「もう直ぐつきますね」
「ふも、ふもっふ(そうだね、ルリちゃん)」
出生の秘密を知らされた翌日、王冠に青くて膨れた服(何て呼ぶのか知らん)な古典的な王子様ルックにコスプレしたポンタ君の膝の上に乗って、ルリとポンタ君(アキト)はピースランドを目指していた。
ちなみに、アキトはポンタ君LOVE!!なルリの為に、再改造され、パワーがダウンした代わりに自由に姿をもどせるように調整ずみとなっている。
「向こうについたら、久しぶりに一緒に寝たりお風呂に入ってくださいね」
「ふ、ふもっ!?(えっ、それはルリちゃんちょっと)」
ルリがテンカワ夫妻に養子入りした直後、ルリ達は休暇を取りしばらくをテンカワ家ですごした。そして、兄妹になった事を理由にルリはアキト(ポンタ君形態)と一緒にお風呂に入るようになったのである。ロリコンの気の特に無いその事アキトは多少焦ったりしたり、照れたりしたもののまだ子供だと思って当初はそれほど気にはしなかった。ところが、丁度その時期、ルリが二次性徴を開始し、膨らみ始めた胸や丸みを帯びてきた体になってきたのである。それを見てアキトは段々色んな意味でやばいと思い始めるようになったのだが、そのタイミングで、休暇が終わり、ナデシコ内では“社員規則”によりそういった事が禁止されていたので、それを逃れる事ができていたのであった。
「ふもふもふもふもっふ(けど、るりちゃんももう12歳だし、そろそろ大人だろ?)」
「私、少女ですから」
何とか当たり障りなく断ろうとするアキトに対して返ってきたその言葉。どうも、最近ルリは“少女”という言葉を都合により“大人みたいなもの”、“子供みたいなもの”というように使い分けているような気がアキトには感じられた。
「ふもっ(でもー)」
「嫌ですか? 私と一緒にいるのはポンタ君は嫌なんですか?」
何とか断ろうとする俺に対し、ルリちゃんは目を潤ませた状態で俺をみた。
「ふ、ふもっ!!(ぐっ、ぐはっ)」
イデオンソードをクリスティカルで喰らったようなダメージを受けるアキト。しかし、鉄壁が張ってあったらしく何とかこらえる。
「駄目・・・・ですか?」
「ふもっ!!(ごふっ!!)」
今度は上目遣い、涙に悲しそうな間が加わる。魂イデオンガンを喰らいアキトは今度こそ撃墜されるのだった。
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そして、ピースランドについたルリとアキトは原作どおり、まるでエンターティーメントのような両親との再会を果たし、その後あちこちを観光して、まずいピサを喰わされた(ただし、原作とは違い変身できる戦闘力バリバリのアキトに店主はぼっこぼこにされた)
そして・・・・・・・
「私の思い出は全部作り物だったんですね・・・・・」
「ルリちゃん・・・・」
ルリは自分がIFS強化体質の実験体として作られた事を知り、そして幼い頃、母や父だと思っていたものが単なるホログラムであった事を知る。そして、いきなり走りだそうとするルリにアキトは叫んだ。
「待つんだルリちゃん!! 例え過去が嘘だって、思い出なんてこれから作っていけばいいじゃないか!! これから俺や父さんや母さんや兄さんやミナトさんやプロスさんや〜(この後、30人程名前が並びます)〜と作って行こう」
アキトが名前を並べている間ルリは律儀に止まってそれを聞く。しかし、アキトの言葉が終わると再び走りだしてしまう
「ルリちゃん!! 世の中には兄さんみたいにゴキブリ男になりながらも必死に生きてる人もいるんだ。それに比べればちょっと位、生まれがどうだとかそんな事関係ないだろう!!!!!!!!!」
ピタッ、そんな音が聞こえてきそうな程ルリは見事に停止し、振り返った。
「・・・・・そうですね。アキラさんに比べればマシですよね」
「そうだよ!! 兄さんに比べればマシだよ!!」
