まぶらほ そして伝説に・・・
第14話
翌日から修行は本格的なものとなった。
夕菜、玖里子、凜の3人は魔力の増幅を自由に行えるようになり、
さらに基礎魔力の10倍の状態を数十分ながら維持できるようになった。
和美、沙弓の2人も常時最大魔力を維持できるようになり、
フィリアも魔力の収束にかなりの磨きが掛かった。
ちなみにガルフォードはというと、
初日からずっと同じ調子で全く修行にならない状態が続いていた。
しかしながら、修行終了後の争奪戦の影響によるものか、
精神力と打たれ強さ、さらに気配の消し方と(逃げる)スピードが格段に上昇した。
ともあれこんな感じで修行が続くこと60日。
ついに修行が終わる日がやってきた。
「みんな、よく頑張ったね。これで修行は終わりだ。」
全員に労いの言葉をかけるフォード。
色んな意味でこの人が一番大変だったであろう。
「いえ、ガルフォードさんこそお疲れ様でした」
「私たち、だいぶ強くなったみたいね」
「以前では考えられないほどの魔力を感じる」
フォードから与えられた魔力をようやく自分のものに出来た3人。
これまでになかった力を感じ、かなりご満悦の様子だ。
「一回目よりもずいぶん頑張った気がするわ」
「そうね。今回は実戦がほとんどだったし」
フィリアを相手とした模擬戦を繰り返してきた2人。
最大魔力の持続だけでなく実戦の経験も積むことが出来た。
まあ、時折フィリアがフォードの目を盗んで全力で戦ったことも影響しているようだが。
「これでフォード様の負担にならないように戦えます」
今回の修行で最も高い成果を上げたフィリア。
魔力を収束することによって全体の90%近い力を攻撃、防御に使用できるようになった。
(普通であれば魔力の50%程度が限界である。
たとえば、魔力値が100万あったとしても実際に攻撃、防御に使用できるのは50%程度、つまり50万に相当する威力でしかない。
そのため、今のフィリアは自分の2倍程度の魔力を持つものと同等に戦える)
「よし、それじゃあ元の世界に戻ろうか」
そう言うと、目を閉じて両腕を前に突き出すフォード。
程なくして空間に歪みが生じ、部屋のクローゼットの中にあったものと同じものが現れた。
「それじゃあ帰るよ」
「「「「「「はい!!!」」」」」」
元気に返事をする6人。
フォードに続くようにして歪みの中に飛び込んでいった。
「・・・ふぅ」
元の世界に戻ってきたフォードたち、もとい和樹たち
こちらの世界に戻ってきたので、再び式森和樹の姿に戻っている。
もちろんフィリアも栗丘舞穂の姿になっている。
「もうこんな時間か」
枕もとの目覚まし時計を覗き込みながら和樹が言った。
向こうでの修行で60時間が経過しており、現在月曜日のAM1:00.
すでに外は暗闇に染まっている。
「それじゃあ解散だね、また学校で会おう」
「ハイ。それじゃあガルフォードさ・・・和樹さん、おやすみなさい」
「お休み、和樹」
「お休み、式森」
「じゃあね、和樹君」
「また学校で」
「お休みなさい、フォード様」
それぞれ一言ずつ述べて部屋をあとにする6人。
全員女子寮へと戻っていった。
「さてと・・・・・」
6人を見送った和樹。
そのままベッドのほうに向か・・・おうとして立ち止まる。
そしてキョロキョロと辺りを見回す。
「・・・・・・っ!?」
瞬間的に電気のようなものが和樹の体を走った。
それが何かを確認することなく後ろに飛びのく和樹。
その直後に鳴り響く2つの音。
ドン!
ドカンッ!!!
最初の音は和樹が壁にぶつかった音。
幸い隣の部屋は空室のため迷惑にはならない。
そして2つ目の音。
それは、
「・・・・・・銃弾、か」
和樹の立っていた場所に開いている小さな穴。
その中心に銀色に輝く鉛のようなものがめり込んでいる。
若干だが魔力を帯びているようだ。
「・・・・・・」
周囲の気配を探る和樹。
何かしらの力を感じるがハッキリとはわからない。
おそらく魔力でジャミングをかけているのだろう。
この銃弾がどこから打ち込まれたのかもわからない。
やがて和樹は緊張を解き、穴に埋まっている鉛玉を拾い上げる。
「・・・・・・気のせいじゃ、無いみたいだな」
さまざまな感情が入り混じっている表情の和樹。
その弾を枕元に置いてベットに入る。
「・・・・・・ホントに生きてんのかな、あいつ」
一言だけ呟いて、すぐに眠りに落ちた。
男子寮のすぐ近くの空き地。
そこで不気味な光を放つ銃を持っている女性。
月明かりもなくハッキリとした顔は見えないが、笑みを浮かべているのはわかる。
「うふふ・・・さすがはご主人様」
構えていた銃をおろし、そのまま歩き去っていった。
異様な雰囲気を残して・・・
あとがき
ここの所忙しかったのですが、やっと続編がかけました。
は〜、疲れた。
何だか訳のわからない展開になってしまいました。
お叱りもあると思いますが、その辺は勘弁していただけると幸いであります。
追伸
今回はレス返しは無しとさせていただきます。
こちらの勝手な都合です。
申し訳ありません。