インデックスに戻る(フレーム有り無し

▽レス始

!警告!バイオレンス、壊れキャラ、男女の絡み有り
18禁注意

「創聖のアクエリオン〜ナイトメアクレスント〜(創聖のアクエリオン+EVA)」

トンプク (2006-09-13 10:18/2006-09-14 12:43)
BACK<

許されないことをしたのは、誰?

彼をひとりにしたのは、誰?

それは世界  それは友達  それは大人たち

彼は他人と傷つけあう世界を選択し、縛られることを望んだ

赤い水の世界は誰が自由と言ったの?

境界線の存在しない不安に、永久に縛られているというのに


OP:亡國覚醒カタルシス ALI PROJECT


第三話・破壊天翅ノ甘い夜 


エレメントとは、アクエリオンの操縦者としての適正とはなんなのだろう?
窓から、夜の闇に沈む外を眺めながら、麗花は考えていた。
寮の廊下だ。エレメントスクールは、世界中から生徒を集めている都合上、基本的に全寮制なのだ。
訓練でも、シミュレーターの模擬戦闘でも、自分は常に上位成績者に名を連ねてきた。シリウスとグレンと除けば、自分以上の成績の者は皆無と言ってもいいかもしれない。
だからこそ、最初の実戦での合体のときにも、自分はエレメントとして選ばれていたし、その次の出撃のときにも、ベクターマシンを操縦した。
だが、その結果は惨敗だった。
最初はグレンが重傷を負った。彼はいまだに昏睡状態で、集中治療ポッドから出ることができない。
二度目のときは、合体直前に恐怖にとらわれ、自分から戦うことができなかった。
それができたのは、突如あそこに現れたシンジのおかげだった。
自分は努力型の人間だった。
物心ついたときから、何をするにも運が悪く、他人を巻き込んできた。だから、力をコントロールすることができるように努力した。
エレメント候補生に抜擢されたときも、他人の役に立てるならと、今まで以上に努力した。
その結果、成績も悪くはなかった。
ただしそれは、訓練に限ってのことだ。実戦では・・・・・・
これで、自分に適正があると言えるのだろうか?
だがどんなに自問自答してみても、明確な答えは見つからなかった。

「麗花?」

自分を呼ぶ声に、麗花は顔を上げた。
訓練からの帰りだろうか。汗をタオルで拭きながら、シリウスが歩いてくる。

「どうしたの?こんな夜更けに」

「うむ、就寝前に軽い運動をしていたのだが。君こそどうしたんだ、そんな浮かない顔をして」

「少し、考えごとをしていたの」

「そうか・・・よければ、ホットミルクでも飲んでいかないか?休憩室に行けば、まだあるだろう」

「・・・・そうね、それじゃ」

シリウスの静かで優しげな微笑みに、麗花は少し安心した。
休憩室は男子棟と女子棟の境目に位置し、夜中でも必ず何人か残って談笑している。部屋には自分たちで軽い調理をするためのキッチンや冷蔵庫、それと使う人間がほとんどいないのに楽器類が置いてある。
部屋に近づくと、美しい音色が聞こえてきた。プロの演奏でもないのに、それはやけに心に響き、二人は一瞬大きな月を想像した。
グランドピアノを弾いていたのは、シンジだった。シリウスと麗花が近くにいることにも気がつかずに、一生懸命になっている。
チェロをやっていた彼だったが、それは【先生】が勝手に押しつけたことで、やりたいと思って習っていたわけではない。
だから、人類が滅びてからは自分だけの趣味を探しながら行動していた。
誰に会えるわけでもなかったが、そうしていると少しは気が休まった。

「ソナタ嬰ハ短調作品27−2・・・・・月光のソナタか」

シリウスの呟きにシンジが振り返った。

「すいません、音を抑えていたつもりでしたけれど。起こしちゃったかな?」

「いいえ、でもすばらしいわ。生の演奏を聴いたのはひさしぶり」

「そうだな。大異変によって様々な音楽が失われ、クラシックなど今の世代には無縁になりつつある」

シンジは微笑むとこんどは別の曲を弾きだした。
ジャズソングを歌うシンジの声は、その透きとおった音色で天に光る月さえも輝かせているようだった。その美声は麗花の心に眠る過去生の記憶にも、確かに刻み込まれていた。
自分は彼に寄り添いながら、いつもこの歌声と音色を聴いていた。
あるときは地球を眺めながら、あるときは蒼い海の底でイルカたちと戯れながらその歌に聞き惚れていた。
アトランディアにある自分たちの家にいても、それはいつもの習慣だった。寝室ではもちろん、別の行為に夢中だったのだが・・・・・

「――ハクション!!」

「「「・・・・・・・」」」

残念なことにその記憶の旅は、無粋なクシャミによってかき消されてしまった。
ちなみにクシャミの主は、隠れて覗いていたシルヴィアである。
痛すぎる空気に部屋中が包まれる。

「――シルヴィア、クシャミをするくらいなら上着を一枚着てはどうだ?」

「――不幸だわ、不幸すぎる・・・・」

二人の白い視線に続いて、シンジの優しい言葉がシルヴィアを追い込む。

「あ・・あの、気にしないでね。今、一瞬で雰囲気的に痛くなっただけだから・・・・」

が、親愛なる兄に呆れられたことがショックだったらしく、シルヴィアは何も言わず煤けた影を背負って自室に帰っていった。
こうして、今夜のプチ演奏会はお開きとなったのだった。


<シミュレーターベース>


「なんで私が、こんな奴のトレーナーなんですか!?」

エレメントスーツ姿のシルヴィアが、いつもの服装のままのアポロを背にして、ソフィアに食ってかかる。
その隣には、ジュンとシリウス、つぐみと麗花、そしてチルドレン時代と同じカラーのスーツに身を包んだシンジがいた。

「あら、アポロ君は、あなたがずっと探していた前世の恋人、アポロニアスの生まれ変わりじゃなかったの?」

眼を細くして微笑みながら、ソフィアは答える。

「恋人!?じょうっだん!!いくら名前が似てるからって、そんなのただの偶然よ!!」

「ガタガタうるせぇなあ・・・・・俺はこんなおもちゃ、一人で動かせるぜ」

頭の後ろで手を組みながら、目線を動かして向こうの巨大なマシンを見る。
一見したところ、カプセルのようなものにベクターマシンのカラーが着色されていて、コクピットらしき復座がある。
よく見るとゲームセンターによくある、体感ゲームマシンに似ている。
ベクターマシンの操縦訓練のための、コクピットタイプのシミュレーターである。

「このシミュレーターは、とてもリアルよ。機動時にかかるGや、衝撃まで再現できる。操縦を誤れば、ショックで死ぬことも十分にありえるのよ。それに、エレメント同士のパートナーシップも、アクエリオンを動かすための重要な適正なの」

「パートナーシップ?なんだそりゃ」

「フン、バッカじゃない!だいたいあんた、エレメントスーツぐらい着なさいよ!!」

「何だとぉ!!」

「何よぉ!!」

またもやケンカを始めた二人に、ソフィアがさらりととんでもないことを言う。

「シルヴィア、パートナーのアポロが、感応制御をうまくマスターできなかったら、あなたも減点よ」

「うぇぇぇぇ!!」

アポロは当然とばかりに、ウンウンと頷く。

「麗花先輩、よろしくお願いします」

つぐみが、麗花に頭を下げて言った。

「アクエリオンは、私たちエレメントの筋肉や感情を増幅して動くわ。だから、緊張しないで」

つぐみの背後に回ると、麗花はつぐみの肩に優しく手を置いて言った。

「あ・・・・、はい」 (先輩ってやわらかい・・・・)

少し危ない想像をしているつぐみを見て、麗花は少し怪訝な顔をした。

「シリウス先輩、よろしくお願いします」

ジュンがシリウスに向かって、礼儀正しく挨拶する。

「これはゲームとは違う。実戦だと思って、冷静にやりたまえ」

「はいっ!」

ジュンは優等生的な返事をして、コクピットに乗り込んだ。
シリウスは乗り込む前に、反対側にいるアポロを見た。

「んあ?ふんっ!」

「さっさと乗りなさいよ!!」

「んぎゃ!?いていててててて・・・・・」

アポロは鼻を鳴らしてそっぽを向くと、シルヴィアに耳を引っ張られながら乗り込んだ。
シミュレーターのコクピットに座ると、つぐみの視界がさあっと開けた。
コクピットを囲む全天モニターが、シミュレートされた周囲の状況を映し出すと同時に、つぐみと麗花の身体をエレメント保護ゲルが包む。

「うわぁ・・・・すごいメカ」

軽く操縦桿を握ったとたん、コクピットが大きく回転した。

「きゃあ!!」

つぐみが悲鳴を上げたのとほぼ同時に、麗花が後部座席から手を伸ばしバランスを水平に保つ。
すると、簡単に回転が止まった。

「落ち着いて、つぐみ。本物のアクエリオンのコントロールは、もっと繊細よ」

「は・・はい」

「優しく・・・優しく・・・・」

つぐみの手に麗花の手が添えられたまま、シミュレーションがゆっくりと再起動する。
すぐに手は離れたが、麗花の気持ちが自分の手に添えられているのを、つぐみは感じていた。

「あ、あれ?あ、うああ!!」

ジュンは必死になって操縦桿を動かすが、ベクターマーズはフラフラとまったく安定していない。
シリウスが後部座席からアドバイスする。

「意識と筋肉の動きが、コンマ1秒ずれてる。心を整え、もっと美しく調和させたまえ」

「は、はい・・・・うああ!!」

コクピットに警告音が鳴る。モニターに、眼前から迫ってくるベクターソルが確認できた。

「どわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

アポロの叫び声が通信に入る。

「緊急上昇!!」

「え!?上昇・・・・くうっ!!う、ああぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ペダルを強く踏み込み、操縦桿を引くが、やはりベクターマーズは反応しない。

――ガァァァァァァァァァァン!! ギィィィィィィイ!!

