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「黄金の獅子を受け継ぐ者(まぶらほ+セイント星矢)」

アーレス (2005-05-05 01:19)
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この話は星矢たち青銅聖闘士たちの熱き戦いから約20年後の話である。


「ライトニングボルト!!」

雷光の軌跡が目の前の対象を撃ち砕く。

「まだまだ、だめだな」

「くそぉ!燃え上がれ俺の小宇宙!我が牙となれ!!ライトニングプラズマ!!!」

幾多もの雷光の軌跡が現れた緑の鎧を身につけた長髪の男に迫る。しかし、男はそれをすべて受け流した。

「ハァハァ…さすがは紫龍さん、この程度じゃダメか…」

「いや、俺も回避する余裕がなかった。ドラゴンの神衣がなかったら危なかったかもしれない。それに俺は目が見えん代わりに他の感覚が発達しているからな」

光の軌跡を繰り出していた黄金の鎧を纏った少年はその場に座り込んだ。

「つまり、俺の光速拳はまだまだってことか…」

「だが和樹、おまえのライトニングボルトやライトニングプラズマも星矢の流星拳と同様、撃つ度に完全なものに近づいていっている」

「父と比べないでください。俺は俺ですから…」

「そうだな」

「そういえば、紫龍さんが聖地にくるなんて何かあったんですか?……あ、わかった!浮気して春麗さんに追い出されたんだ!」

「そんなわけあるか!おまえの父じゃあるまいし。龍麗のことが気になると春麗がいうからきただけだ」

和樹がなんだとつまらなそうに呟いた。

「龍麗ならたぶん、処女宮の沙羅双樹の園にいますよ。あそこが精神統一しやすいって言ってたし。獅子宮なら勝手に通ちゃってください」

「うむ、それと和樹」

「なんですか?」

「おまえの従者たちが探してたぞ」

「あ!今日は買い物に付き合うって言ったの忘れてた!!」

和樹はとてつもないスピードで走っていった。


――――――――――――――――――――――


「遅いです、和樹さま!」

「すまん!千早、神代!紫龍さんと話してて…」

和樹は自分の従者に頭を下げて謝る。

「え、紫龍さまがきてらしたんですか?」

「ああ、龍麗に会いにきたんだと……紫龍さん、龍麗が男色にはしったことって知ってるのかな?」

彼の友人、山羊座の黄金聖闘士・龍麗は乙女座の黄金聖闘士・純と恋仲にある。このことはこの聖地でも十二人の黄金聖闘士しか知らないことだ。和樹をふくめた他の黄金聖闘士は面白そうだからという理由でほっといている。

「そんなことどうでもいいじゃないですか。さ、買い物に行きましょう!和樹さま、お姉ちゃん!」

ショートカットで明るい顔立ちの千早と和樹の手を取って千早よりもさらに明るい神代が引っ張りだした。

「か、神代、ちょっと待て!俺、着替えないと聖衣きたままじゃまずいだろ」

「しりませーん♪」


――――――――――――――――――――


「アテナとペガサスの息子…」

「あの男の聖衣を受けついた獅子…」

「我々の目的には必要不可欠な男…」

「「「獅子座の黄金聖闘士・和樹…」」」


――――――――――――――――――――


「どうしました?和樹、やけに疲れていますけど」

「ん?純か…女の子の買い物の長さに負けた……」

緑の髪を腰まで伸ばした女性のような顔をした乙女座の黄金聖闘士・純がぐったりした和樹に声をかけた。

「フン、その程度のことで疲れるとは情けないな。和樹」

黒髪を純と同じくらいまで伸ばした山羊座の黄金聖闘士・龍麗が和樹を睨む。

「龍麗、純がちょっと和樹を気遣ったくらいで一々嫉妬してたら嫌われるぞ」

軽い調子で龍麗をたしなめる牡羊座の黄金聖闘士・貴鬼。

「龍麗、心配しなくても和樹には美人従者が二人も居るんだぞ」

「そうそう、獅子宮が華やかになって羨ましいぜ」

落ち着いた調子で貴鬼に続く水瓶座の黄金聖闘士ミレイ。下品な口調の蟹座の黄金聖闘士・ブラッド。

「おまえたち、アテナが緊急で我々を呼び出したんだぞ。少しは緊張感というものを持たないか!」

彼らを怒鳴りつける蠍座の黄金聖闘士・ジン。

「黄金聖闘士、全員そろっていますね?」

「「「「「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」」」」」

現れたアテナ、城戸沙織の前に黄金聖闘士たちは跪く。

「明後日より、この12宮を守るものが一人減ります」

沙織の宣言に黄金聖闘士の間でざわめきがおこった。

「静かにしないか!」

彼女の隣に控えていた教皇が怒鳴りつける。

「星矢、ありがとう。レオ!」

「はっ!」

アテナに指名された和樹が立ち上がる。

「葵学園に入学しなさい」

「はっ!?あ、あの母上…ではなくアテナ!何故、私が?」

驚いて、思わずプライベートでの呼び方をしてしまった。

「あなたは獅子座の黄金聖闘士である前にグラード財閥の一人息子、いずれ財閥を継ぐ者に学歴がないのでは話になりません。あなたは従者を連れて日本の葵学園に通いなさい。いいですね?」

「はっ!」

「ア、アテナ、そのことを告げるためだけに緊急の召集をかけたのですか?」

天秤座の黄金聖闘士・紫春が訊く。

「いえ、最近、異様な小宇宙を感じる事が多くなりました。何か起こるかもしれません。いつでも戦えるようにしておいてください」

「「「「「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」」」」」


――――――――――――――――――――


「と、言うことは私たちもまた学校に通えるんですか!?」

「ああ、明後日に出発するから荷物をまとめて置けよ」

「「はい!」」

二人の従者が嬉しそうにしているのを眺めながら和樹は自分のカンが何かを訴えているのを感じた。


あとがき
はじめましてアーレスです。
セイントセイヤのゲームを買い、大好きなアイオリアと紫龍そして凍気の師弟を使いまくっております。
セイントセイヤGの技も出していくつもりです。

それではまた…

キャラクター設定

城戸和樹…ペガサスの神闘士・星矢とアテナ・城戸沙織の息子。獅子座(レオ)の黄金聖闘士。第五の宮、獅子宮を守護する。得意技はライトニングボルト・ライトニングプラズマ・ライトニングスパーク・獅子咆哮・幻魔拳(流星拳と彗星拳も使えるがあまり使いたがらない)。アテナである母と最強の聖闘士である父にコンプレックスを抱いている。

山瀬千早・神代…海外旅行さきで戦争に巻き込まれ、両親を失ったところを和樹に出会い従者として和樹につかえている。

龍麗…ドラゴンの神闘士・紫龍と春麗の長男。山羊座(カプリコン)の黄金聖闘士。第十の宮、磨羯宮を守護する。父から聖剣エクスカリバーを受け継いでいるため、彼の手刀はすべてを切り裂く。得意技はソニックブレード・グランマッシャー・エクスカリバー・ジャンピングストーン・廬山昇龍覇・廬山坑龍覇。男色にはしり、乙女座の純と恋仲にある。

純…アンドロメダの神闘士・瞬とカメレオンの白銀聖闘士・ジュネの長男。乙女座(バルゴ)の黄金聖闘士。第六の宮、処女宮を守護する。得意技はオーム・因果応報・天空破邪魑魅魍魎・カーン・六道輪廻・天魔降伏・天舞宝輪・ネビラストリーム。山羊座の龍麗と恋仲にある。

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