インデックスに戻る(フレーム有り無し

▽レス始▼レス末

「クロノFate 10話(Fate+クロノクルセイド)」

柿の種 (2005-05-05 18:14/2005-05-05 23:11)
BACK<

『ふぉっ、ふぉっ、人の屋敷で随分と好き勝手やってくれたの。』

 ロゼットが引き金を弾こうとした瞬間、どこからか声が響いてきた。その声の方角はまるでつかめず、そしてその次の瞬間。

「な、何よ、これ!?」

 ロゼットが驚愕の声をあげる。部屋の隙間という隙間か数千、数万、あるいはそれ以上の数の蟲が湧き出てきたのだ。周囲はあっという間に蟲だらけになり、凛達は取り囲まれる。

「くっ、流石は魔術師の屋敷って訳ね。」

 自分達が二重の罠にはめられた事に気付き、凛が舌打ちをする。すると再び部屋に声が響いた。

『遠坂の小娘、如何に冬木の町の管理者とはいえ、他人の屋敷に無断で入ってくるのは少々礼儀を欠いておるんではないか?』

嘲るようなその声に凛が言い返す。その声に声の主、間桐の家で、慎二と桜を抜いた残る人物、間桐臓硯に対して。

「そう言う事は、自分の孫をしっかり管理してから言って欲しいわね。学校みたいな目立つ場所に、あんな派手な結界張っておいて、魔術師としての常識位ちゃんと教えておきなさいよ。」

『ふむ、これは手厳しいのお。だが、まあいいではないか。実際に発動させた訳ではあるまい。それでは、ただの人間は気付くまいよ。それに、もし、発動させたとしても、問題は聖杯を手に入れれば全て帳消しにできる』

 凛の指摘に対し、臓硯は感心して“見せた”まるで悪びれない声で返す。その答えに、凛やロゼットに怒りが浮かぶ。だが、その時だった。

「ロゼッ、シスター!!」

慌ててロゼットと呼びそうになったクロノが叫び、そしてある方向を指し示す。その方向を見ると数百の蟲がライダーの足となり、そのまま彼女を部屋の外へ運びだそうとしていた。

「そうはさけないわ!!」

 銃を撃つロゼット。だが、蟲が固まって肉の壁となり、それを阻む。肉塊となる蟲のかたまり。そして、さらに引き金が弾かれるが新たな蟲が再び壁となってそれを阻む。クロノもそれに加勢しようと魔力弾を放とうとした時だった。

ビュン

蟲が飛び上がって、彼女等の方に飛んできた。魔力弾の方向を慌てて変えて蟲にぶちあて、それを消滅させるクロノ。そこで、再び声が聞こえた。

『悪いが、ここで、サーヴァントを失うわけにはいかんのでのお』

 楽しそうに笑う臓硯の声が凛達の神経を逆なでする。そして、蟲の数はますます増え、3人を採り囲み、はいよってくる。

「くそっ!!」

「何匹いるのよ!!」

「まったく、キリが無いわね!!」

 クロノは魔力弾でロゼットは銃弾で、凛はガンドでその蟲を撃退していく。だが、蟲は次々と湧いてきてまるで減る様子を見せない。それどころか、序々に彼等は追い詰められつつあった。このまま蟲に飲み込まれたてしまえば、クロノやロゼットはともかく、魔術師とはいえ、人間である凛はただではない。そして、そうこうしている間にライダーは部屋の外に運びだされてしまった。

「くっ、シスター、パートナー、一旦引くわよ。」

「えっ!?」

 そこで、凛は歯噛みをして決断した。その言葉にロゼットは驚きの声を漏らす。そんな彼女に対し、凛は悔しさを堪えて説明を始めた。勿論、その間も蟲を排除する手は休めない。

「私たちはこれまでの戦いでかなり魔力を消耗してるわ。この先、まだ罠があるかもしれない以上、ライダーが既に戦闘不能だとしてもこれ以上進むのは自殺行為よ。シスター宝具で壁に穴を開けて。その後、パートナーの封印を説くから、そのまま私達を連れて飛んで逃げなさい。」

「でも、今の凛の魔力じゃあ!!」

「大丈夫。切り札の宝石を一つ使ってそこから魔力を引き出すわ。」

 本日2度目の封印解放に対し、反論するクロノを制し、凛はロゼットに視線をやる。

「わかったわ。」

 ロゼットは頷き、そして銃を構えた。

「最後の希望をこめし弾丸(テトラ・ドグラマトン)!!」

そして、宝具を解放する。銃口の向けられた方向にいた蟲がまとめて、ふきとび、そしてそのままその一撃は威力を弱めることなく壁を何枚も突き破った。開いた穴から外の景色を除かせる。

「いくわよ、シスター!!」

「ええ!!」

「「時を奪いし契約の証(ライフ・ウオッチ)!!」」

 次いで、二人は合図し、命の時計を使う。封印が解かれ、本来の姿に戻ったクロノは二人を抱きかかえ、穴から一気に飛びだした。そして、間桐の屋敷の庭を抜けた所で着地する。

「はあ、はあ、流石に限界ね」

 ほとんど全ての魔力を使い果たした凛が肩で息をする。だが、休んでいる暇は無かった。

「とりあえず、一旦ここから離れるわよ!!」

 そして、そのまま逃げるように、いや、実際に逃走の為に走り出す。そして、その姿をどこからか観察していた臓硯は一人笑う。

「ほほっ、逃がしたか。まあ、今回は時間を稼げただけでもよしとするかのお。今の内にもう一枚手札を手に入れておくか。」

 暗い屋敷に臓硯の不気味な笑いが響き渡るのだった。


(後書き)
久々の投稿にもかかわらず、短くてすいません。ちょうどここでキリよく終わってしまったので。とりあえず、次回は士郎&セイバーと組むor組まないと言った話になる予定です。

BACK<

△記事頭

▲記事頭


名 前
メール
レ ス
※3KBまで
感想を記入される際には、この注意事項をよく読んでから記入して下さい
疑似タグが使えます、詳しくはこちらの一覧へ
画像投稿する(チェックを入れて送信を押すと画像投稿用のフォーム付きで記事が呼び出されます、投稿にはなりませんので注意)
文字色が選べます   パスワード必須!
     
  cookieを許可(名前、メール、パスワード:30日有効)

記事機能メニュー

記事の修正・削除および続編の投稿ができます
対象記事番号(記事番号0で親記事対象になります、続編投稿の場合不要)
 パスワード
    

PC用眼鏡【管理人も使ってますがマジで疲れません】 解約手数料0円【あしたでんき】 Yahoo 楽天 NTT-X Store

無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 ふるさと納税 海外旅行保険が無料! 海外ホテル