真っ赤に燃えるいつもの空、アスファルトに浮かぶ奇妙な文字群。
そのときの私は、一体なにが起きているのか全くわからないで、ただただ固まっていました。
「あァ?何だコイツ?何でこの封絶の中で動いてやがんだ?」
そんな私を現実に引き戻したのは、目の前の少年の言葉でした。
帽子を目深に被った、どこにでもいるような服装。けれどもその瞳には
隠しようも無い力と邪な意志が見て取れました。
「あ、そっかコイツが“ミステス”か。んなら頂かない法はねーなー。」
と、無造作に私に向けて歩を進めてきます。
「ヒッ・・・」
思わず漏れた叫び。
「あっはははは、だーいじょーぶだってば。痛くしないし、大体もう死んでんだから関係ないっしょ?」
どこまでも軽い嘲笑。
(どういうこと!?死んでる!?私が!?どうしてそんな!それにこの子は一体)
「まー考えても無駄だ。ほら、俺って物持ちがいーから。大事にするし。」
と、いつの間にか目前に迫ったその手が私に触れようとしたその時。
それは起きました。
『ザグンっ!』
その腕がいきなり吹っ飛んだかと思うと、
少年と私の間に無骨な西洋風の大剣が割り込んでいたのです。
「・・・・ッ、痛ェェェェェェェェェ!」
「煩いな。」
そしてその剣、禍々しい雰囲気を纏ったそれを握っているのは
年の頃は16、7のこちらもやはり少年。真っ黒な瞳と髪。
しかしその風体からは想像も付かないくらいの威圧感を発していました。
ある意味で帽子の少年を圧倒するほどのものを。
「・・・“徒”、か。全然足りないよ。よくこの程度の“存在の力”でこちら側に来ようとしたもんだね。」
未だ苦悶の声を上げる帽子をよそに、淡々とした口調で言い放ちました。
「あァ!?何だテメェ!・・・“フレイムヘイズ”か!?」
「お前のみたいな小物に名乗っても仕方が無いだろ。おとなしく喰われてくれよ。」
よくわからない単語がまた言い放たれます。しかし、その時ですら固まっていた私にも、たった一つ、分かることが有りました。
(黒い少年が言ったのなら、どういうことかはわからないけれど
帽子は確実に『喰われる』のだろう)と。
そしてすぐにそれは現実となりました。
怒りを露にする帽子の少年の懐に、黒い少年が一瞬で潜り込み・・・
次の瞬間、真っ黒な炎を伴う剣閃とともに、帽子の少年は、黄色の燐光を撒き散らして袈裟切りにされていました。
瞬きすら忘れてそれを見ていた私でさえ、全く気付かないスピードで。
「ご、ガァ・・・テメェ、その、炎の色、剣・・・『吸血鬼』、か?」
「何とでも呼べば?どうせどれも捨てた名前だし。お前たちが呼び安い
ように呼べばいい。まぁ少なくともお前にはもう呼ばれないだろうど。」
「クソがァ!『ミステス』ごときに俺が」
「・・・今まで『喰ってきた』中で最弱の部類に入るよ?お前。」
黒い少年が失望と嘲笑の表情で告げます。
「チク、ショウッ!!只じゃ、済まさねぇ!俺のバックには、“王”クラスがまだ」
「願ったり叶ったりだな。どっちにせよ僕にはもっと“存在の力”が要るんだよ。お前のも、一応もらっておくか。」
言うとすぐに、差し込まれたままの刃、その溝から黄色い燐光が大剣に吸い込まれていき、帽子の抵抗も空しく彼は跡形も無く消えてしまいました。
「ふぅ、ダメだ。やっぱり足りない。これは今言っていたバックにいる“王”クラスでも喰わなきゃ話にならないな・・・」
と、本気で不満げにつぶやき、最後にどこか遠くを見据えてこう言いました。
「待っててくれ、シャナ。」
それが、既に死んでしまっていた私と、不思議な少年との出会いでした。
はいはい、初めて書いてみましたよ。
え?何?つまんねー?はい。重々承知でございます。すいませんでした。
え?何?もう来るな?はい。皆さんがそうおっしゃるならそうします。
あー、何かもう投稿の仕方もよくわからんし。ほんと迷惑かけてすいません