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「鬼畜将ランス〜第二十三話 『旧友』達との再会〜(鬼畜王ランス)」

B-クレス (2006-02-09 22:52)
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ウシ車に乗って砂漠を越え、さらに『ヘルマン第四軍』統治下である『スードリ13』を迂回する形で

ランス達はヘルマン第二軍が統治する『スードリ17』へと到達していた・・・


「将軍さん、そろそろ着きますよ」

ウシ車の御者をしているバウンドが、荷台で横になって休んでいたランスに声をかける

「ん・・・・ようやく着いたのか・・・」

ランスはその声に、ゆっくりと起き上がると、首を軽く鳴らしていた

「スードリ13を迂回しなきゃ流石に不味いですし・・・

 今回は万が一でも見つかった場合、『商人』じゃあ誤魔化しきれないからいつもより遠回りしましたからね」

ランスの言葉に、バウンドは苦笑しながら答えた

「そうなのか・・・」

ランスはそう言いながら、ゆっくりと全身を動かし始めていた

「・・・ち、ちょっと兄貴、止まったほうがいいよ!!」

望遠鏡でウシ車の進行先を見ていたソウルが、バウンドに向かって半ば叫ぶようにそう言った

「どうしたんだソウル・・・?」

バウンドはそう言いながらも、ソウルの言うとおりにウシ車を止めていた

「兄貴もこれ見て!!」

ソウルはそういうが早いか、自分の持っていた望遠鏡をバウンドに押し付ける

「一体何が・・・・!?」

ソウルに促されるまま望遠鏡を覗き込んだバウンドは、驚愕の表情を顔に貼り付けたまま、動きを止めた

「どうした、一体何があったんだ・・・?」

ランスはそういうと荷台から出てきて、バウンドとソウルを軽く一瞥した後

バウンドの持っていた望遠鏡を硬直しているバウンドから奪うようにとると、同じくウシ車の進行方向を覗き見る・・・するとそこには・・・・


「ヘルマン第二軍・・・戦闘態勢でこちらに向かっているのか・・・」

ヘルマンの国旗と、さらに『弐』の字の旗を掲げている、重装甲の兵団が向かってきている所が映っていた

「・・・・マスター、一気に殲滅しますか?」

ランスが荷台から出たことでおきたのだろうか? やや寝ぼけ眼のジルが、平然とした口調でそういう

「アリストレス将軍が一体何故・・・?出迎えにしては少々多すぎますし・・・」

ジルにやや遅れる形で外に出てきたアミランが、ランスの言葉に反応して、独り言をもらす


「・・・・取りあえず様子見だ、俺とアミラン、ジルが前に出る、二人はウシ車に乗っててくれ、最悪の事態になったら急ぎ撤退する」

しばらく、望遠鏡をのぞいたままの姿勢でいたランスだが、望遠鏡から目を離すと即座にそう言い放った

それと同時にジルは手持ちの水を軽く煽り、意識の覚醒を促した後、ランスの右隣に控える形で佇み

アミランも用心のためにとヘルムを被り、母親の形見でもある剣を腰につけると、ジルに対抗するようにランスの左隣に陣取り

ランスは手持ちの小袋から、携帯用の保持食品・・・干し肉と、小さな丸薬のようなものを軽く齧り、水で一気に流し込んだ後

剣を腰につけ、さらに自然体に近いが、いつでも回避、戦闘行動を取れる体勢で前方を睨みつけるように立った


それからまもなく、望遠鏡で見えた旗を掲げた重装甲の兵士達が、ランスの眼前で布陣するように立ち止まっていき

『鶴翼』と呼ばれる陣形に近い隊列になった後、ゆっくりと、男が二人、ランス達の方に歩きよっていった


そのうちの一人は、他の兵のように重装甲の鎧を着た、赤い長髪の男で

もう一人は、青い髪の、鎧を着こんではいるが・・・隣の男に比べると肌が出ている部分が多いが

たとえそれでも、さほど差はないと思えるほど、『筋肉』が鎧とでも言わんばかりに筋骨隆々の男であった


「あれは・・・パットン王子にヒューバート将軍・・・」

アミランがその二人の姿を見て、そう呟いた・・・

そして、ランスはその呟きを聞くと、急に笑みを、小さく笑うように浮かべた


「よぉ・・・鼻血を出して、プルプル震えながら剣を構える覚悟は出来てるか?」

筋骨隆々の、青い髪の男が、ランスに向かって、何かを試すようにそう言った

ランスはそれを聞き、さらに笑みを深くするとその男を軽く睨んでこういった

「そういうお前こそ、涙と鼻水で顔をグシャグシャにしながら殴る準備は出来てるのか?」

それを聞き、青い髪の男も軽く笑う・・・・・そして・・・

「このやろぅ!!」


