「使徒?」
「うん。それっぽいのと戦ったんだ」
シンジは、エヴァンジェリンのこと、そして昨夜戦った化け物の事をレイに話した。当然、彼女はエヴァンジェリンの事よりも化け物の方に食いついた。レイは眼鏡を中指で押し上げると、コーヒーを飲む。
「・・・・・・苦い」
「苦けりゃ飲まなきゃ良いのに・・・」
「赤木博士も考え事する時に飲んでたから・・・」
「でも綾波って、白衣着てたら赤木博士というより母さんに瓜二つ・・・」
と、能天気な台詞を吐くと、レイは思いっ切りシンジを睨みつけて来た。どうやら地雷だったようだ。
同族嫌悪というか、オリジナルが嫌いというか、そんな訳でレイはシンジの母親に余りいい感じは持っていない。
レイから凄まじいプレッシャーが放たれ、魔力すっからかんのシンジは笑顔を引き攣らせる。
「あ、綾波・・・」
「綾波先生」
「・・・・・・・綾波先生・・・すいません。謝りますから、許して下さい」
土下座して謝ると、レイも殺気を鎮め、溜息を吐いた。
「使徒・・・まだいたのね」
「いや・・・使徒の可能性があるというだけで、そうだと決まったわけじゃないよ。綾波、心当たりとかないの?」
「知らないわ。使徒の生態なんて専門外だもの」
「こら、元リリス」
リリンの母たるリリスが専門外って台詞はいけないだろうとツッコミを入れるシンジ。レイはコーヒーを一気に飲み干すと、椅子から立って、窓の外を見る。外では生徒達が元気に遊んだり、談笑している光景があり、彼女は温かい視線を送る。
「・・・・・・元気溢れる子供を見守る母親の心境」
「いや、意味分かんないから。ってゆーか、君もうリリスじゃないでしょ」
「・・・・・・そうね」
「あの化け物・・・父さんに聞こうと思っても着信拒否されるし・・・」
「学園長もきっとグルね・・・きっと聞いても答えてくれないわ」
赴任する際に挨拶したが、あの学園長はゲンドウ以上に腹の底が読めず、魔法使いとしての実力も一級品。知略を巡らせるだけのゲンドウよりも厄介な相手だ。
シンジは、ハァと重い溜息を吐いた。
「・・・・・・けど・・・もし使徒なら私も普通に保健医として働いて行くのは無理ね」
「? どういう事?」
「・・・その化け物を使徒と仮定するなら・・・他にもいる可能性がある」
「!?」
「碇クン・・・これを偶然だと考えてる?」
「まさか」
卒業証書に記された修行を変えてまで麻帆良学園へ送り込み、そこへたまたま使徒もどきが現れた、と偶然にするなど出来ない。
しばらく保健室に沈黙が流れる。やがて昼休み終了の予鈴が鳴った。
「っと・・・じゃあ、僕はもう行くよ」
「ええ・・・女子中学生に鼻の下伸ばしてたらアスカに殺されかねないわよ」
「はは・・・まさか」
「・・・・・・私も許さないけど・・・」
「え? 何か言った?」
「何も・・・早く教室に戻りなさい、碇サン」
「はい。綾波先生」
最後は普通の先生と生徒のやり取りで、シンジは保健室から出て行った。レイは振り返り、再び窓の外を見る。が、今度は生徒達ではなく、窓から見える学園の様子を見ていた。
「そして・・・・もし使徒なら此処に彼らを引き付ける何かがある・・・」
だが、既にアダム、そしてリリスも存在しない。それ以外に何を引き付けるのか・・・レイには分からなかった。
「ふわ〜あ・・・昼は眠い」
屋上では、しっかりと授業をサボっているエヴァンジェリンが大きな欠伸を掻いていた。
やはり15年も同じ授業を受けていてはつまらない彼女は、こうして何もせずにボーっとしている方が遥かに有意義だと感じている。
その時、彼女の頭に何かが過ぎった。
「む・・・何か来たな。結界を越えた者がいる。学園都市内に入り込んだか・・・」
エヴァンジェリンは、サウザンドマスターによってかけられた呪いの他に、学園の警備員も担当している。学園に張られた結界を許可無く入った者を感知し、場合によっては捕らえたりしなくてはならない。
本人は面倒がっているが、仕事なので仕方なくやっている。厄介な呪いだと内心で愚痴りつつ、調べに行った。
「ほら! 早く決めないとパーティーに間に合わないよ!」
