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「黒い種 キラ君奮闘?物語 第51話(ガンダムSEED)」

K沢 (2005-07-26 23:10)
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黒い種  キラ君奮闘?物語


第51話  アルテミスの決戦  ルナフレの昼(前編)


AM 9:00

朝食後、フレイとルナマリアはブリーフィングルームに来ていた。

「アスラン、日が経つごとに手強くなってるわね」
「ええ、このままではまずいわ」

先の食堂でのことを思い出し、新たに対策を練る2人。

「やっぱりもっと直接手を下さないとダメかしらね」
「でも攻撃を仕掛けてもあっさり返されかねないわ」

アスランの戦闘能力は恐ろしいものがある。
これまでほとんど明るみに出てはいないが、おそらく短時間ならキラともやり合えるだろう。

「でもどうするの? さすがにMSで仕掛けるわけにはいかないでしょ?」
「確かにそうよね・・・・・・さすがに死んじゃったらキラに怒られちゃうだろうし」
「別にアスランなんてどうでもいいけど、キラに怒られるのは嫌よね」
「うん、もし嫌われでもしたら生きていけないわ」

う〜ん、と頭を悩ませるルナフレ。
しかし悩む基準がキラに怒られるか否かと言うのは・・・
と、ここでフレイが、

「そうだわ、アスランの弱点をキラに聞きましょう!」
「あ、そうか、アスランさんって身の程知らずにもキラさんの親友だったんですよね」
「キラならきっと何か知ってるはずだわ」
「それじゃあさっそく司令室へ行きましょう」

そんな流れで司令室へと移動する2人であった。


AM 9:30


司令室へと移動した2人は、早速キラが持っている特製通信機に回線を開いていた。
何かあったときのため、キラは常に通信機を所持しているのだ(腕時計型)。

「ええっと・・・・・・あ、つながったわ!」
『・・・・・・ん、通信か?』

その声が響いた瞬間、2人の少女の心臓は一気に高鳴る。
わずか数日、されど数日ぶりに愛する人の声を聞いたのだから。

「キラ、聞こえる?」
「キラさん?」
『フレイにルナ?』
「キラぁ〜」
「キラさぁ〜ん」

愛しの彼に甘えた感じの声を出す2人。
そんな2人に通信機越しに言葉を送るキラ。

『どうかしたのかい?』
「・・・・・・あ、いけないいけない」
「・・・キラさんに大事な用事があったんです」

すっかりキラの声に酔いしれていた2人だが、本来の目的を思い出して我に返る。

『・・・何かあったの』

2人の声のトーンが普段と違う事に気付き、キラの声も真剣みをおびる。

「じつは・・・」
「アスランさんのことなんです・・・」

さらに深刻そうに告げる2人。
と、ここでキラがハッとしたように声を上げた。

『まさか、ステラに何かしたの!?』
「「へ?」」

突然ステラの名を出したキラにポカンとする2人。
だが、キラは興奮して喋り続ける。

『あの野郎、何が大丈夫だ!こっちが身を切る思いで託したってのに。
 ・・・・・・ハッ!?まさか純真で穢れを知らないステラを傷物に!?』

どんどんエキサイトしていくキラ。
通信機越しの2人も若干引いている。
と、ここでフレイが動いた。

「実はそうなの、キラ。
 昨晩なんだけど、ステラちゃんが泣きながら私達の部屋に来たの。
 最初ビックリしたんだけど、ステラちゃんの服がメチャメチャに引き裂かれてて。
 どうしたのかって聞いたら・・・・・・アスランに・・・・・・」

咄嗟の芝居にしてはなかなかわざとらしくない出来のフレイ。
驚いたルナマリアも途中から笑いを堪えるのに必死だった。

『・・・・・・そうか、2人とも知らせてくれてありがとう。
 あいにく僕は今そっちに戻れないんだ。
 悪いけど僕の代わりに制裁しておいてくれない?』

完全に声から感情の消えたキラ。
聞いただけで震え上がるほどの威圧感を感じる。
何となくアスランに同情してしまう2人。

「わ、わかったわ、キラ。具体的にどうすればいいの?」

少々ビクつきながら話すフレイ。

『アルテミスのメインコンピューターにとある画像データが入ってるんだ。
 それをプリントアウトしてアスランに見せればいい。
 どんな拷問よりも効果的だから・・・ふっふっふっ』
「・・・そ、それで、そのデータは何処にあるの?」
『格納されている場所はね・・・』


AM 10:03

キラの指示通り画像をプリントアウトした2人。
今、2人はアスランの部屋へと向かっていた。
(画像にたどり着くまで無数のプロテクトを解除したため時間がかかった)

「本当にこれを見せればいいのかしら?」
「でも、キラさん嘘なんか言わないし」

実のところ、2人は半信半疑だった。
アルテミスにはキラの開発した多数の拷問マシーンが存在している。
それらを差し置いて、たった一枚の画像を見せる事がアスランにとって最大の苦しみになると言うのだ。

「でも、キラが最後に言ってたセリフ・・・どういう意味なのかしらね」
「『君にも思い出させてあげるよ・・・ふふふ』って言ってたわよね?」

キラの言葉の意味が判らずに首をかしげる2人。

「でも、この人って誰なのかしら?」
「凄く綺麗な人よね〜」
「ほんと、何となく笑ってる雰囲気がキラに似てる・・・あ、アスランがいたわ!」

画像を覗き込んでいた2人の目の前にアスランが現れた。
すぐさま駆け寄る2人。

「アスラン、ちょっといいかしら」
「・・・・・・何か用?」

フレイ達の姿を見た瞬間、何処となく緊張が高まるアスラン。

「・・・そんなに身構えなくても大丈夫ですよ。ちょっと見て欲しいものがあるんです」

そう言って紙を手渡すルナマリア。

「見て欲しいもの?一体なんだ・・・」

ルナマリアから受け取り、視線を落とすアスラン。
そして、

「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・アスラン?」
「・・・・・・どうかしたんですか?」

それっきり反応のなくなるアスラン。
フレイ達が声をかけるがまるで聞こえていない。

「・・・・・・・・・・」
「ちょっと、聞いてるの?」
「フレイ、何だか様子が変じゃない?」

アスランの顔をのぞきこむ2人。
別段顔色が変わったとか、冷や汗が滝のように流れているとかいった感じはない。

「・・・・・・・・・・」
「もしかして・・・」
「うん、せーの・・・」

2人で声を合わせ、同時にアスランの体を押した。
そして・・・

 ・・・・・・バタッ

倒れた。

「・・・気、失ってるわね」
「・・・うん、見事なくらいね」


こうして、彼女たちの戦いはアッサリと終わりを告げたのだった。


あとがき

多くは書きません。
一体誰の画像だったかは皆様の御想像にお任せします。

さて、ようやく敵がいなくなった彼女たちですが、
このまますんなりと事が運ぶわけはありません。
次回は意外な乱入者が!!!


いきなり更新ペースが乱れてしまいました。
思いのほかプライベートの時間が取れなくて四苦八苦しております。
とりあえず一週間で2話の更新でいきたいと思います。
何曜日に更新するかは週によって異なります。
あと、たぶん今週の更新は無理だと思われます。
この駄作を読んでくれている皆さん、本当に申し訳ありません。

54様、誤字の指摘ありがとうございました。

空様・スロバ様・D.様・イワッペ様・煌く凶星J改グフイグナイテッド様・54様
レスありがとうございました。

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