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「ある幻想の魔術師と黒の姫君 所々修正 第十話(まぶらほ+型月系)」

REKI (2005-10-11 12:35/2005-10-11 22:52)
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「さてと、じゃあ先に帰って待っててね。」

進入地点まで戻ってきた三人、夕菜とアルトを見ながらそう言う和樹。

「そうね。家も用意できてると思うしそっちを見に行ってるわ。私達の家をね。」

「はい、そうします。気をつけてくださいね?和樹さん。あ、アルトさん!やっぱり二人っきりで暮らすなんてずるいと思います!」

そう答えながらアルトはどこか楽しそうに、夕菜は前半は心配そうに、後半はどことなく怒った顔で言いながら出て行く。

「はは。さてっと・・・探しますかね。」

それを見送った後、伸びをしながら歩き出す。

(この家の中だったら移動できると仮定して・・・あそこかな?飛んだ場所わ。)

そう考え先ほどの遭遇場所から考えて一番遠い場所、地下室方面へ向かう和樹だった。

一方外に出た二人、

「さてと、夕菜。玖里子の携帯の番号解る?私知らないのよね。」

「あ、はい。知ってますよ。ってアルトさん携帯持ってたんですか?」

玖里子の番号を知っているかと自分の携帯を取り出しながら聞いてくるアルトに、普通に返事を返すが携帯を見て驚く。

「しかもそんな可愛いのを・・・。」

「う、うるさいわね!いいじゃない別に・・・。」

「死徒ってもっと怖いイメージしか無かったんですけど・・・。なんかアルトさん見てるとガラガラと崩れてきますね。」

ボソっと呟いた言葉に顔を赤くして恥ずかしがっているアルト、そんな彼女を見ながらう〜んと額に指を置いて唸る夕菜、
(ちなみにアルトの携帯はピンク色、和樹の二頭身ストラップ付きである。勿論ストラップは手作り。このお姫様裁縫もできるらしい。)

「わ、悪かったわね・・・。自分でも昔と変わりすぎだと思うわよ。」

「あはは、でも良い事だと思いますよ?私。」

やっぱり赤いまま目を閉じぶつぶつと呟くアルトにくすくすと笑いながら言う夕菜、

「まあ・・・ね、私も今の自分嫌いじゃないわ。って話が逸れたわねで番号教えてかけるから。」

「あ、いいですよ〜私がかけますね。登録してあるしそっちの方が早いですから。後で教えます。」

自分の携帯を取り出しつつそう答える夕菜だった。

さて視点を和樹に戻そう、

「いつまで続くんだろう?」

どこかげっそりしながら呟く和樹、ハァーとため息まで吐いている。
どうやら見つけては逃げられ、見つけては逃げられを繰り返しているようだ。

「あ〜くそう、壁抜けもできる事忘れてたよ・・・。」

そう、わざわざ転移せずとも見つかってら天井や床を抜け、ずっと逃げられ続けているのだ。

「やだな〜・・・ほんとに何時までかかるか解らないじゃんか〜!」

ガー!っと思わず叫ぶ和樹、ひとしきり文句を言った後、

「はぁ〜・・・むなしい。」

下を向いて呟く、心なしか周りの空気もさらに淀んでいる気がする。

「後はここだけだけど、また逃げるんだろうな〜・・・。」

ギィーーーー

そんな音を立てて扉を開けるとそこには、

「居た・・・。」

中央、中空に浮遊する奴が居た。

(今度は逃げない?ここで戦うのを選んだのか?)

手に剣を生み出し、警戒しつつ様子を窺う。

場所はロビー。二階に続く階段もあり、おそらくこの屋敷で一番広い場所だろう。

(ん?)

相手の体が一部膨らむと二つの黒い球体が生み出された。

(瞳で消せない・・・体を分割したのか?)

和樹の瞳は邪念や怨念の集合体(ようするにゴースト系の魔物)や使い魔などは消せない。
(体を分割し、それがまるで意思を持つかのように動き回るのは、ゴースト系の得意技である。)

(来る!)

球体がそれぞれ大鎌に形を変え高速で回転しつつ飛んできた。

「くっ!」

ガキッ!そんな音を立て受け止めるが、

「くそっ!」

もう一つの方が回り込み後ろから飛来し、
上に跳ぶと今度は本体が、あの槍を生み出し襲い掛かってくる。

(くそっ!スピードはそれほどじゃないから避けれるけど、これはうっとうしい!)

次々に襲い来る攻撃をあるいは身を捻り、体を傾け、剣で払い受け流して行くが、一向に終わる様子は無い。

(鎌二つは分体・・・本体を叩けば消えるんだろうけど!これじゃあ中々近づけない!)

何度か近づこうとするが、そのたび鎌の方が飛来し勢いを殺され、その間に本体が距離を開けてしまう。

(それなら!)

そう和樹が思ったのと同時に、剣が青から赤色に変わる。

「これで!どうだ〜!」

叫ぶと同時に周囲をなぎ払った剣から炎がほとばしり周囲を包み込む!

「グギャーーーー!」

鎌の方は大丈夫のようだが、槍を打ち込もうと近づいていた本体がその炎を浴び絶叫を上げる。
そして数瞬、鎌と相手の動きが完全に止まった。

「今だ!」

そのわずかな隙の間に、剣を槍へと作り変え突進!その切っ先を相手の体中央部に叩き込む!

