ブォーーーーーーーーーー・・・・・・・・・・・・。
巨大な貨物船の汽笛の音が木霊する港。
他に人影は無く、少々肌寒い潮風の音とそれに乗り優雅に飛ぶ海鳥達の鳴き声だけが耳に入る。
周囲には積上げられたコンテナの群。
私は物陰に身を隠しながら、胸のロケットを開く。
「・・・・・・・・・・・・・カズキ。」
ロケットには、中学生くらいの日本人の少年の顔が写った写真。
まだまだ幼い、それでいてどこか儚い笑顔の少年と、それを囲む自分とあいつらの姿。
もうあれから4年か・・・。
そう考えるだけで懐かしく感じる。
自分がそれまでの人生から決別し、今の人生を歩む切欠を作った少年。
まだ子供でありながら、異質なまでの戦闘能力を持つ、ジョーカー。
行動は乱暴な点が多いが、根は底抜けに優しく、かなり優柔不断。
だが、そんな所も愛しいと感じてしまうのは惚気だろうか?
正直、浮気性なのがいただけないが、彼の存在は人一人に束縛できるものではないと直感的に感じている。
古い世で言う、覇者の貫禄とでも言うのだろうか。
時代が時代ならば、彼は一国の王か、それとも彼の国で言う武将だったか・・・。
そんな可能性を秘めた少年。自分の想い人にして恋人。
そして・・・マスター。
あの時自分は死んだのだ。
そして、今の自分はこの少年の為に生きている。
ただ、それだけだ。
だが・・・・
「おのれ女狐どもめ・・・・仕事だなんだと言って私をカズキから遠ざけて・・・いつか仕返ししてやるからな・・・ッ」
恨み言を吐きつつ、腕時計を見る。
時間だ。
港に入ってくる車がある。
あれが今回のターゲット。
まったく、あいつも無茶な仕事ばかり回してくる。
それでもその仕事を完遂するのが、私の役目でありプライドだ。
少年に誕生日に貰ったお揃いの黒のコートをはためかせ、私は私の仕事場へと向かう。
かつての血塗れ、だが今は血に塗れることはない。
何故なら・・・・
カズキに貰ったコートが汚れるぢゃないかッ!!
さぁ始めようか、今日の演目を。
仕事の為、私の為、そしてカズキの為、犠牲になるがいいさ汚物共。
今日の私は少々気が立っているのだ。
カズキのヘルプに飛んでいけない自分への苛立ち。
そしてその原因を作った連中への怒り。
ちょうどいいから憂さ晴らしをさせて頂こう。
なに、裏社会でも汚いことをしてきたんだ、それくらいの罰は当たり前だろう?
カズキ、お姉さんは頑張ってるよ・・・・。
年内には逢いに行くから。必ず。
でないと姉さん寂しいから・・・。
剣の魔法使い〜第三話・後編「剣殺舞踊」
「むッ、この感じは・・・・。」
なんだか、姉の一人が物凄く寂しい思いをしている電波を受信してしまった。
確か彼女は仕事で海外のはず・・・。
たまに手紙でその切ない想いを綴って送ってくる。
読んでるだけで今すぐ飛んでいって抱き締めたくなるが、生憎とそれを許してくれない他のお姉ちゃん。
ごめんよ姉さん、今度逢ったらたくさんデートしようね・・・。
そんな事を考えている間に、どうにか幽霊少女を落ち着けて話を聞く事に成功したようだ。
「で、え〜とエリザベートだっけ?長いからエリザって呼ぶけど、16世紀の貴族の幽霊で、渡り歩いて日本まで来て、最近まで住んでた洋館を追い出された。それでここに来た。合ってるわね?あと、あたしあんたの母親じゃないから。」
「うむ、そうなのじゃ。しかし、母上にそっくりなのじゃ・・・。」
彼女の名前は『エリザベート・フォン・ノインキルヘン』
十六世紀の神聖ローマ帝国時代の貴族のお嬢様だそうだが、戦争だのなんだので家が没落してその後流れ流れに日本まで。
で、彼女はしぶとく幽霊になってまでお家再興を目指しているんだとか。
頑張るねぇ・・・お兄さんちょっと感動したよ。
「でも、なんでこの寮に来たんですか?」
「うむ、この建物には魔力の大きい者が多く住んでおって霊的にも安定しておってな。住み心地が良かったのじゃ。」
「う〜、でもでも、ここは私がぁ・・・。」
「別に出て行っても良いぞ?ただし、妾の願いを聞いてくれたらじゃが。」
「なっ、なんですかっ!?私にできる事ならなんでもっ!」
エリザベート・・・長いのでエリザの提案に飛びつく夕菜。
そこまでして俺の傍に住みたいか。見上げたストーカー根性・・・もとい、乙女魂。
「実はの、妾が最近まで住んでいた建物に、母上の形見の鎧を置いてきてしまったのじゃ。取り戻したいが、結界が張ってあって迂闊に入れぬのじゃ。お主らも妾ほどではないがかなり優秀な魔法使いじゃろ?どうじゃ、取って来てくれぬか?」
「判りました、任せてくださいっ!さ、和樹さん行きましょう!!」
え、俺も!?
「ねぇエリザ、その建物ってひょっとしてこの寮の裏手の洋館のこと?」
「うむ、そうじゃよ母う・・・ではなく、玖理子。」
ああ、あの洋館か。もう何年も人が住んでいない建物で、もう荒れ放題。
ただ、何と無く『嫌』な感じがするから興味なかったが・・・。
そう言えば、クラスメイトの鳴尾 来花が、あの土地を風椿が買ったとかなんとか言ってたな・・・。
「ごめんね、あんた追い出したのたぶんウチの業者だわ。詳しい報告来てなかったから判らなかったけど、それだとあたしにも責任があるわね。夕菜ちゃん、あたしも行くわ。」
どうやら犯人は風椿の業者らしい。まぁ、風椿も全部を玖理子さんがやってる訳じゃないし、玖理子さんの責任はそう重くないだろうが。
「良いのじゃ、母上の鎧さえ戻れば。」
「それじゃ、さっそく行きましょう。ほら和樹も。」
「なして俺まで?」
「さっき言ってたバイトよ。あれ、その洋館の中の荷物運びなの。業者が片付ける前に、良さそうな調度品を生徒会室とかに飾ろうと思って。ね、良いでしょ?」
そう言って俺の腕にその豊満な胸を押し付け、上目使いで見上げてくる。
ふふ、中々グラッとくる仕草ですね。
だが!沙弓の上目使いはそんなもんじゃないッ!!(断言)
あの、普段は寡黙で冷たい瞳が、濡れた状態で寂しげに見上げてくるんだぞ!?
それだけで俺はもう辛抱堪らんですよっ!?
・・・って、俺、誰に語ってるの?
それと、横で睨んでる夕菜が怖いのでそろそろ離れてもらう。
「はいはい、お供しますから離れてね。ならとっとと終わらせましょう。」
「話が判るわね。さ、行きましょ。」
「ああ、玖理子さん!和樹さんから離れてください〜っ」
で、徒歩で洋館前に到着。
確かに、人払いと対霊結界が張られてるな。
「あ、いけない。結界を解除しないと入れないじゃない。」
「壊しちゃだめなんですか?」
「駄目よ、この結界無理に壊すと周囲にまで被害が出るタイプなのよ。」
なんでそんな危険な結界を張るかな?
