インデックスに戻る(フレーム有り無し

▽レス始

「帰還(Zガンダム)」

キク (2005-11-05 02:22)
>NEXT

一話

ここはどこなんだ? たしか俺はZで戦闘していたはずだ。エマさんやヘンケン艦長が戦死して・・・・そうだ、戦争を食い物をするヤザンやシロッコが許せなくて、みんなの思いがZに宿って、何だあの時どう行動していたかよく思い出せないけどシロッコを落としたはずなんだ。だけどそこからの記憶がすっぽりぬけている。どうしてここにいるのかもわからない。だけど、ここには見覚えがある目の前にいるいけすかなそうな連邦軍の兵士にも。まさか、ここは・・・・
「エゥーゴを知らないだと!?」
状況を理解できずしばらくあっけにとられるなか、兵士はまくし立てる。
「子供のくせに黙秘権か!?エゥーゴ、ハイスクールの学生が知らないわけがないだろう、反地球連邦政府活動団体だ。空手を習い、ホモアビスの大会で優勝。たいしたものじゃないか、戦士としての資質が十分だ。エゥーゴに勧誘されてもおかしくないぐらいにな。」
一度みた映画をもう一度繰り返して見ている心地だった。次に言う言葉もわかっている。でも、いるはずないんだ俺の目の前で、死んだんだから。
「釈放だ、カミーユ・ビダン。お母様が迎えに来ていらっしゃる。」
まさか、有り得ない。まるで夢遊病のようにふらふらと立ち上がり、ドアに向かっていった。
「カミーユ君、スポーツマンは・・・」
別の男が俺に話しかけてくる。だがそんな言葉など耳に入らない程、目の前の人物に釘付けになっていた。その人物は心配そうな顔をして問いかけてきた。
「カミーユ、何をしていたの?あまり心配させないで・・・」
感情が制御できなかった。
「母さんっ!母さん!」
俺はみっともなく泣きじゃくり母の胸にすがりついてた、周りの兵士たちの蔑んだ視線も気にせず。
「どうしたの、カミーユ?何か野蛮なことでもされたの?どういうことですか、身分がはっきりしているコロニー市民を虐待するなんて。今回のことは正式に抗議させてもらいます!・・・」
「そんな・・・、何もやってませんよ。カメラで確認してもかまいません・・・」
頭の上で母と兵士が口論を繰り広げていると、このあと起きることが頭によぎる。そして、その予感はすぐに現実のものになる。

ズ、ズドーン!!

「な、何だ!?何が起こった?状況を説明しろ!何?Mk−2が墜落しただと?ティターンズの兵士は何をやっている?」
やはり、前と同じだ。このままいくとクワトロ大尉たちのMSがすぐにくるだろう。だけどどうする?ついていけば、また母を失ってしまうだろう。もういやだ、いやなんだ大切な人をなくすのが。
「カミーユ、崩れてきたら大変だから、ここから出ましょう」
そう言い、母は俺を連れ、外に出て行った。しかし、すぐに空襲警報が鳴り出した。来た!どうする?
ついて行くか?そんな考えをしてるうちにあっという間に大尉たちはMk−2を2体奪取し、脱出していった。ついていかずにここに残っていてよかったのだろうか?そんな事を考える暇もなく始まる激しいMS戦、大尉が殿をつとめているようだ。どうしたんだろうか、俺の体は。いつも見慣れているはずの戦闘だ。だけど、その見慣れた光景に俺の心は悲鳴をあげ、体を震わしている。頭もふらふらする、この場から早く消え去りたい。そんな俺に気付くと母は
「カミーユ!真っ青よ、怖かったのね。でも、大丈夫よ。もうすぐ戦闘も終わるから・・・」
母の言う通り大尉たちは迅速にコロニー外へと脱出していった。だけど、怖い、こんなことを以前は感じたことなどほとんどなかった。MS戦が怖いなんて。アムロさんが一年戦争を終えた後戦えなかった理由が少しわかったような気がしたと同時に、遠くの方で母の声が聞きながら意識をなくしていった。
「カミーユ!カミーユ!・・・・」

