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「ある幻想の魔術師と黒の姫君   第八話  (まぶらほ+月姫系)」

REKI (2005-08-18 01:37/2005-08-18 13:39)
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そして帰りのHRの最中・・・、

(つ・・・疲れた・・・。)

ぐてっと机に突っ伏している和樹。

あの後、屋上での食べさせあいの他にも、
「教科書類が無いから見せて」と机をくっ付け、すぐ横を見ればキスしそうな距離まで密着して授業を受けたり、(勿論教科書類はわざと持ってきていない)
放課は放課で和樹の傍を離れず、
「明日のお弁当は何がいい?」なんて聞きながら、
「明日もまた『あれ』しようね〜。」なんて語尾にハートマークでも付きそうな声で甘えたりず〜〜〜〜っとしていたのだ。

おかげで周りの嫉妬の視線やら怨念の声が痛いこと痛いこと。

しかもトイレで教室を開ければ、椅子に画鋲がびっしりくっつけてあったり、
筆箱の中に爆弾が入れてあったりと嫌がらせの数々だったのだ、そりゃ疲れるだろう。

やっと帰れると嬉し涙さえ流しながら帰りの支度をしていたりするほどだった。

そしてHRが終わり立ち上がりアルトと一緒に帰ろうとした時に、

「あ、和樹さん!ちょといいですか?」

慌てて後ろから呼び止める夕菜の声が聞こえてきた。

「ん?どうしたの夕菜?」

その声に振り返りどうしたのか?と尋ねる和樹(勿論、アルトも立ち止まり夕菜の方を見ている)

「えっと、寮に荷物を運ぶのを手伝ってくれませんか?」

「荷物って・・・あ!引越しがまだ終わってないの?」

「はい、そうなんです。テレポートで運ぼうかとも思ったんですけど、量がちょっと多くて・・・。」

申し訳無さそうに言う夕菜、
ここまで聞いて和樹が断る訳も無く、

「解ったよ。帰って荷物置いたら手伝うよ。アルトはどうする?」

「私も手伝うわ。今日の買い物は昨日のうちに終わらせてあるし、正直暇なのよね。」

了承しアルトにどうするかと聞くとアルトも手伝うようだ。

だが、それに対して夕菜が、

「え?手伝うってアルトさんも自分の引越しがあるんじゃ?」

「は?」

「へ?」

そんな事を言ってくる。

「何言ってるのよ?私が引越しなんてする訳無いじゃない。」

「え?だって葵学園の生徒になったんだから女子寮に入るのが普通じゃあ?」

「何言ってるのよ。私が和樹と一緒に暮らしてるの知ってるでしょ?和樹から離れる訳ないじゃない。」

する訳無いと言った言葉に対する夕菜の返答に、何をバカな事をといった感じで返す。

「そんなの出来る訳ないじゃないですか!」

「なんでよ?」

「今までは見つかっても暗示を掛けたりとかで何とかなったかも知れないですけど、それは接触回数が少ないからでしょう?
 毎日学校で一緒に居る所を見てたら何の拍子に暗示が解けて思い出すか解りませんよ?
 そしたらアルトさんだけじゃなくて和樹さんまで退学になっちゃいます!」

そう早口でまくし立てる夕菜、
アルトはそれを聞き、しまった!といった顔をしている。

(そこまで考えるの忘れてた・・・。)

本来かなりの策士であるはずが、和樹の事となると何処か抜けているようだ。

「そ・・・それは・・・。」

「でしょう?だったらアルトさんも私と一緒に女子寮に引越しじゃないですか。」

言葉に詰まるアルトに夕菜が追い討ちをかける・・・が、

「そ、そうよ!そうだわ!家を買って其処に和樹と一緒に移ればいいのよ!それなら一緒に暮ら「む・り・で・す・!」なんでよ?!」

「葵学園は全寮制じゃないですか!よっぽどの理由が無い限り自宅通学はできませんよ!」

「そ・・・そんなのいくらでもでっち上げて・・・。」

いい方法だと思いついた方法もすぐに夕菜にダメ出しをされている。
適当にでっち上げてしまえばいいと反論するが当然夕菜には「ずるい!」とか「そんなの無茶苦茶です!非常識すぎます!」と猛反対され口論になっていると。