あ・・・そうか、悪戯に壊した奴を巻き込む為か・・・。
流石は風椿、転んでもただじゃ起きない精神は姉妹共通なのか。
「困ったわね、業者が来るまで待つと取り壊しの予定がずれるかもしれないし・・・。」
かと言って壊すと周囲や俺達に被害が出る。
まぁ、二人とも高レベルの魔法使いなので防御壁などを張れば問題ないだろうが、流石に周囲にまで被害を出すと面倒なのだろう。
夕菜にしろ彼女にしろ、この程度の結界なら簡単に壊せるレベルなのだし。
「なら、俺が崩しますよ。」
「え?でもあんた魔法は使えないでしょ?」
俺はご心配なく、と答えて結界の楔の場所を教えてもらった。
結界には大きく分けて二種類の結界があり、一つは防御壁や防御魔法と呼ばれる即式結界。
もう一つは広域結界と呼ばれ、前者は小規模、後者は大規模な結界を張る為のものだ。
とは言え、この二つの特徴はそれだけではない。
前者の即式は、術者が常に魔力を放出して結界を維持しなければならず、長時間の使用は難しい。
しかし、後者の結界は、基点とそれを結ぶ点を楔にして魔力を直線や曲線で走らせ、壁を形成して結界とするもので、こちらは手間はかかるが長時間の使用が可能というメリットがある。
つまり、前者は咄嗟の防御などの時、後者は篭城や人払いなどの長期の時に使用するのだ。
しかも、後者の結界は地脈やその他のエネルギーを常に送り続ければそれが尽きない限り半永久的に形成し続ける。
これを利用した古代結界などが、遺跡や地脈の上などに数多く残っている。
因みに、それぞれデメリットも存在し、前者は時間と範囲の狭さ、後者は展開時間と隙の多さである。
「ここが楔だけど・・・これをどうするの?無理に壊せば破裂するタイプよ?」
「大丈夫ですよ。この程度ならこれで十分。」
そう言いながら俺は懐から小奇麗な儀式用に見える小剣を取り出す。
実際には庫から出したのだが、この能力は秘密なので懐から出したように見せかけた。
「それは?なんか儀式とかに使う剣ぽいけど。」
「綺麗な剣ですね〜。」
夕菜の言うとおり、この小剣には様々な文字が彫られ、さらに刀身には三つの宝石が埋め込まれている。
ただ、これは儀式用ではなく、その儀式を『崩す』用なんだけどね。
「ま、見ていてください。」
俺は念のため二人を後ろに下がらせ、結界の一角を担う点に、その剣を突き立てた。
その瞬間、剣の柄に近い宝石が輝き、瞬間、パシュンと何かが消える音が聞こえ、結界が消滅した。
「え?え?え?な、何が起こったんですか?」
「ちょ、和樹、あんた何したの?」
「簡単ですよ、結界の点を崩して式を乱して消滅させたんです。普通ならそんな事すれば乱された魔力が破裂なりなんなりしますけど、これを使えば大抵の結界なら簡単に崩せるんです。」
そう言って二人に見せる小剣。
これは、対結界用の魔具で、結界の点に突き立てることで魔力の通りを遮断し、さらに突き立てた地面にその魔力を逃がすことで結界全体を消滅させることができる便利な道具だ。
ただし、崩せるのはそのレベルに見合ったものだけで、それ以上になると剣は砕けるし使った俺も被害を受ける。
まぁ、人払い程度の結界なら宝石一つが輝く程度だけど。
「へぇ〜、便利な道具もあるのね〜。」
「そういえば、私のお父さんも似たような剣を持ってました。」
そりゃそうだろ。
今でこそこういった『魔具』と呼ばれる道具は人に知られなくなってきたが、昔はこういった道具を使って魔法の代わりにしてきたのだから。
そもそも昔は今ほど魔法について解明されてなかったし、魔法回数も大雑把な数字しか判らなかった。そんな状態で不用意に使って灰になりたくない人達は、魔法に変わりに道具を使い、利用してきたのだ。
『魔具』はその道具の中でも最も魔法に近い物で、一級品の中には、かの伝説の武具や魔法以上の威力の物まで存在する。
俺の所持している魔法剣も、カテゴリー的には『魔具』に分類される。
『魔具』の特徴はそれぞれだが、共通することは使用しても『魔法回数』が減らないという一点だ。
発動・使用には魔力を必要とするが、回数のカウントはされない。
これにはかなり長い説明が必要なので今回は省略するが、早い話、回数知らずの便利な道具なのだ。
と言ってもデメリットは当然存在し、大抵の簡易魔具は直ぐ壊れるし、そうでない物は大概が扱い難い。
俺が使った小剣も、使用頻度と対象によっては直ぐに壊れてしまう脆い物だ。
そんな道具に頼るよりは、簡単で安易な魔法に傾くのは当然と言えば当然な訳で。
現代における魔具の存在はほとんど一般人は知らないと言える。
「さ、結界も無くなったし、さっさと探そうぜ。」
と言って、二人を連れて洋館の中へと入っていった。
目当ての鎧は直ぐに見つかり、今は玖理子さんが掘り出し物は無いかとあちこち見て周っている。
と、廊下に黒ずんだ跡を見つけた。
「・・・・・・。」
その跡は、まるで血が固まって変色したようなモノで、廊下から部屋へ、部屋から壁を隔てまた隣の部屋へと、まるで何かの模様を描くように続いていた。
「・・・・・・・・・ふむ、ケイなら何か判るかもな・・・。」
生憎と俺は術式は呪術にそれほど詳しい訳ではなかった。
だが、クラスメイトの諏訪園ケイや、千野矢夜はこういった術式や呪術に詳しい・・・と言うか特化しているので、知っているかもしれない。
何と無く気になってそれに触れてみようとした所で
「和樹〜、ちょっと手伝って〜っ!」
「・・・・・・はーいっ。」
玖理子さんに呼ばれた。
嫌な感じがしているが、とりあえず俺は玖理子さん達を手伝う為にその場を後にした。
その後、鎧と状態の良かった家具などを運び出し、エリザの元へと戻った俺達。
エリザは話の末、懐いている玖理子が当面は預かることになり(一応原因の一端なので)、夕菜はその部屋に住もうとしたがやって来た女子寮の管理人さんに連れて行かれた。
・・・・最初からそうすれば良かったと、俺と玖理子さんは二人して肩を落とした。
が、あの娘の事だ、どうせ俺の部屋が直ればまた来るだろう。
それを考えると頭が痛い休日の夜だった。
因みに今夜は沙弓に泊めてもらおうと思っていたが、生憎彼女は実家に戻っており、帰ってくるのが遅いのでタイミング良く出会った中田に泊めてもらった。
・・・・その日、中田の部屋からギシギシと軋む音がしていた事は、音が聞こえた高嵜しか知らないことだった。
次の日、中田が高嵜から淫らな尋問を受けたのは余談である。
和樹が一子とハッスルしている時、取り壊された屋敷の地面が不気味に赤く光り、その中心から、30cmほどの黒い影が蠢き、消えていったのに気付いたものは、誰も居なかった・・・。