そして、目が覚めるとまた見慣れた尋問室にいた。
「お目覚めかね、カミーユ君。昨日起きたことはきちんと覚えているかい?今回の君の起こした事件とエゥーゴの活動、同じタイミングで起こったこの二つの事象を関連づけない者もおるまい、正直に白状してもらえないかね?」
「そんな・・・、何も知りません。関係ありませんよ。殴ったのだって直情的な行動であることは、俺が殴ったジェリド中尉に聞けばわかることでしょう?」
俺は正直にあの時のことを思い出しながら言った。
「ふん、そんなことを真に受けると思うのかね?まあよかろう、時間ならたっぷりあるだろうしな。だが早く白状した方がいいぞ。長引けば長引く程、君の両親や知人に迷惑をかけていくのだからな。これは忠告だよ。」
クソ、ティターンズめ。だけどどうする?例え嘘の自白をしたところで、ティターンズに反乱分子として始末されてしまう。何も考えがまとらず、黙ったまま数時間が経過した時、突然ドアがノックされた。
「ん?誰だ?はい、どうぞ」
ドアが開き、ブライト中佐、いや今は中尉か、が入ってきた。ブライトさんは最初の尋問官と同じように形式的に質問をしてきた。そして、一通り終わったあとブライトさんは小声で言ってきた。
「君たちがエゥーゴに関与してないことはわかっている。今、有志のもと、グリーンノア脱出計画を練っているあと一週間ほど耐えてくれ、必ず救出する。」
そう言い、ブライトさんは部屋を出て行った。ブライトさんのことだ、うまくやってくれるだろう。だけど脱出したあとどうなってしまうのだろうか?テンプテーションでシロッコの襲撃を受けて、しのげるのだろうか。俺の体は、心はどうなったのだろうか?こんな状態で俺は戦えるのか?そして、どうして過去に戻ってきたのだろうか?前とは違う行動をしてしまった。これがこの先どんな影響を及ぼしていくのか想像もつかない。先の不安はつきてくれない。


あれから五日がたった。もう限界だ、三日目から尋問官は有益な情報を引き出せないことにいらつき、直接的な方法で尋問、拷問に近い、で自白をさせようとしている。そして、どんどん尋問も苛烈になってきている。計画が行われる前に死んでしまうんじゃないかと考えていると、ドアがノックされた。ブライトさんか!?だがその思いとは裏腹に黒人の大男が入ってきて、尋問官と交代した。すると、交代した男は風貌に似合わない小声で、
「中佐からの言伝です、『今夜、決行。ここから脱出後、宇宙港に移動し、第4ドッグに駐留しているサラミス級巡洋艦クーリーに乗艦』だそうです。私はこのフロアに救出するメンバーの一人、サンダース曹長です。」
「はい、わかりました。いつでも移動できるように気構えて待ってます」
「第4ドッグの場所はわかりますね?他の方々と共に向かってください。我々は足止め工作した後向かいますので」
そのやりとりを終えてからはまたいつも通りの尋問が行われた。密通を疑われないためとはいえサンダース曹長の尋問はなかなかにきつかった。そして、いつも通り最後のほうには気絶してしまった。

