アキト「前作から6ヶ月、現実世界では過ぎまして、その間に作中でも6ヶ月過ぎました」
アキラ「前作ってなんだ?」
アキト「・・・・・・まあ、それは色んな意味で置いといて、その間にまあ、いろんな事が起きた訳だ。イソギンチャク改造人間と化したこの世界の北辰が触手攻撃で女の子にエッチな攻撃を仕掛けてきたり、クリムゾンの令嬢のアクアって女の子がモロ悪の女幹部って感じのボンテージファッションででてきたり、親父とお袋が巨大ロボット2号マジンバーZを作ったり、メイドロボットを1号から15号まで作成しちゃったり、俺達を再改造したり、ルリちゃんとラピスちゃんを養子にとったり、そのままアイドルデビューさせちゃったり、クリムゾンを壊滅させたり、木連の軍人さんと仲良くなったり・・・・・・・」
アキラ「ほとんどは親父とお袋がやった事じゃないか・・・・・・。俺達、立つ瀬無いな・・・・」
アキト「いや、まあ、俺達って原作でも微妙に影が薄いからな」
アキラ「・・・・・ところで、こんなにエピソード壮大にすっ飛ばしていいのか?」
アキト「読者から希望が多かったエピソードに関しては今後実際に話にする予定だ。こんなSSを今更読んでくれる人がいるかはわからんが」
アキラ「ところで、俺らなんか性格とか口調おかしくないか?」
アキト「何をいまさら、ss本編でもそうだろうが?」
アキラ「・・・いや、作者はあれで似せるつもりらしいぞ?」
アキト「そうなのか? まあ、後書きとかそういう場所では性格変わるのがお約束って事にしといてやるか」
柿の種「・・・・・シクシク」
アキト「何か変なのいたな」
アキラ「そうだな」
アキト「まあ、一通りの説明が終わった所で」
アキラ「本編をお楽しみください」
「ピースランド王国?」
「ええ、実は、ホシノ・ルリさん、いえ、今はテンカワ・ルリさんでしたね。そのご両親がその国の国王と王妃様である事が判明したのです」
地球軍遊撃部隊としてあっちこっちを移動しているナデシコにある日、そんなニュースが伝えられた。
「けど、どう言う事なんです? どうして今更」
やや不機嫌な様子で尋ねるアキト。それについてプロスペクターが汗をかきながら説明した。
「実は子供のできなかったお二人は人工授精で受精卵をつくりました。ところが、その受精卵が消失しまして、別の場所に紛れたその受精卵が遺伝子改良されて生まれたのがルリさんという訳で。それがですねえ、ルリさんがアイドルデビューした事で有名になったことでお二人がお気づきになられたと・・・・・・」
っと、言うような感じでルリの出生の秘密が明らかになる。それに対して、ルリの答えは明確だった。
「でも、私はカズハお母さんとアキタカお父さんの娘ですから。実の両親とかあんまり興味ないです。それに・・・・・」
「「「「「それに?」」」」」
その言葉に周りの人間の注目が集まる。
「何よりアキトさんと、いえポンタ君と別れるのは嫌ですから!!!!!」
その言葉に周りが一斉にずっこける。
「あっ、後、ついでに妹のラピスと別れるのも嫌ですね」
「私、ついでなの?」
更にこのような会話を加える。ここで、ラピスが寂しそうに言ったりするのならともかく、全く抑揚の無い声でいうので、妙にシュールな光景である。
「まあ、一度会ってみる位はいいんじゃないでしょうかねえ、ルリさん」
っと、まったく乗り気でないルリを何とか促そうとするプロスペクター。ピースランドは実は国自体が大規模な銀行である国で、企業であるネルガルにとっては反感を食う事は何とか避けたかったのである。
「ねっ、お願いしますよ、ルリさん!!」
平身低頭に頼み込むプロス。実の所社員契約を盾に無理やり動かす事もできなくは無かった。しかし、その場合、ピースランドよりも敵にまわしたくないテンカワ夫妻を敵にまわしかねないのである。