次の日、なんだか嫌な予感がしてならない和樹は、中田と半分眠っている春永を連れて学校へと登校した。
それを見てクラスの男子が殺意の篭った目で見てきたが、和樹は華麗にスルーした。
そもそも、和樹は女子に人気があり、なんだかんだでモテてるのだが、幼馴染三人の存在に目が行っているため、その事に気付いている男子はほぼ居なかった。知っているのは女子と本人くらいなもので。
さらにこの日は、転入生が来るという噂と、それが男か女かの賭けで盛り上がっていた。
和樹は更に強まった嫌な予感を拭う為、春永と共に眠りへとついた。
登校してきた沙弓に、恨みがましい目で睨まれて目覚め、機嫌を直す為に奮闘したが。
沙弓嬢、今日は自分の日だからと急いで帰ってきたのに、部屋には和樹が居ないし、携帯も繋がないので物凄く不機嫌だった。
今度デートする約束で機嫌は直ったが。
ハーレムを維持するのも大変だな鬼畜。
そして朝のHRの時間、なんだか物凄く不機嫌そうな担任の伊庭かおりがやってきて乱暴に生徒名簿を教卓の上に叩きつけた。
これには普段からかおりを気にせずに儲け話をしている連中や、転入生の賭け話をしていた連中も驚いて静まった。
「あ”〜〜〜〜、喜べ愚民(男子)共。美少女の転校生だ。一応言っとくが、お前らと違ってまともだからくだらないこと教えるなよ。・・・・・・・・・(ギロッ)・・・・・入っていいぞ。」
何故か嫉妬の篭った瞳で和樹を睨んでから入室を諭すかおり。
和樹は睨まれた理由を頭の中で検索し、「あれか?最近デートしてないからか?それとも他人行儀に伊庭先生って呼んだからか?それとも内緒で葉流華さんとデートしたのがバレた?それとも前にシタときにお姉ちゃんって連呼したからかっ?」と、心当たりがあり過ぎて困っているようだった。
この鬼畜がッ。
そんな和樹を尻目に、入ってきた美少女にクラスの男子は歓喜の雄叫びを上げ、女子はそんな男子共を白い目で見て、和美と沙弓は転入生を睨んでいた。
「初めまして、宮間・・・・・改め、式森夕菜です。和樹さんの妻です。よろしくお願いします。」
そう言ってペコリと頭を下げる転入生。
転校慣れしているのか、その動作に一寸の戸惑いも無かった。
『なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!?!?!??!?!?』
そして響く大絶叫。
今度は男子も女子も関係なく叫び、あまりの大声に寮の前を掃除していた尋崎 華怜の耳にまで聞こえ、「あらあら、今日も皆さん元気ですね♪」と見当違いな発言をしていたとかなんとか。
そして教室では、大絶叫に検索を中断した和樹が、黒板の前に立つ夕菜の姿に嫌な予感が当たったと頭を抑え、女子の大半がどういうことだと夕菜と和樹を見ている。
教室全体から男子の呻き声が聞こえるが、今の和樹に気にしている余裕は無かった。
何があったかと言えば、「俺は認めない」だと「この非国民が」だの「女にモテる奴は死」だのなんだのと魔法を展開して和樹に襲いかかろうとして、和美・沙弓を筆頭にした女子に殲滅されてしまったのだ。
特に仲丸はボロボロで、倒れている上に女子に足蹴にされている。
被害を受けていないのは、女性恐怖症の數馬と、多種多芸なデブ山田、一匹狼の駒野の三人だけであった。
「さて式森、転入生の発言に対してのコメントを頂こうか?言っておくが黙秘権も弁護士を呼ぶ権利も無いぞ?」
「ねぇひゃん、ひゃっほうれひゅうはひんひれひょ(訳:姉さん、学校で銃は禁止でしょ)」
口内に拳銃を突っ込まれて思わず降参ポーズの和樹。
かおりが怒っている理由は、どうやら道すがら聞いた夕菜の惚気(ほぼ妄想)なようだ。
と言うか、学校でなくても銃は禁止と思われる。
「げほげほっ、んな事言ったって、俺は知らないッての。宮間が勝手に言ってるだけだって。」
「そんな、酷いですよ和樹さん!それに、宮間なんて他人行儀な呼び方止めてください!」
「やめて欲しかったらまず自称奥さんを止めろっての!」
続く口論の影で唯一事情を知る和美たちから訳を聞いた女子達は微妙な表情で二人を見てた。
彼女達からしてみれば、同じ男に思いを寄せるライバルなのだが、あそこまで行くと逆に凄いとまで感じるらしい。
確かに、転入した教室でいきなり妻を名乗るのだ、相当豪胆か馬鹿かどちらかであろう。
ああまで素直に気持ちを表せる夕菜を凄いと思う反面、押し付けな部分に嫌悪を感じているため、微妙な表情になっているらしい。
その後、かおりの仲裁(口内に拳銃突っ込み)で一応の終局。夕菜は改めて宮間と名乗り、一応クラスには受け入れられた。
夕菜も和樹が絡まなければまともと言うか素直な性格なので、クラスからの受けは良い様だ。
もっとも、和美や沙弓、かおりからは依然敵視されているのは、襲撃事件などの影響か。
まぁかおりは単純に和樹が他の女子と仲良くしているのが悔しいだけだが。
その後授業は平和に続き(休み時間の度に夕菜が和樹に迫ろうとしたが男子共の質問攻撃と和美達の連携で防いだ)、今は体育の時間。
B組男子は外で徒競走、女子は体育館でバレーの予定である。
女子更衣室内でお喋りしながら着替えているのは、和美達を筆頭にした和樹大好き軍団である。
「そりゃ、昔から一途に好きだったていうのは認めるわよ?でもああまで押し付けだとどうもね〜。」
「そうね、あれじゃ強引な訪問販売と変わらないもの。」
「しかも話聞いてないからね。」
と話すのは、和美に一子、柴崎怜子である。
一子は父親が有名な脚本家で母親は現役の女優で、彼女自身もアイドルのように美少女なのだが、演技は下手で歌も音痴と絶望的だった。
それ故当初は性格が捻じ曲がっていたが、和樹のお陰で演技も歌も何とかなり、今ではかなりの実力者になっている。
当然、和樹LOVE。昨日も恥ずかしい特訓を二人でしていたり。
柴崎怜子は実は沙弓と同格レベルのB組の『マトモ系』で、委員長気質なのだが、流石にB組で委員長なんて役職はするつもりはないようだ。
その性格と容姿から社長秘書が高校生をしている、なんて陰口などを言われたりしている。
彼女は前に危ない所を和樹に助けられているからか、和樹に対してはかなり従順らしい。
どんな風に従順かはご想像にお任せする。
因みにこの更衣室にいるのは、和樹の想いを寄せている又は既に捧げた女子達であり、その他の女子は既に着替えて体育館へと向かっている。
夕菜は紅尉から精確な情報が知りたいと言われ現在保健室で検査中である。
ここに居る面々は、先の三人の他にスカートを脱いでいる沙弓、上着を着ている高嵜 涼、お菓子を食べている西脇 裕子、それを貰っている飯尾 未空、お喋りしながら着替えている諏訪園 ケイと、その話し相手になっている千野 矢夜、半分眠っている春永 那穂と、彼女の着替えを手伝っている片野坂 雪江、そんな光景を激写して和樹にプレゼントしようとしているのが鳴尾 来花である。