凄まじい衝撃音とともに、2機は空中で衝突してしまった。
ベクターマーズはコントロールを失い、高度を急激に下げ始めた。

「くっ!!操縦をよこせ!!ベクターソル、何をしている!!」

シリウスが操縦桿を執り、機体はすぐに水平状態を取り戻し高度を回復すると、ベクターソルに叱責を飛ばす。

「ごめんなさい、このバカが突然動かすものだから・・・・・」

「いぃぃぃぃぃんぎぃぃぃい!!」

見るとアポロが一人で操縦桿と格闘している。
当然のことながらシルヴィアが操縦しているため、アポロには動かせていない。

「シルヴィア、パートナーの行動には責任を持て。たとえそいつが獣以下だとしてもだ」

「そんなこと言っても、おにい・・・うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

謝ろうとするシルヴィアの声をかき消す勢いで、ベクターソルはふたたび急激に高度を下げた。ほとんど墜落と言ってもいいだろう。
しかも、そのすぐ下にはベクタールナがゆっくりと飛行していたから大変だ。

「ひえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

つぐみが恐怖の叫びをあげた。

「まずい!!」

すぐに麗花が操縦を代わり、ベクタールナは間一髪急上昇する。
ベクターソルも一時は渓谷の地面すれすれまで降下したが、すぐにシルヴィアが体勢を立て直す。

「どうだ!!ちゃんと飛んだぜ!!」

「バカ言ってんじゃないの!!あたしが代わって操縦してんじゃない!!」

ゴィィィィィィィィィィン!!

シルヴィアは拳骨を固めて、アポロを思いっきり殴った。

「何ぃ!!あれ・・ん!?てめぇ、勝手なことしてんじゃねぇ!!」

アポロは操縦桿をガシガシと動かし、まったく動かないのを知ると、背後の席に座るシルヴィアに飛び掛った。

「悪い冗談じゃねぇのかぁ?あのガキが太陽の翼の生まれ変わりだなんて」

「シルヴィアの過去生の記憶ってのも、あやしいもんですねぇ・・・」

ピエールとクルトがモニタールームで話しながら、二人のことを呆れたように見ている。
シンジはソフィアとデータモニターを見ながら話していた。

「二人のエレメント数値やオーラパターンは似通ってるから、うまくいくはずなんですよね」

「理論上はね。さっきも言ったけど、アクエリオンを動かすために必要なものは冷静な判断とベクターマシンとの同調。そして、パートナーシップ。それでも起動できる確率は、多く見積もってみても0.000000001%しかないわ」

「オーナインシステムとは、言ったものですね」

「あら、可能性は0ではないわよ。だけどそんな皮肉、どこで覚えたの?以前、住んでいた世界で?」

「ええ・・・もう、誰もいません。滅びちゃいましたから・・・・僕以外の人類は全て・・・・」

「そう・・・」

その寂しげな瞳から、嘘の気配などすこしも感じられなかった。
アポロが言っていたことは、どうやら正しかったようだ。自分一人しか存在しない死の世界から降臨した、悪を司りし堕天翅。採取したDNAの結果など関係なく、純アジア系とわかるその黒髪は夜の深い闇を思わせた。
ソフィアはシンジの背中に一瞬、黒く輝く翼が見えたような気がして眼をこすった。

「3人とも、2軍落ちだな・・・・シンジ、次はジュンと交代してもらうから準備しておくように」

「はい・・あれ?見てください、アポロとシルヴィアのオーラが!!」

「なっ!!スピリットレベルが共鳴しているだと!!やはり、この二人は・・・」

見ると、二人のスピリットの赤の領域が同じ波長を示していた。この部分は、パートナー同士の深層領域における心の波長が同じであることを意味し、エレメントスクール以前でまったく面識のない者同士が何かしらの繋がりを持っていたことの証拠でもある。

「かえせ〜!!この!!」

「何してんのよぉ!!」

――訂正、これはきっと見間違いにちがいない!!そうであると願いたい!!

他の2機のベクターマシンは、本格的にスピードを上げて飛行していた。
きりもみ飛行から一気に宙返りし、ふたたび急降下しながらバランスをとるなど、かなりアクロバットな飛行を続けている。
この状況に、つぐみとジュンは悲鳴を上げていた。
さっきまでとは比べものにならないくらいの、速度とGの圧力。
アポロのような度胸のない二人には、まさに恐怖の時間と言っていいだろう。

「ひぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

「よく見て、そして感じて!!」

「これがアクエリオンを、ベクターマシンを操るということだ!!」

「ううっ!!くっ・・・・!!」

この状況においても、アポロとシルヴィアのケンカはまだ続いていた。
が、それにも増して差し迫っていたのは、つぐみである。

「だめ・・だめ・・・・」

心臓がドクドクと凄まじい勢いで鼓動を早め、興奮がどんどん増してきていたのだ。
おまけにそれに影響されているのか、はたまた無理なシミュレーションの起動が原因なのか、システムコンピューターに過剰な電圧がかかっていた。
さらにベクターソルの中で争う二人のエレメントは増大を続け、すでにスピリットレベルは合体可能域にまで達している。

「おいおい、【イヤよ、イヤよも好きのうち】ってかぁ?」

ピエールはおもしろそうに茶化しているが、現状はそう楽観的ではない。
合体時にエレメントが体験するあの快感は、脳内麻薬の分泌が促す精神作用である。一般にはランナーズハイと呼ばれ、一流のアスリートやレーサーが体験することが多いとされる。
ベクターマシンを操縦するエレメントの誰かが合体レベルに到達すると、それに応じるように他のエレメントのレベルも徐々に上がっていく仕組みだ。そうすることによって、誰が一人でも遅れないように、また、それぞれに自身を持たせるための配慮でもあるのだ。
ところが、今回はそれが裏目にでたようだ。
エレメント候補生のうち、もっとも影響を受けやすいつぐみがここにいるという事実がそれだった。
彼女は極度の緊張やストレスを感じると、それを発散するために莫大なサイコキネシスを無意識に使ってしまうのだ。
そのために、幼い頃から彼女の周囲にある電化製品や機械類などがことごとく破壊されてきた。

「だめだめ、だめぇぇぇぇぇぇぇ!!」

もはや限界が近いようだ。
それなのにベクターソルは、さっき以上の速度で一気に加速していく。
あまりの加速に、2機を操縦するシリウスと麗花の反応が一瞬遅れるほどだ。

「はやい!!」

「何だと!!緊急上昇、Gの増大にそなえよ!!」

シリウスの掛け声で、ベクターマーズとルナも加速し3機がようやくほぼ一列に並んだ。
急旋回によるGが、アポロの身体を、さらに強くシルヴィアに押しつける。

――ガチン

歯と歯が当たった音がした。
それから二人の唇が、二枚貝のようにピッタリと合わさった。

「・・・・・っ!!」

「〜〜っ!!」

二人とも無言で叫ぶ。
つぐみも、どうやら最終段階に入ってしまったようである。

「はぁぁぁぁ・・・・・・・」

――ドクドクドクドクドクッ!!ドックン!!

つぐみの心臓が、大きく膨らんだ。

――ピシィィィィィィィ!!バリバリィ!!ボンボンッ!!

爆発音が響いたと思うと、世界が闇に閉ざされた。
すぐに予備電源に切り替わったが、シミュレーターはすでに沈黙、何が起こったのか誰にもわからなかった。

「やっちゃった・・・・・」

つぐみは小さく呟いた。


機械の再調整の間、2時間ほどの休憩を挟んでついにシンジの出番がやってきた。
EVA初号機を操っていた(というか操れていた)彼にとって、ベクターマシンのコクピットはどこか懐かしさを覚えた。あんなに嫌っていたEVAのことを思い出すなんて、不思議なものだ。

「よろしくお願いします、ピエールさん」

「おうっ!!しっかりな!!だけどよぉ・・・・」

ピエールはふと、周囲の女子の視線を追う。間違いなくシンジの身体を見ている。
シンジのボディラインは一流のモデルのそれと比較しても、なんら遜色ないものだった。細身の身体にスーツがピッタリと吸い付いているために、それが余計に女子の嫉妬と興味を誘う。
おまけに長髪であるにも関わらず、アジアンビューティー顔負けのキューティクルとくれば、ますますシンジはパーフェクトモデルの領域に存在することが裏づけられる。

「腰細いよなぁ・・・・」

と、少しかがんで触ろうとしたのがまずかった。

――バッキィィィィィィィィィィン!!

「のぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

不意に背後に冷たい空気を感じて振り向いたときには、ピエールは衝撃で2メートルほど後方に吹っ飛んでいた。その犯人はもちろん、麗花である。
ピエールが振り向いたのと同時に、戦慄の右ハイキックを叩き込み完璧にKOしたのだ。
さらにその背後では、ソフィアは懐から注射器と怪しげな薬品を取り出して何か恐ろしいものを調合している。恐らくピエールに注射するつもりなのだろう。
麗花は殺意の波動を全身から放ちながら、言った。

「副司令、セクハラ魔人は撃退しました。よって、私かシリウスか私が担当すべきだと思うのですが?」

「う、うむ・・・いいだろう・・・・・」

気迫に満ち満ちた麗花の言葉に、ジェロームは完全にたじろいでいた。
何も言わないが、冷たい何かを感じさせる笑顔のソフィアにも同様の思いを感じた。

――この二人を怒らせてはいけない!!

