ステラと横島の話した後時間は流れ朝になった。
時間は午前8時、アシュレイ宅の台所からは朝ご飯の物であろういい匂いが漂ってきている。
「ふあ〜、おはよう〜。」
両手で目を擦りながら階段を下りてきたのはフェンリル嬢。
青いパジャマのままの様子を見ると、起きたばかりのようで半分寝ぼけているようだ。
多少ずり下がったズボンの裾を引きずっているのが可愛らしい。
「あ、フェンリルちゃんおはよ〜。」
「おはよう、フェンリルちゃん。」
台所から真由美とジルの二人が顔を出しフェンリルに答える。
「もう少しで朝ご飯できるから待っててね〜。先に顔を洗ってきなよ。」
「ふぁ〜い。ふみゅう・・・。」
欠伸をしながら真由美に答えると洗面所の方に歩いていく。
「さってと、後は一人でも大丈夫だから横島君と夜羽子を起こしてきてくれるかな〜?ジルちゃん。」
「あ、はい。解りました〜。」
ジルの方に向き直りそう頼むと頷きエプロンを外して二階に駆けていく。
(ちなみに二人はもう着替えています。真由美は上下一体型の白のノースリーブのワンピース。今はその上にエプロンを着けています。
ジルの方も真由美と同じ形のワンピースでこちらは色は薄い緑色。エプロンは着ている服と同じ色です。)
「えっと、まずは夜羽子さんかな。」
階段を上がってすぐのアシュレイの部屋の前で立ち止まり扉を叩く。
「夜羽子さ〜ん、朝ですよ〜。」
扉の外から声を掛けるが返事は無い。二度、三度と試すがやはり無い。
う〜んと唸って試しにドアノブを回してみると鍵は掛かっていないようだ。
「失礼します。」
一言そう言って中に入っていきベットの傍に歩いていく。
「夜羽子さ〜ん、起きてください〜。」
片手で揺すり呼びかけていると、薄らとアシュレイの目が開き上半身を起こしジルの方を見る。
「な〜に〜?」
「朝ですよ、もう朝食もできますから起きてください。」
「解ったわ〜。着替えてすぐ行くから先に行ってて〜。」
いかにも『眠いです』と顔に出ているアシュレイにそう伝えるとそんな返事が返ってくる。
「解りました。ちゃんと起きてくださいね?」
一応念を押してから部屋を出て行くジル、その後アシュレイは、
「はう・・・。」
案の定また布団に突っ伏すとそのまま寝てしまった。
一方ジルはというと、
「横島さ〜ん、起きてきださい〜。」
横島の部屋の前でアシュレイの時と同じ事をしていた。
「う〜全然起きる気配が無いです・・・。」
ドンドンと強めに叩くがまるで反応が返ってこない。
「しょうがないですね、緊張しますけど・・・行きます!」
何故かぐっと気合を入れると横島の部屋に入って行く。
そして、
「横島さ〜ん、起きてください〜。」
またまたアシュレイにしたのと同じように起こすジル。(ちなみにこの家は全室ベットなどの家具は揃っていたりします。)
だがしかし、
「う〜、全然起きないよ〜。」
それでも反応しない横島ぐうぐうと鼾をかいて寝ている。
「あう〜起きてくださいよ〜。」
呼びかけながら揺すり続けるジル、その時不意に、
「え?」
ジルの揺すっていた手が横島の手にガシッと握られる。
「え?え?え?起きたんですか?」
多少混乱しつつそのまま問いかけるが次の瞬間!