総勢12人。二桁である。
これだけで和樹がとんでもないスケコマシだと判るが、それでも好かれている辺り、ハーレム構築の才があるのか、それともそれだけのカリスマがあるのかは微妙だが。
因みに、来花が写真を撮る度に全員がポーズをとるのはどうなのか。
しかも雪江さん、那穂がお眠なのをいいことにえちぃポーズさせまくりである。
後日、この写真を見た和樹がどうなったかは・・・語らずとも判るものである。
全員がそろそろ着替え終わるかという時に、沙弓はハッと顔を上げ、辺りを見回した。
その反応に全員が「また仲丸達の覗きか!?」と臨戦態勢になるが、そもそもこの女子更衣室は玖理子が覗き対策に強力な結界を張らせたので覗く事は出来ない。また、鍵も最新式の魔法錠なので盗みも不可である。
天下の大泥棒であるル〇ン三世とかなら可能かもしれないが。
「どうしたの沙弓?」
「判らないわ・・・なんだか、嫌な気配がするの。」
退魔の一族としての血がそう叫ぶのか、沙弓の顔には冷や汗が流れていた。
「きゃっ、何これ!?」
飯尾の声に全員が出入り口の方を見ると、ドアノブから手を離した彼女の手に、白い粘着質の糸のようなモノが絡み付いていた。
「これは・・・蜘蛛の糸?」
柴崎がそれを見て疑問の声を洩らした瞬間、更衣室内のあちこちから悲鳴が上がった。
見れば、いつの間にか室内いたる所に白い糸が張られ、それが女子達の身体にまで張り付いていた。
「何よこれ・・・離れないっ!」
高嵜が振り払おうとするが、糸は千切れるどころかさらに絡みつき、どんどん彼女達の身体に絡み付いていく。
「沙弓!」
「ええ、ただの糸じゃないわ!」
和美と沙弓がそれぞれの相棒たる道具を出す。
和美は、襲撃事件の時に持っていた鞭を出現させる棒を。
沙弓は腕輪をつけ、その腕輪が変化して凛の刀を防いだ鉤爪付きの籠手に変化した。
二人の道具も、和樹のと同じ魔具であり、和美のは魔鞭と呼ばれるモノで、使用者の魔力性質に合わせて属性を持つ鞭(性質が炎なら炎の、水なら水の鞭を形成する)であり、和美は炎の性質なのか鞭は燃える炎で形成されていた。
和美の魔具の利点は、属性付加+使用者に対しては効果が及ばない点であり、例え炎で出来ていても、使用者には炎の効果が伝わらないのだ(ただし、当たれば痛いのは当然。鞭なので使用が難しいのと、鞭を形成するまでが大変なのがデメリット)
対して沙弓の籠手は、変化系と呼ばれる魔具で、最大の能力はその名の通り変化すること。
腕輪が籠手に、ピアスが剣に、指輪が盾になど、変化系は別の物へ変化するのが特徴であり、沙弓のような退魔の仕事をしている人間には割りと重宝されている。ただ、数が最近では少ないので、魔具の中でも珍しい物になっているが。
和美は短めに形成した鞭で、沙弓は爪で友人に絡みつく糸を切断しようとする。
「はっ!、大丈夫雪江、那穂っ」
「は、はい、大丈夫です。」
「ん〜、何が起きたの・・・?」
沙弓は次々に糸を切断するが、どこから出てくるのか、切っても切ってもまた糸が絡みつく。
「何よこれ・・・焼き切れないっ!?」
一方の和美は、糸に鞭を触れさせ、炎で切ろうとしたが・・・何故か切れず、しかも触れた瞬間鞭の炎が小さくなってしまった。
「魔力が吸い取られてる・・・?何なのこの糸っ!?」
和美の魔具では切れないため、沙弓が奮闘するが、だんだんと彼女一人では手が回らなくなってくる。
「な、なんで空かないの!?誰か、誰か居ないのっ!!」
飯尾と西脇がドアを開けようとするが、扉は溶接されたようにびくともしない。
「うぅ、ケイちゃん、これって・・・。」
「うん、矢夜・・・まさか、でも・・・。」
何か思い当たることがあるのか、泣きそうな矢夜と、彼女に纏わりつく糸を剥がそうとするケイ。
「ああもうっ、こうなったら魔法で・・・っ!」
痺れを切らした涼が魔法を放とうとして魔力を集中させる。
「っ!高嵜ダメっ!!」
ケイが何かに感付いて涼を止めようとするが遅かった。
放たれた魔法は糸へと近づき・・・吸収された。
「・・・嘘、なんで・・・?」
「皆、魔法使っちゃダメっ!この糸は――きゃっ!?」
魔法を使うなと警告しようとしたケイに、糸の束が襲い掛かり、彼女を包んでしまう。
「ケイちゃん!ケイちゃぁんっ!ひっ、きゃぁぁぁっ!?」
剥がそうとした矢夜、さらに近くにいた涼にまで大量の糸の束が襲い掛かる。
「沙弓、あそこっ!!」
「何よ、あれ・・・っ」
和美が指差した先は、更衣室の窓側。
しかし、カーテンで仕切られたそこの手前に、湾曲した空間が生まれていて、全ての糸はそこから繋がっていた。
その湾曲空間に引き摺りこまれそうになっている三人を助けようと、雪江と玲子が引っ張るが、さらに湾曲空間から糸の束が放たれ、彼女達にも絡みつく。
「雪江さん!玲子っ!」
「和美、駄目よ、無闇に近づいちゃ・・・和美っ!!」
次々に糸に包まれ、繭状になって空間に引きずりこまれる。
なんとか有効な鉤爪で糸を切っていくが、まったく間に合わない。
未空が、一子が、裕子が、来花が次々と引きずりこまれる。
「杜崎さ・・・助けて・・・っ!」
「春永!春永ぁーーーっ!!」
那穂まで引き摺りこまれ、焦る沙弓。
そんな彼女の手足にも糸が絡みつき、身体を取られる。
「くっ、こんな・・・あぐっ!・・・・・助けて・・・助けて・・・かず・・・・き・・・・」
ズルズルと引き摺りこまれる瞬間、彼女は自分が知りうる、最も強く、もっとも頼りになる男の名を呟いた。
静かになった更衣室の中には、脱ぎ散らかされた制服と、裕子の残したお菓子の箱だけであった。
「・・・・・・・ッ!」
校庭で徒競走をしているB組男子。
と言っても、ほとんどの男子は更衣室を覗こうとして教師に見つかり、罰としてマラソンをさせられている。
残っているのは數馬と山田、駒野と和樹だけであった。
「どうかしたのか式森?」
タイムを計っていた山田が、突然頭を押さえた和樹にそう問いかけた。
「いや、なんでもない・・・。(なんだこの嫌な感覚・・・まるで・・・。それに、沙弓達の声が聞こえた気がした・・・まさか・・・ッ)」
「どうした式森?」
戻ってきたく數馬がそう問いかけた瞬間、和樹は彼の肩を掴んでいた。
「數馬、すまんが俺は猛烈に腹が痛い。先生にそう言って置いてくれッ!頼んだッ」
「あ、おい式森っ!?」
用件を言うだけ言って校舎へと目掛けて走り出す和樹。
「どうしたんだアイツ?」
首を捻る駒野と山田。
「式森・・・・突然で強引なお前も素敵だ・・・。」