それが、その場にいた麗花とソフィア以外全員の総意となった。
シンジはシリウスとともに、ベクターマーズに乗り込んだ。ベクターギルティをコピーしたことはしたのだが、どうやってもシンジのマインドパターンとスピリットレベルでないと起動しなかったためである。
が、シンジは瞑想するかのように眼を閉じて座っているだけだった。
不意に眼を開くと何事か喋りだした。

「システムクリアー、オールグリーン!!ベクターマーズ、起動!!」

シュオォォォォォォォォォ!!

起動音とともに、ベクターマーズはスムーズに発進した。
皆、目の前で起こっていることが信じられなかった。
シンジは始めて本格的に操縦するはずのベクターマシンを、まるで手足のように動かしていた。
あきらかに素人の動きではない。
どこかで戦闘訓練や実際にアクエリオン級の戦闘機を操縦している、ジェロームが確信するには十分な証拠だった。

「よし、シンジ。私の指示通りの操縦をしてみてくれ。急速上昇から右へ旋回。その後、急降下!!」

「了解!!」

キュオォォォォォォォォォォォォオ!! ギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!

ジェロームの指示をそのままに、シンジは通常以上の速度で飛行した。
まるで大空を自由に飛び回る鷹のようだ。

「これより渓谷ステージへ移行する。シリウス、しっかり捕まってください!!」

「了解、健闘を祈る!!」

シンジは自由飛行を始めた。
モニターで地形をすばやく確認し、そのまま渓谷の巨大迷路に突っ込んでいく。【GOD SPEED YOU】いや、【HELL SPEED JUNKY】と比喩したほうがずっと似合うだろう。シリウスでも、こんな恐ろしい速度で、この迷路に侵入することなどできはしない。
そのまま障害をすべて回避しベクターマーズは見事、迷路脱出記録を更新した。
スピード、そして的確な進路判断。
一緒に乗り込むシリウスも、シンジの実力の高さに驚いていた。
飛行テクにおいてなら、間違いなく自分を遥かに超える逸材がここにいるのだ。

『まったく信じられない!!これだけのスピードだというのに、少しもストレスを感じさせないなんて・・・まさか!!』

シリウスの脳裏に、ある言葉がよみがえった。

『高次元量子パターン、増大!!マインドレベル、限界値を超えています!!』

『第三感情オーラ、快晴!!サマービーチです!!』

「パーフェクトシンクロかも知れん・・・・」

「ま、まさか!?それなら、このままでは危険だわ!!」

ジェロームの言葉に、ソフィアも強く反応する。
パーフェクトシンクロ。その名のとおり、ベクターマシンにエレメントの意念を完全に通わせ、自分の意思のままに操縦する高等テクニックだ。
普通に操縦したのでは、どんなにうまくても必ずコンマ0.5秒の遅れが出てしまう。瞬きするほどの短い時間でも、いざ実戦になれば大きな障害に変化する可能性がある。
そのために考え出された理論が、互いの気持ちと心を同調させる【パートナーシップ】である。本来は大切な人のことを考えることを指すが、エレメントの場合は他の操縦者のことを思いやる気持ちでもある。それが自然にマインドレベルとスピリットレベルを同調させるきっかけとなるのだ。
対して【パーフェクトシンクロ】は、その能力が高いほどベクターマシンの操縦が自由になるため、究極、エレメント一人で合体し戦うことも可能なのだ。
ただし、感応フィードバックのダメージがほとんど軽減されないという恐ろしい欠点を持つ。
つまり、ダメージを受ければ奇跡でも起きない限り確実に死ぬのだ。
シンジにはそれを防ぐことが出来る、【Absolute Terror】がある。
しかし、それをこのシミュレーションで披露できるわけではない。現実ではなく、仮想現実での操縦なのだから。

バチバチィッ!! ブシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・プスン・・・

突如、コンピューターが火花を出した。
最後にかわいい音をたてて、シミュレーターは機能を停止した。
パーフェクトシンクロに対する強化プログラムをインストールしていなかったため、処理能力の限界値を超えてしまったらしい。
乗っていた二人もケガはなかったが、一応検査を受けるということですぐに医療ベースに運ばれていった。


<エレメント候補生・住居区画>


シャワールームでつぐみは落ち込んでいた。
今日はあの後の訓練も最悪で、合体まで持っていくことが出来なかったからだ。
しかも、シンジには圧倒されっぱなしだった。シリウスの持つ記録を塗りかえたばかりか、なおかつレベルを自分とジュンに合わせて飛行してくれたのだ。
それなのに・・・・・・一度も合体に持っていけなかった。

「すいません、先輩。わたし・・・・うまく飛ばせなくて・・・・」

「謝ることない。私が・・・もっとうまくリードしていれば・・・・」

「え?」 (よかった・・・ばれてないんだぁ)

謝ろうとするつぐみを、麗花は先に制した。
彼女の脳裏には、やはり焼きついたままの無惨な緒戦の光景があった。それなのに、まだ始めたばかりのつぐみを責めることなどどうしてできようか。
シミュレーターで訓練を積んできた自分だって、まだ答えを見つけ出せずに悩んでいるのだから。

「先輩?・・・・先輩、どうしたんですか?」

そのまま嗜好の渦にはまりそうになったとき、麗花はつぐみの声で現実に引き戻された。
麗花はつぐみに言った。

「覚えておいて・・・・シミュレーターと現実は違うわ」

「あう・・・・」

その真剣な眼差しに見つめられて、つぐみは何も言う事が出来なかった。
大浴場の洗面台では、シルヴィアが不機嫌そうな顔で歯をガシガシと磨いていた。
今日のアクシデントがよほど気に入らなかったらしい。

「あんにゃろ〜!!こんどやったら、ただじゃおかないんだからぁぁぁぁ!!」

水を口いっぱいに含み、うがいをする。
タオルで髪を拭きながら歩いていると、シミュレータールームから何か音がした。
真っ暗になったシミュレータールームの、マシンの操縦席に座っていたのはアポロだった。
廊下から差し込む照明のぼんやりした明かりのなかで、アポロは操縦桿を握り、物思いにふけっていた。その表情はあくまで真剣だった。
もう一言文句を言ってやろうとしたとき、アポロ以外の人間の気配を察して、あわてて入り口に身を潜ませた。

「まだ、残ってたの?」

ソフィアの声に、アポロはハッと顔を上げた。
握っていた操縦桿から手を放す。

「――こいつを動かす適正って、なんなんだ?パートナーシップって、なんなんだ」

ソフィアは口元に、微笑みを浮かべた。

「何だと思う?」

「知らねぇから聞いてんだろ!!さっさと教えやがれ!!」

キッとソフィアを睨む。牙をむく野良犬の瞳だ。
しかし、ソフィアはそれに気圧されることもなく、穏やかに言った。

「だけどあの戦いのときは、ちゃんと操れたんじゃなかったの?」

「それは・・・・」

「それは?」

「あん時は、なんか、どっからか声が聞こえてきて・・・・」

「声?」

「なんか、翅の生えた男の姿が見えたような気がして・・・・」

「翅の生えた男!?」

ソフィアの声に驚きが混じったが、アポロは気がつかない。
盗み聞きするシルヴィアも、戸惑った表情に変わる。

「でっかい翅があって・・・・・燃えるような髪をしてて・・・・・なんかおっかないような、寂しいような眼をしてた」

ソフィアはフフッと笑った。

「まるで、君の瞳のようね。おっかなくって、ちょっと寂しい」

アポロはソフィアを振り向く。
少し驚いたようなアポロの顔は、いつもの気張った印象は感じられない。素朴な、一人の少年のように見えた。

「なっ・・・・何だと!!俺は寂しくなんか・・・・」

「ムキになるのは、当たりってことよ」

「んが・・・」

穏やかに言われると、アポロには言葉がない。ムキになって否定したところで、本当の言葉を覆い隠すことはできない。

『あいつが、寂しい?』

シルヴィアはもっとよく聞こうと、入り口に近づいた。

「それで、その翅の男はどうしたの?」

ソフィアは微笑みながら言う。

「憶えてねぇ・・・・・」

『たくぅ〜!!』

あまりにもありきたりな答えに、シルヴィアは思わず脱力した。

「憶えてねぇけど・・・・わけのわからないうちにバロンを助けようと思ったら、なんか・・・いつの間にか、巨人に乗って戦ってた・・・・」

「ふ〜ん・・・バロンってどんな子?」

「あいつは、収容所で・・・初めて俺に声をかけてくれた。あいつは、腹ペコで死にそうな俺に自分の食べ物を分けてくれて、一緒に脱走して・・・・・コイツもくれて・・・・」

