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「来訪者、横島忠夫 第6話(鬼畜王ランス+GS)」

真空ワカメ (2006-01-19 23:00)
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「う〜ん小竜姫ではダメですか?」

「せや、そんな無難な奴じゃおもろうない!」

「でしたらワルキューレ……」

「おんなじやろうが」


毎度お馴染みになりつつあるここは神界のとある場所。
サっちゃんとキーやんは横島を助ける人物を決めるために議論を進めていた。


「小竜姫とかワルキューレはもう他のSSでは定番やねん!
 そんなありきたりなキャラじゃ読者は納得してくれへんでキーやん!!」


興奮している為か早口になり喋る時に唾が激しく飛んでいる。
ちなみに唾は一滴残らずキーやんに降り注がれている。
それでも怒らないキーやんは流石神族の最高指導者、さほど気にせず話を進めていく。


「……言ってる意味がさっぱりわからないですよサっちゃん…」


どこからか取り出したハンカチで顔を拭いながら言う。


「…すまん。少し冷静にならんとあかんわな」

「そうして下さい。しかしその二人がダメとなると誰がいいか少し悩みますね」

「まあそうやな」


そう言いながらもあっさりと冷静さを取り戻したサっちゃんの頭には既に一人の人物がピックアップされていた。
だが直ぐには口に出さずキーやんの考えを聞いてみるつもりなのだ。
もしかすると自分の考えを超える人物が挙がるかもしれないからだ。


「う〜ん…ヒャクメなどはどうでしょうか。彼女の「目」は間違い無く横島君の力になると思いますが」

「確かにヒャクメの能力は捨てがたいけどなぁ、あいつ自身に直接戦える力も無いし最初に送る人物としてはどうかと思うねん」

「……そうですね。彼女では逆に横島君に守ってもらわないといけなくなるかもしれませんね」

「そうやろ、性格もヘタレやからよこっちみたいにあっちの世界に適応できそうにもないしな」

「ははは……でしたらベスパかパピリオはいかがでしょうか?横島君との仲も悪くは無いですし
 彼女達の戦闘能力は十二分に助けになりますよ。」

「あかんあかん。ベスパはなんだかんだでよこっちとは完全に仲直りしてへん。
 そんなあいつがこの話を受けるかいな。パピリオはその点は大丈夫やけどあの子はまだ子供やで?
 キーやん、子供にそんな危険な所に行かせる気か?」