「「・・・・・・・・・・・・・ッ。」」
小さくそう呟く數馬と、それが聞こえてズザッと遠ざかる二人。
數馬秀明、極度の女性恐怖症。だからと言ってそっちの道はどうなのかと、二人は心の中で呟いた。
その内、北野岳也とそっち系の話題で盛り上がれるようになるかもしれない。
「沙弓、和美!・・・・誰も居ないのか・・・?」
校舎へと入る前に体育館の方をチラリと確認してから更衣室までやってきた和樹。
体育館には女子は半分しかおらず、担当の女性体育教師もB組だし・・・と、来ている生徒だけにバレーをさせていた。
変態呼ばわりされる覚悟で更衣室へと入ったが、中は蛻の殻であった。
「・・・・これは・・・裕子の菓子か。アイツが食べかけで残すわけがない・・・。」
二時間目の休み時間に、夕菜から和樹を離すために裕子が新作の菓子だと言って和樹に持ってきた物だった。
「・・・ッ!こいつは和美の魔鞭っ!?あいつらに何が・・・ん、これは・・・。」
よく見ると足元に粘り気のある白い糸が落ちていた。さらにロッカーや長椅子にも、糸が付着している。
そして、和樹は静かに窓際を見た。
そこに微かに残る魔力、それも『異形』の臭い。
和樹の中の何かが警告を鳴らす。
――――――敵ダ、獲物ダ、狩レ、殺セ、殲滅シロ―――――――
何より相手は俺の、『我』の女に手を出した。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
和樹の瞳から優しさが消え、顔は冷たいほどに無表情になる。
そして、虚空から一本の剣を引き抜いた。
「・・・・次元を紡げ―――ディメラルト―――。」
「う、うぅ・・・・ここは・・・・?」
沙弓が目を覚ますと、そこは不可思議な空間だった。
湾曲と屈曲を繰り返す空間。上も下も認識できないが、重力は働いているようだ。
様々色が練り合わさっている空間の壁を見ていると気分が悪くなってくる。
動かない身体を確認すると、まるで十字架にかけられるようにして糸で包まれ、貼り付けにされているのが確認できた。
周囲を見渡すと、同じように捕らわれている友人達を見つける。
「皆、目を覚まして!しっかりしなさいっ!!」
「う、うぅん・・・あれ・・・?」
「ここ・・・どこ・・・?」
「なによこれ・・・・動けないじゃない・・・。」
全員が目を覚まし、状況に困惑していると、沙弓がハッと気付いて上を見上げた。
全員がそれに倣って上を見ると、そこには・・・
――――醜悪で巨大な蜘蛛が居た。
「ひっ、な、なによあれ・・・っ!?」
「し、知らないわよっ!」
目の前の巨大蜘蛛に怯える少女達。
蜘蛛はそんな少女達の姿を楽しむようにゆっくりと糸を伝って地面と思われる場所に居り、ゆっくりとこちらへ近づいてきた。
「ひっ、く、来るんじゃない!この・・・ッ」
「高嵜!ダメッ!」
恐怖から魔法を発動させようとする涼。
しかし魔力は集まった途端に、身体を包む糸に吸収されてしまう。
さらに、魔法が吸収されたのに同期して、蜘蛛の巨体がさらに大きくなった。
3メートルほどだった蜘蛛が、今では5メートル近くまである。
「やっぱり・・・皆魔法はダメ!この糸、魔法を吸収するのっ。」
ケイがそう叫ぶと、全員が愕然とした顔になった。
魔力・魔法を吸収する。
つまり、捕らわれた彼女達には脱出不可ということになる。
唯一切ることが出来る沙弓の爪も、動かせないように彼女だけ両手が他の子より念入りに包まれている。
「ケイちゃん、あの蜘蛛、やっぱり・・・。」
「ええ、矢夜。その通りよ。」
「知ってるのっ?諏訪園ッ」
沙弓の問いかけに頷くケイ。
「あれは魔界蜘蛛。別名異空蜘蛛とも言って、魔界に生息する魔力を餌にする魔物よ。こいつらはその空間とは別の空間を巣として持っていて、その中に獲物を捕らえ、魔力を食べるの。しかも、肉体もろともね。」
「まんま蜘蛛ってことね。趣味悪。」
「それだけじゃないのよ松田。あの蜘蛛の最も最悪な部分は・・・雌ならまだ良いわ、もし雄だったら、私たち全員あれの子供を孕まされるわ。」
『ッ!?!?』
ケイの言葉に全員の顔に絶望が浮かぶ。
『ギギギギ・・・ヨク知ッテルナ・・・・。』
突然耳障りな声が蜘蛛から聞こえ、全員が蜘蛛を見ると、蜘蛛の頭の上が盛り上がり、人の上半身のような形になっていた。
「なにあれ・・・キモッ。」
「あいつらは魔力を吸収して急速に成長するの。だんだんと知能や変化が起こったりするそうよ。そして無節操に多種族の雌を孕ませ、子を産ませる。・・・・確か、生まれるときに母体を餌にもするって書いてあったわ。」
「最悪じゃないの。何、私たち全員あの化物に犯されて孕んで餌になってハイさよなら?冗談じゃないわよっ!」
叫びを上げながら暴れる和美。
しかし粘着質の糸は、揺れるだけでまったく切れない。
『ギギギ・・・オトナシクオレノ子ヲ宿スンダナ・・・ギギギ』
嘲笑う蜘蛛の上半身。しかし、元が蜘蛛のためか、人型の上半身も蜘蛛っぽかった。
「ふざけんじゃないわよっ!私が孕む子供の相手はもう決まってるのよっ!!この前だって子宮が破れると思うくらいいっぱい中出しされちゃったんだからっ!!・・・・・ピル飲んでたけど。」
蜘蛛の化物相手に堂々と言い放つ和美。最後の部分だけは小声であったが。
因みに彼女が飲んでいるピルは、なんと紫乃先生特性で、副作用も無い上にほぼ確実に妊娠ブロックの優れものだそうだ。
頼めば健康診断の後に専用のモノを作ってくれる。
彼女にしてみれば、和樹の子供が不用意に出来ないようにする為に予防策なのだろう。
なにせ、彼女は自分で和樹の長男(長女でも可)を孕むと宣言している。主に兄に。
「それなら私もよ。と言うか、蜘蛛程度が彼に勝つなんて不可能でしょうけど。」
「言えてるわね。女の子相手とは言え百戦錬磨な私が、指だけで昇天しちゃったんだもの。」
鼻で笑う沙弓と涼。
他の女子達も、自分が経験した『彼』の凄さを赤裸々に語っていた。
『ギギギギッ・・・馬鹿ナ雌ドモダ・・・ナラソノ考エヲカエテヤル・・・ッ!!』
彼女達の言葉が頭に来たのか、そう意気込んで精管と思われる器官を露にする魔界蜘蛛。
その醜悪さに何人かは顔を背けるが、沙弓達はそれでも笑っていた。
「無駄よ、『彼』が存在する限り、私たちの考えは永遠よ?それに―――――」
和美がニィィ・・・とチェシャ猫のように笑った。
「あんたは、私達に手を出したのが間違い・・・残念だったわね?」
『ギギ・・・何ヲ・・・ギッ!?』
突然蜘蛛が慌てた。
巣である空間に起こっている事を察知したのだろう。
そして歪んでいる空間の壁から一本の剣が飛び出した。
その剣がスー・・・と空間を切り開き・・・そこから人影が飛び込んできた。