首から下げた、手作りのネックレスに触れる。

「それから?」

「それから・・・・アポロって俺に名前をくれた」

アポロは黙った。
ソフィアが静かに言った。

「それが答えね」

「え?」

「適正とパートナーシップ。シミュレーターと現実は違うわ、現実は人の思いと身体が動かすの。君がバロン君を思う気持ちが、現実を、アクエリオンを動かしたのよ」

「じゃあ・・・シンジは誰のことを考えてるんだ?あいつからは、他人のニオイがしなかった」

「そうね・・・彼のいた世界は、滅びてしまったと言っていたわ。誰も生き残ってないって・・・・」

ソフィアはあの紅い瞳を思い出しながら話した。
アポロはまた顔を上げた。

「それじゃあ・・・・あいつは誰のために、何のために戦ってるんだ・・・・・」

「わからないわ・・・・でも、案外聞けば教えてくれるんじゃないかしら?」


<格納区画・ベクターマシン前>


アポロとソフィアが会話をしているころ、ジェロームは格納庫でお茶を飲んでいるシンジを発見した。
シンジはすぐに察して、ジェロームに会釈した。

「今日のシミュレーションは素晴らしかったよ。これならば、いつでも君に任せられそうだ」

「いえ、あれは失敗です。調子に乗りすぎました」

シンジの言葉に、ジェロームは興味を示した。
あれだけのことをやってのけ、褒められれば嬉しいと大抵は感じるだろう。
しかし、それを謙遜ではなく否定したシンジの言葉には、何か別の意味があるとジェロームは考えたのだ。

「――やはり、君は異世界でアクエリオンのような戦闘機を操縦していたのかね?」

核心を突く発言に、シンジは一瞬、眼を大きく見開いた。だが、すぐに元通りになる。
シンジは何も言わず、ただうなずいた。

「――詳しいことは話せませんけど、操縦が少し似ているんです。汎用人型決戦兵器・人造人間エヴァンゲリオンっていうんです。感応フィードバックでダメージはある程度軽減され、機体と操縦者のシンクロ率によって、攻撃力や防御力に差が出るんですけど・・・裏を返せば人殺しロボットなんですよ」

「なっ!!待て、シンクロ率とフィードバックということは、シンクロ率100%の場合ダメージを受ければ確実に死ぬということではないか!!」

「ご明察です、副司令。で、それを防ぐために存在するのが【Absolute Terror】、誰もが持つ心の壁を利用した強力な防護壁です」

「心の壁・・・・すまないがもう少し具体的に話してくれないか?」

隊長と言う立場よりも、技術者としてのポテンシャルの高いジェロームは俄然興味がわいた。
シンジの言うそれが、もしアクエリオンに装着可能な機器ならばパーフェクトシンクロの訓練が可能になるかも知れないのだ。
しかし、シンジはジェロームの考えを察して今度は首を横にふった。

「アクエリオンでは恐らく不可能でしょう。Absolute Terrorは機器によって作られたものではないですよ・・・・僕が説明するよりも、実際に見てもらいましょう――副司令はある程度の恐怖に耐え切れますか?」

「ん?」

「僕の記憶や知識からエヴァに関する情報を、あなたの脳に直接トレースするんです。ただし、脳と精神的な負担が大きいのであまりお勧めは出来ません。――それに、エヴァはありとあらゆる外道な実験によって造られた【狂気】の兵器です。ですから――」

シンジの言葉を、ジェロームは手で制した。そこにはシンジの知る汚い大人ではなく、一緒に戦う者の瞳があった。

「――科学者とは作り出すだけではなく、真実を見抜く職業でもある。私はその科学者として、どんなに恐ろしい事実であっても眼を逸らしたくないと思っている。安心して、私に伝えてくれ」

シンジは頷くと、ジェロームの額に人差し指を当てた。
凄まじい。その一言につきる光景が、ジェロームの脳に一瞬で流れ込んできた。

――Absolute Terror

――S2機関

――ダミープラグ

――最初の人類・第一使徒【アダム】

――そして、人類補完計画

数多くの事象と真実を理解した彼は、まるで全速力で走ってきたかのように体力と精神を消耗していた。
あまりにも恐ろしく、あまりにも身勝手な研究によって造り出されたエヴァ。

「なんということだ!!あれは研究ではない、狂気と妄想の産物だ!!」

「――【開発者】は、自分の才能に酔っていたんですよ。だから結果も知らずに、他人を巻き込む研究を平気で続けることが出来たんだと思います」

「科学者とは発見や開発をする前に、自分をコントロールできなくてはならない。誰も止めるものがいなかったのか!?」

「同じような人種の集まりだったんでしょうね。そうでなきゃ、誰が【人類補完計画】なんて考えますか?」

ジェロームは大きく息を吐くと、手近にあったコーヒーメーカから熱いコーヒーを注ぐと、砂糖も入れずに一気に飲み干した。
彼自身、【開発者】のような時期があった。
早くからその将来を嘱望されてきたジェロームは、数多くの博士号を受賞し科学と技術の発展に貢献してきた。
そこには、自分よりもはるかに出来のいい兄弟や親戚への対抗心も相まって、彼をより高みへと導いてきた。おかげで、ディーバに本格的に関わるようになってからは、自分専用の研究ラボや最新の機器や情報を与えてもらえるようになっていた。
そんな人生の絶頂期にあったころ、アクエリオンが古代遺跡から発見され、ディーバが国際的に重要視されるようになっていた。
そこでジェロームは、新国連軍から極秘にアクエリオンをサポートすると言う名目で、新兵器開発を任されていた。それを成功させれば、もはや何もしなくても地位と名誉が手に入るのは確実だった。
【強攻型アクエリオン】である。あれこそ、エヴァと遜色ないほど外道な機体と言える。
ジェロームはその設計図を完成させたとき、ようやく夢から目覚めた。そして、自分が造ろうとしている悪魔の兵器の恐ろしさを心で実感した。
もし、あそこで引き返していなければ、エレメントかあるいは他の誰かが犠牲となっていたに違いない。
その後、開発をやめたジェロームは名ばかりの【総司令】として最前線に着任することとなったのだ。
今では司令は不動GENに代わったが、悔しいとは思っていない。
だからこそ、自分の持てる知識と技術で今度こそエレメントたちをサポートしようと考えたのだ。

「アクエリオンは人類が最後の希望を託す、救世主となりえる機体だと私は考えている。他に代わる物なの、この世界のどこにも存在しないだろう。シンジ、ここには君が本当に求めたものはないかもしれない。もしできるなら、ここでその力を存分に発揮してもらえないか」

ジェロームは改めて頭を下げた。
シンジは慌てて手を振り、ジェロームを起こした。

「当然ですよ。僕にできることがあるのなら、ぜひやらせてください。ここで以前の償いが出来るとは思ってませんけど、少なくともこの両手と力で守れるものがあるのなら戦いたいんです!!」

「うむ!!私も及ばずながら、君たちを手伝おう」

――ビィーッ!! ビィーッ!!

ディーバ基地内に、いきなり警報が鳴り響いた。

――地中海エリア・第3シティに収穫獣出現。

――ベクターマーズ・シリウス、ベクターソル・麗花、ベクタールナ・シルヴィア。速やかに搭乗せよ。

シルヴィアは全速力でスロープに飛び込んだ。
もちろん、その後をアポロが追いかけてきたことなど知りもしない。

――発進ゲート、スタンバイ。 発進ゲート、スタンバイ。

――チェンジアップシステム収納、各作業員は発進エリアから退去せよ。くりかえす、各作業員は発進エリアより退去せよ。

シンジとジェロームは、少し遅れて司令室に飛び込んだ。
すでに3機とも発進する寸前だった。

「ベクターマーズ、発進!!」

「ベクターソル、発進!!」

が、シンジはすぐに異変に気がついた。

「あれ?アポロはどこに・・・・・まさか!!」

シンジは瞑目すると、精神を集中させる。アポロのAbsolute Terrorを求め、導き出した場所はとんでもないところだった。

「シルヴィア、頭上に注意して!!アポロが降ってくる!!」

「はぁ・・・・ってうそぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

シンジの言葉に反応して上を見上げてみると、見覚えのある少年が目の前に落下してきた。
しかもさかさまなので、下半身がちょうどシルヴィアの顔の前にあるのだ。当然、アポロの頭は彼女の下半身の敏感なところにあるわけで・・・・

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

これには図太いシルヴィアも、悲鳴を上げて発進するしかなかった。

「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

アポロは凄まじいGで背後に吹っ飛び、立ち上がることが出来ない。おまけにモニターには、アポロの顔面が大写しになっている。

「アポロ、訴えられたら確実に負けるな」

「何やってんだ、あのバカ・・・・」

シンジとピエールの呟きが、何となく大きく聞こえた。
しかも、すでに射出口から飛行する寸前にあり、中止して再発射することもできない。
まさしく、最悪の状況である・
すでに街では収穫獣が、人間狩りを開始していた。たくさんの人間たちが妖しい歌声に誘われて、ハーメルンの笛吹きのように死への行進を続けている。
マーズとソルに少し遅れて、ルナが隊列に加わった。
すぐに、シリウスがウィンドウを開く。

「ベクタールナ、遅いぞ」

「ごめんなさい、お兄様。ちょっとお荷物が・・・・」

「お荷物だとぉぉぉぉぉぉ!!」

アポロは操縦席に飛びつこうとした。
が、しかし。

「フンッ!!」

「だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

すかさずシルヴィアが機体を傾けたため、目測を誤ってアポロは床に叩きつけられてしまった。
今日のところはいいとこなしの主人公である。

「奴の弱点はどこ・・・?」

麗花は精神を集中させると、収穫獣に対してサイコメトリーを開始した。

「うっ!!こんなに・・・・」

頭の中に収穫獣に閉じ込められた人々が蠢き、苦しげに呻いているのが聞こえてくる。
それでも気持ちを集中させていると、ついに内部で激しく鼓動を打つ心臓部がはっきりと見えた。
しかし、無理に気持ちを抑えて能力を開放したため、麗花はすでに限界に達しようとしていた。

「そこか!!・・・・収穫獣のウィークポイント発見、合体させてください」

「麗花、急所を見つけたのか?」

「だから急いで。早く合体を・・・うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ズキュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!! ズドォォォォォォォォォォォォォォ!!