放課後、学園都市内にある店で裕奈、亜子、アキラ、まき絵の4人と共にシンジは水着を買い連れて来られた。
水着シーズンはまだ先なので、そんなに数は無いが、4人はアレやコレやと選ぶ。
「碇、スタイル抜群だから此処はセクシーにビキニで!」
「ソレ殆ど紐じゃないか!」
赤い紐みたいな水着を選ぶ裕奈に思いっ切りシンジはツッコミを入れる。
「だってネギ君を元気付ける会だよ! これぐらい大胆に行かなきゃ!」
女物の水着着るのだけでも神経すり減らしてるというのに、そんなものを着た日には、社会復帰は無理っぽいような気がしてならないシンジ。
「じゃあ、こっちのシンプルなんは?」
「え〜。このフリル着いたのが可愛いよ〜」
「意外性突いて、ショーツとか?」
亜子は普通の水色のワンピースタイプ、まき絵はピンクのフリルのついたもの、アキラは水着用短パンを見せる。4人は、コレだコレだと意見し合う。
女の子の買い物独特の雰囲気にシンジは苦笑いを浮かべていると、ふと男性用の水着が目に留まり、ジーッと見つめる。その様子に、裕奈が気付いた。
「お、碇。何、男物の水着なんて見てんの?」
「え? いや、別に・・・」
「待てよ・・・」
そこで裕奈はギュピーンと目を光らせた。
「いっそ男物の水着着て、胸を曝け出せば究極の・・・」
「何変な想像してんの!? 無理! 絶対無理だからね!」
男としてのプライドのあるシンジは、無難にアキラの選んでくれたショーツを買った。他の3人は物凄く残念そうだった。
「だから心配し過ぎだってばー、ネギ」
夕方になり、ネギは明日菜と共に寮の帰路についていた。その間も、明日菜はメソメソと泣いているネギを慰めている。
「あの子だって、いきなり取って喰ったりはしないって」
「そんなこと言ってもーーー」
「とにかく今度何かあったら私が追っ払ってやるから。元気出しなさいよ」
「アスナさんは、あの人達の恐ろしさを分かってないんですよ〜。それに、変な化け物だっているし・・・」
「ま、まぁ、その辺は碇さんに任したら?」
更に落ち込むネギに、明日菜も表情を引き攣らせる。その時、ネギの背後からコソコソと何者かがやって来て、ネギの頭に袋を被せ、明日菜に気付かれぬよう彼を何処かへと連れ去って行った。
「あ、あれ? ネギ?」
彼女が振り返った時、ネギの姿はそこに無かった。
ドッポーン!
「ぷはっ!?」
何処かへと連れ去られたネギは、服を脱がされ、お湯の中に放り込まれた。
「こ、ここは・・・お風呂?」
ネギは呆然と自分の周りを見る。そこは、女子寮の大浴場だった。
「ようこそー、ネギ先生」
「? わあああああ!?」
名前を呼ばれて振り返ると、そこには水着姿の生徒達がいた。健全な青年男子からすればパラダイスのような光景だが、お子様なネギには訳が分からない。
「な・・・こ、これは・・・って、碇さんまで!?」
生徒の中に、恥ずかしそうに後ろの方で隠れていたシンジに気付いたネギも驚く。ストライプのタンキニに紺のパンツと、他の生徒に比べれば地味な格好だが、スタイルが良いので、どうしても目立ってしまう。
「見ないで・・・」
が、シンジは別の意味で目立っていた。
床に三角座りをしてネギの方を見ないように何故か、その一帯だけ異様に暗かった。
「えへへ〜。ネギ君、元気ないみたいだったから、皆でネギ君を元気付ける会を開いてみたよ〜」
「え?」
「ホラホラ、お菓子あるよー」
「甘酒もあるからねー」
「あ・・・皆さん。こんな僕の為に・・・」
感動の余り、ネギはどうして水着だとか、お風呂でする意味があるのかという状況に対するツッコミは消え失せてしまっていた。
「愛するネギ先生の為とあれば、このくらい当然ですわ。さ、甘酒など」
「いいんちょさん・・・」
「ふふ・・・ところでネギ先生、パートナーの件ですが・・・頭脳明晰、容姿端麗、財力豊富な私などが正に適任かと」
「え?」
いきなりパートナーに自分を推して来たあやかに、ネギは首を傾げる。
「「「あーーー!!」」」
「いいんちょ抜け駆けズルーい!」
パカーン!