「剣弾連射(ソードバレッド・ブラスト)!!」
人影が放つ剣が、弾丸の如く蜘蛛に襲い掛かり、その足を二本刈り取る。
『ギャァァァッ!?ナ、ナゼオレノ巣ニ入ッテコレルッ!?』
「悪いな、邪魔するぜ。俺の女達を返してもらいに来た。こんな空間、繋がってる楔さえ見つければこいつで簡単に開くんでな。」
そう言って空間を切った剣を見せる。
この剣の最大の能力、それは他者が繋いだ空間と空間の穴もしくは点を、強制的に切り開いて繋ぐというモノ。
一度繋がった穴なら、この剣でまた開くことが出来るのだ。ただし、この剣には独自に繋ぐ能力は無い。あくまでも繋がった事のある空間だけなのだ。
和美達は願っていた通りに助けに現れた自分達の恋人にして主の姿に歓喜し・・・約一部、『俺の女』の部分でイヤンイヤンしていた。
「俺のモノに手を出したんだ・・・生かして返すと思うなよ?」
『ギギギ・・・愚カナ・・・死ヌノハ貴様ダッ!!』
蜘蛛の口から糸が放たれ和樹に迫る。
それを素早く交わし、空間を繋いだ剣を庫へと収め、別の剣を引き抜く。
引き抜かれたそれは、先端の方が太い赤い魔剣。
夕菜の精霊魔法を相殺した、炎の魔法剣。
「おぅらぁぁぁぁぁッ!!!!」
雄叫びと共に剣を縦に一回転して大振りに振りぬき・・・剣から炎が一直線にまるで列車のように放たれた。
放たれた炎は蜘蛛の足の一本を巻きこんで本体に命中するが・・・とっさに蜘蛛は当たる部分に自分の糸を吐き掛け・・・炎を吸収してしまった。
「なんだとッ!?」
「式森くん!その蜘蛛の糸は、魔力を吸収しちゃうの!魔法攻撃はダメっ!!」
ケイの言葉に「マジかよ」と焦る和樹。
蜘蛛は炎の魔力を吸収し、さらに大きくなり・・・やられた三本の内二本も再生していた。
どうやら燃やされた部分は再生できないようだ。
『ギギギ、偉ソウナコトヲ言ッテソノ程度カ・・・死ネェッ!!』
「うおっとッ」
襲い掛かる糸と足。
それを避けながら反撃しようとするが、糸を避ければ足が、足を避ければまた別の足が襲い掛かる。
「くそッ、うざったい蜘蛛だッ」
『喰ラエッ!!』
「ッ、しまっ『ドガァッ!!』――――がはッ!?」
足元に張られていた糸に足を取られ、蜘蛛足の横薙ぎの一撃を喰らい吹飛ぶ和樹。
『和樹・式森(くん・君・さん)っ!!!』
和美達の悲鳴を聞きながら立ち上がろうとするがその身体に糸を吐き掛けられ、身動きが出来なくなる。
「ぐッ、くそ・・・糸が絡み付いて・・・ぐぉぉぉぉッ!」
『ギギギ、無駄無駄、ソノ糸ハ人ノ力デハチギレナイ。ギギギ、ヨクモオレノ足ヲ駄目ニシテクレタナ。仕返シニオ前ノ雌ガ犯サレルノヲ見テイルガイイ。ギギギギッ!』
「てめぇッ、止めろ、そいつらに触るなぁッ!!!」
『ギギギ、ソコデ吠エテイレバイイ。サテ、マズハ生意気ナコイツカラダ・・・。』
「いやぁ、和樹、和樹ぃっ!!」
近づいてくる蜘蛛の姿に、強気な和美が涙を流しながら和樹の名前を叫ぶ。
ああ・・・また俺は人を悲しませるのか―――――
意識が朦朧とする。無力な自分が腹立たしい
―――――では如何したいのだ、貴様は
頭の中に声が木霊する
助けたい・・・もう、大切な人を泣かせなくない――――――
浮かぶのは、泣きじゃくる幼い頃の幼馴染
血まみれの大切な姉の一人
自分を抱きしめて泣くもう一人の姉
そして、今泣いている大切な人達
―――――ならば使え、我が力を。我が与えたその力を
ああ、使ってやる・・・あんたの力を―――――
握り締めた拳から炎が生まれる
偉大な・・・『 』の力を・・・・ッ!!―――――
漆黒の如く、黒い炎が
『ギギギ・・・?馬鹿メ、魔法ハ効カナイトマダ判ラナイトハ・・・ギッ?ナゼダ?ナゼ吸収デキナイッ?』
和樹の両腕に生まれた炎が、そん身体に纏わりつく邪魔な糸を燃やし尽くす。
ゆっくりと立ち上がる和樹・・・その瞳が、蜘蛛を捉えた。
――――――血のように赤い、その右目が――――――
『ギギギ、バカナ、オレノ糸ガ吸収デキナイ魔法ナンテ・・・ッ!!』
「魔法・・・?勘違いするなよ塵蜘蛛。これは俺の・・・我だけの力だッ!!」
和樹の足元から吹き上がる黒い炎。
広がる蜘蛛の糸を、まるで導火線の如く伝い、捕らわれている少女達の糸を燃やす。
「うそ・・・熱くない・・・?」
包まれた少女達は、糸が焼けるのとは別で、まったく熱を感じていなかった。
それどころか、和樹の力を炎から感じて安堵すら感じていた。
「焼き尽くせ我が黒き炎よ・・・敵を煉獄よりも深い灼熱へと誘えッ!!」
『ギギャァァァァァァッ!!!ナゼダ、ナゼ吸収デキナイ!ナゼオレダケガ燃エルノダァァァァァッ!!!??』
身体を燃やす炎を消そうとするが、払っても擦っても炎は消えず、身体を燃やし続ける。
「我を侮った事を敗因と知れ・・・射口全開放、剣弾全装填。」
和樹が両手を左右に開くと、虚空から大剣が8本現れ、一列に並ぶ。
そしてその剣に黒い炎が纏わりつく。
『ギギ、マテ、許シテク――――』
「喋るな塵。我が一撃で虚無と化せ―――フルブラスト・ブレイズバレッド―――」
人差し指と中指を伸ばした右手を蜘蛛へと向け・・・八本の剣を同時に撃ち放った。
放たれた大剣は大砲の砲弾のごとく蜘蛛の身体を砕き・・・内部にまで突き刺さった剣から黒い炎が燃え移り、身体を中と外から燃やし尽くした。
『ギギャァァァァァァ!!??コノチカラ・・・マサカ・・・マサカァァァーーーー・・・・・・』
「塵すら残さん。虚空へ帰せ・・・。」
この時、消え行く中で蜘蛛は見た。自分を睨む強大な力の少年の瞳・・・その赤い瞳に浮ぶ絶対的力の数字を。
それを見届けた和樹は、右目を閉じて和美達の元へと向かった。
和樹の姿を見て動揺する少女達。
「(恐がらせてしまったか・・・無理もないかな。はぁ・・・これで嫌われたりしたらかなり悲しいかな・・・って)うわぁぁぁぁぁっ!?」
突然叫び声をあげる和樹。
それもそのはず、和美達全員が和樹の抱きつき、彼は押し倒されてしまったのだ。
「和樹大丈夫ッ!?怪我はっ?」
「酷い、血が出てるわ・・・。」
「今直ぐ治療魔法をかけますからね。」
「私も手伝うわ。」
「うわ〜ん、式森く〜ん、恐かったよぉぉぉ・・・っ」
「うぅぅ、皆どうて、式森くんを癒せないぃ・・・いつか呪う手帳・・・」
「はいはい矢夜は落ち着いて・・・。でも私も〜〜っ!」
とてんやわんやの大騒ぎである。
因みに彼女達が動揺したのは、実は傷だらけの和樹が変に色っぽく(血に濡れた顔やボロボロの衣服から覗く素肌とか)てカッコよくて、思わずドキッ!としていたのだ。
確かに今の和樹を見たら、某変態キャラが「ウホッ、良い男っ」と言って連れ去りそうなくらいだ。