「う……まさかサっちゃんがそんな人道精神溢れることを言うとは思いませんでしたよ」

「どういう意味や固羅?」

「あて字は下品ですよサッちゃん」

「やかましいわい」


少々ピリピリした空気が流れる。
キーやんも自分の意見がことごとく一蹴されて多少ムカついたのかもしれない。


「……どうやらキーやんの意見は出尽くしたみたいやな?」


気を取り直したのかサッちゃんはにやりと笑いながら言う。


「とりあえずは、ですけどそうですね…サっちゃんは何か良い人物を知っているのですか?」

「ふっふっふ。任せとかんかい!これがわいの取って置きや!」


手に持った写真を勢い良く二人が囲むテーブルに叩きつける。
その写真に写る人物を見た瞬間、キーやんの顔が驚愕に歪んでしまう。


「なっ!………」

「くっくっく、驚きのあまりに声もでんみたいやな」

「……………」

「どうや、わいのナイスな人選。彼女の特殊能力はきっと役に立つやろうし戦闘能力だって抜群や!」

「……確かに、能力面では申し分ないです」

「せやろせやろ。よっしゃ、そうと決まったら早速呼び出して送るで!」


言うや否やサっちゃんは出口に向かい走り出していく。


「ってちょっとサっちゃん!本気で彼女にするつもりですか!それは流石に横島君が…遅かったか…」


既にサっちゃんはその場からいなくなっており、キーやんの悲鳴のような叫びも意味が無かった。
キーやんは諦めの表情を浮かべ、溜め息を吐いた。

「横島君……申し訳ありません」

懺悔の気持ちをキーやんは素直に口にした。

写真の人物は不適な笑みを浮かべるだけであった。


来訪者 横島忠夫 第6話


「へぇ〜ハウゼルさんって双子の姉がいるのか」

「そうだ」


横島とサテラは二人でだらけながらくっちゃべっている。
横島が魔王城に来ておよそ3週間が経った。
気がつけば横島はすっかり魔人連中とも打ち解けており中々楽しく日々を過ごしていた。
最初は反発していたサテラも今ではすっかり打ち解けて気軽に喋る仲になっていた。
サテラはほぼ毎日と言っていいぐらいこうして横島の部屋に来ている。


「でもさぁ、まだ見たことないんだけど俺」

「……サイゼルは私達の敵のケイブリス側についている」

「はぁ?なんでハウゼルさんと敵対してるんだ?」

「ハウゼルとサイゼルはあんまり仲が良くないんだ。と言ってもサイゼルが一方的に反発してるだけだけど。多分そのせいだと思う」

「…姉妹喧嘩で戦争かよ。それはそうとそのサイゼルちゃんは美人なのか?」

「……ヨコシマ、お前ハウゼルに手を出しておいてサイゼルにも手を出す気?
 ハウゼルに燃やされる羽目になってもサテラは助けないよ」


思わず噴出してしまう横島。
既に何度もハウゼルの手によって燃やされている横島にとってその脅しは非常に効果的だった。


「うぅ……っていうかハウゼルさんに手は出しとらん!」

「なんで?」


きょとんとした顔でサテラが質問する。
妙に子供っぽい表情をしておりそれがサテラの容姿に合いとても可愛らしく映った。


「いやなんでってお前………確かにハウゼルさんはええね〜ちゃんやけど
 その、なんで俺なんかに惚れてるのかなって思って……」


魔王城に住む事になって以来、ハウゼルは横島に対しての好意を全く隠さず、積極的にアプローチも
しているので割と鈍い横島にも彼女の気持ちがはっきりと伝わっていた。
セクハラしまくりのわりに意外と初心な横島は彼女のアプローチにむしろ戸惑っていた。
ここまで露骨な好意をぶつけられた事がほとんど無いからそれも仕方が無いかもしれないが。


「俺なんかってそんなに自分を低く見なくても大丈夫だぞヨコシマ」

「え?」

「ヨコシマは魔人(主にメガラス)に勝てるぐらい強いし、話をしてても面白い。顔だってそんなに悪くないし
 サテラは結構ヨコシマの事好きだぞ。だから俺なんかって言わなくてもいいぞ」

