ここに一人の男がいる
その男の名前は横島大樹
彼は無類の女好きである
それは最愛の妻百合子と結婚しても変わらなかった
だが彼は百合子を誰よりも愛して居た為に浮気をしても間違いは起こさなかった
そう、たった一度だけ抜かせば
GS景太郎極楽大作戦? プロローグ
「忠夫兄さんも酷いよなぁ、自分が冥子姉さんと蛍ちゃんと一緒に旅行に行くからって俺だけに仕事全部押し付けるなんて、せめて雪之丞さん辺りに助っ人頼んで置いてくれてもいいのに」
自分一人に仕事を押し付け愛妻と愛娘と一緒に旅行に出かけた兄に対する愚痴を言いながら事務所への道を歩く彼の名は「横島 景太郎」
六道除霊事務所の正社員にして所長の「六道 忠夫」の腹違いの弟である
景太郎は彼の父横島大樹が妻百合子の妊娠中に出会った女性と起こした一度だけの間違いで出来た子供であった
母子二人っきりの生活であったが景太郎は幸せに暮らしていた
だが景太郎の母は彼が六歳の時に亡くなってしまう
身寄りの無くなった景太郎は母の実家である浦島家に身を寄せることになる
だがここでの生活は酷いものだった
なぜなら景太郎は母が親族の反対を押し切り産んだ子供で望まれた子供では無かったからである
そんな景太郎が何故引き取られたかというと彼は幼いながらも既に高い霊能力を発現させていたから
浦島家は表家業である和菓子屋と裏家業である退魔師の仕事を代々続けていたのだがここ数百年の間は高い能力者に恵まれず徐々に衰退をしていたからである
引き取られた後の景太郎の生活は酷いものだった
人としては扱われず、ただ浦島家の為に働く人形になるように教育された
月日が経つにつれ、景太郎は一切の感情を無くした人形の様になっていった
そんな彼が唯一心を開いたのが祖母である浦島ひなただった
浦島の家で唯一自分を道具として見ず、一人の人間として見てくれるひなたが景太郎は大好きだった
そんなある日、ひなたが紹介したい人が居ると言い連れてこられるとそこには二人の男女がいた
男性の方は全身包帯だらけで見るも無残な姿であった
対して女性の方はこちらを見るなり満面の笑みを浮かべこう言った
「初めまして景太郎君、今日からあなたの家族になる横島百合子よ、宜しくね」
そう言いながら自分を抱きしめる女性に景太郎が戸惑っていると
「それで、この包帯まみれのバカがあなたのお父さん、横島大樹よ」
と言い大樹の前に景太郎を押し出した
暫く景太郎と見つめあった大樹は
「迎えに来るのが遅くなって悪かったなぁ、ひなたさんに聞くまで父さんお前が彼女と一緒に幸せに暮らしてるもんだとばっかり思ってた、今更許してとは言わん、だがお前が許してくれるなら俺を父親と認めてくれるならば、俺の息子になってくれないか?」
その言葉で浦島の家に来てから張り詰めていたものが切れ、景太郎はひたすら泣いた
自分にはまだ家族がいる、ただそれが嬉しく涙が止まらなかった
そしてこの日を境に浦島景太郎は横島景太郎となった
当然浦島家のひなた以外の人間は反対したがそこはかつて紅の百合と呼ばれた百合子の手腕と現役を引いてなお強大な影響力を持つひなたの二人によって黙らされたのであった
あとがき
初投稿になります、ぬえと申します宜しく御願いします
春の陽気と電波と勢いに乗ってこの度投稿させていただきました
おかしな所があったらドンドンご指摘御願いします
凹みつつもそれを快感に変え頑張りたいと思います(何
それではご指摘御願いします