「ふえ?はにゃあ〜。」
━一方台所━
「う〜ん遅いわね。」
テーブルに人数分の食事を並べ終わった真由美と席に着いたフェンリルが三人を待っていた。
「そうだね〜。ジルちゃんが起こしに行ったんだよね?」
「うん、そう。ん〜夜羽子って朝にめちゃくちゃ弱いし苦戦してるのかな〜?」
首を捻って考えこむ真由美、そこへ、
「う〜・・・おはよ〜・・・。」
目を半眼ににしたアシュレイガ二階から降りてきた。
「あ、おはよ〜夜羽子。ジルちゃんは起こしに行った?」
「ああ、来たわよ〜。あたしを起こした後部屋から出て行ったけど〜?」
そう答えながら洗面所の方に歩いていくアシュレイ。
「夜羽子は起こした・・・て事は、今は横島君の部屋?」
「お兄ちゃんの部屋・・・。」
二人のうち一人が起きてきたと言う事はそれしかなく、
「なんか・・・。」
「嫌な予感がするね・・・。」
二人で見合い頷き合うと一目散に横島の部屋に駆けて行く。
バンッ!そんな音と共に横島の部屋に入る二人、
部屋の中にジルは・・・居ない。
「ふ〜考えすぎか。」
「あ、お兄ちゃんまだ寝てる、起こしてあげようっと。」
ほっと息を吐き出した後横島の寝ている方へ歩いて行く・・・が!
「あれ?なんか大きい気がする・・・。」
「どう考えても大きいよね。フェンリルちゃんそっち持って、1・2・3で引っぺがすよ。」
「は〜い。」
大きいというのは布団の膨らみのようだ。
フェンリルが返事と一緒に足の方へ移動し布団を掴む。
「いくよ〜、1・2・3!それ!」
ガバァッと布団が取り払われたそこには、
「「あああああぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜!?」」
ぐうぐうと眠っている横島と、何故かその腕に抱かれ体中真っ赤に染め上げたジルの姿があった。
「なななななな・・・!?」
「あ〜ジルちゃんずるい〜!!」
その様子に真由美はワナワナと振るえ、フェンリルはずるいずるいと膨れて文句を言う。
「んあ?朝か〜?」
いくらなんでもこの騒ぎでは目が覚めたのか横島が声の方を向き目を開ける。
「あれ?フェンリルに真由美ちゃん?起こしにきてくれたんか?」
「起こしにきてくれらんか?じゃないです!なにしてるんですか〜!?」
「へ?何してるって何も・・・。」
ガー!っと自分の胸の辺りを指差し叫ぶ真由美に疑問を抱きつつそちらを見ると、
「あう〜。」
全身真っ赤にそめ上目使いでこちらを見ているジルの顔がドアップで映り固まる。
(え?なんでジルちゃんがここに?てかこの胸に当たるふにふにした感触はジルちゃんの胸か?それになんかいい匂いも。)
そんな事を考えほわ〜っとなるが、
「何時までそうしてるんですか〜!」
「お兄ちゃん離れて!ジルちゃんも〜!」
全然離れる様子の無い二人に横の二人が切れた。(ジルは横島に抱きしめられ離れたくても離れれないのだが。)
「うあ〜〜〜!ジルちゃんゴメン!」
「いえ!私の方こそすいません!」
その二人の剣幕に何故か謝りあいながら離れる二人、
「ぜ〜ぜ〜、で?なんでこんな状況になったの?」
息を整えこうなった経緯を問いただす真由美、
今だに背には鬼を背負っており言葉は静かだがその迫力はかなりの物だ。
フェンリルはその頬を膨らませジト目で二人を見ている。
「えっとそれは〜・・・。」
真っ赤になったまま理由を話始めるジルだった。
━約5分後━
「なるほどね。」
「お〜に〜い〜ちゃ〜ん〜。」
用はあの後、寝ぼけた横島に布団の中に引きずり込まれそのまま寝ていたらしい。
(ちなみに引きずり込まれ抱きしめられた所でジルの思考は混乱の極みに達したらしく、恥ずかしさと何故なのかは解らない暖かさや心地よさの性で抜け出せなかったようだ。)
「えっと・・・二人ともそんなに怖い顔しないでくれないかな〜?」
「「・・・。」」」
目が笑って無い笑顔で横島の方を見る二人にたじたじになっている横島だった。
その後の話し合いの結果、