「なめるなぁ!!」


  バキィィィィッ


ランスと、その青い髪の男が急に拳を振りかざし、お互いに顔面を殴りあったのだ

「「なっ!?」」

その光景を見て、ジルとアミランが驚愕の声を上げるが・・・・

「このやろぅ!!生きてたんなら一言ぐらいよこせってんだ!!」

青い髪の男が、満面の笑みを浮かべながら、その殴りかかったほうの手を、ランスの頭にグリグリと押し付けだしたのだ

「い・・・イテェって!!御前の馬鹿力でやられたら頭がへこむだろうが!!」

そしてランスも、満面の笑みを浮かべて、それを甘んじて受けているようだった

「・・・二人とも、懐かしいのはわかるがとっとと町に戻るぞ、そっちの穣さん達が唖然としてる」

赤い髪の男が、軽く笑みを浮かべながらも、その二人を見て軽くため息をつくと、そう言った

「あぁ、そうだな・・・んじゃ、いくか、ヒュー、ランス」

「だから、一端放せっていってるだろうがパットン!!」

ランスを抱えたまま、『パットン』と呼ばれた男は軍を率いて町のほうへと向かっていった

アミランとジルも、しばらく呆然としていたが・・・バウンド達に声をかけられると、即座に町へと走っていった


スードリ17 パットン軍司令部

パットンに引きずられたまま、ランスは其処へとたどり着いた

そして、ランスがパットンによって強引に椅子に座らされてまもなく、ジルとアミランも到着した


「・・・この馬鹿は!!軍を率いて何をするかと思ったら・・・!!」

そして、到着したばかりのアミランとジルが最初に目にしたものは・・・

黒い髪をした、額の中央に赤い宝石がある女性・・・『カラー』と呼ばれる種族の女性が

パットンと呼ばれていた男性の耳を、思いっきり引っ張っているところだった・・・

「まぁまぁ・・・ハンティ、パットンも悪気があったわけじゃ」

「悪気があったら絶対に許すわけないだろ!!大体ヒューバート、あんたがついていながら・・・!!」

助けに入った赤い髪の男性も、ハンティと呼ばれた女性に睨みつけられ、説教の相手にされてしまっていた

「やれやれ・・・・っと、すまんのアミラン殿、適当に座っておいてくれ」

青い帽子を被った、全身が鋼鉄で出来ている、老人と思わしき人が、呆然としているアミランとジルに着席を促した


そして、結局ハンティがパットンとヒューバートへの説教を終えたのは、約一時間後だった・・・・


その間に、ランス達は簡単な自己紹介をしあっていたが・・・その間も説教は止まってはいなかった事をここに記しておこう


「やれやれ・・・ずいぶんと待たせてしまって申し訳ない」

そう言いながら鋼鉄の老人、『フリーク』という名の魔法使いが、ランス達に軽く頭を下げた

「い・・・いえ、御気にせずに・・・・」

アミランは、苦笑いを浮かべながらそう言った

ランスとジルは、真剣な眼差しで、周辺の地図を見ていた・・・・

ジルは純粋に『暗記』しておく事でランスの役に立つ為に、ランスは『軍略』の状態を確かめる為に・・・だったが


「さてと・・・それじゃあ改めて軍議を始めよう」

先ほどまで説教されていたパットンが、そういうと同時に、今までどこか緩んでいた空気が一気に張り詰めた


「まず・・・こちらが第一軍の状態です」

そういうと、アミランがアークグラード周辺の地図と、小さな駒を取り出し、その地図の上に配置していった

「リーザスとの同盟が締結されたので、ログAの部隊の多くをシベリア方面に

 さらにログBの部隊をほぼ全軍アークグラードに移動させ、第五軍に備える形をとっています

 最近の飢饉や今までの重税によって一番懸念されていた兵糧も、リーザスと盟約を結んだことで自由都市方面から輸入可能となり

 さらに砂漠を経由することで、大量にとは行きませんが、ある程度の兵糧をこちらに移送可能になりました」

 アミランはそういうと、地図上に配置していた駒を次々と移動させていき、現在の軍の配置を示していった

「ふむ・・・ではワシ等、パットン・第二軍の混合軍の状態じゃが・・・」

そういうと、フリークが同じように広げられていた地図上に駒を一つ一つ置いていく

「現状は見てのとおり、各町に駐在軍を置いている状態じゃ・・・

 戦端が開かれ次第、ローラングラードとスードリ17に全軍をかき集める・・・

 じゃが、現在はある懸念がある為、早々迅速には動けん状態になっておる」

「・・・・懸念?」

フリークの言葉に、ランスが反応して声を漏らすと、フリークは深く頷き、ハンティの方を見た

「うむ・・・クリスタルの森に住むカラー族が・・・人間へと復讐せんとは限らんからの・・・」

