私の名はキンケード＝ブランブラ。
リーザス青の軍、副将。
定年まで無難に職務をこなして、退役後は平穏な年金生活に入ることを目指す、ごく無難な一職業軍人。
の、筈だったのだがなあ。
青の副将の１
「おうキンケード、随分と久しぶりだな」
再会一番、我が永遠の主であるランス王は、がははははと笑いつつそう言い放たれた。
それは久しぶりだろう、前回は魔王ランスエンドでお楽しみだったのだ。
私が退場した後も、800年以上はあのループにいたのだろうから。
前回。
そう、私とランス王は、同じ人生を延々と繰り返し続けている。
所謂、今はやりのループものというやつだ。
創造神の悪趣味とか、他の大陸の神々の依頼だとか、世界意思だとか、何かしら理由なり使命なりはあるのかもしれないが、ランス王は話してくださらない。
「せっかくだから、世界中の女をフルコンプするぞ、がははははは」
とのことで、取り敢えずはループ人生をエンジョイされている。
以前、ヘルマンのミネバ将軍も攻略なさるのですか、と質問したら容赦なく斬られた。
そんな訳で、「お前も付き合え」とランス王が極あっさりと仰って以来、
ランス王が、リーザス王になってみたり、ヘルマン皇帝になってみたり、ゼスに奴隷王朝を打ち立ててみたり、盗賊王になってみたり、AL教団の法王になってみたり、えんじぇる組の指導者になってみたり。
魔王になってみたり、魔王リトルプリンセスの魔人になってみたり、魔王ケイブリスの魔人になってみたり、魔人バボラとか悪魔ザカリテとか勇者アリオスとかを無理やり魔王にしてその魔人になってみたりする度に。
私もそれに付き合って、青の副将のままだったり、ネロ将軍の副将になってみたり、奴隷将軍になってみたり、盗賊になってみたり、AL教団の枢機卿になってみたり、えんじぇる組の支部長になってみたり、魔人になってみたり、色々な魔人の使徒になってみたり、時々機嫌を損ねて切り殺されてみたりしている。
それにしても。
シィル殿とか魔人ホーネット殿とか聖刀日光殿とかカスタムの４魔女とか。
敢えて男を連れて行くにしても、リック将軍とかならば判るのだが。
何故にこの私を？
「意表がつけるからだ」
ああ、さいですか。
あとがき
はじめまして。
ごめんなさい、悪意はないんです。