気が付くと、3,4時間は気絶してたようだ。尋問室には俺一人残されている。まだ計画は実行されてないがもうそろそろだろう。しかし、乗艦する艦がテンプーションではなく戦艦だとは。ここに俺が残ってしまったことで歴史が変わっているのだろうか?だが今回の変更はいい方向に流れているように感じられる。戦艦ならば、MSも備わっているだろう。これでアーガマーに合流する前にシロッコに襲われたとしてもなんとかなるだろう。先の見通しが出来たと思うのも束の間、俺の戦闘に対する不安も湧き上がってきた。例え、MSがあったとしても俺が満足に戦えなかったら、意味がない。戦闘に対する不安に駆られていると、振動音が響き、続いて警報、銃声、悲鳴、怒号が響き渡り、こちらの方にその音が近づいてくるのがわかる。来た!計画が実行に移されたんだ。しばらくすると、銃声がやみ、俺の前のドアが開け放たれた。そして、ドアを開けた兵士が
「急げ、早く宇宙港に行くんだ。」
ドアの外に出てみると、もうすでに部屋からでている人たちは救出部隊の誘導に従い建物の出口の方へと移動している。その中に親父とお袋がいないか見渡してみる。いた!お袋は不安そうな顔で人の流れにのって、付いていっている。俺はすぐにそばに駆け寄り
「お袋、大丈夫か!」
「あぁカミーユ無事だったのね」
「親父は?親父はどこにいるんだい?」
「わからないわ。別々に収容されてたもの」
「お袋は先に行っててくれ、俺は親父と一緒にいくから」
「でも・・・」
「いいから!」
お袋を強引に行かせた後、後ろのほうで親父の声が聞こえてきた。だがその声は助けにきたこと感謝を言っているのではなく、非難しているようである。くそ!親父の奴、こんな時に何言ってんだ!?声が聞こえるところに近づくと親父は俺に言伝してきたサンダース曹長に何か言っている、サンダース曹長は手を焼いているようだ。早く行かなきゃならないときに・・・親父、怒鳴りつけてやる。
「親父何やってるんだ!早く宇宙港の方に行かなくちゃいけないだろう!」
「カミーユか・・・私たちは別に避難する必要などないのだ。Mk−2を開発した我々をバスク大佐が、ティータンズが見捨てるはずないだろう。疑いさえはれれば、バスク大佐が直々に謝罪し、牢から出してくれるさ。だが、ここで逃げれば反逆者としてのいらぬ罪がかかってくるんだ。」
そんな持論を誇らしげに語っていた。ティターンズはそんな生易しいものであるはずがない。そんな奴らが戦争なんかおこすもんか!
「親父、もうわかっているだろう?今回の尋問で、ティターンズがそんな常識的な軍ではないってことが。それともそんなにここにいる愛人が大切なのかよ!大方、尋問の時に脅されたんだろう、白状しなければ愛人を消すとか言われたんだろ!?」
「カ、カミーユ!何、バカなことを言っているんだ。そんなことあるはずないだろう!?わかった行けばよいのだろう、行けば。だが私は君たちに、無理やり拉致されたということで付いていかせてもらうよ」
「はい、それで結構です。それでは早く向かって下さい・・・いやもう取り残されてますから我々と行動を共にした方がいいでしょう。銃を渡しておきます。警戒してください」
「ああ曹長、だがこれからの行動について教えてもらえないかね?工作とはいったい何をするのかね?」
親父はさっきまでの事を忘れたかのような横柄さでサンダースさんに聞いている。クソ、親父は恥ってものがわからないのかよ。そんな俺の思考とは無関係に話は進んでいく。
「はい、もう敵の作戦行動を妨害する工作チームはもうすでに完了しておりますので、我々は今からハイザックなどのMSを奪取します、クーリーには旧式の時代遅れのGMしかありませんので。ところでフランクリン大尉、Mk−2のプロトタイプが保管されているという情報がキャッチされているのですが保管場所についてご存知ですか?できればそれも奪取しておきたいのですが。」
「ああ知っている。だがあれは人間の扱えるものではない。奪取したとしても邪魔になるだけだろう」
「どういうことですか、それは?」
「あれはオーバースペックすぎるのだよ・・・普通の人間が乗ると強力なパワーを乗りこなせず、気絶または墜落といった事故の耐えない機体なのだよ。非公式で強化人間が搭乗し乗りこなしたと報告されたが、それも眉唾ものだよ。そんな機体、GMより役に立たないだろう?」
「ですが、その機体、乗りこなせば百人力ということでしょう?『死神』と呼ばれ、いくつもの死線を乗り越えたのは伊達じゃあありませんよ?」
「ふん、乗ったものは皆そう言っていたよ。無駄だと思うが、一応案内しておこう。そこを左におりて行ってくれ。」
