インデックスに戻る(フレーム有り無し

▽レス始

「Young Guns 6(NARUTO パラレル)」

相原 (2007-01-02 13:47)
BACK<


木の葉学園高等部。それが私の通う高校の名前。


超マンモス校の木の葉学園の中でも、この高等部が一番規模が大きい。

理由は幼年部から上がってきた生え抜きの子以外にも、高等部からは一般入試で合格して入ってくる子も居るから。この学校は国内でも1,2位を争う進学校だから、遠くから寄宿生としてやってくる子も少なくないと思う。

だから、転校生として新しく入ってくる子が居るって聞いた時は驚いた。それも3人、しかもまとめてこのクラスに入ってきたから尚更。


そしてその中に『アイツ』を見つけて、私はもっと驚く事になる。


子供の癖に妙に冷静で。「めんどくせー」なんて言いながらいつも私に付き合ってくれていたアイツ。


5年前―――――アイツは突然、家族共々姿を消した。家族ぐるみで中のよかった私達に、何も告げないまま。


今、アイツは私の前にいきなり現れた。


転校生として。知り合い同士らしい2人の少年と一緒に。


「こりゃまためんどくせーことに・・・・」


抜けるような、と陳腐な表現がしっくりくる位晴れた青空に、寝転がったまま銜えたタバコの煙が消えていく。

6階建ての白塗りの校舎、その屋上にある天体観測用の大型望遠鏡が取り付けられている天体部の部室のそのまた屋上にシカマルは居た。
校内で一番高い所(事前に入手した学校の図面でそれは確認した)なので日の光を遮る物といえば馬鹿でかい望遠鏡以外何もない。5月に入ったばかりのこの季節がシカマルは好きだった。絶好の昼寝日より、逃す理由はない。

ポカポカ暖かい日差しの中、しっかり眠りに落ちようと目を閉じて・・・・・舌打ちした。
誰かがやってくる気配がする。下から屋上へと通じる扉が開いて足音が近づいてくる。足音が軽いから女子だろう。

・・・・・というか、何となく誰だか見当がついた。


そういやコイツ、昔っから俺が何処に居ようが一発で見つけ出してたな。


「シカマルー!居るんなら出てきなさーい!!」


――――ああ、やっぱり。


思い返せば、コイツとの付き合いはいつからだったろうか。

とりあえず『いつの間にか一緒に居た』というのが一番しっくり来るかもしれない。
もう1人、チョウジという名のポッチャリ系(本人談。デブって言うと切れるから禁句)の幼馴染も一緒に居て、事あるごとにいのが色々騒いで俺とチョウジが振り回されていたのは確かだ。
女って奴はめんどくせー、なんてガキの頃から思ってた気がする。その考えは今も変わんねえ。


5年前、俺はいの達の前から姿を消した。


正確にはある犯罪組織の幹部だった両親が殺し屋に消されて、1人隠れて難を逃れた俺(余談ながら昔からかくれんぼで隠れるのは得意だった。いのに限ってはなぜか1番に見つかったが)は、
両親の部下だった同じ組織の殺し屋(笑うんじゃねえ。マジの話だ)に保護された。
ちなみに2人が死んだ証拠は組織がすべて消して裏でも色々手を回したらしいから、『表』の世間じゃ俺も含めてどっかに消えちまった事になってる。


その後俺がどうなったかって?


色々鍛えてもらって、今じゃ組織で若い殺し屋――ヤングガンとして立派に活動してる。
俺はもともとそっち系の才能があったらしい。似たような仲間と上手くやってるよ。稼ぎもかなり良いから、もう数年稼いでから引退してのんびり茶でもすすって余生を過ごすのが目下の夢だ。

それはともかく、めんどくせー『仕事』でこの学校に入る羽目になったのが1週間前。


――――まさかいのと再会する羽目になるとは思ってなかったぜ。


チクショウ。


火のついたタバコを銜えたまま上半身を起こすと、いのがよいしょと部室の窓の出っ張りに足をかけて上ってくる所だった。・・・・パンツ見えるぞ。


「・・・・アンタそんなの吸ってんの?」


驚いたような、呆れたような声。5年振りに聴く声はあの頃より少しハスキーになっていたが、なぜか耳に心地よい。
いのは足元にかがみこむと、


「・・・5年前いきなり居なくなって・・・周りの人に聞いてもみんな知らなくて・・・・」


だろーな。証拠隠滅にかけちゃ組織は一流だ。情報収集に関しちゃ色々言いてー事はあるけど。


「ずっと何処に消えちゃったのか気になってた。この5年間、ずっと・・・」


困った、とシカマルは思った。今までに記憶のどれとも違ういのの反応に、どう対応すればいいのか悩む。


「あー、その、色々とめんどくせー事が重なって連絡が取れなかったんだよ。悪かったな。」
「悪かった?悪かったですって!?」


いののボルテージが急に上がった。それこそ温度計が100℃を超えて破裂しててっぺんから噴き出しそうな勢いで。


「アンタねえ、私やチョージやうちのパパ達がこの5年間どれだけ心配したと思ってんのよ!それこそ無神論者だったのが教会と寺とモスクに駆け込みかねないくらいだったんだから!」


なんだそりゃ。


「決めたわ!今まで心配させたお詫びに帰りに奢りなさい!チョージとサクラ達を連れてくるから覚悟しときなさいよ!?」
「ちょっと待て、それとこれと話が違うだろーが!?」
「問答無用!私達の恨みはこんなのじゃすまないわよー!」
「恨みってなんだ!ってオイ、人の話しを聞けー!」


声が耳に届いてないのかそれとも聞く気がないだけか、いのはそのまま部室から飛び降りてBダッシュで階段を駆け下りていく。
この後の財布の中身の運命を考えて、シカマルは思わずため息をついた。


昔と変わらず、人を振り回すのが好きな奴だ。


タバコの火を無造作に人差し指と親指でつまんで揉み消すと、シカマルは再び寝転がった。


・・・・・その後、放課後になって再びやって来たいのに叩き起こされるまでシカマルが寝ていたのはまた別の話にしておこう


あとがき:あけましておめでとうございます。
次回はかなりバイオレンスになる予定。

BACK<

△記事頭

▲記事頭

e[NECir Yahoo yV LINEf[^[z500~`I
z[y[W NWbgJ[h COiq@COsI COze