序章
人は悲しみの中では生きていけない
その悲しみが理不尽に与えられたものならば、我らは喜んで報復を唱えよう
仲間が傷つき倒れたならば、我らはその魂に誓って生きていこう
それが、我ら狼の掟なり!!
民芸書房刊 『餓狼〜牙たちの生き様』より抜粋。
金色の少年が住んでいた。
いつも理不尽な怒りにさらされていた少年は、大きくなって立派な牙を持った。
焔の葉団扇を背負う少年がいた。
金色の少年とともに牙となり、二人は友になった。
ある日、葉団扇の牙は金色の少年に許しをこいた。
金色の少年が驚いてたずねると、驚くべき事実が判明した。
金色の少年に巣食う魔物は、葉団扇の少年の一族が起こしてしまったのだという。
金色の少年はその罪を許した。
なぜなら、二人は本当の友達だったから。
やがて時は過ぎ去り、二人は立派な狼に成長した・・・・
雲隠れの中隊は今、本物の死の恐怖と対峙していた。
仲間のほとんどは二人の牙に狩られ、タンパク質の塊になって地面に転がっている。
『餓狼の牙は一騎当千。決して逆らうな、偽るな』
作戦は完璧なはずだった。
偽りの任務をでっちあげ、待機している仲間と狼を挟み撃ちにし手柄を立てる。そうすれば、また忍者が裏の世界に返り咲くことが出来ると。
それがどうしたことだろう。ものの数分と経たずに仲間は殺され、いまや生きているのはほんの数名だけになってしまった。
いまさらながら、四代目を激しく呪った。
九房の金髪が月明かりに輝き、自分たちに向かって走り出した。
忍者たちは最後のチャクラをつぎ込んで大技を放った。
凄まじい爆発音がとどろき、地面が大きく揺れた。
「やったのか?!」
「おそらくな・・・・あれで生きていたら・・・あ・・あ・・ああ!!」
「ん?どうし・・・!!ひぃぃぃぃ!!」
九房は死んでいなかった。体には傷ひとつなく、着ている学ランも破けていないそればかりか、血のように輝く瞳で自分たちを睨んでいる。
「あほか?これだからてめぇら忍者は、時代遅れなんて言われるんだよ!!」
「う・・・うそだ・・・!!化け物?!人間じゃない!!」
「ああ・・・俺は人間じゃねぇ!!」
そう声が響いてすぐ、闇を切り裂くような叫びが森にこだましたのだった。
九房の少年が池で血を洗い流していると、もう一人の少年が現れた。
「首尾は上場か?ナルト」
「ああ。簡単すぎてへそが茶をわかすってばよ!!お前はどうだった、カムイ?」
「ふん・・・雷影の奴、証文にサインしながらベソかきそうになっていたからな。今回のことで、二度と俺たちに逆らいはしないだろう」
「それより明日から木の葉だってばよ。ミス・バラライカからの依頼は済んだからいいけど、張大哥からもうきてんだ!!」
「お気に入りはつらいな。がんばれ」
「心がこもってねぇぞ!!」
この二人、『ナルト』と『うちはカムイ』こそは後に時代に大きな渦を巻き起こす存在だった。
あとがき
お久しぶりです。始めまして、こるべんとです。
今回は長編に挑戦しようと思い、久しぶりに投稿しました。
それゆえに技の効果や人物など、他のゲームや漫画からイメージしたものも多く存在します。
また、この作品はアンチサスケ・サクラなのでそういったものがお嫌いな方は拝読をご遠慮ください。
ゆっくりペースでの投稿となりますので、気長に次回をお待ちください。
できれば、2本立てにしようと考えています。
よろしくおねがいします!!
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