「へぶぅ!」
1人だけパートナーに立候補するあやかに風香の飛び蹴りが炸裂する。
「ネギ君、私頭洗ったげるよーーー」
「私、背中洗ったげるー」
「じゃ、私は前を・・・」
「なな・・・」
「それーーー、やっちゃえーーー」
「わーん!」
悲鳴を上げるネギに、数名を除く女子達が群がって行く。
「あはは。ネギ君、ちっさくて可愛い〜」
「おっきくしてみよっか?」
「え゛っ、10歳やし、おっきくならんやろ」
「え〜、なるよ〜」
「ち、ちょっと、あなた方もが!」
「うえーん!」
「(いや・・・何かもう元気づける会っつーより逆セクハラだし・・・)」
流石にヤバい状況になって来ているので、千雨は額に指を当てて表情を引き攣らせる。
「ひゃあ!」
「いやん!」
その時、数名の生徒から悲鳴が上がる。お湯が跳ね、彼女達の下を通る。
「やだも〜、ネギ君ってば」
「ネギ君のエッチ〜、おませさん」
細く、長いので皆、ネギの手だと思って頬を赤らめる。すると再びまき絵が「あん!」と声を上げて叫んだ。
「もー、ネギ君、そんなとこ触って! ほら、捕まえた!」
まき絵は腕をお湯に突っ込むが、ネギは「何もしてませんよ!」と否定した。それを聞いて、まき絵は「え?」という顔になる。そして自分の掴んでいるものを良く見てみる。
「何コレ? この何か太くて長い、毛むくじゃらな・・・」
「ぶっ!」
「どわ!?」
女子が言うと何故か淫猥なモノに聞こえてしまったシンジは、鼻血を飛ばして倒れた。
「い、碇さん!?」
「何で急に鼻血吹くんだ、テメーは!?」
「のぼせちゃったんでしょうか?」
たまたま近くにいたのどか、千雨、夕映が驚く。一方、ネギの方では、その謎の物体が怪しく目を光らせて飛び出す。
「キャー! ネズミー!?」
「イタチだよ!」
「ネズミが出たー!」
そのネズミは湯から飛び出すと、次々と生徒達の水着を引ん剥いて行った。次々と素っ裸にされていく生徒達。
「キャー! このネズミ、水着を脱がすよー!」
「や〜ん! このエロネズミ〜!」
「(なななな・・・これは一体、何事!?)」
見ないように手で顔を隠すネギは、目の前の光景に驚きを隠せない。やがて、ネズミは鼻を押さえているシンジへと突っ込んで行く。
「あ! 危ない碇さん!」
「ふぇ?」
振り返ってシンジは、水着を脱がされているクラスメイトとこちらに向かって突っ込んで来る水着を咥えたネズミっぽいのが目に入った。
「(え? 何コレ? 皆、水着剥がされてすっぽんぽん? あ、やば・・・また鼻血出そう。あ、でも何か水着咥えたネズミ? イタチ? ん? ひょっとしてオコジョ? 日本にオコジョって生息してたっけ? あ、確かホンドオコジョだかエゾオコジョなんかいたって、加持さんに教えて貰ったっけ。でも何で加持さん、そんなの知ってんだろ? おっと、脱線した。え〜と、とりあえず、あのネズミだかイタチだかオコジョが皆の水着取ってるんだ。次のターゲットは僕? え? 引ん剥かれるの、僕? もし、それで胸のパットとか股のメイクが取れたら・・・・・・・・・・末代までの恥!!!!!!!!)来るなああああああああああああああああ!!!!!!」
0.2秒というスピード思考で、シンジは悲鳴を上げて、ネズミもどきをぶっ飛ばした。ネズミもどきは、そのまま何処かへと去って行った。ゼェゼェと息を荒げるシンジ。生徒達からは「お〜」という歓声と拍手が送られた。
時は少し遡り、明日菜は消えたネギを探していた。
「ネギー! ちょっと、何処行っちゃったのよ・・・!?」
あちこち走り回っていた明日菜は、ふとある所で意外な人物達に遭遇した。
「ほう。神楽坂明日菜か」
「あんた達・・・!」