ランスはその言葉を聴くと、顔を曇らせた・・・・

カラー族・・・ハンティと呼ばれる女性も同種族なのだが、カラー族はかなり特異な特性を持っている

その特性とは・・・まず、『女性』しか生まれないというものであり、さらにその全てが『美女』になるのである

他にも『成長』が早く、三ヶ月程度で『五歳児』並に成長することなどもあるが・・・・

一番の特性は・・・・『額』にあるクリスタルが外れると、『死んでしまう』事だろう

それならばクリスタルが外れないように生きていれば良いのだが・・・・

しかし、それはその『クリスタル』の持つ特性が、許してくれなかった・・・・

カラー族のクリスタルは・・・最初は『赤色』なのだが・・・一度でも男性に『抱かれる』と、クリスタルの色が変化するのだ

そして・・・変化したクリスタルは・・・『大陸屈指』の破壊力を持つ武器になるのだ

しかもそれは形状を問わない・・『剣』にも、『杖』にも、『指輪』にもなるのだ・・・・

そして、カラー族自体の『戦闘能力』は極めて低い・・・・

その結果・・・多くの『武器』を求める人間達によって、多くのカラーが『犯され、殺されて』きたのだ

しかし・・・カラー族には先ほども言ったように『女性』しか生まれない

そして、子を成す為には・・・『人間の男性』が相手でなければいけないという特性もあったのだ・・・

つまり・・・カラー族にとって人間は・・・『繁栄のために必要な相手』でもあるが、それ以上に『略奪者』なのだ

そして、この陣形ではどうしてもそのカラー族がすむクリスタルの森に接している部分の兵が少なくなり・・・

もしも、第三、第四、第五軍を相手にしている際に、カラー側から攻め込んできた場合、防ぎきれない可能性が高いのだ・・・


「何とかハンティの力を借りて話し合いのテーブルだけは用意できたがの・・・」

「肝心の説得相手が思いつかなくてね・・・・

 流石に相手も『カラー族の女王』なんだから、下手な使者じゃあ無礼になるし・・・

 かといって将軍は誰も動かせない・・・・

 転移魔法が使える私が行ってもいいんだけど・・・カラーとカラーの話し合いじゃあ意味がないしね」

フリークの言葉に、ハンティが繋ぐ形で現状をランス達に説明していった・・・・

「・・・同盟を結んだ際にこちらから用意するものは?」

ランスが、軽く考え込んだ後に、そうパットンの方を向いていった

「・・・正直思いついてないな・・・」

パットンは、やや渋い顔をしてそう言った、するとランスが再び考え込むそぶりを見せ・・・


「・・・ヘルマンで使うボウガンを約2000・・・いや、1000でも良い、できれば新しいものを・・用意できるか?」

「そりゃ用意できるけど・・・・・・武器を同盟の印として送るつもり?」

ランスの言葉に、ハンティがやや顔をしかめながらそう言った

その言葉に、ランスは深く頷いた後口を開いた

「あぁ、もともとカラー族は俺達人間とは実質常に敵対関係に近かったんだ

 それに・・・カラー族は人間達の様に武器を発達させて言ったとは到底思えない・・・

 恐らく遠距離武器は弓か・・・魔法か、その辺りだろう

 それだったら、初心者でも比較的楽に扱えるボウガンを大量に送った方が相手も喜ぶだろうさ

 この同盟もあくまで『軍事同盟』に過ぎないんだ・・・・なら、相手の武装を整えさせてやった方がまだ信頼は勝ち取れると思わないか?」

ランスの言葉に、フリークもしばらく考え込んでいたが・・・・・

「・・・確かにそうじゃな、金を送ったところで意味はない、食料もあちらは十分にあるじゃろう

 ただ無いのは自衛の手段のみ・・・・・ならば武器を送った方が良い筈・・・」

「・・・わかった、同盟を結ぶ際の此方からの贈り物はボウガン2000とその矢を8000にしよう」

パットンはそう言うと、即座に伝令の兵に準備をするように伝えた

ボウガン2000・・・・それは一軍を完全武装するには十分な量だ・・・

それを、いくら後方を突かれる恐れがあるとはいえ、その気になれば一思いに潰せるであろう小勢力のカラー族に送る・・・

それだけの贈り物をしてでも同盟を結ぶ必要があるという事・・・・

それは逆に言えば、これから起こるであろう戦争が、かなり厳しいものになるであろうことを物語っていた・・・


「後は肝心の使者なんだが・・・・」

「俺が行こう、現状の将軍が全員動けないなら、特に指揮する軍も無い俺が行ったほうがいいはずだ」

パットンの呟きに、即座にランスがそう返した

