコン画面に【ALTIMIT】のロゴが出たのだ。

 ぶっちゃけ、俺はそんなOSは知らない。 そんな違和感を持ったままメールチェック。 すると、そこにはとんでもないメールが届いていた。

 差出人は【サイバーコネクト社】。 メールタイトルは【フラグメントのテストプレイヤー】と呼ばれる物だった。

 まぁ、これが切欠。 最初は何かの冗談とかだと思った訳だ俺は。

 当然だろう。 なんでフィクションな会社である【サイバーコネクト社】や、存在する筈のないゲーム【フラグメント】のテストプレイヤーなんかに選ばれるとか言われても、嘘だと思うのが人間だ。

 でも新聞などを調べている内にそれが現実である事を知った。

 過去の情報にあの【Pluto Kiss(冥王のくちづけ)】の事件が起こっていたし、今現在、ネットワーク利用に制限がかけられていた。

 まぁ、そんな訳で、俺は何時の間にか【.hack】の世界に放り込まれちまった訳だ。 基本的な日常をそのまんま持って。

 もういろんな意味で俺は駄目かもしれない。


 .hack//Dawn  第1話 合融界異・連星聖堂


「おし、こんなものかな」

 俺は先日の誕生日に新調してもらったパソコンの画面で必死にとあるものを製作していた。

 ゲーム【フラグメント】において、俺が使う事になるPC外装である。

 あれから数ヶ月経過したが、結局俺の日常は何の変わりもなかった。

 ただ俺の日常において、ただ【.hack】が加わったに過ぎなかった。

 まぁ……先の事を考えると、ちょっぴり怖い事もあるんだけどな。 特にスケィス達さんのデータドレインとか。

 そんな事を考えながら、結局の所、俺は【フラグメント】のテストプレイヤーになった訳だ。

 で、最初の話に戻って、俺は外装を製作している。

 ぶっちゃけ、エディットにはかなりの数の完成された外装があったが、意外に凝り性な俺は己の知識と努力と気合を入れて、出来るだけ他の人と被らないような外装製作に取り込んだ訳だ。

 意外にもこのエディットは奥が深い。 例えば【.hack】のヒロインであるブラックローズの外装を思い出してみよう。

 あの外装はブラックローズ以外にも色違いなどで登場したが、見た目は基本的に変わりなかった。

 が、実際には装備している鎧や服などは自由に変更出来るのだ。

 簡単に言えば、ブラックローズにバルムンクみたいな鎧を着せる事も可能だ。

 そんな訳で、俺は色々、素材を捏ね繰り回して、自分の外装を製作した。

 というか、今、完成した。

 身長は俺の身長が160センチと、この年代にしては背が低いので、少し俺の願望を込めて170センチぐらい。

 美形少年と言う訳ではないが、それなりに整った顔立ちをした推定年齢17歳ぐらいの男子。 髪は普通に黒、目も黒。

 服装は鎧ではなく、スラッシュする格ゲーのバッドな男の騎士団服をイメージした白い全身コートのようなやつ。

 その白い全身コートの後ろには焔をイメージした呪が刻まれている。

 そして俺の役職は重剣士。

 そして【サイバーコネクト社】から送られてきた機材――FMDを取る。 【フラグメント】のプレイは今日から始まっているのだ。

 さっそく俺もプレイしなくては。 ディスプレイを装着して、コントローラーを取る。

 さぁ、さっそくログインしよう。 この新しい世界に。

 そして俺はこれから重剣士【サイリス】になる。

 ………

 ……

 …

 ところで、なんでこんなPS2みたいなコントローラーであんな人間的な動きを取れるのか、俺的にかなり不思議なんですが?


 ■□■□■


 <LOG IN>


「ほぉー、ここが」

 俺が最初に来たのは、ゲームでも一番最初に訪れる事になる【水の都市 マク・アヌ】であった。

 やっぱりあっちでやっていたゲームとは違い、かなり広い。 まぁ、所詮そんなもんかもしれないけど。

 コントローラーを動かして、カオスゲートから離れて、街中に行くと、そこにはそれなりの人で溢れかえっていた。

 プレイヤーやNPCである人々が街を所狭しと歩いている。

 なんて凄い。 正直、これがゲームとは思えない。 ここは間違いなく一つの街だ。

「さて、さっそくどうするかな」

 橋の近くに座り込んで、さっそくステータスを表示させると、まぁ、当たり前だがそこには初期装備と、回復アイテムなどが少々あるだけだ。 資金だって1000GPしかないし。

 なら、やるべき事は一つしかないか。

 ダンジョンに行って、レベル上げ兼アイテムと金稼ぎ。 まぁ、回復呪紋のリプスも使えるようだし、ソロでも問題ないかな。

「ならさっそく行きますか」

 初期装備の大剣を装備して具現化させて、それを背中に背負うようにカオスゲートに向かってある気だす。

 そう言えば、フラグメント時代は転送の基準が違うじゃなかったっけ?