「−−−−−−−−−!」

何かを叫んだのだろう、顔を苦痛に歪ませ霧散していった。

「ふう・・・終わった。」

槍を消し柄をしまったその時、

ゴゴゴゴゴゴゴ

「な!なんだ?」

いきなり屋敷が揺れだした。

ここで二人の方にもう一度視点を戻す。

「きゃっ!地震!?」

急に揺れだした地面に驚き尻餅をつく夕菜、

「これは!?」

アルトは何かを感じ取ったのだろう、屋敷の方を向きそちらに走り出す。

「ちょ!アルトさん?!待ってくださいよ〜!」

急に走り出したアルトの後を慌てて追い走り出す夕菜も走り出す。

視点は和樹に戻る、

「これは地面の下!地脈か!」

すでに出口から外に出ていた和樹、
足元から凄まじい魔力を感じ取り瞳で調べていたようだ。

「これは・・・まずい!地脈の魔力が溜まってこのままじゃ噴出するぞ!」

そうなれば大惨事であろう、下手をしたらこの周囲が異界化する事すらありえる。

「これは・・・しょうがないか。」

目を閉じ集中しだす和樹、
周囲に青白い光が渦巻き足元の地脈の魔力すら低く感じるほどの魔力が溢れ出す。

(地脈を殺したり消したりする訳にはいかない・・・分化してそっちに魔力を流す!)

地面に手をかざし、

「和樹!」

ちょうど着いたのだろう、とんでもない勢いで走ってきたアルトの声を背に和樹は、

「いっけ〜!」

その魔術回数を使った。

白光・・・

視界が全て埋まるほどの光を生み出しながら発動した魔術は、
使った主の思考どうりに地脈を分化、噴出しかけた魔力を流し流しきれぬ魔力を消滅させるのに成功した。

「ふう・・・。」

盛大に息を吐き出し地面に座り込む和樹、

「回数、使っちゃったのね。」

「アルト。」

後ろから声をかけてきたアルトの方を向きつつ、

「うん、この場合しょうがなかったからね。」

そう答えた。
アルトは、

「そうね・・・ご苦労様、和樹。」

一瞬、悲しそうな顔をするがすぐに消し。
笑顔で、そう、満面の笑顔でそう言った。

「ありがとう、さてと。じゃあ依頼終わった事だし家を見に行こうかな。どんな感じだった?見てきたんでしょ?」

「ええ、結構いい家だったわよ。」

笑いあいながら並んで歩き出す二人だった。

━式森邸になるはずだった家の前━

「「「え?」」」

そこには・・・瓦礫の山!

「ななな、なんで?!」

「ちょっと!さっきまで立ってたのに!」

「え〜?!」

来る途中合流した夕菜も含め三人そろって取り乱し叫び声を上げた。

「ふむ、きっと式森君の魔術の影響だろうね。これも。」

いつの間に現れたのか、紅尉が彼らの後ろから三人の疑問に答えた。
その答えに硬直する三人、

「まあ地脈の流れを力ずくで変えたんだ、この程度の影響ですんで感謝すべきなのかな?」

むう・・・と顎に手を当て考えこむ紅尉、

「そ、そんな〜・・・。」

「待ちなさい!なら報酬は?家はどうなるのよ!」

がっくりと項垂れる和樹、アルトは紅尉に食って掛かる。

「無し・・・では納得しないか。そうだな、寮の式森君の部屋の前の部屋に住めるよう手配しよう。
何大丈夫だ、今の寮の状態なら住んでもなんら問題は無い。後で寮の様子を確認するんだね。」

「え?どういう事よ?」

「なんで女子が男子寮に住んで平気なんですか?」

無しと言った瞬間、アルトにものすごい殺気を込めて睨まれ、続けた言葉に、二人が疑問符を浮かべると。

「見れば解る。見てきたまえ。」

そう一言、

「「?解ったわ(解りました)。」」

見に行った二人の目に飛び込んできたのは、

「「何よ(んですか)これ〜!?」」

くっついて一つになった寮でした。


━つづく━
第十話お送りしました。
え〜屋敷編これにて終了です。
次話は和樹の部屋の前に住み始めてからの数日の様子を書こうかと思っております。
多分十二話から人狼編スタートです。
ベヒーモス編は飛ばします^^;相手にならんでしょうし^^;
もしかしたら外伝で緑門事件書くかも?
では次回にてまた^^
あ、魔力打ち消せるなら地脈いじらず魔力だけ消せばいいのにって突っ込みは簡便してください^^;
え〜見直して所々修正させていただきました^^;

レス返し〜

良介様
おお、よかった書けてましたか^^;シリアスは自信ないです^^;ギャクもありませんがね(オイ
マイホーム・・・つぶれてしまいましたw
そんなに旨くいったらまぶらほじゃあ無いですしねw
大丈夫!イチャイチャさせようと思えばどこででもできますので!

プラ吉様
そう言ってもらえると助かります^^
冥土編(違)は過去編の後ですね、ドイツに行った帰りに遭難してもらおうかとw

ケルベロス様
こんな感じになりましたです^^
ヤ○ト・・・また古い^^;あの撃沈した旧日本海軍の超弩級艦と同じ名前のアニメですか〜。

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