実際、ランスがいくらレリューコフの実子として認められても、即座に一軍を渡せるほど、戦力に余裕は無かったのだ

残ったガンジー達も、独力で兵を集め、それを束ねているのが現状だった


「・・・そうだな・・・すまないが任せる」

パットンも、現状を再確認しなおすと、ランスを同盟の使者に任命することが最善と考え、それを実行することにした・・・


その後、簡単に同盟の際の条件などを話し合ってから・・・今日は解散となった


ランスは明日には即座にカラー族の村へと向かうことになり、今日はゆっくりと休息をとることに決定した


そして、全員が思い思いに散り始めたときに・・・ランスはヒューバートに声をかけた


「ヒューバート・・・その・・・すまない」

「ん?・・・どうして御前が謝るんだ?」

「・・・御前の親父さんを・・・トーマさんを・・・俺は・・・この手で・・・」

最初、ヒューバートは何に対して謝っているかと思ったのだが・・・・

その後のランスの言葉で、何についてか理解した・・・・

LP暦三年、ヘルマン軍によるリーザス城制圧、そしてリーザス軍残党による解放作戦の際に

ヒューバートの父・・・ヘルマン第三軍総大将、トーマ・リプトンは、リーザス城本城の門前にて仁王立ち・・・ランス達と壮絶な死合を繰り広げたのだ

そしてその時に・・・トーマは城の上部で爆発が起こった際、急に後退し、城内部へと消えた・・・

その後、トーマの遺体こそ発見はされなかったが・・・・先に与えられていた負傷と、魔人が放った魔物の数から・・・『死亡』しただろうと考えられていた


「馬鹿野郎、あれはあくまで戦場で起こったことだろうが・・・・

 仮に親父があれで死んでても、俺は御前を恨んだりはしない」

「だが・・・俺は・・・・・ん?」

ヒューバートの言葉に、さらに返そうとしたランスだったが・・・・ある一つの言葉に気づいた・・・

そう・・・ヒューバートは『仮に親父が死んでても』といったのだ・・・という事は・・・

「気付いたか?親父は生きてるよ・・・まぁ、シーラ様の護衛で表には出れないけどな・・・

 ・・・リーザス側には悪かったが・・・あの作戦は大規模な『囮』だったからな・・・」

「・・・囮?」

ヒューバートの言葉に、ランスが驚愕の表情を貼り付けたまま質問する

「あぁ、囮さ・・・あの頃からステッセルの野郎が何をしているから大体つかんでたからな・・・

 後・・・ミネバの糞野郎が謀反を企んでたことも感づいてた・・・・

 だから、危険だとは思ったが魔人の誘いに乗り・・・・一気に『炙り出す』事にしたのさ

 退路はハンティが確り確保してくれてたからな・・・だから親父も無事に撤退できたのさ」


ヒューバートはそう言うと、笑みを浮かべた・・・・

 さらにその後、ついでに言うように『闘神都市は半ば本気だったけどな』というと、その場から立ち去っていった


ランスは、しばらくその場で呆然としていたが・・・ジルが探しにくると、そのまま引っ張られるようにして宿へと戻っていった


そして翌日・・・ランスはウシ車を使って、カラーの森へと向かうことになった

バウンドとソウルの兄妹は、パットン軍側からの情報を伝える為に既に旅立っており

アミランも、『一軍』を率いる必要があるのでバウンド達と一緒に戻っていった


その戻る前に・・・ジルと再び『冷戦』を繰り広げたのは・・・言うまでも無いだろう


今は静観状態だが、いつ爆発するかわからない爆弾のようなヘルマン

その情勢の中、ランスは『カラー族』の女王との同盟締結の為に動き出す

そのカラー族の女王との出会いが、大きな運命の『糸』を手繰り寄せる事になり・・・


そしてそれにより、再び世界は大きな戦乱へと突き進んでいく・・・


あとがき

・・・・申し訳ありません、半年以上放置してました・・・orz

もう誰も覚えてないでしょうが・・・取りあえず本気でごめんなさい

スランプが戻ったと思ったら個人的な用件が重なりかけなくなり

またスランプに突っ込んで一端書いたものを全部消してまた推敲し直しを続けてました

その結果こんなに遅く・・・・真に、真に申し訳ないです・・・・

もしも、どなたか待っていてくださった方がいたら・・・本気でゴメンナサイです

取りあえず物語の『形』は出来ているので・・・勢いさえ乗れば何とか進むと思いますが・・・

次は・・・半年以上放置しないように・・できれば来週までにかけるように頑張ろうと思います

最後にもう一度・・・本当に、申し訳ありませんでした

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