「あ〜〜ぅ〜〜」


横島が顔を赤くしてしまう。
サテラの言葉に深い意味が無いのは分かってはいるがそれでも面と向かって好きと言われるのは照れてしまう。


「その、なんだサテラ。……ありがとな」

「ふふふ、ヨコシマ照れてるな。結構かわい…い…」


微笑みながら横島と喋っていたサテラの表情が突如凍りつく。
気がつけば横島の部屋の扉が空いており入り口にはハウゼルが。


「サテラが忠夫さんを好きってサテラが忠夫さんを好きってサテラが忠夫さんを好きって……」

「あわわわわわ、ヨ、ヨコシマ馬鹿!何時まで照れてるんだ!」

「え………(顔が凍りつく)」

「は、はやくハウゼルをなんとかしろヨコシマ!」

「……さっきサテラは俺が燃やされる羽目になっても助けないって言ったよな」

「!!い、いや、それは言葉のあやで!」


横島が親指をぐっと立てる。もちろん、良い笑顔もセットだ。


「Good Luck!生きていたらまた会おうサテラ(歯が輝く」

「覚えとくんだぞヨコシマ〜〜〜!!」


言いながら全速力でその場から逃げ出すサテラ。


「逃がしません!サテラ、お仕置きです!!」


美しい羽で空を飛び、勢い良くサテラを追いかけるハウゼル。


「またですか横島さん」

「あ、ホーネットさん……とシルキィさん」

「サテラも懲りないな」

「そうねぇ。最近ようやくシルキィが慣れてきたと思ったら今度はサテラですか」

「う……」


嫉妬に身を焦がしたハウゼルが暴走するのはもはや日常茶飯事になっていた。


「しっかしやけに平和っすねえ」


横島が独り言のように言う。
横島が魔王城に来てからのおよそ3週間。
魔王城では全くイベントらしきものが無かったのである。
しいて言えば上のハウゼルの嫉妬とメガラスの玉砕(笑)があるがそれも日常と化しイベントとは言い難くなっている。


「確かここって戦争中じゃなかったんですかホーネットさん?」

「そうですけど、何故かここの所ケイブリス軍からの攻撃が止んでるんですよ」

「はぁ」


横島は知らなかった。
ケイブリス軍の攻撃が止んでいる理由がケッセルリンクのご乱心だという事に。
知らない内に横島はホーネット派にプラスになる行動を取っていたのだ。


「まあ攻撃されないに越した事は無いからそれはいいんだ。それより横島、お前メガラスを知らないか?」

「メガラス?いや、今日はまだ見てないっすけど」

「そうですか……サテラもどこかに行ってしまいましたし困りましたね」

「ん、なんか用事でもあるんすかホーネットさん?」

「はい、実は3人に頼みたい事が出来まして」

「なんすか」

「リトルプリンセス様の居場所がわかったんだ!」


シルキィが声を張り上げる。
台詞を奪われたホーネットがちょっぴり青筋を立てているがそこは無視しておく。


「え、リトルプリンセス様ってホーネットさん達が探してたっていうあの?」

「そうです。情報によるとリトルプリンセス様は人間領のリーザスという所にいるらしいのです。
 そこでサテラとメガラス、それに横島さんの3人でリトルプリンセス様の護衛について貰おうと思っています」


本当は真の魔王として目覚めてもらうよう説得をと考えているホーネットだが今は口にしなかった。


「サテラとメガラスはともかく俺もっすか?俺会った事無いんですけど…」

「リトルプリンセス様は元々異世界の人間です。
 同じ異世界の人間である横島さんが入れば心も落ち着くと思いましてね」

「あ〜確か動揺してたから逃げ出したんですよね?」

「はい」


これは真実とは言い難かった。正確には動揺して逃げたのではなく魔王になる事を拒否して逃げたのだ。
だがホーネットはあくまでリトルプリンセスが落ち着いてくれれば絶対に魔王になってくれると信じていた。
そのため横島にはそういったニュアンスで教えていたのだ。


「ん〜そういうことなら了解っす。」

「なんだ、あっさりOKを出したな。お前の事だから護衛と聞いて逃げ出すと思ったが」


辛辣に言うシルキィ。だが日頃の横島のへたれっぷりを見ていれば妥当な発言である。


「いや〜まあ護衛っつったってサテラとメガラスもいるんでしょ?だったら俺はのんびり
 応援に徹してても大丈夫っしょ」


どうやら自分が護衛する気は無いようだ。
シルキィとホーネットはそんな横島を見て呆れたように溜め息をついた。


魔王城にリトルプリンセス発見の情報が届く数日前。
ここ、リーザス城では大変な事件が起きていた。
突如、魔物部隊がリーザス城に対して攻撃を仕掛けてきたのである。
その為、リーザス軍は熾烈な迎撃戦を繰り広げざる得ない羽目に陥っていたのである。