「その話、可能にしてあげましょうか?」

などと後ろから声を掛けられた。

「あれ?玖里子さん?何時から其処に?」

「ついさっきよ。廊下の向こう側まで聞こえて来たわよ?」

そう苦笑しながら答える玖里子、

「あ〜やっぱり、聞こえてましたか。」

「当然よ、あれだけ大きな声ならね。で、その口論の内容なんだけどさ、出来るようにしてあげましょうか?」

「どうやってです?かなり無茶なきがするんですけど・・・。」

「私に任せてくれれば大丈夫よ。紅尉先生も協力してくれると思うしね。」

「紅尉先生が?」

「ええ、実は和樹に依頼が有って来たのよ。私と紅尉先生からね。」

そう言った後、詳しくは保健室で話すからと歩き出す。

「依頼ってなんだろう?アルト。」

「さあ?でもまあ、あの紅尉の依頼だし面倒な事なのは確かね。」

「まあ保健室に行って聞いてみようか。夕菜もいい?」

「あ、はい。今の口論の内容が実現できるなんて気になるし付いて行きますね。」

そう決まると保健室へと歩いて行く和樹達だった。

━保健室━

「お、来たね。」

ドアが開き入ってくる和樹達を見ながらそう声を掛ける紅尉、

ここで少し紹介しておこう。
彼は紅尉春明、年齢不明、出身地不明、さらには今までの経歴もほぼ不明という謎だらけの人物で
現在は葵学園の養護教諭(ようするに保険の先生)になぜかなっている。

「久しぶりです紅尉先生。」

「お久しぶりね紅尉。あっと、今は学生だし先生を付けて呼ぶべきかしら?」

丁寧に挨拶する和樹と反対に軽い調子で挨拶するアルトに、

「いやそのままでいい。君に先生付けで呼ばれるなんて、考えただけで体中に寒気が走るからね。」

そんな風に軽く返してくるような人物である。

「で、依頼って何なんですか?」

「ああ、私が風椿君からされた依頼を変わりに行って欲しいんだ。私は急用で出来なくなってしまってね。」

「内容は私が説明するわね。っとその前に。」

和樹の問いに玖里子からの依頼の代理だと答えると、玖里子が説明を始めようとするがやめ、天井を向き一言。

「エリザベートあなたも出てきて!和樹達に説明するから!」

そう呼びかけた、すると、

「解った。」

そう言って天井をすり抜け見た目8〜9歳位の幽霊の少女が現れた。

「紹介するわねこの娘はエリザベート。ノインキルヘン伯ゲオルグ・フリードリヒの娘で今回の件にもかかわりのある幽霊よ。」

「よろしく頼む。」

そう言って軽く会釈するエリザベート、名前と彼女の服装、そして仕草から生前は貴族かだったのであろう事が伺えた。

「あ、よろしくね。僕は式森和樹。」

「私はアルトルージュ・ブリュンスタッドよ。あなた貴族か何かみたいね。」

「あ、私は宮間夕菜です。」

彼女の会釈に答えこちらも自己紹介する三人、

「じゃあ今回の依頼の内容と報酬、それと依頼するまでの経緯を話すわね。」

自己紹介が終わったのを見計らい説明を開始する玖里子。

内容および報酬、経緯は下の通りである。

内容・・・館に住み着いた魔物の退治
報酬・・・一軒屋と其処で暮らすための学校側への説明・理由付け
経緯
初めは風椿不動産の方で買い取った屋敷に住み着いていたエリザベートとの戦闘
数回の戦闘後、交渉に移り他の宿を提供し宿の準備が出来るまでの屋敷への滞在を許可する事で決着
だが、その用意するまでの滞在期間中に正体不明の魔物が突如現れエリザベートを追い出してしまう
風椿の部隊を差し向けるが返り討ちに、死者・重傷者は奇跡的に0
友好の有った紅尉に退治を依頼、紅尉が承諾
だが急用のため実行が不可能に、よってこちらも友好の有る和樹にさらに依頼