エヴァンジェリンと茶々丸だった。相変わらず人を見下したような笑みを浮かべているエヴァンジェリンに対し、茶々丸はペコリと頭を下げる。それに対し、明日菜は自然と身構えた。
「ネギを何処へやったのよ?」
「ん? 知らんぞ」
「え?」
てっきりネギを何処かへ連れ去ったのかと思っていた明日菜だったが、その返答に呆気に取られる。
「安心しろ、神楽坂明日菜。少なくとも次の満月までは私達が坊やを襲ったりする事は無いからな」
「え・・・? どういう事よ?」
「今の私では満月を過ぎると魔力ががた落ちになる」
そう言い、「ホラ」とエヴァンジェリンは唇を引っ張り、歯を見せる。吸血鬼である筈の彼女の歯は全て普通の人間もので、牙は無かった。
「次の満月が近づくまでは、私もただの人間。坊やを攫っても血は吸えないというわけだ。それまでに坊やがパートナーを見つけられれば勝負は分からんが・・・まぁ魔法と戦闘の知識に長けた助言者・賢者でも現れない限り無理だろうな・・・フフ・・・」
「な、何ですって〜」
「それよりお前、やけに、あの坊やの事を気にかけてるじゃないか」
「!」
一転して楽しそうな顔でからかってくるエヴァンジェリンの指摘に、明日菜はギクッとなる。
「子供は嫌いじゃなかったのか? 同じ布団に寝ていて情でも移ったか?」
「なっ・・・か、関係ないでしょ! とにかくネギに手を出したら許さない・・・」
「! マスター」
その時、今まで黙っていた茶々丸が声を上げた。
「どうした、茶々丸?」
「・・・・・・監視されてます」
「!?」
小声で答える茶々丸。エヴァンジェリンも顔つきを鋭くさせると、背後に建っている三角屋根を睨みつける。
「茶々丸!」
「了解」
茶々丸は、三角屋根に向かって飛ぶ。すると、そこにはフードとマントを羽織った人物がいた。茶々丸に気付き、相手もその場から移動した。
「ちっ・・・奴が結界を超えた者か!」
エヴァンジェリンも舌打ちし、茶々丸を追いかける。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ! 何なのよ、一体!?」
取り残された明日菜は、何が何だか分からず叫ぶよう尋ねるが、エヴァンジェリンは無視し、その場から走り去って行った。
寮付近の森の中をマントの人物は木々の間を通り抜けて逃げるが、スタミナに限界の無い茶々丸は疲れる事を知らず、段々とその距離を詰める。マントの人物は歯噛みすると、立ち止まって彼女を迎え討つように、掌を突き出してきた。
が、魔力や気といったものを集中している様子は見られず、茶々丸は腕を引いて、先制のパンチを繰り出した。
「!?」
しかし、彼女の拳は相手に届く事は無かった。自分と相手の間に、赤い八角形の薄い壁のようなものが出現した。
「(マスターの氷盾やネギ先生の風盾とは違う・・・気でもない)」
魔力、気でも無い。茶々丸はデータに入っていない能力に驚きつつ、蹴りを放つが、それも赤い壁によって遮られた。フードの人物は、茶々丸の足を腕で絡めると、思いっ切り投げ飛ばす。
このままいけば木に直撃コースの茶々丸は、空中で反転すると木に足をつけて逆にフードの人物に飛んで行き、拳を突き出した。
スピードに対応出来ず、フードの人物は防御が間に合わなかった為、モロ顔面に直撃した。よろめきながらもフードの人物は体勢を立て直すと、フードの奥から赤い瞳を覗かせ、茶々丸を睨む。
すると彼女の体から魔力が発生する。魔力を確認した茶々丸は、腰を落として構える。
「!?」
その時だった。何処からか地面を這うようにして青白い閃光がフードの人物に向かって奔って来た。その閃光はフードの人物に直撃すると、光の柱を立てる。