「だああ!魔物の数が多すぎるぞ!」


目の前の魔物を一撃に死に追いやりながらもリーザス王ランスは愚痴を吐いていた。
ランス率いる緑軍は現在、城の防衛に専念していた。
だが緑軍は先日、自由都市ジオを制圧して帰って来たばかりでかなり疲労の色が残っていた。
ランス自身も体調は万全とは言えなかったがそれぐらいはどこ吹く風か
自ら軍の先頭に立って驚異的な戦果を挙げていた。


「あ〜うっとおしい!……ん?」


そのとき、上空から突然氷の矢が襲ってきた。
ランスは反射的にかわすことに成功したが回りの兵達はかなりの犠牲が出る。


「な、なんだぁ!?」

「あんたがリーザスの王ね」


上空には美しい羽を持った天使がいた。
また彼女の背後にも多数の天使達がいた。


「いきなり攻撃してくるとはいくら可愛い女の子でも許さんぞ!」

「ふふん。あたしは魔人サイゼル。今日はあんた達に警告に来たのよ。
 リトルプリンセスを隠してないでさっさとあたし達に渡しなさい」

「…リトルプリンセス?」

「そうよ!この国いるのはわかってるんだから早い所渡しなさい。
 そうすれば命だけは助けてあげるわ。あなただってまだ死にたくないでしょ?」

「…むかむかむか、リトルプリンだかプリンアラモードだが知らん俺様はそんなもんは知らん!
 お前は生意気だから俺様が直々にお仕置きしてやる!さっさと降りてきやがれ!」

「ふ〜ん。交渉は決裂ね。もういいわ、じゃあ死になさい」


それだけ言うと一斉に彼女の後ろにいた天使こと偽エンジェルナイトがリーザス軍に襲い掛かった。
ランスは交戦できているが他の緑軍は上空からの攻撃に全くと言っていいほど対応できず
どんどんと戦死者を増やしていった。


「こら、お前達!ぼんぼん死にすぎだ!もう少し遠慮しろ!」

「キング…帰ってきてすぐにこの戦闘ですから無理もありません」


一緒に迎撃していた赤軍の将リックがそういう。
そんなことはランスにもわかってはいたが、それでも言いたくなってしまうぐらいのやられ方だった。


「くっ……ちくしょう!!このままだとジリ貧だぞ、リックなんとかしろ!」

「ほ〜ほっほっほ!リーザス王、魔人に逆らった事をあの世で後悔しなさい」


勝利を確信しているかのような笑いをするサイゼル。
だが、勝利の女神は気まぐれだった。
突如、戦闘を行われていた場所に光輝く隕石のような物が落下してきたのだ。


あまりの衝撃に全ての戦闘行為が止まってしまう。


「なに!?なんなのよ一体!?」

「なんだありゃあ!?」


落下の際の土煙が徐々に引いてくる。落ちてきた「人」が徐々に明らかになってくる。
しかし、はっきりと見える前にその中心点から声が聞こえてきた。


「ここが最高指導者様が言っていた世界か…なんとも珍妙な格好をした輩が多いのう」


そういって「彼女」は片手を横なぎに振るった。
その瞬間、周りの土煙が吹き飛び更には周りにいた偽エンジェルナイトをも吹き飛ばし消滅させてしまう。


「な!?い、一撃であの天使を!?」


思わずリックが叫んでしまう。そしてその姿を見て固まってしまう。
ランスも同じく固まってしまった。


「私の偽エンジェルナイトを一撃でなんて……あんた一体何者よ!!」


サイゼルはしっかりと彼女を視認した上で叫んだ。


「わらわは


織姫!!


美しい十二単を身に纏いその豊満な大胸筋胸を見せつけながら彼女はそう言い放った。


「あ〜〜はっはっは!!これや、わいが求めてたんはこれやねん!!」


サっちゃんはのた打ち回りながら爆笑している。


「ほんっっっとうに申し訳ありません横島君!!」


キーやんは画面に向かって土下座をしていた。
こうしてGS世界からの横島の援護者は決まってしまった。


後書き


人に真似できない(しない)事をする俺に痺れて憧れて下さい。

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