以上、玖里子の説明を大まかに纏めたもの。

「へ〜そんな事があったんですか。」

「そうなのよ。で?引き受けてくれるの?」

「まあしょうがないですね。引き受けますよ。」(引き受けないとアルトが怒りそうだし・・・。)

「ありがと〜和樹。その代わり家の事は全部任せて!ばっちり根回しして認めさせてみせるから!」

「ええ、お願いしますね。」

依頼内容を聞き終え引き受けると言う和樹(動機がどうかと思うが)
玖里子はそれに喜び家の事は任せろと胸を張って答えた。

「すまぬな。わらわがもう少し強ければ倒せたかもしれんのだが。」

申し訳無さそうに言ってくるのはエリザベート、
自分の尻拭いをさせているような気持ちなのだろうか?

「いいよ、別にね。まあ、おかげで家が手に入ってそこで暮らせそうなんだしね。逆にお礼を言いたいくらいだから。」

「そう言ってくれると助かるな。お主が強いのは感覚で解る。初めて会って言うのもなんだが、頼りにしているぞ。」

和樹の返事に多少表情を柔らげそう言ってくる。

「うん、ありがとう。じゃあ今から行ってきますね、早い方がいいだろうし。」

その言葉に礼を言うと玖里子にそう言って保健室から出て行く、

「あ、待ってよ和樹!私も行くわ。」

「あ、私も付いていきます!」

そう言って残りの二人も続いて出て行ってしまう。

「行ったか。まあ彼らに任せておけば安心だろうが。」

「そうですね。じゃあ私も報酬の件に関して色々とやってきますね。先生の方もよろしくお願いします。」

そう言って玖里子も出て行く。

(ん?何か伝え忘れているような・・・?)

エリザベートも消え全員出て行った後、何か忘れていると思い出そうとする紅尉、

「ああ、そうだ。」

やっと思い出したようだ。

「地脈の力がおかしくなって、あの屋敷の下に溜まっているようなのを伝え忘れた。」

椅子から立ち上がり伝えに行こうとするが、

 (いや・・・まあ大丈夫か、屋敷を破壊しない限りは噴出すような事は無いだろうし。
 それに和樹君かアルトルージュ君が気づくだろう。)

部屋から廊下にでかかった所でそう思い立ったようで、部屋内に戻ってくる。

「では私も自分の用を片付けるかな。」

そう言って奥の部屋、トビラに
『保険医私室、許可無く立ち入るべからず。立ち入った者には悪夢が降りかかるだろう』
と書かれた部屋に消えて行った。


━続く━


━後書き━
第八話お送りいたしました〜。
今回でやっと幽霊編に入れました^^;
次回で幽霊編は終わり人狼編に入る予定です(まあ本当に出来るかは解りませんが(大汗
エリザベート登場!まあ今回だけでしょうがw
ではまた次回お会いしましょう^^
あ、夕菜とアルトとの会話ですが他の人間にも丸聞こえですw
この事でまた騒動が起こったり起こらなかったりw

レス返し

良介様
ご期待に沿えたようでよかったです^^
ちょこちょここんな光景をかけたらいいな〜と思っています^^
ん〜襲撃は放置でしょうw
和樹君が負けるどころか怪我すらしないと、信じて疑っていませんから^^
まあ怪我させたら血の雨が確実に降るでしょうが^^;

ななし様
あははw甘いですかwよかったw
今後も今回に負けないくらい甘い光景を書けたらと思っておりますw

M2様
はい!がんばらしていただきます!

西手様
ありがとうございま〜す^^

ケルベロス様
嫉妬マスクですかw
来れ和樹に襲い掛かったら間違いなく血だるまでしょうなw(某吸血姫の手でw)
閉鎖ですか・・・それは悲しいですね・・・(泣

プラ吉様
う〜むその二人と一匹、後他の死徒の人とか和樹の妹に両親とかは過去回想編まで出番ないですね^^;
ただ過去編に入ると今度はまぶらほキャラの出番が無くなりますが^^;

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