その後親父の道案内で大きな鉄の扉の前にきていた。途中大きな振動があったがそれ以外は何の妨害もなくやって来れた・・・おかしい、少しは敵兵と遭遇してもおかしくないはずなのに。そんなことを考えていると親父は扉のパスコードをうち、サンダースさんは後方を警戒している。するといきなり銃声が鳴り響いた。サンダースさんの方を振り向くとサンダースさんは肩から血を流している。親父は後ろの方で泣き言を言っている。俺も解放された時に渡された銃を使おうとした。だが恐怖で体が震える、まただ。逃げ出して隅の方で体を縮めたい衝動に駆られる、だがそれを抗しようと理性で歯止めをかける。その結果ボーと立っている状態になってしまっていると
「よし、早く来るんだカミーユ、曹長!」
その言葉を聞いても俺の体はまったく反応してくれない。動け、動け!
「カミーユ、何してるんだ!?早く来るんだ。曹長、カミーユも連れて来てくれ。」
「貴様、何している!?命が惜しくないのか!」
サンダースさんに抱えられ、扉の方へと向かっていた。だがその時銃撃がますますひどくなっていった。
「ちい、うるさい奴らめ。ぬうおおー!」
ダンっ!ダンっ!
サンダースさんも打ち返すが多勢に無勢だ。そして、一発の弾丸がサンダースさんの腹に吸い込まれていった。
「ぐう・・・」
そして命からがらなんとか転がり込むように扉の中に入っていく。入ると、先に逃げ込んでいたのだろう、親父がすぐに扉を閉めた。中に入るとそこにはMk−2に似ているがどこか違う機体が横たわっていた。だが肝心のそれに搭乗する予定だったサンダースさんは大きな傷ではないとはいえ操縦できるような状態ではないことは明白だった。親父では操縦できないだろう。俺がのったといしても操縦できるのだろうか?操縦できたとしても・・・。そんなことを考えていると、サンダースさんと傷の止血作業を行う親父たちがこれからどうするか話し合っている。
「フランクリン大尉、俺はこんな状態ですので満足に操縦できないでしょう。ですからあなたが操縦して頂けないでしょうか?上の状態が気になりますが、戦闘行為は行わなくてもかまいません。宇宙港に逃げ込むだけでかまいませんので。」
サンダースさんはもう息をするのも辛そうに見える。
「私では無理だよ。乗ったとしてもすぐに撃墜されるのがオチだ。それよりもこのまま投降した方がよいのではないのかね?君の傷だって軽いものではない。ティターンズもよもやけが人の投降であれば受け取ってくれるだろう。」
「大尉、もはや投降をしたとしてもこれだけの騒動を起こしたんです。五体満足で帰れる保障はどこにもないのです、あなたも私も。」
「そんな私は拉致・・・」
「そのようなこと信じるような・・・」
二人はまた口論を始めているが、後ろの扉が開けられるのも時間の問題でそんなことをしている暇など無いはずだ。俺は、覚悟を決めた・・・
「親父、サンダースさん、俺が乗ります。」
「できるのか、カミーユくん?」 「な、何を言っているんだカミーユ!?」
親父を無視して会話を進める。
「はい、移動だけでしたら、なんとかできます。」
「それじゃあ頼まれてくれるか・・・」
サンダースさんはその言葉を最後に気絶した。俺と親父でコクピットまで抱え運んだ。その間、親父は俺に対してぶつくさと文句を言っていたが、俺はこれからの戦闘を思いでそれどころでははなかった。やっとのことでコクピットにたどり着き開けたと同時に扉も開き兵士が銃撃してくる。強引に落ちるようにコクピットに入った。頭をしたたか打ち付けたようだ頭がクラクラする。だがそれよりも強烈な吐き気が襲ってきた。
「うぅー!」
「カミーユ、大丈夫か?やはり私が操縦した方が・・・」
「いや、いい。大丈夫だから」
強がりを言ってみるがつらい、逃げ出したくなる。だけど逃げるわけにはいかない。自分の命がサンダースさんの命が、どうでもいいけど親父の命だってかかっているんだ。そう考えていると吐き気も収まっていくような気がしてきた。そんなことを考えながらコクピットを閉じ、プロトタイプMk−2を起動させた。

あとがき
 初めての小説、投稿です。拙い文章ですが、よろしくお願いします。更新は一、二週間に一回といった遅いものになると思いますがお見逃しを

>NEXT

△記事頭

▲記事頭

楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] ECナビでポインと Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!


無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 解約手数料0円【あしたでんき】 海外旅行保険が無料! 海外ホテル