突如、機体の脇に大きな衝撃をくらった。視界の外から、ケルビム兵が攻撃してきたのだ。
ベクターソルは黒い煙を吐き出しながら、街に墜落してしまった。

「麗花!!大丈夫かっ!!」

「ごめん・・・また・・・・」

ピエールの叫びに答えることも出来ず、麗花は気を失ってしまった。
ピエールは意を決して不動を見た。

「司令、俺と麗花のテレポートチェンジを!!」

「よろしい。テレポートチェンジスタンバイ!!シンジ、ベクターギルティの発進準備をしたまえ」

「よっしぁあぁぁぁぁぁぁ!!」

「わかりました!!」

ただちにテレポートシステムは起動され、シンジも席を立ってダストシュートに飛び込もうとした。
そのとき、不動が言った。

「お前は、今も罪の痛みを心に感じているか?」

「え?」

不動の意味深な言葉に、周囲も聞き耳を立てる。
シンジは少し眼を閉じると、ただ一言『はい』と答えた。

「悲しみからくる痛みは、ときに殺意となる。意思はやがて大いなる力へと変わる。それこそが、お前の持つ真の力」

「・・・・・・」

「答えを見つけたなら、お前の悲しみも癒えるやも知れぬ。行け!!」

「はい!!」

シンジは力強く答えると、スロープを一気に滑って行った。
ジェロームは不動に聞いた。

「司令、もしや私たちの会話を?」

「そんなことをせずとも、彼の足跡が過去を教えてくれる。悲しみに満ちた闇の記憶を・・・・」

「・・・・・あなたには敵いません」

ジェロームの自嘲的な笑みに、不動も笑みで返したのだった。
一方、麗花には危機が迫っていた。動く気配のないソルに向かって、ケルビム兵が近づいてきているにもかかわらず彼女は完全に気絶していたのだ。

「まずい!!」

「麗花!!目を覚まして!!」

シリウスとシルヴィアの通信にもまったく反応しない。
だが、内部にはすでにピエールがスタンバイしていた。
一瞬で麗花とチェンジすると、操縦桿を掴んで一気に再起動しケルビム兵の真下を潜り抜けて上空へ舞い戻った。

「へへ!!ピエール参上!!」

「ピエール!!」

「もう、遅いぞ!!」

麗花は気絶しそうになりながらも、なんとか仲間に敵の弱点を伝えようとしていた。

「収穫獣の急所は・・・八つの胸の中心・・・それ以外は、街の人が・・・・」

それだけなんとか伝えると、麗花は今度こそ本当にダウンしてしまった。

「遅くなり・・ああ!!」

「先輩・・・・」

最後に司令室に現れたジュンとつぐみも、彼女の必死な姿を見て決意を新たにした。

「八つの胸の中心だな・・・・ありがとう、麗花」

シリウスは麗花の必死の言葉を、心に深く刻み込んだ。
不動は眼を大きく見開き、拳を握って力強く叫んだ。

「アクエリオンマーズ、合体スタンバイ!!チャンスは一度、一撃でしとめよ!!アクエリオンギルティ、発進せよ!!」

『碇シンジ、ベクターギルティ!!行きます!!』

『了解!!フォーメーション、M・S・L。コードネーム【美しきカタチ】』

シリウスをヘッドに、3機は合体準備に入る。
意気込んでやって来たピエールだったが、今回はバックの守備ということになった。

「ちぇっ!!俺はバックかぁ・・・・だけど初めての合体、イカセテもらうぜ・・・お姫様」

「ピエール!!バカ言ってる場合じゃ、キャア!!」

注意しようとして、一瞬注意がそれたベクタールナは、真っ先に攻撃を受けた。
回避が取れなかったため、後部から煙を吐き出しながらきりもみ状態で墜落していく。しかも、発進したばかりのシンジはここまでたどり着くのに、あと数十分はかかるのだから大変だ。

「シルヴィアーー!!」

「くっ!!フォーメーションが!!」

一度バランスを崩した機体は、簡単には立ち直らない。コントロール不能のまま、ルナはなおも墜落していく。

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

シルヴィアは生まれて始めて感じる本物の死の恐怖に、押しつぶされそうになりながら悲鳴を上げることしかできなかった。
そのとき、彼女の手に誰かの暖かい手が重ねられた。
ふと気がついて見ると、そこには力強く微笑むアポロがいた。

「いくぜ、シルヴィア」

「うん・・・」

その姿に、シルヴィアの過去生の一ページが鮮明に蘇った。
二人は互いの手を重ね合わせ、操縦桿を握ると意識を集中させた。二人の意念はベクターマシンに伝わり、増幅されたエレメント能力が機体を立て直した。

「パートナーシップ・・・・いや、まだそこまではいかないか」

「うむ、二人でやっと一人前だ」

不動とジェローム、意外といいコンビなのかもしれない。
近づいてきたベクタールナに、他の2機も安心する。

「来たかっ!!」

「あいつら・・・・・」

『合体指数98%』

『第三感情オーラ、曇りのち晴れ』

シンジも遅れて到着する。

「4人とも頑張って!!援護するよ!!」

シンジは言うが早いか、別方向にいるケルビム兵を攻撃、牽制し始めた。これにより、ケルビム兵の攻撃から一瞬逃れたベクターマシンは合体に入った。

「念心!!」

「合体!!」

「GO!!アクエリオン!!」

3機は正三角形のフォーメーション隊形から、一気に直線上に並んで舞い上がった。
力が滝のように怒涛となって4人を包み、高みへと上らせていく。

『うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』

『『う・・ああああ・・ああ』』

『くうぅぅぅ!!燃える――!!』

――ガッキィィィィィィィィン!! ズキャァァァァァァァァァ!!

『アクエリオンマーズ!!』

力強い言葉とともに、アクエリオンマーズは降り立った。
しかし、収穫獣は上空高く舞い上がり、アトランディアへの門を開こうとしていた。
シリウスはすぐに攻撃態勢をとる。

「逃がすか!!いくぞ、ファイヤーセイバー!!」

「ファイヤー!!」

「「セイバー!!」」

敵がロックオンされ、攻撃に入る。それぞれの腹部から光りの剣のような柱が放たれ、それが一振りの剣【星空剣】となって炎を纏いながらマーズの胸部から出現し装備される。

「三位一体、我に力を!!」

アクエリオンマーズは2体のケルビム兵に攻撃を仕掛けた。
ケルビム兵も察して、両手の指をナイフのように変化させすばやく放つ。
すんでのところで回避したアクエリオンは、上空から再度攻撃を放つ。
2体のケルビム兵も息のあったコンビのように舞い上がり、こちらもナイフを投げる。

「「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」

ナイフは剣に次々と破壊され、少しもダメージを与えられない。すれ違う瞬間、アクエリオンの剣は1体のケルビムの腹部を切り裂き、もう1体を地面に叩きつけた。
さらに、アクエリオンマーズはすばやく飛び上がると、収穫獣を完全に捕らえた。

「「「「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」

シリウスの右手のリストバンドが光りを放ち、剣に更なる力を与える。
そして、収穫獣の急所を真っ直ぐに貫いた。
大ダメージを受けた収穫獣は、見る見るうちに形がくずれ徐々に浮遊力を失っていく。
司令室の仲間たちも、この光景に歓喜の叫びを上げていた。

「美しい・・・・」

シリウスは一言だけ呟くと、金色の長髪をさらりと撫で上げた。
そのかっこよさに、シルヴィアはもう夢中だ。

「すごいわぁ!!お兄様、さすがよ!!」

が、またいち早く異変に気がついたのはシンジだった。

「まだだ!!まだ終わってない!!」

地面に叩きつけられたケルビム兵が、突然立ち上がり収穫獣を守ろうと上空に飛び上がったのだ。
シンジはすぐさま攻撃目標を定め、向かっていく。

「なっ!!そっちが残ってやがったか!!」

「くっ!!今いくぞ!!」

マーズもケルビム兵をなんとしても行かせまいと、剣を振りかざして攻撃する。
ケルビム兵はシンジを捕らえようと腕を振り回すが、蜂のように舞い踊るベクターマシンは一向に捕まらない。そればかりか、小さなダメージが蓄積して動くのもやっとの状況になっていた。
収穫獣が落下するのは、最早、時間の問題かと思われた。その時!!
突如、上空の門からケルビム兵の腕が伸び、収穫獣をキャッチしたのだ。

「んな!!キタネーぞ!!」

「持っていかれた!?」

この隙に乗じて、攻撃されていたケルビム兵も上空へ飛び上がった。しかし、アクエリオンもこいつだけは逃がすまいと必死になって攻撃する。
ベクターギルティもコアらしき腹部を中心に、攻撃を繰り返していた。

ズドォォォォォォォォォォォォォォォォン!!

「うお!!ってシンジ気をつけろ!!」

「間に合わん!!」

マーズからシリウスとピエールの叫びが聞こえた。
ケルビム兵がマーズの隙を利用して、ギルティに渾身の破壊光線を放ったのだ。
攻撃されたシンジはその光線に、ラミエルと戦ったときのことを思い出した。あの時は何の手を打たずに飛び出して、あやうく死に掛けた。
だが、今の自分は違う!!
シンジは気持ちを落ち着けると、Absolute Terrorを発動した。

ギィィィィィィィィィン!!

