インデックスに戻る(フレーム有り無し

▽レス始

!警告!バイオレンス有り

「Young Guns 1(NARUTO パラレル)」

相原 (2006-11-19 15:02/2006-11-19 15:06)
>NEXT

引き金を絞った瞬間、『殺った』とはっきり確信した。

果たして、スコープの中に映っていた男の頭――ぶくぶくと肥え太った、一目でろくでもない野郎だと判るツラだった――が、今では上半分は消え去って血の霧と砕け散ったの骨の破片と化している。
その周りでボディーガード達、そして頭部が吹っ飛んだ時に一番そばにいたお陰でもろに血糊と破片を浴びた秘書らしい女が滑稽な位取り乱しているのを、
スコープ越しに悠然と眺めながら彼は約450m離れた20階建てのビルの屋上でニヤリと笑った。

もし他の誰かがその場に居て、彼がたった今何をやったかを知ったならば、誰もが驚いた事だろう。


美形ともハンサムとも言える顔つきだが、悪戯っ子っぽい印象も感じさせる目つきと口元。

その瞳は透き通るような蒼色で、短い金髪と相まって様々な意味で人々の目を惹きつけて止まない。だが、その顔立ちはまだひどく若かった。


当たり前だ。まだ彼は10代後半なのだから。


やがて少年は伏せ撃ちの体勢から立ち上がり、着ていた黒のロングコート――防弾・防刃処理済――の外ポケットから携帯電話を取り出すと、無造作に短縮ダイアルを押した。
数回のコール音の後、耳に突っ込んである携帯用イヤホンから聞き慣れた少年の声が流れてくる

『はい、シカマルっすけど?』
「俺だってばよ。お仕事完了、ドタマふっ飛ばしてやったってば。」
『りょーかい、綱手さんに伝えとく。晩飯はどうすんだ?』
「また一楽にラーメン食いに行くってばよ。」
『・・・・おい、いい加減俺は晩飯に他のもん食いたいんだが。』

他愛ない話をしながらも、少年は手早く愛用のライフル(かなりカスタムしてあり、もはや新型の銃にしか見えない)から細長いサイレンサーを外して分解し、ギターケースそっくりの偽装ガンケースにしまいこむ。
たった1発だけ放たれた薬莢を回収してポケットに突っ込んだ頃には、彼は単なる美形のバンド少年にしか見えなかった(というか、そう見えなきゃ困る)。

やがて少年――うずまきナルトはビルから悠然と立ち去った。

遠くでサイレンの音がいくつも聞こえたが、もはやナルトには関係のない事だった。


うずまきナルトは犯罪組織<火影>に所属する若き殺し屋――ヤングガンだ。

<火影>は犯罪組織の中でも古株であり、その活動範囲は世界中に広がっている。その活動内容は主に銃器の密輸入と暗殺だが、他の犯罪組織と大きく違う点は殺すのが『裏社会の人間か犯罪者のみ』という点である。
裏社会の人間ならばたとえ相手がどこかに消えようが表沙汰には中々なりにくい。もしマスコミに知られたとしても、殺されたのが犯罪者なら警察やマスコミの反応は鈍くなる。<火影>の仕事で一般人が巻き込まれた事はごく稀なので尚更だ。

ここ10年に至っては、法執行機関からの依頼が少しずつ増えていく傾向にあった。法の網を掻い潜る犯罪者達を消すのに<火影>はうってつけ、という訳だ。


ナルトが<火影>に所属する事になった理由は数年前、彼がある少年兵として戦っていた時にある女性と出会った事からだ。戦場にも拘らず、なぜか彼女はパンツスーツ姿だったが。
彼女はナルトを見るなり、ボロボロと泣き出した。後から聞いた話では、ナルトが昔死んだ彼女の弟と恋人にそっくりだったかららしい。

それはともかく、彼女はしばらくして泣き止んだ後にナルトにこう聞いてきた。


『お前、もっとまともな場所でまともな『仕事』をして見ないか?』


早熟だったナルトは、この戦いがとっくの昔に不毛なものだという事に気が付いていた。
ナルトが所属していたのは政府軍と敵対する反政府ゲリラだったが、物量と質においてあまりに差がついている負け戦だった。そしてその事に、ゲリラの幹部も兵士も自分以外気づいていない。


(そろそろ見限る頃合だな)


そう考えたナルトは、彼女の誘いを二つ返事で了承した。

彼女が<火影>の幹部で自分は殺し屋に向いていると直感して誘った事、そしてナルトがゲリラを抜けてから1週間後にゲリラの本部が政府軍に強襲されて壊滅した事を知ったのはしばらく後だったが。


そして今、彼はヤングガンとして殺しをする日々を送っている。


今回ナルトが『仕事』に使ったビルは、ナルトが借りているマンションからほんの2〜3km離れたところに位置している。
ナルトはふと、たまにはのんびりぶらついて帰るか、などと思い、我が家への帰り道を歩き出した。沈みゆくオレンジ色の夕日がなんとも眩しく、美しい。
夕日からまっすぐ続く道にふと目をやると、学校帰りらしい学生服姿の少女の姿を10mほど先に見つけて、思わず目を奪われてしまった。


自分と同年代らしい少女の顔を見てまず最初に気づいたのは、ナルトが見た事のない乳白色の瞳だった。顔つきは最近の可愛いというより古風な日本美人っぽいと言った方がしっくり来る。

学生服(学校に通っていないナルトにはどこの学校の制服か判断は付かなかったが)はしっかりと着こなしているが、それでもスタイルの良さ(特に胸)は隠しようがない。長い艶やかな黒髪は、夕日に照らされてどうしようもなく色っぽく感じた。


――――ヤバイ、結構好みだってばよ。


見惚れてしまい、偽装ガンケース片手に棒立ちになってしまう。

ふと、どこからか車のエンジン音が聞こえてくる。音からワゴン車だろうと、頭の隅でナルトは考えた。
ナルトに気づかぬまま、少女はそのまま路地に差し掛かる。とその時、路地から突然ワゴン車が飛び出してきた。耳障りなブレーキ音を奏でながら、ワゴン車は少女のすぐそばで止まる。


開け放たれたスライド式のドアから伸びた手が少女の腕をつかむのを、ナルトははっきりと見た。


――――次の瞬間、ナルトの目の前で、少女はワゴン車の中に無理やり引っ張り込まれた。


あとがき:
はじめまして、相原といいます。稚拙な文章で申し訳ありませんが、皆様お付き合いしてくだされば幸いです。
筆者がアクション映画&銃撃戦大好き人間ですので、色々な映画のアクションそっくりな内容になるかもしれません。出てきたのがナルト・シカマル・綱手とあともう1人(名前は出てこないけどバレバレ・苦笑)だけですが、これからNARUTOキャラを増やしていく予定です。

では、これからもよろしくお願いします。失礼。

>NEXT

△記事頭

▲記事頭

yVoC[UNLIMIT1~] ECir|C Yahoo yV LINEf[^[z500~`I


z[y[W NWbgJ[h COiq O~yz COsI COze