 【ザ・ワールド】が三つのワードを組み合わせて転送するに対して、【フラグメント】はアルファベットの文字列を入力する筈だ。

 ……なら、あの場所に行ってみるのも一興かもしれない。

 あの場所にはモンスターなどいないし、宝箱だって存在しない。 だがあそこは聖地。 この世界の始まりの場所。

 俺はカオスゲートの近くに行き、そのアルファベットの文字を入力する。

 入力する文字は<NAVEL OF LAKE>。 【ザ・ワールド】で言う<隠されし 禁断の 聖域>だ。

 勇者が腕輪を手に入れ、連星は花と出会い、魔女が女神と出会う場所へ。


 ■□■□■


「ここか……」

 そこは巨大な聖堂であった。

 ある意味、全ての始まりの場所である。

「当然だけど、誰もいないや」

 聖堂の中に入ってみるものの、プレイヤーどころか、NPC一人もいない。

 まぁ、当然かもしれない。 ここはダンジョンなど存在しないのだから。

「アウラ……か……」

 そこにはゲームで見られるアウラの像は存在していない。

 というか、あの像は何時頃から存在したのだろうか?

 さて、俺は一体、どんな役割が与えられるのだろうか。

 こういう現実からゲームなどの世界に呼ばれた場合、大なり小なら意味がある筈である。 俺の考えすぎかもしれないが。

 しかし何も存在しないのなら、俺は俺なりに遊んで、あの事件に介入してやろう。 意識不明者になるのは勘弁だけど。

 さて、戻って本格的にダンジョンに行こうか……。 と思ったのだが。

「そこに誰かいるのか?」

「っ!?」

 突然、後ろ――聖堂の入り口側から声をかけられて驚いた。 マジで驚いた。 こんな場所にゲームが始まってすぐにやってくるプレイヤーがいるなんて考えてもいなかった。

 俺は驚いた顔を、素に戻して、後ろを向くと、そこには当然だけどプレイヤーが居た。

 褐色の肌にウルフカットの黒髪。 重槍使いである証の槍を手に持ち、袖なしのスケイルメイルを装備したキャラクター。

 そしてもっとも目立つのがそのオッドアイだ。 それは連星を思わせる瞳。

 だからその【知識】があった俺は、それが誰だかすぐに気がついた。

 アルビレオ――CC社側のデバックチームの人間であり、神槍ヴォータンの主。 そして【.hack//AI buster】の主役に当たる人物。

 それがまさか、こんな場所で会うとは思わなかった。 いや、ありえない話ではないかもしれない。

 彼は【ザ・ワールド】の基となった【黄昏の碑文】に興味を持っているのだ。 それ故にこの始まりの場所にやってきても可笑しくはないのだろう。

「プレイヤーなんだが……」

「ああ、そうかすまない。 まさかこんな場所に人が居るとは思ってなかったんだ」

「それに関しては同感だ。 俺もまさかこんな場所で人に会うとは思ってなかった」

 まだ始まったばかりの【フラグメント】において、この聖堂で人に会うとは普通は思わないだろう。 実際俺も思ってなかった。

 まぁ、まだそんな事、知っている人がそう居るとは思えないのだが、無数の組み合わせがあるので、かなり高確率で出会うとは考えてなかった。

「君は何故ここに?」

「ん、なんとなく」

 アルビレオの言葉を適当な事を言って濁す。 この【フラグメント】時代の時はあまり【黄昏の碑文】については有名でない筈だ。

 そんな時に一プレイヤーでしかない俺が、【黄昏の碑文】なんて持ち出したら、怪しい事、極まりない。

 まぁ、それでも俺が知っている内容はそれ程のものでもない。 ゲームや小説に書かれた一文ぐらいなもんだ。

「ここには宝箱やモンスターはいないみたいだ。 俺は他の所に行くよ」

「そうか。 じゃあな」

「ああ」

 特にアルビレオと会話する訳でもなく、俺は別の場所に行く事にした。

 別に今、話すことはないだろう。 進んで関わろうとも、あまり思っていない。 介入出来る余地があるともあんまり考えてないし。

 だから、次の偶然の出会いに期待しよう。 俺は運命なんて信じてはいない。

 この世にあるのは定められた法則と無数の選択肢、そこに必然があるとすれば『始まり』と『終わり』の二つだけ。 故に我々の起こす事象に必然も絶対もない。

 某漫画の魔女さんとまったく違う考え方だ。 だけど俺はそんな思いで進むだけだと思う。

 聖堂を出て、空を見上げる。 CGなどで製作されたものだと分かっているが、やはり蒼い空は綺麗だと思う。

 さぁ、冒険に出かけようか。


あとがきっぽいもの

サモは諦めて(駄目じゃん) 【.hack】シリーズの異世界トリップ(微妙に違うけど)オリジナル主人公物だけど本編はカイト主役のゲーム本編再構成物というよくわからんものです。以上。

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