神様、俺は何かあなたに嫌われるようなことをしましたでしょうか。
たしかに、五歳のときに近所の神社の鐘を壊しましたよ。
でも、それはもう時効なのでは?
それとも、クリスマスミサをやっている教会の前で打ち上げ花火をした事を恨んでるんですか?
でも、それはカップルがイチャイチャしているのが悪いんですよ!
それらのせいだったら謝ります。
だから、お願いプリーズ。
「元の世界に戻してくれ〜!!」
「き、君?大丈夫かね?」
ああ、いきなり叫び声を上げた俺に優しい声をかけてくれる軍服らしきものを着ている人。
まあ、確かに、ありえない方向に曲がっている死体を目の前にしていきなり叫べば心配するか無視するかのどっちかですよね。
普通は無視する人が多いだろうに、心配して声をかけてくれるあなたはイイ人ですよ。
普通なら人情と言うものに触れて喜ぶところなのですがね、あなたのその顔がいけないんですよ。
あなた、だって、種運命唯一まともな軍人の「トダカ一佐」なんですから!残念!!!
……たぶん、言っても通じない(世界が違うから当たり前だし)ギャグは流して、どういうわけだか今の俺は「主人公らしくない設定上の主人公」シン・アスカになっている。
……なんでさ。
「気をしっかり持つんだ。おい!君!!」
ああ、トダカ一佐。今、あなたのその優しさがすごく痛いです。
ああ、なんだかいきなり眠くなってきた。
次に目を覚ましたときにはいつもの世界でありますように。
シン君の目指せ主人公奮闘記!! その1
俺の名前は大鷹 真矢(オオタカ シンヤ)。
年は17で、高校二年生だ。
俺には三つ下の妹がいる。
その妹がアニメ好きで俺もガンダムが好きだったので一緒に種運命を見ていた。
あ、妹の名前は「真由美(マユミ)」っていうんだけど。
……まあ、妹の「『レイ×議長』最高!!」や「やっぱり『キラ×アス』よ〜」な発言は正直理解できなかったが。
それでも、まあ、俺も一緒に夕飯前に煎餅かじりながら見ていたわけなのだが。
これはガンダム?と聞きたくなるような、スーパーロボットものの展開に俺は頭が痛くなったのだが。
……いや、物理法則無視しすぎでしょう?あの機動性能は。とくにカオス。なぜユニットを大気圏内で分離制御できるのよ?
それにアビスのあのありえない海中での潜水機動能力。水って抵抗めちゃくちゃすごいのよ?
などなど、リアル系ではなくスーパー系だよ、や、スパロボではどっちで表示するかな〜、なんてのんきな事を考えていたんだよ。
いや、話がそれたな。
つまり俺が何を言いたいかというと、俺は決して「MS」や「ナチュラル」「コーディネイター」なんていうものが存在しない世界の人間だと言うことだ。
なのに、なぜ目を開けたら空をカラスのような戦闘機もどきと、鎌を持ったMSが空を飛んでて、ありえないほどのビームを飛ばしている蒼い天使もどきのMSがリアルにいる世界なんですか!!
俺の記憶が確かなら、俺はトラックに轢かれそうだった子供を助けた代わりに俺が撥ねられたんですが。
普通、目を覚ましたら白い天井の病室では!!
なぜに、今までの常識をぶち破るようなMSと血だまりなんですか!!
やり直しを要求します!!
頭を打ったための一時的なものでありますように。
結論、目を覚ましたらやっぱり種運命の世界でした!!
「君。目を覚ましたかね」
ああ、トダカ一佐、見も知らない子供に対してそんな安心した顔をしてくれるとは、あんたエエ男です。
そんなあなたに対して今俺に出来ることは―
「……知らない天井だ」
―ぼけることでした。
ギャフン
―後書き―
一言で言います。
電波です。
電波を受信してしまいました。
気がついたらさらさらと書き終えていました。
………こわ!!電波怖い!!