「くっ・・・!」
フードの人物は唇を噛み締めると、その場から離脱した。追いかけようとした茶々丸だったが、閃光を放って来たのが何者か気になり、周囲を探るが気配は無かった。
そこへ、エヴァンジェリンが息を切らせて奔って来た。
「茶々丸!」
「マスター・・・」
「奴は?」
「申し訳ございません。逃がしました」
「そうか・・・しかし今、別に強い気の力を感じたが?」
「はい。その気配も消えました」
「・・・・・・ひょっとしたら昨日の化け物と関係あると思ったのだがな・・・」
まぁ、仕方がないとエヴァンジェリンは口惜しいながらも、茶々丸と共に立ち去った。
すると木の陰から彼女らの後ろ姿を見ていた人物がいた。
「・・・・・・何者・・・なのかしら」
レイだった。彼女の腕には方位磁石のように中央に針があり、複雑な模様や漢字の書かれた円盤がある。
帰り道、レイは生徒が何者かを追っているのを見て、そのまま後をつけて来た。そして、一応、生徒の方を助けたが、彼女の脳裏にはフードの人物が使った技が焼き付いていた。
「アレは・・・・・・間違いない。ATフィールド」
3年前まで自分達が普通に使っていた技だ。そして人を形作っている心の壁。だが、それを自在に操れる者は、もう存在しない筈だと彼女は認識していた。
しかし、実際にフードの人物は使っていた。
「一体・・・何で・・・」
何者か、何でATフィールドを使えるのか、何の目的で学園に、とレイの中で尽きない疑問に答えは出なかった。
「フー、今日もどたばたな一日だったわよ」
あの後、明日菜は無事、ネギをお風呂場で発見し、彼と部屋に戻る。
「でも皆のお陰で少し元気出ましたよ」
「へー」
苦笑いを浮かべて部屋に入るネギと明日菜。その時、2人の耳に何者かの声が届いた。
「景気悪そうな顔してるじゃんか、大将。助けがいるかい?」
「!? だ、誰!?」
「下、下!」
「あ・・・」
下、と言われてネギは視線を下げる。すると、そこには何故か女性の下着を咥えた白いオコジョがいた。
「俺っちだよ、ネギの兄貴。アルベール・カモミール! 久し振りさ〜」
「あーー!! カモ君!」
「へへっ、恩を返しに来たぜ、兄貴」
「(お、おこじょが喋った)」
オコジョ―カモと抱き合うネギ。明日菜は、オコジョが喋っている事に愕然となっていた。
「ところで兄貴、この姉ちゃん誰です?」
「え?」
ふとカモが尋ねると、ネギと明日菜は奥の床を見る。そこには、ズダボロのマントを羽織り、怪我を負っている水色の髪をポニーテールにした少女が気絶していた。
「「・・・・・・・誰?」」
少女を呆然と見詰め、ネギと明日菜は呟いた。
<レス返し>
>七位様
レイはマッドじゃないですよ〜。ただ、天然でたまに間違えます。風邪薬と下剤を間違えたりとか。リツコより性質悪いです。
あんなのが父親なのが可哀相なのか、アレの血が流れているのが可哀相なのか、アレの掌の上で常に踊らされて不幸な人生歩んでる事が可哀相なのか・・・・全部のような気がします。でも最近、力勝負なら逆転している親子でもあります。
>アイク様
カヲルなら喜んでシンジを頂くでしょう。ネギに対するいいんちょみたいに。笑い過ぎかと私も思いましたが、逆にアスカらしいとも思いました。
ハイ。この3年の間に、レイも色々と成長しました。最近は、困った顔のシンジが好きみたいです。
>シセン様
シンジは別の意味で人間不信に陥らないか心配です。でも、『女装で女子校通わされたから』が理由でサードインパクト起こされたら人類もたまったもんじゃありません。
最初にバレるとしたら・・・・誰でしょうねぇ?