紅く輝く正六角形の壁が、ギルティを完全に防御した。
跳ね返された攻撃は、別方向へ飛んでいく。しかし、ここでギルティの内部に異変が起こった。
Absolute Terrorが何らかの影響を及ぼしたのか、突然コントロールが利かなくなったのだ。

「ベクターギルティ、高次元量子パターン限界値オーバー!!」

「データ照合不能!!機体が持ちません!!」

クロエとクルトの叫びが、切迫する事態を物語っていた。
アクエリオンマーズはまだ戦っていて、とてもシンジのところまでいくことは出来なかった。
しかし、内部にいるシンジは別の感覚に包まれていた。恐怖とは違う、暖かい光りの中にいるかのような感覚。それは、あの赤い海で感じたのと同じものだった。
コクピットに光りが満ち溢れ、シンジは何もわからなくなった。

その瞬間、世界が静止した・・・・・


AQUARION:EPISODE03:DEVIL


<いつか見た、電車>


そこはいつか見た、電車の車内だった。
夕日が眩しくてしばらくわからなかったが、シンジの目の前にはあの日と同じ人物が座っていた。

「君は、もう一人の僕だね・・・・今日はどうしたの?」

「僕はギルティの心、つまりギルティの心の中にいる碇シンジ」

「それって!!ギルティには誰かの心が宿っているってこと?!」

今一人のシンジが、薄く笑ったように見えた。
陰になっていてわからないが、確かに笑ったのだ。

「ご明察だね。でも、それはこの機体になくてはならない要素。それが、君が【力】を得るに相応しいかを決める判断材料になる」

「【力】・・・・よくわからない・・・・でも、それは戦うためだけの力なの?」

「一方向から見ただけならね。――君は復讐を考えたことは?」

「――僕は復讐なんて・・・」

「本当に?君の心はNERVの大人たちやSEELEを許していない、殺したいと思っているほど憎んでいる。それに、君は本当に友達のことをすまないと考えているの?」

そう言われると、シンジは深く考え込んでしまった。
彼の言うとおり、自分は大人たちや老人を許してなどいない。最初の頃ほどではないが、怨念にも似た感情は消すことが出来ないでいた。
それに、ここ数日間でシンジには多くの友達が出来た。それは、第三東京都市のような仕組まれたものではなく、シンジ自身が手を伸ばし握手をした友達だ。
それは、比べるまでもないことだった。
しかし、最近アスカやレイ、カヲルたちのことが記憶から少しずつ失われているような気がしていた。それは果たしてイイことなのか、彼にはわからなかった。

「昔は本当に悲しかった。でも、今はわからない・・・」

「楽しいことばかり考えながら、人は生きていくことは出来ない。君はそのことをすでに理解している。だから、こうして僕と何の支障もなく会話が出来る。それは、君の心が成長している証拠なんだ。それに、君の心から彼らのことが消えていくのは仕方がないことだよ。だって、彼らは事象や実体としての自分を放棄して、依存しあう紅い揺り篭で眠っているんだから」

「姿がなければ認めることが出来ない。――悲しいけど、現実だ。僕の心はすでにディーバに向いているのかな?でも、EVAに乗ることが全てだと思いそうになっていたとき、僕は自分が嫌いだった。なのに、アクエリオンに乗ることを後悔していない」

「それを恥じる必要はないよ。君は与えられるだけの幸せから、自らの力で運命を切り開こうとしている。それが結果として、ベクターマシン、そしてアクエリオンに乗ることだっただけなのさ。そして、EVAと違うのは三位一体という絆の合体が力になっていることなんだ。依存しあうわけでもなく、慰めあう関係でもない、心の絆がベクターマシンを結んでいるから、君はアクエリオンに乗ることを拒まない」

「絆か・・・・」

「でも、絆は絶対の物じゃない。他人を傷つけ、逆に傷つけられていつの間にか壊れてしまう。でも、そうしなければ、あの補完計画と同じ結果になってしまう。お互いを認め合い、足りないところを補うことで絆と言う名の【補完】は成るのだから。破壊されてもどちらかが間違いを認め、裏切りに怒り狂わないことが大切」

「認め合うことが補完につながり、別の可能性へとつながっていく。それは【共存共栄】という言葉にも当てはまる」

「そのとおり・・・君になら僕の力を託せると思っていた。間違っていなかった・・・・」

もう一人のシンジの声が、心なしか嬉しそうに聞こえてきた。
やがて、電車が音を立ててゆっくりと停車した。
プラットホームに降り立ったとき、そこにはもう一人のシンジではなく最初に見た翼の青年が立っていた。

「シンジ、よく聞いてくれ。堕天翅族は人間からプラーナを吸収するために、生命の樹【ユグドラシル】がなくては生きていけない。つまり、それを破壊すれば堕天翅は死ぬ。しかし、それは同時にこの地球の破滅をも意味する」

「それってどういうことですか!!」

「一万二千年前、堕天翅と人間は文字通り【弱肉強食】の関係だった。それは生命のピラミッドを保つために、とても重要なことだった。しかし、人間は進化してしまった。アポロニアスの裏切りによって知識を得た人間は、やがてこの星の大地を破壊するほどに成長してしまった。生きるために必要なことだったとしても、この星のサイクルは完全に狂ってしまった。生命の樹がかろうじて生きているからこそ、ここまでの状態でいられるだけだ。その根はこの星の根幹にまで達している・・・・全てが繋がっているんだよ」

「それが、11年前の大異変によってふたたび始まろうとしている・・・・でも、それは元の関係を取り戻すというだけだ。何も変わらないじゃないですか!!」

シンジは真剣な眼差しで、アルテミスを見た。
アルテミスもそれに答える。

「以前、戦いに参加するときを破壊だけをしていた時期があった。それは悲しみも優しさも押し殺し、人間たちを狩るための道具としての【力】だ。最初は心も痛んでいた、でもいつの間にか慣れてしまってね・・・・後はゲームのようなものだった」

「ある日、裏切り者のアポロニアスを始末するために、単身、人間たちの村へ行った。そこで見たものは、人と楽しそうにふれあい語り合う彼の姿だった。それを見たとき、刃を振るう意志が心から霧散するのを感じた」

「そして、誰もいない月へ移り住んだ。【力】とは何なのか、【絆】と【再生】とは?それを考えてみたかった。愛しい妻たるディアナに出会えたとき、自分の中に心温まる感覚が残っていたことに思わず涙したほどだ。本当に嬉しかった」

アルテミスはシンジの右腕を指差した。
それが答えらしかった。
見てみると、それはあの【ロンギヌスの槍】をイメージしたタトゥーだった。
右手の手のひらには、赤い十字架のタトゥー。
ふと電車の窓ガラスに映った自分の顔を見ると、EVA初号機と同じ紋様が刻まれている。シンジはあまりのことに驚いて、アルテミスを『これ、なんですか!?』と見た。
アルテミスは微笑みながら言った。

「それがギルティと君がともにある証拠となる物、【破壊ノ聖痕】だよ。君がよく知る槍は破壊を司り、十字架は再生を司る。最後に一つだけ頼みたいことがある。【力】とは破壊するだけじゃない、【再生】への道でもあるということ・・・・・それは、人と堕天翅が結ぶ真の絆。人と人あらざるものが共存できなければ、例えどちらかが勝利しても待っているのは完全なる破滅の世界だ」

「――僕にできるでしょうか?」

「不安かい・・・・それが普通の感情だよ。でも、君一人に押し付けられた重責じゃない。少なくともこの地球上、全ての生き物に関わることだから・・・・無責任な言葉だからあまり使いたくないが、一度だけ言うよ。【頑張れ】、碇シンジ」

「はい!!」

――不意に風が吹いて、世界が動き出した。


<【破壊天翅、降臨】>


ベクターギルティは浮力を失った紙飛行機のようにフラフラと地面に墜落した。
呼びかけても少しも応答せず、むなしい時間だけが過ぎていった。
一方、アクエリオンは新たな脅威にさらされようとしていた。

「ケルビム兵、高次元量子パターン変化!!空間から物質を吸収しています!!」

攻撃を受けて吹っ飛んだケルビム兵が、突如赤黒い液体に包まれたかと思うと苦しげに痙攣を始め、やがて、鷹のような頭部を持った異形の兵へと変化したのだ。

「まさか、これが神話的進化なのか!?」

「くそぉぉぉぉ!!負けてられるかよぉぉぉぉぉ!!」

進化とは生みの苦しみを味わうものである。
復活にはない痛みを知ることにより、よりパワーアップしたケルビム兵にバージョンアップすることができるのだ。
進化ケルビム兵――ケルビム・ホーククローはその獰猛な本能のままに、広げた翅からナイフの波状攻撃を仕掛けてきた。

「キャアァァァァァァァァァ!!」

「シルヴィア!!くっ、これほどとは!!」

続けざまに放たれるナイフは少しずつアクエリオンの耐久力を奪い、合体指数をダウンさせていく。
しかも巨体に似合わず、すばしっこく飛び回るためとても攻撃が定まらない。

「合体指数大幅ダウン、現在65%!!ベクタールナ、装甲耐久値限界に近づいています!!」

「碇シンジ、応答ありません!!」

誰もが負けたと思い口を硬く閉ざすなか、不動司令がまたもや立ち上がった。

「罪の獣が咆哮しとき、破壊天翅が降臨する。その牙は闇を切り裂き、絆を断ち切るものを倒し、絆を作り出す力となる。破壊無くして再生無し!!行け、シンジ!!」

モニターを指差すその視線の先には、崩れたビルの瓦礫の上に立つシンジが映っていた。

「僕は絆を守りたい・・・絆を作りたい。全てを守れるなんて思ってないけど、この翅が包み込めるものなら全て守りたい!!」

シンジの右腕のタトゥーが光りを放った。
全身にタトゥーのような光りが覆い、シンジを包んでいく。

「ハァァァァァァァァッ!!」

シンジの叫びとともに光りは渦となり、それが晴れたとき立っていたのは漆黒の鬼神だった。
頭部はギルティその物、鋭い肉食獣を思わせる眼がランランと光り殺気を放っていた。
シンジの記憶を垣間見たジェロームは、それがEVA初号機だと理解できた。
低い唸り声をもらしながら、シンジはAbsolute Terrorを全身に張り巡らせる。

バキャァァァァア!!