和樹の心配は杞憂どころかどうでもいいレベルで片付けられてしまった。
だが、そんな騒ぎも長くは続かなかった。
主を失った巣が、崩壊を始めたのだ。
「ちょ、崩れ始めたわよっ!?」
「どうするの?どうすればいいの諏訪園っ?」
「私だってそこまでは知らないわよっ!?」
「ちっ、皆俺に摑まれ!離すなよッ」
和樹の言葉に皆確りと摑まる。
とは言え男一人に女12人は無理なので、それぞれが手を握る形で摑まった。
が、何故か那穂が和樹の首元に摑まっており、彼の胸板の厚さと温もりを感じてご満悦だった。
この時、誰かが和樹の男としてのシンボルに摑まろうとしたのは内緒だ。誰とは言わないが。
「皆準備は良いなっ!?・・・次元を紡ぎ、我らを導け―――ディメラルト―――ッ!!!」
和樹の持つ剣が再び虚空を切り裂き・・・別の場所へと移っていた。
「で、結局あの蜘蛛は意図的に放たれた訳じゃなかったんだな?」
次の日、授業中なのに屋上に居る和樹。
彼の傍には、同じように授業エスケープ組のケイと矢夜の姿があった。
「ええ、鳴尾の調べだと、あの洋館に15年位前に住んでた人の娘が、轢逃げされたんですって。その後一家は離散、残った父親も、数ヵ月後に遺体で発見されたそうよ。」
事の顛末を話し合う三人。
因みに昨日あの空間から脱出してからが非常に大変だった。
何せ、崩れかけた空間から無理矢理脱出したのが原因なのか、男子寮と女子寮が何故か合体していて彼らを驚かせた。
蜘蛛の事は沙弓達が退治したことにし、被害も彼女達以外にはなかった為、玖理子たちも胸を撫で下ろした。
実は説明に行ったときに玖理子にはバレたのだが、和樹は目立つのを嫌うので黙っていて貰う事にした。
とは言え、学園内での評価が著しく低い和樹が倒したと言っても、B組女子と一部以外は誰も信じないだろうが。
「で、ここからは私の推測だけど、たぶんあの蜘蛛を召喚したのは館の主人・・・つまり父親ね。」
「でもなんであの蜘蛛なんだ?」
「理由はたぶん、あの蜘蛛の特性ね。あの蜘蛛、文献だと『繋がり』を辿る能力を持ってるの。で、轢逃げされた犯人は捕まってないでしょ?だから・・・。」
「なるほど、娘の遺体なりなんなりから『繋がり』を辿らせ、その相手を殺ったのか。」
「そっちも鳴尾が調べたけど、たぶん同じ頃に死んだ男がそうだと思うの。蜘蛛に殺させれば不可解事件として気付かれ難いし。ね、矢夜?」
「(コクコク・・・)・・・・ッ」
「ふ〜ん・・・で、俺が洋館で見た血の跡は、その蜘蛛を封じてた結界だったのか。」
「うん、たぶんね。式森君の見た形だとそうだと思うの。たぶん、殺した後に魔力を吸収して強くなっちゃったから慌てて封印したんでしょうね、しかも自分の血を使ってまで。形から推測して、魔法吸収か減衰型の結界だと思うの。」
「それで、結界に魔力を吸収されてた蜘蛛が、高い魔力を持つ学園の生徒に目をつけたってことか。しかも、態々女子更衣室に罠を張ってまで。」
「そうね。あの蜘蛛の雄は多種族の雌を捕まえて、その雌に子供を産ませるってタイプだから。私の子宮は式森君専用なのに。」
「そりゃ嬉しいな。ところで、雌はどうやるんだ?」
「・・・・・聞かない方が良いと思うよ?」
「・・・・・・・そうする。萎えそうだ。」
因みに雌は、捕まえた多種族の雄(同属の雄でも可)の精巣を性器ごと取り込み、体内で受精させるのだ。当然雄は大事な部分食い千切られて、しかもその後は生まれた子供の餌である。想像するだけでも男には地獄だ。
「でも、なんで女子寮と男子寮がくっ付いたんだ?あれは俺だけが原因じゃねぇよな?」
「う〜ん、たぶん二つの寮にもあの蜘蛛が作った穴があったんだと思うの。それで、巣が崩壊するときに無理に穴を開いたから、空間ごと引き寄られてくっ付いちゃったんじゃないかしら?」
「そう考えると納得するが・・・あの蜘蛛なんて寮にまで・・・って、そうか、俺達を辿ったのか。」
「?式森君達を?」
「ああ、たぶん洋館に残ってた俺と宮間の『繋がり』を辿って寮にきやがったんだ。で、生憎と誰も居なかったから更にそこから学生達の『繋がり』が強い学園に来た・・・って所だろ。一時間目に更衣室を使った女子が無事だったのは、たぶん空間を繋ぐのに時間がかかったからだろ。」
「なるほど、式森君頭良い〜っ」
「うん・・・くふぅ・・・・んん・・・っ」
二人があははははと能天気に笑っていると、先ほどから無言だった矢夜が小さく喘ぎ声を洩らし始めた。
「ん、どうした矢夜?もう限界か・・・?」
和樹は自分の『膝の上』に座っている矢夜の耳元に、そう問いかけながら小さく息を吹きかけた。
「ひゃんっ・・・ま、まだ大丈夫・・・んんっ・・・くぅんっ・・・。」
鼻にかかった甘い声をあげながら真っ赤な顔をして呟く矢夜。
「んふふ、矢〜夜ぁ〜?我慢は身体に悪いわよ〜・・・?」
親友の頬をペロっ・・・と舐めながら、優しく囁くケイ。
「ふやぁ・・・ケイちゃ、ダメ・・・そこ触ったら・・・ひゃんぅ・・・っ」
「うわ、矢夜ったらもうびしょびしょじゃない。エッチなんだから・・・そんなに式森君の気持ち良いの・・・?」
股をモジモジをすり寄せながら、矢夜のソコを弄るケイ。
「う・・・うん、・・・式森くんの・・・すごく大きくて・・・奥まで・・・くぅぅぅん・・・っ」
「わ〜、矢夜のお豆さん、こんなにプックリ膨らんで・・・美味しそう・・・ちゅ。」
「ひやぁぁぁぁんっ、ケイちゃ、ケイちゃん、ダメぇ・・・剥いちゃダメなのぉ・・・ひゅんっ」
「ふふ、式森君のを根元まで飲み込んでるの丸見えよ矢夜?」
「や〜ん、見ちゃダメ、見ちゃダメぇ・・・恥かしい、恥かしいよぉ・・・きゅぅぅ・・・っ」
もうお気づきかもしれないが、実は和樹、先ほどの会話の最中ずっと矢夜を抱っこした状態で繋がっていたのだ。
しかも、両足を立てて矢夜が足を閉じられないようにして。
鬼畜だ、いつも以上に鬼畜な和樹。
実はこれ、昨日の戦闘が原因だったりする。
和樹は戦闘やそれに順ずる行為を起こった後に、高い性的欲求が襲ってくる。普通なら普段からしているような、相手を可愛がるのや愛する行為で十分満足する(それでも回数は多い)のだが、昨日のように身体に大きなダメージや、大きな力を使うと更に欲求が上がる上に・・・サドになってしまうのだ。
段階分けをするなら、普段がC、昨日位がBで、更に上だとAとする。
Cは愛でる事や愛することが主になるが、Bになると相手を虐めたり開発したりしたくなり、Aに到ってはもう獣(ケダモノ)である。
因みにAを体験したのは奇跡的に三人で、千早とかおりと外国で頑張ってるお姉ちゃんである。
「和樹くん・・・もう離れられないよ・・・(ハート)」