「・・・・わかりました。会うだけですよ」
「そうですか!! 行ってくれますか!! あっ、そうそう、ピースランドには軍艦は入れないので、エステのパイロットを護衛に誰か一人を選んでください」
「わかりました。明日までに決めて置きますね」
歓喜するプロスに答えるルリ。そして、部屋に戻るとある場所へと電話をかけるのだった。
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『あら、ルリちゃん、どうかしたの?』
「はい、実は私お姫様だったそうです」
『えっ、どう言う事?』
ルリの電話相手、テンカワ母も話の唐突さに流石にその意味を理解できなかったらしい。ルリは事情を準備だてて説明する。
『ふむふむ、なるほどね。それで、ルリちゃんはこれからも私達の娘でいてくれる訳ね?』
「はい」
『よかったわー。このままアキトかアキラの嫁にして「娘を他所の嫁にやらず花嫁姿が見れるぞ計画」が台無しに・・・・・・・ゲホン、ゲホン、何でもない、今のは何でもないのよ。それはそれとして、ルリちゃん、実のご両親にもやっぱり挨拶はちゃんとして置くべきだと思うのよ。ルリちゃんは私達の娘だけど、別に親が二人だけじゃなきゃいけないって訳じゃないしね』
「そうなんですか?」
カズハの言った「娘を〜計画」は微妙に気になったが気にしない事してルリは尋ね返す。
『そういうものよ。それでね、ルリちゃん、ルリちゃんはお姫様なんだから、お姫様らしい姿で会うべきだと私は思うのよ。その方が私も楽しいし』
最後の言葉はルリには聞き取れず、知識に偏りのあるルリはそういうものなのだと思いこみ尋ねる。
「それで、どうすればいいんですか?」
『いい、お姫様に必要なものは3つあるわ。まず、綺麗なドレス。これは、私が用意して届けるわ』
「・・・・・あの、ナデシコは今、太平洋の上に浮かんでるんですけど・・・・・。それにそういうものは言えばネルガルが現地で用意してくれると」
『駄目よ!!大事な娘の晴れ姿、変なものは着せられないわ!!私が選んでアキタカさんに届けさせるわ!! 太平洋をおよがせてでも!!』
ルリの突っ込みにカズハはきっぱり答える。そして、ルリもそれ以上は突っ込まなかった。そして、次の話題に移る。
『二つ目は騎士、または王子ね。これはどちらでもいいわ。お姫様には自分を守ってくれるヒーローが必要なものよ』
「騎士か王子ですか・・・・」
『うちの息子二人でよかったら使って。衣装もアキタカさんにとどけさせるから。なんだったら、改造してもいいわよ』
「それで、3つ目は?」
不穏当な内容をサラリと流す。ルリもいろいろとたくましくなっているらしかった。そし、最後の問いかけをする。
『下僕よ』
それに対し、きっぱり、はっきりとした答えが返ってきた。いままでで一番自信に満ちた答えである。
「・・・・・下僕ですか?」
その答えには流石に沈黙してから問い返すルリに、カズハは自身満々に頷いた。
『ええ、お姫様たるもの忠実な下僕の一人や二人居なくてはいけないわ!!』
「・・・そういうものなんですか?」
『そういうものよ!!』
「それじゃあ・・・・・・・・・・」
何か言おうとして、その時ルリの頭に閃くものの姿があった。幼い少年の姿。同時に“SS界の虐められ役”“不幸の代名詞”など色んな言葉が思い浮かぶ。このssではせめて守らなければいけない、そんな気がした。
「すいません、それはいらないです」
『えー、いらないのー。せっかくいい子目につけたのにー』
ルリの答えに心底残念そうな声をだすカズハ。ルリは自分の選択が正しかった事を確認するのだった。