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「帰還3(Zガンダム)」

キク (2005-12-01 01:36)
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<カミーユ>
なんだ?これ?体がふわふわする。そっか、ここは宇宙か、宇宙に浮いてるんだ。ああここにいたんだ、みんな。よかった、もう会えないかと思ってたんだよ、フォウ
「カミーユ、あなたはこんなところで朽ち果ててはだめ・・・朽ち果ててしまったら、この戦争で失われていって、カミーユに命を託していった人々の思いが無駄になってしまうわ。」
そんなのどうだっていいよ、フォウ。やっと、君や母さん、もう会えないと思っていた皆と出会えたんだから。
「いけない!カミーユ、あなたは生きてるのよ。死人にひっぱられちゃだめ。私たちのことを思うなら、あなたに出来る、あなたにしか出来ないことをやって・・・」
フォウ、どこに行くんだいっ!?置いていかないで!
「だから、あなたに私が、私たちが出来ることをやるわ。だから、カミーユ、世界をより善い方向へ導いて、あなたなら出来るわ。」
急速に意識が覚醒するのを感じた。さっきまで身近に感じてたフォウやみんなの存在が希薄になってゆく。嫌だ!まだ、俺はここにいるんだ!いたいんだ!
「人はいつか時間さえ支配することが出来る・・・あなたはそんな可能性・・・」