「和樹・・・まったく、これじゃあたしが一生傍に居ないとダメだな(ハート)」
「まぁなんだ・・・和樹、一生着いて行くぞ・・・(ハート)」
と、それぞれコメントしている。
早い話、A状態の和樹の相手をしたら、どんな理由でも離れなれなくなるらしい。
まことに恐ろしい鬼畜である。
そして今の状態はB・・・つまり、開発・辱め大好きな、一番鬼畜と言える状態。
そんな訳で、矢夜はずっと恥かしい体勢で繋がったままだったりする。
とは言え、根っこが底抜けに優しい和樹のこと、当然相手が本気で嫌がることなど出来るわけもなく、なんだかんだで相手も望んでいることのようだ。
因みに、昨日は和美と沙弓、そして涼が頑張っていた。全員様々なプレイを経験してまた一つ大人(?)になったようだ。
うわ言で「和樹・・・ダメ、お尻は弱いの・・・」とか、「動けないのはイヤよぉ・・・」とか、「くぅ〜ん・・・わん・・・。」とか、何か言っていたのを寝起きの和樹がぼんやりと聞いていたとかなんとか。
そして今日は矢夜とケイの二人がお相手するようだ。因みに今の状態の和樹を一人で相手にするのは禁止で、理由は二人っきりだとどこまで行くか(開発されるか)判らないからとの事。
念のため言っておくと、和樹のお相手は志願制で、当然の如く昨日の女子12人が全員挙手した。
明日は那穂と雪江である。
「式森くんっ、式森くんっ、私・・・私もう・・・ひゃぁぁぁぁっ」
「あんっ、凄いわ矢夜・・・まるでお漏らしみたいよ・・・。」
「・・・・ケイちゃん・・っ・・見ちゃ・・・やぁ・・・っ。」
「と言うか俺イってないんだけどなぁ・・・なぁ矢夜?」
「ひゃんっ!?ご、ごめんさない式森くぅん・・・っ」
意地悪な笑顔を浮かべた和樹が矢夜の露出した乳首をキュっと抓ると、それに合わせて矢夜のアソコもキュっと締まった。
それが面白いのか、何度も繰り返している内に和樹も限界になり
「矢夜、このまま出すぞ・・・。」
「うん、出して・・・式森くんの出してぇ・・・ふあぁぁぁぁぁっ!!」
ビクビクと痙攣する矢夜。彼女と和樹の繋がった所から、彼女の愛液と和樹の精液が混ざり合って溢れてきた。
「あぁん、もったいない・・・ちゅるる〜・・・。」
「やぁんケイちゃん、それ私の、私のぉ〜・・・っ」
涙目で親友に吸い取られていく愛液と精液のカクテルを見ている矢夜。
その親友の言葉に口に溜めたそれを彼女の口へと運び・・・口移した。
「ふぁい、あげゆ・・・ん・・・んん・・・ちゅ・・・ちゅむ・・・。」
「ふぁん・・・ひゃむ・・・んん・・・こきゅ・・・んん・・・。」
和樹の精液を口移しで飲みあい、口内で絡めあう二人。
そんな二人を見ていてもう復活と言うかまったく萎えない和樹。
矢夜の中からちゅぽっ・・・と音を立てて分身を引き抜き、脱力した矢夜を優しく横たえる。
「さて、次はケイかな?」
「うん・・・来て・・・式森君・・・。」
そう言ってスカートをたくし上げて和樹を誘うケイ。
今日は授業に出るのは無理かも知れなかった。
次回に続く。
あとがき
まず最初にごめんさない。
和樹の鬼畜が進行して終にケイと矢夜が餌食に(何)
今回は初めて直接的な事を書いた私。
と言うかあまり生々しいのは恥かしくて書けないというか読んでる人から文句言われそうと言うか・・・。
果たしてどこまでがOKでどこまでがNGなのか・・・やはりsukaはNGですよね?(何)
いやでも、他所様ではお尻まで書いてたし・・・うぅ〜ん・・・(悩)
その辺りのアドバイスなども貰えれば嬉しいな〜と思っていたり(マテ)
今回の和樹の新能力。
黒の炎:和樹が持つ特殊な力で、炎でありながら炎でないという矛盾した特性を持つ黒い炎。
ある程度自由に操れ、しかも特定相手に効果を及ぼさないなどの便利な部分が多い。
しかも消そうとしても消えない炎で、水でも消える事がない。燃えている服などを脱ぐか、燃えている部位を切り落とすなりしないとやがては全身にまで燃え移り、灰すら残さない凶悪な技。
炎ではあるが、無属性であり、魔法の防御もほとんど意味を成さない。唯一、聖水や神水と呼ばれる水だけが効果がある。
今回の剣 空を紡ぐ剣 ディメラルト
一度繋がった空間と空間を結ぶ穴を再び繋ぐ(抉じ開けるとも言う)剣。
それ以外に能力無し。しかも一度繋がった空間しか開けない。
便利ではあるが、使いどころが少ないとも言える。
空間跳躍や移転魔法で逃げた相手を追うのには最適。
次回はちょっと早いかもしれないけど、あの人が登場。
ヒントは神城の・・・これ以上は内緒です(何)
それではレス返し
皇 翠輝様
感想ありがとうございます。
和樹の祈りは、関係を持った相手のみが受信可能。
その範囲は和樹を想う気持ちの大きさで決まるので、お姉さん達は大抵が受信可能かと。
ただし、ちゃんと伝わるかは判りませんが(苦笑)
彼に救い?必要ですか?(何)
なまけもの様
感想ありがとうございます。
そうです、今回の件に玖理子は絡んでおりません。あくまで偶然の事故です。
そしてエリザは今回で退場・・・とはなりませんのでファンの方ご安心を。
お姉さんズは度々登場して場を乱してくれます。
皆たぶんマトモじゃないかも・・・(何)
白様
感想ありがとうございます。
どうです、リビドーに従って書いちゃいましたよフゥーー!
・・・ごめんなさい、調子乗りました(土下座)
願うだけで地球が支配<流石にそこまでは行かないでしょうけど、願うだけで女性を落すくらいはやりそうですね(何)
次回もリビドーに従って、あの子が・・・(マテ)
suimin様
感想ありがとうございますです。
話聞きませんねぇキシャー様。でも今回はちょっとは聞いたかも?
4人どころじゃありません、今日で10人追加です(苦笑)
鬼畜決定と言うかもうそれ以上になりつつあります。
補足になっちゃいますが、千早もちゃんと飲んでますよ、アレ。
和樹としては産んで欲しいのでしょうけど、彼女達は全員和樹の負担になりたくないという理由で避妊してます。約数名抜け駆けしてますが。
更新は遅いですが頑張りますよ〜。
D,様
感想ありがとうございます。
年長組の暴走・・・実は年齢からくる焦りだったりしへぶぅっ!?(何処からとも無くフライパンが)
黒いコートの人は、まぁもうバレバレでしょうけどあの人。そしてそのコートは実は和樹とお揃いの誕生日プレゼントでした。
一応、原作との違いをちまちまと出して行こうかなと…(既に設定段階で違うじゃないかというツッコミは無しでお願いします(土下座))
オリキャラも出てきますが・・・女性かどうかは・・・内緒です(何)
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