フェンリルは一緒にお昼寝する事で、真由美は夕飯の買出しに一緒に行く事で許して貰えた。
ジルはと言うと、
「えっと、寝ぼけてやった事だし別にいいです。それに・・・嫌じゃなかったし。」
後半は消え入る様な声で呟いたのは言うまでも無い。
(フェンリルと真由美には何故かしっかりと聞こえていたらしく、危機感をつのらせたらしい。)
その後はごくごく普通に朝食を食べ終了。
特に事件と言えるのはアシュレイにすべて聞こえていたらしく、横島が「ロリコン・・・。」と呼ばれ激しく落ち込んだ事くらいであろう。
━約一時間後━
ピンポーン
「ん?客か〜?」
呼び鈴が鳴り近くにいた横島が応対に向かった。
ドアを開けると其処には、
「やあ、横島君。言ったとおり契約の詳細を話しに来たよ。」
夜の格好そのままのステラが立っていた。
「ああ、そういやそ「ステラ!?なんであんたが家に!?」あちゃ〜・・・。」
「なんだ、私が来る事を言ってなかったのか?」
誰が着たのかと様子を見に来たのだろう。
居間から出てきたアシュレイの様子を見しまったと頭を片手で抑える横島、それにステラは呆れたように話しかける。
「ああ、ちょっと朝いろいろあってな。すっかり忘れてたよ。」
はあっとため息を吐きつつ同意する横島、その様子を見たアシュレイは、
「なんでそんなに親しそうな訳?知り合いなの?」
怪訝そうに尋ねてくる。
「ああ、昨夜ちょっとな。」
それに答える横島、そこでステラがアシュレイに対して、
「安心したまえアシュレイ、今日はこの横島君とある契約を結びに来ただけだよ。」
「契約?」
「そう契約だ。」
そういい、にっこりと微笑んでみせた。
━後書き━
はい第十三話お送りさせていただきました〜。
いや〜最初の騒動を書いたら予想外に長くなって交渉まで書けなかった^^;
キャラが勝手に動くわ動くわ(何処か突き抜けたような笑い
もうちょっと簡単に書くつもりだったんですがね〜(滝汗
ええ〜ステラとの交渉は次回に持ち越しとなります^^;
まあそれは以外に簡単に終わると思いますがね。
次はそんなに間が開かない様にがんばりますので見捨てないでやってくださいな^^;
お願いします(滝涙
ではレス返し〜
遊鬼様
ん〜価値を理解していない訳ではないと思うのですが、猿とか竜のお姫様なんかが口を酸っぱくして言っているはずですしw
まあ女子供にはトコトン甘い彼ですし、ステラの勢いに押し切られたのでしょうw
次回に交渉に入ります。見捨てないでやってください^^;
SIRIUS様
見れるようになってよかったですよ〜^^;
修羅場・・・ん〜今のステラとの関係では無理ですね〜今回ので満足していただけるといいのですがw
タカちゃん様
すいません〜バトルも次回か次々回に持ち越しになってしまいました〜^^;
次回をお待ちくださいませ^^;
ステラさんは基本的に苦労人ないい人で行こうかとw
ななし様
ありがとうございます〜。
おもしろいと言っていただけるとマジで嬉しいです(感涙
期待に答えられるようがんばります!
D,様
名前訂正しておきました〜ありがとうございます。
ん〜ステラさんが横島に惚れる可能性・・・半々かな?協力者であって仲間では無いのであんまり登場回数は多くなさそうなので解らんすね〜。
KKHN様
はい来ましたw
でしょうね発音できないっすよw
いあいあいあ、ラユュー様はすでに大人形態なのでロリでは^^;
森型様
あははは^^;そんな怖い事を言わんでくださいよ〜^^;
まあ人に自分の研究を教えたり、研究に支障が出るような事はしないと思うので大丈夫だとは思いますですはい。
なまけもの様
前回はレス返し忘れてしまって申し訳ありません(土下座
ん〜悪用しないはそうですね付けると思います。
一日で3〜4個生成可能なのでそんなに多くはないかと^^
霊力の塊なのですが出しっぱなしだと徐々に劣化するなんて設定も考えているんですよ〜。
3日か4日で使い物にならなくなるとして一週間は7日なので2個ですかね。
まあステラの事ですしすぐに保存法位考え出しそうですが^^;