目覚めると、ベッドに寝かされてた。ひどく頭が痛む。あれはなんだったのだろうか、あの人たちは。あの中には母さんもいた。訳がわからなくなってくる。夢の内容を必死に思い出そうとするが、出来ない。あとには大事なものをなくしたような喪失感が残った。
「カミーユ、よかった。気が付いたのね?どこか痛むところとかない?あのあと二日も寝込んでたから、心配してたのよ、あたし」
不意に幼馴染のファが話しかけてくる。
「ああ、ファか?二日も俺は寝てたのか・・・心配かけた。ファもよく無事でいてくれた。あの戦闘に巻き込まれて怪我とかしてないのか?」
「うん・・・あたしは家にいたから、戦闘が本格的に始まるまえに無事にこの戦艦に乗れたんだけど、父さんも、母さんも、あそこのティターンズの基地から逃げる時、戦闘に巻き込まれて死んじゃったわ。うっ、うっ・・・」
「そうか・・・」
ファをひきよせて、抱き寄せる。そうして、しばらくそのままでいると
シュッ
開いたドアから見覚えのある人が入ってきた。
「ん?こりゃあ、お邪魔だったかな?」
「いえ、大丈夫ですよ」
そう言いながら、ファから離れる。ファの顔は真っ赤だ。なんだかこっちまで恥ずかしくなってきて、顔が赤くなってきた。そんなこちらを見て、入ってきた人は豪快に笑っている。
「あっはっはっは!いいね〜、若いっていうのは」
「もうからかわないでください、中尉!」
ファが照れを隠すように入ってきた人に怒鳴っている。知り合いなのか?なんだか面白くないな・・・
「はっはっはっ!すまん、すまん、そうむくれるな、ファもカミーユも」
「えっ!えーと、なんで俺の名前を?」
「自分の命の恩人の名前を忘れちまうほど、薄情じゃねえぜ、俺は。フィリップ・ヒューズだ、よろしくなカミーユ君。」
「あっ、はい、よろしくおねがいします」
「体の調子は大丈夫か?艦についた途端倒れちまって、心配してたんだぜ、特にファがな。よっ!色男!」
「フィリップ中尉ったら!何しに来たんですか!」
「おお、そうだった、そうだった。ここに来たのは艦長命令でカミーユの様子を見に来たんだが・・・体の調子はほんとに大丈夫か?」
「はい、大丈夫です。」
「そうか・・・良ければいいんだが、ブリッジまで上がってきちゃくれんだろうか?もうそろそろ作戦会議が始まりそうなんだが、同席してもらいたいんだよ。あの戦闘でみせてくれたのあの伝説のニュータイプ、アムロ・レイのような奴がいてくれりゃあ、否がおうにも士気は上がるってもんだからな」
「その呼ばれ方は嫌いです。それに俺、そんなたいそうな奴ではありませんよ」
なんなんだろう?そんな呼ばれ方されたことないはずのに、言われ慣れたような返事をしてしまった。何故なんだろうか?フィリップさんも何かひっかかって、怪訝な表情をしている。
「すまん、すまん。だがその口ぶりだと前に言われたことがあるみたいだねえ?」
「いえ、ただ身も知らぬ他人と比較されるのが嫌いなだけですよ。そんなの普通でしょ?」
「はは、それもそうだな。で、来てくれるかな?」
「はい、いいですよ。ですけど、俺に大きな期待なんかかけないでくださいね」
「じゃあ、行くか?」
「はい、フィリップさん」
そして、ベッドから立ち上がり、フィリップさんの後ろを付いていく。ドアをくぐりぬけたところでフィリップさんがいきなり振り向いてきた。疑問を覚える前に大きな声で部屋に残っているファに向かって言った。
「あっと、ファはこの部屋に残っててな。一応軍艦なんだから、動き回っちゃいけねえぞ。なんかあったらインターカム使えばブリッジにつながるから」
「あっ、はい。あのっ、カミーユ!」
「ん?なんだ?」
「えと・・・あの無理しないでね?」
「ああ、わかってるよ。心配しなくても大丈夫さ」
ファにそう答え、部屋をあとにする。フィリップ中尉がハンガーにつかまって、移動しながら話しかけてくる。
「からかう気にもならねえぐれえ、熱々だね〜」
「ファとはそんな仲じゃないですよ。ただ昔からいろいろ世話を焼いてくるお隣さんっていうか、なんて言うか・・・とにかくフィリップさんが邪推しているような関係じゃあないですよ。」
「そうかねえ、まあとにかくそんな関係を持てるような人なんて、そうそういねえんだから、大事にしてやれや」
「はあ、そういうもんですか?」
「そういうもんだよ。まあまだお子ちゃまにゃあわからんか?ガッハッハッハ」
「子供扱いしないでくださいよ。」
「そんなこと言ってるうちはまだまだ子供だよ、いくらMSの扱いがうまかろうがね。」
そんな会話をしている間にブリッジについてしまった。でも前のフィリップさんが立ち止まってなかなか入ってくれなくて、ハンガーにつかまった勢いのまま、背中にぶつかってしまった。
「おおっと!」
「何してるんですか、危ないじゃないですか?」
「いや、すまんすまん。不良軍人の俺でも作戦中のブリッジに入る時ぐらいは、キチっとしたくてねえ」
そういいながら、フィリップさんはだらしなく開け放たれたボタンを止め、フィリップさんのいうところのキチっとした格好に整えていった。そして、それを終えるとこっちを振り返り、ニカっと笑い、
「じゃあ、入るぞ」
少し、嫌味をふくませて返事してやった
「いつでもよろしいですよ」
「んじゃまあ・・・フィリップ・ヒューズ中尉入ります!カミーユ・ビダンを連れて参りました!」

あとがき
 更新かなりおくれてすんません。今回の話しは少しカミーユの設定が激つよのままだったら、話しが書きにくいなぁと気付き、変えました。逆行前の記憶をなくしてしまったっていう設定にしました。ゲームのキャラの説明がほしいという要望がありましたんで、今回から毎回、一人〜二人のキャラ説明を書いてゆきたいと思います。次回の更新も、たぶん今回と同じぐらい遅くなるかと思いますが、お許しを。

 フィリップ・ヒューズ・・・一年戦争時、データ収集を目的とした部隊に所属したMSパイロット。同僚のユウ・カジマ、サマナ・フュリス、モーリン・キタムラらと共にEXAM事件に巻き込まれ、各地を転戦した。終戦後は、除隊しパン屋を開業。(今回の作品ではパン屋をやめて、エゥーゴに参加。)

テリー・サンダースJr・・・一年戦争時、所属する部隊が三回目の出撃で自分以外全滅ということから味方に死神サンダースとあだ名される。後にコジマ大隊所属MS08小隊所属となる。08小隊にはサンダースの他にシロー・アマダ、カレン・ジョシュア、エレドア・マシス、ミケル・ニコリッチが所属している。

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