顎部の拘束具が吹っ飛んだ音がした。

ガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!

地獄の番犬が明確な殺意をあらわにした瞬間だった。
もう、誰にも止めることはできない!!
凄まじいエネルギーがシンジから放たれ、モニターに表示されていく。

「スピリットレベル、計測不能!!マインドレベル・・・・け、計測不能!!まるで獣だわ!!」

「いったい、何が起こっているんだ・・・・・彼はいったい、何者なんだ?!」

クルトの呟きはそこにいた不動以外の気持ちを、素直に代弁していると言ってよかった。

「まさか!!シンジなのか?!」

「ワイルドだな、おいっ!!」

「だけど・・・・まるで狼みたいじゃない」

「へっ!!あいつが生きてんなら、それでいいじゃねぇか!!」

アポロの言葉で、他の三人や司令室のメンバーも折れかけた心を奮い立たせた。
あの鬼神が誰であってもいい。今必要なことはケルビム兵を倒すことなのだから。
しかし、またしても信じられないことが起こった。
一歩・・・・二歩・・・ケルビム兵が怯えたように後退しだしたのだ。
姿かたちの問題ではない。本物の【死の恐怖】がそこには存在していた。
狙った獲物をみすみす逃がすほどこの獣は愚かではない。
身体は小さくとも、殺意はアクエリオンを遥かに超える。当然、その意思は力となってその五体に宿る。

ガァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!グアァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!

シンジは咆哮をあげ、敵に向かって一直線に走り出した。
そのまま跳躍し、敵の真上に到達すると右手の十字架を翳した。

『極彩と散れ!!血華ノ十字架!!』

右手から放たれたAbsolute Terrorが、ケルビム兵に凄まじい衝撃とダメージを与える。小さく刻まれた傷はあっというまに全身にまわり、ケルビム兵は十字架のごとく切り裂かれて絶命した。
その肉体は光りの十字架となって、天へ昇っていく。

――破壊天翅は降臨した。その腕に破壊と再生を司る力を秘めて。

「現れたか、破壊天翅の名を継ぐ者が・・・・・」

戦翅・両翅(モロハ)は、壁に映し出されるシンジの姿を見ながら呟いた。


<休息の日の過ごしかた>


翌日、世界中で雨が降っていた。
天候までおかしくなっているため、ときどきこういうことがあるらしい。
そして、堕天翅の襲撃が一切起こらないのもこういう日だけだった。雨が苦手なのかはいざ知らず、本当に襲ってこないのだ。
それに、雨が降っているとなんとなく気持ちが憂鬱になる。
そういう日こそ読書日和だと、シンジは図書室で本を読み漁っていた。さすがに世界中からエレメントを募っているだけあって、多くの書物がここにはある。
シンジはそこからオカルト関係の本を何冊か取り出し、貸し出しカウンターに持っていった。
今日の貸出し係りは麗花だった。

「あら、こんなに借りていって全部読めるの?」

「はは、本を読むのは好きですし、いろいろ調べてみたいこともありますから」

【旧約聖書と悪魔】 全450ページ

【堕天翅・そのルーツ】 全600ページ

【アポロニアス伝説】 全350ページ

これら全てで調べたかったことは、堕天翅についてだった。創聖の書のように専門的なことすべてが理解できるわけではないが、自分なりの考えをまとめたかった。
アリシア写本はシンジの頭で理解できるほど簡単ではなく、そこは仕方がなく断念したのだった。
一方、エレメントスクールでは昨日の戦闘について、エレメント候補生たちが話していた。
もちろん、シンジの変身についてである。神話的進化をしたケルビム兵を倒したあの力は、彼らにとって羨望や嫉妬の的となるのにちょうどよかった。
2軍はただでさえ出番が少ないのに、これでは自分たちのいる意味がなくなってしまう。闇討ち計画まで考え出されたが、麗花やソフィアの仕返しがあまりにも恐ろしくて、結局断念された。
逆に1軍である彼らには、シンジの力は今までとは違う戦いを考えさせられるキッカケになっていた。
シンジのように変身する力があったからこそ、あの進化ケルビム兵を倒すことが出来たのだ。
残り3機のベクターマシンには、そんな力は備わっていないことは創聖の書からのはっきりした。しかし、なんらかの策を講じなければ、シンジ一人だけに負担をかけてしまうかもしれなくなる。それは、絶対に避けなければならないことだった。
シリウスは一人、書斎で考えていた。
凄まじい戦いの記憶の中に、シンジと同じような眼をした堕天翅がいた。逃げ惑う人間たちを追いつめ、抵抗すれば容赦なく殺す。
自らが持つ、忌まわしい過去生の記憶。いつもは考えないように努めているのに、こんなことは初めてだった。
自分は昔から妹とわけ隔てられていると感じていた。
それは、シリウス自身に明確な過去生の記憶がないためだった。英雄の恋人の血をひくアリシアの人間ならば、それはとても重要なことだったのだ。
シリウスは自分を見てもらいたい一心で、多くの学問や武術に時間を費やした。そのための努力ならば、いくらでも惜しまなかった。
もっとも、それは妹に対する嫉妬もあった。
美しい十字架だった。ケルビム兵の身体が光りの粒子となって集約し、命が生まれた場所へ帰っていたかのようだった。
そして、荒々しい獣のごとき戦いだった。しかし、ガラスのように繊細な美を感じさせる光りの十字架。
シンジはどこから来て、何をしていたのか。
そこに謎を解く鍵があると、シリウスは考えていた。

ボーン ボーン・・・・・・

時刻を知らせる音がした。
よほど考え込んでいたらしい。時計を見ると、いつの間にか正午に差し掛かっていた。
傘をさしながら書斎から出ると、森のほうへ歩いていくシンジを見た。
『こんな日に森へ行くなんて』と一瞬シリウスは訝しく思ったが、図らずも空腹には勝てず寮へと歩いて行った。


<コテージ>


森の中にある壊れかけたコテージ。
誰も人が来ないし使っている様子がないので、シンジが勝手に掃除して遊べるようにしたのだ。
シンジは暖炉の炎で身体を温めながら、ゆっくりと調べ物をしていた。
簡単に要約された書物でも調べてみればわかるもので、堕天翅のことについておおよその検討はついた。
アルテミスが言っていたとおり、その昔、堕天翅にとって人間は食料や家畜と同レベルの存在だったらしい。今、自分たちがそうであるように弱い生き物から搾取してきただけなのだ。
それが、太陽の翼たるアポロニアスの裏切りにより立場が逆転、人間は禁断の果実の効力によって知識を身につけ、それによって様々な道具を使うようになった。アクエリオンはアポロニアスが造り、人間に与えた最初の究極破壊兵器だったのだ。
それならば、堕天翅族が人間を危険視する理由も納得がいく。
しかし、それならばどうしてエレメントたちはアクエリオンを操縦することが出来るのだろうか?
単に超常的な能力が扱えるというだけで、あの古代の破壊兵器を操縦できるとは思えない。自分やアポロたちのように過去生で堕天翅、もしくは関わっていたからこそ動かせるのではないだろうか?
そう考えると、このエレメント候補生には【第十八使徒・リリン】というあの事実が当てはまるのかもしれない。しかし、断定するには証拠も知識も足りなすぎるのが現状である。ここまで調べられただけでも良しとして、副司令に相談した方がいいだろう。

「シンジ、何をしているの?」

麗花の声でシンジは振り返った。
誰かに聞いてここまで来たらしい。

「さっきの本で調べ物だよ。堕天翅について少し、自分の定義をまとめたかったから」

「そう、おじゃましてしまったかしら?」

「ううん、ちょうど終わったところ。それで、ソフィア先生も誰かに聞いてここまで来たんですか?」

「!?」

麗花が驚愕した表情で振り向くと、そこには笑顔のソフィアが立っていた。
二人の周囲に発生した強力な重圧フィールドが、押さえきれない敵意の波動となって森を騒がせる。
鈍感王子は何が起こっているのか理解できず、不思議な顔をしているだけだ。話が長くなりそうな予感がして、借りてきた本を片付けだした。

「先生、若者たちの語らいをじゃまするなんてどうしたんですか?」

「語らいだなんて、そんなことを言って暗がりに彼を引っ張って何かするつもりだったんでちゅか!!」

「先生、○すばんエ○ちゅの真似はやめてください。むすめざかりは、とっくにすぎたというのに」

「――あら、森○子だなんてなかなか渋い趣味を持ってるじゃないの。下半身はまだまだ現役よ、もっともあなたは気をつけないと使わずに取っておいたまま、干からびさせてしまいそうだけど・・・・・」

突然、雨脚が強くなって雷鳴まで・・・・
しかし、争うばかりだった二人の心に強烈な連帯感が生まれた!!
何も二人っきりで事を為す必要はない。N64だってPSだって4PLAYを認めているのだから、3PLAYが認められないわけがない!!
その時、シンジは強烈な恐怖感に襲われた。
おそるおそる振り向いてみれば、そこには飢えた二匹の狼がハァハァ言いながらこっちへ迫ってくるではないか!!