納得するルリと力説するアキト。しかし、女は悪魔だった。
「それじゃあ、新しい思い出にはまずは今日、ポンタ君の姿で一緒にお風呂に入って寝てくださいね」
「えっ・・・まだ、諦めてなかったの?」
その後、二人はピースランド国王に子供に戻る事を正式に断りナデシコに帰還するのだった。ちなみにルリの我侭をアキトが結局聞いたのかは謎である。
そして、その頃ダシにされたアキラはと言うと・・・・・・。
「・・・・・何かとんでもない事を言われたような。信頼してる奴に裏切られたような・・・・」
第6感でピースランドでの事を悟っていた。また、彼は五感が戻ったのはいいもののゴキブリ男というイメージから作った料理を食べてもらうのに2ヶ月もかかり(アキト達にすら)いまだに食堂には入れてもらえすらしないという不幸っぷりでアキトすら振り切って不幸街道まっしぐらであった。
そんな彼に更なる不幸。あるいは幸福への転換となりうる事態が訪れようとしていた。
ある場所で・・・・・・・・・・・・・
「2198年・・・・1年近くずれてしまったようですね。それでも、確率を考えれば運のいい方ですけど・・・・」
「○○ちゃん、この時代にアキトがいるんだよね!!」
「ええ、イネスさんの話ではアキトさんはこの時代にジャンプしているそうです。そして、この時代に来たのならアキトさんはきっとナデシコに関わってる」
この謎の二人(バレバレ)がアキラにとってどのような存在になるか。それを決めるのはこれを読んでるあなた方なのです!!
(後書き)
妙な形で終わりましたが、これは「アキラを受け止める包容力のある二人」かあるいは「妄想入った暴走的二人」か、どちらにするかを皆様に委ねたいと言う事です。希望の多い方の形で通します。また、この二人が暴走しても、別の形での救済はありえますんで。
>感想の返信です
>柳野雫さんへ
>・・ハーリーか?
ぶっちゃけそうです(笑)
>あの夫婦、本当に最強ですねー(もしくは最凶)
そうですねえ、ギャグ抜きでも強い設定ですし。一回アキト兄弟とガチで戦わせて見たりしたら面白いかもとか考え中です。
>無貌の仮面さんへ
>アキトくん影が薄いのは今更かと(アキラも)。
ブラックサレナが出ない限りスパロボでも弱いですしねえ・・・・・。
>アンスリウムさんへ
今回はアキトは目立ちましたね。割と。
>WEEDさんへ
>もしかしてルリが望んだときにポンタ君になるかわり、きちんと当の本人に責任をもって戻してもらえるよう約束した、とか
って、いうかずばりそうですけど?作中で以前に言ってませんでした?
まあ、それは過去の話で、アキトがルリに対し、ちょっぴり女の子を意識し始めたので再改造で自由に変身できるようになりました(その代わり戦闘力20%減)
>ATK51さんへ
>もはや原作イベントは大半クリアしまくった気がしますが…
えーと、後、何が残ってましたっけ?ちょっと忘れてるんでよかったら教えてください。
>劇中ではルリはピースランドとは全くなじめなかった(僕自身も…)でしたが、こちらではそれこそ古き良き冒険活劇の世界に…なるのでしょうか?(苦笑)
期待を裏切ってしまい申し訳ありません。内容大幅にはしょりました。
>某会長はいかがでしょうか?(オイ)
父親がそれでは養女のラピスがかわいそうなので・・・・・(オイ)
>(欲を言うとまほエヴァの続きも…)
うい、了解です。これから、ATK51さんに催促されるたびに書く事にしようかしら(オイ)←冗談です・・・・半分・・・
>kuesuさんへ
>どっちかって言うと女王さm(げっふんげふん)
いえいえ、我侭なお姫様ってパターンも結構多いですしね。
>実はすでに改造済みだったり・・・・・・・・・
二人は良識あるマッドなので本人の承諾を取らない改造はしません。アキラに関しては・・・・・まあ、非常時でしたので・・・・・・・。