いつだろう? いつ道を間違えたのだろう? きっとあの時、君の手を取らなければ、こんなことにはならなかったんだろう?
ねえ、答えてよ「―――」。
君しかいないんだよ、みんな、みんなもういないんだ。返してよ、僕の日常を。
序章
崩れゆく日常
どこか暗い部屋の中、僕が見たこともない「人」を抱きかかえて泣いている。 その「人」を抱えている僕の手が赤いとすると、その「人」は血まみれだ。
なぜ「人」かというとその「人」が黒く塗りつぶされたように、ぼやけているからだ。
そして、世界は白く消えていった。
(ああ、またあの夢だ。)夢から覚めた僕は思う。最近よく同じような夢を見る、だいたい二週間前からだ。
内容はいつも同じではない、敵と思われるものと戦っていたり、へんな集団の中にいたりと多彩だ。
どれも共通点なんてない、きっとそれだけなら普通の夢と何ら変わらないだろう、でもその夢はなぜかそこにいる自分が夢という仮想現実なんかとは、まったく別の何かに思えてくる、そしてそれらが僕に何かを伝えようとしているように思えてくるのだ。
こんなことを家族にも言う気はない、言ったところで馬鹿にされるだけだろう。
そこでいったん思考を止め時計を見る時間は七時を回っている。ああもうすぐ学校に行かないと、僕はベットから出て着替えをはじめた。
リビングに行くと、もう家族はみんないた。 菓子作りが趣味の母さん、ごく普通のサラリーマンの父、二つ下の今年高校入学した妹の静奈。
いつもと変わらぬ風景、いつもと変わらぬ朝、そして僕はいつもと変わらぬ道を歩き学校へ行く。
学校に着くと昨日と一昨日と同じ人が同じ人と喋っている、僕もその中の一人だ。
「よう、今日もあの夢見たのか?」
唯一この夢のことを知っている友人、春阿空が話し掛けてきた。
「ああ見たよ、僕の日常でたった一つの非常識な夢を。」
僕はいつもどうりに返す、。
「なあ、前から思ってたんだけどなんでその夢がおまえのたった一つの非常識なんだ? こんな世界非常識なんかいっぱいあるじゃないか。」
空が不思議そうに聞いてきた。
「いっぱいあったら非常識じゃなくて日常ないじゃないか、いきなり二週間前からだぜ、これが非常識じゃないと言えるのかい。」
そうかえす。しかし空は言う。
「でもさ、たかが夢じゃないか。夢なんか内容はいつも非常識だと思うぞ。」
「そうかもな、夢だもんなとくに僕の生活に支障はないだろうな。」
「そうそう夢だよ夢あんま気にするな。」
「そうだな、気にす『本当に夢なの?』っ!」
いきなり頭の中に声が聞こえた。とても清んだ鈴のような声だった。
「おいどうした?」
おかしく思った空が聞いてきた。
「いや、空み『空耳じゃないよ。』・・・」
あたりを見回す。でもそこにいるのはクラスの人間だけ。まだ聞こえる。
『そっちじゃないよ。ほら、窓の外。』
一瞬ためらって窓に向かい外を見る。
そこには見たこともない学校の制服を着た同い年くらいの女の子が立っていた。 肩まで伸びた赤黒い髪にととのった顔立ちと体型きっと十人に十人が美少女だと言うだろう。そんな女の子が校庭の真中に立っていた。
おかしいそこに他校の生徒がいるのにそれもかなりの美人がいるのになぜみんな気にしないんだ。
僕を見つけると、
『やっと見つけた。今度の君は楽しませてくれるよね。』
彼女は笑っていた。
「今度の僕?君は「おいさっきからどうしたんだ?校庭にはおかしなとこないぜ。」・・っうるさいな少し黙っててくれよ。」
空からの言葉止める、今の僕にとって校庭にいる彼女が一番大切なことだった。
そうしているうちに彼女は学校を出て行った。
「あっ、まって!」
僕は窓に足をかけたそれがどういう行為かはわかっている、でも彼女は僕の夢について何か知っているという直感があった。だから彼女を見失うわけにはいかないのだ。
「おい何やってるんだ。やめろ「ごめん、そら今日学校バックれるから。先生に言っといてくれ。」おう、って俺の名前はくうだ。」
空がそう言ってる内に僕はもう校庭を走っていた。周りの生徒は僕を変な目で見ている。いつもなら気にしただろう。でもそれを気にするほど僕には余裕がなかった。一刻も早く彼女に会って僕の唯一の非常識の謎を知りたかったから、そしてもとの日常に戻りたかったから。
この行為こそが非常識だとも気づかずに。
久しくteteです。
ナデシコはなんか続き書こうとしてざせつ中です。立ち直ったら書きます。
でもこの話のほうが本職です。
まあ、軽い気持ちで読んでくださいお願いします。
あまり文才ないんで。