『しっかりしろ、碇シンジ!!綾波が巨大化して迫ってきたときだって何とかなったし、初号機に取り込まれたときも脱出できたじゃないか!!』

シンジはひとかけらの勇気を奮い立たせると、落ち着いて質問した。

「あ・・あの?二人ともどうして息が荒いんですか?」

「ここまで来るのに全速力で走ってきたからよ」

と、ソフィアが言えば麗花も続く。

「どうして服を脱ぐんですか?!」

「汗をかきすぎて、不幸にも下着が濡れてしまったからよ・・・・」

「どうして僕を壁際に追いつめるんですかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

「「お前をおいしくいただくためだよ!!」」

―――ッ!!――めろ――!!

その声を聞いたのか、シリウスの脳を某【自由】を操縦するプラントの少年のごとく電撃が貫いた。
友のピンチとサーベルを引っつかみ颯爽と出て行こうとして、アポロに止められた。

「何をしている!!急がねば、彼の身がに危険が!!」

「――(首を横に振りながら)もう、遅いって・・・・」

シリウスは力なく崩れ落ちた。床に涙が落ちている。

「くっ!!あと少し、あと少しだけ危険を察知していたらこんなことにはぁぁぁぁ!!」

二人の悲しみにくれる姿を見て、理解できたエレメントは誰一人としていなかった。
さて、一方のシンジはというと二匹の狼に食べられてしまった・・・わけではなかった。
良くも悪くも、彼は碇ゲンドウの息子である。親子丼なんてやらかした男の遺伝子を持つ少年が、そう簡単に犯られてしまうわけがないのである。
清潔なシートの上では3人の男女が、いかがわしい愛の行為に耽っていた。
自称・不幸を呼ぶ女は2回目でダウン、白衣のセラピストもただいま4回目でダウンしかかっている。
バックで腰を持ち上げ、シンジは小気味よい音をたてながら攻め立てていた。

「イイッ!!シンジくん、最高よ!!壊れちゃいそうだわ、もうダメ!!イクッ!!イクゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」

「うっ・・・・僕もそろそろイキますよ!!う、うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ドクドクドクッ!!

白濁液が結合部からトロトロと溢れ出し、シーツに大きなシミをまた一つつくった。
二人同時に大きく息をして、それからゆっくりと離れた。
麗花はそれを眠そうな眼で見ながら言った。

「し・・シンジ、本当に経験ないの?こ、腰が抜けて立てない・・・・・」

「そ、そうよ・・・・すっごいテクニシャンじゃないの・・・・もう、ダメ・・・・できないわぁ・・」

シンジは苦笑しながら思った。
確かにシンジには経験はない。しかし、あの海の中で得た知識の中には、かなりスケベなものもあって勝手に覚えてしまったようなのだ。
ちなみにエレメント候補生の中で、もっとも経験豊富なのがピエールである。
二人はまだギンギンになったままのシンジの肉棒を、左右両方から丁寧に舐めまわす。
ついさっきまで何も知らない少女(処女)だったのに、今ではすっかり経験豊富な人妻のようになってしまった。汚れてしまった悲しみなんてどうでもいい、今はこの幸せを噛みしめたいのだから。
それに別の角度、特に右斜め下から見たシンジは思いの他かっこいいということに気がついた。それに、声を低くして喋ると○方○美ばりのセクシーボイスだということにも。
このことを、他のエレメント候補生(女子)が知ったりしたらさらにファンが増えることだろう。
ブラコンのシルヴィアはまず問題ないだろうが、母性本能の塊・クロエには気をつけなければならない。つぐみも今は興味なさそうだが、純情一直線なところがあるので要注意である。
さすがに我慢しきれなくなったのか、肉棒から大量の白濁液が吐き出され二人の顔にかかる。

「あむ・・んむぅ・・・・んぷぅ!!ああん、シンジくんったらこんなに出してぇ♪」

「あふ・・・すごぉい・・・・」

主の腰にしがみつき、彼の肉棒をまた愛おしそうに口に含む。淫蕩な水音がしばらくの間続いたかと思うと、上下に重なりあって濡れた陰部をさらけ出した。

「あうう!!私、私のココにちょうだい!!はやくぅぅ!!」

「わ、私もぉ!!シンジくんの精液、注ぎこんでぇ!!」

その二人の濡れた恥部に、交互に肉棒を挿入する。すでに何度も射精されたために、肉棒が引き抜かれるたびに精液が逆流して陰部をさらに濡らす。
一人3回から4回ずつ、交代でするようにリズミカルに力強く彼女たちを征服していく。
自分たちはすでに狂ってしまったのかもしれないと、ソフィアは思った。しかし、この空間全てが狂っていたとすれば、それは正常と判断されることになる。今この時は、彼女たちにとって最高のひと時だった。それがモラルに反することだと否定されようと、二人は喜んでシンジに身を委ねるだろう。

「あぁぁぁぁぁ!!イクゥゥゥゥゥゥ、イッチャウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」

「ひゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!出してぇぇぇ!!麗花のいやらしいトコロに、たくさん出してぇぇぇ!!」

そうして3人がエレメントスクールに帰ってきたのは、ちょうど夕方に差し掛かった頃だった。
生徒たち全員の眼が、シンジに注がれていた。そりゃ細腕にもかかわらず、二人も美人を抱きかかえていたりしたら当然だろう。

「なぁ、シンジ・・・・・?」

そんな彼に最初に声をかけたのは、エレメントスクール随一のプレイボーイことピエールだった。
しかも、何かいい具合に眼が据わっている。

「お前、その状態は何なんだ?俺たち男子生徒に対して、幸せをアピールしようという魂胆か?」

「君の想像していることはわかってるつもりだよ」

シンジは二人を器用にも、優しくソファに降ろしながら答えた。

「だけど、それは誤解だよ。森の中に入ってきた二人を少し脅かしたつもりが、思ったよりも効果を挙げちゃってね。腰を抜かして立てなくなったから、僕がここまで抱いてきたんだ」

「おいおい、それにしちゃ二人とも顔の艶が良すぎやしねぇか?」

簡単には逃げ切れなさそうだ。しかし、他人の顔色だけを伺って生きてきた14年の人生経験はダテではない。シンジは少し悲しそうな顔をして、なおもイイワケを続ける。

「落ち着いて考えてよ・・・僕は手を尽くしてここまで二人を連れてきた。それこそ僕の力の限界を超えてだ。それでも状況的に二人をどうこうできるだけの思考力は、僕には一つも残ってなかったんだ。それでこのような結果に到達したんだから、僕の努力の賜物と思ってここは・・・・」

「シンジ・・・・つらいのはわかる!!正直に告白しろよ、二人に『食べられたんだろう』!?」

その危険な言葉が作り出した状況を表現するならば、これしかないだろう。

――時は止まった・・・・そして、時は動き出す!!

数秒後、そこにあったのは『ピエール』と呼ばれていたタンパク質の塊だった。
踏んではいけないトラの尾を踏んだ結果と言えばそれまでだが、あえてそれに挑戦した彼にあえてこの言葉を送ろう。

『ピエール・ビエラに敬礼!!』


【つぐみ】
ねぇ、ジュン君。先輩たち、けっきょく何してたのかしら?

【ジュン】
つぐみさん、世の中には知らないほうがイイこともたくさんあるんだよ。

【つぐみ】
そうかなぁ〜・・・はっ!!もしかして、先輩が逆に!!イヤァァァァァァァァ!!

【ジュン】
つぐみさ〜ん・・・・行っちゃった。僕一人で次回予告しろっての?!ま、仕方がないか。次回、創聖のアクエリオン『はだしの戦士(仮)』!!来週は脱いじゃうぞ!!


長らくお待たせしました、久しぶりの投稿でございます!!最近、少しずつ涼しくなってきて台風の季節がゆっくりと近づいてきています。場所によっては地方はそんなに被害はありませんが、常に被害に晒される場所に住む方々は気をつけてお過ごしください。
今回はバトルを盛り込みすぎて、18禁にはあまり感じられない作品になってしまったかもしれません。膨らんでいくイメージを、関節にまとめて文章にするのは難しいです。
シンジには変身能力はありますが、それを本格的に使うのは後編に差し掛かってからです。

さて、レス返しです!!

【カルマ様】
始めまして、ご感想ありがとうございます。とんでもないことになって、今回その結果が出ました!!アポロとシリウスのコンビ、仲がいいときもあれば、その逆もしかりです。シンジはこれからも隠れイイ男として活躍していくことでしょう。

【erer様】
前回に引き続き、レスをありがとうございます!!シンジはこんなふうに反応しました。あの海から帰還すれば、こんな知識も満載だと思ってます。

【ワレサ様】
ご感想ありがとうございます!!壊れたお話を考えるのは大変です。特にシリウスは【銀魂】のイメージが先に立ってしまって、はっちゃけさせるレベルの調整が難しいです。
ショタソフィアはあなたのおっしゃるとおり、EVASSにたまにあるリツコやミサトの影響です。もっとも、リツコのように【無様ね・・・】とは言いそうにないキャラです。

次回は本編で言うと、【はだしの戦士】にあたる内容にするつもりです。このSSには作者のアイディアが盛り込まれやすいので、原作とは少し違う物語が多くなると思いますがご了承ください。
これからも応援やご感想などありましたらば、ドシドシおねがいします!!
では、次の物語で!!また、お会いしましょう!!

BACK<

△記事頭

▲記事頭

PCpylg}Wz O~yz Yahoo yV NTT-X Store

z[y[W NWbgJ[h COiq [ COsI COze