さて、早速だが和樹は今現在、アパートに住んでいる。
理由は非常に簡単だ。
実は言うと、キシャーが彼の下宿先に襲来したためである。
その時、運がいいのか悪いのか凛も一緒にいて茶を一緒に啜っていた。
決して、18禁行為よろしくではないのでご了承願いたい。
このSS内での和樹と凛の関係は、非常に健全とした者なので。
その辺は本当に、ご了承いただきた。
で、当然その2人を見てキシャーは理不尽に怒り狂うのは当然と言えば当然。
「どうして凛さんがいるんですか!?
邪魔なんですよ女狐!!
キシャァァァァァァァアアァァァァ!!!」
と叫んでA級攻撃魔法を連発。
そのために、和樹の部屋だけでなく下宿先が崩壊。
もちろん、この請求は宮間に行ったらしい。
で、当然、正当なので宮間は弁償しないわけにもいかず、きっちり弁償したらしい。
男の方が。
なお、女の方はどうかと言うと、キシャーの成長によろこんだらしい。
まったくもって迷惑な話である。
余談だが、この出来事以降、宮間の男はさっさと離婚して自由になりたいと考えたらしい。
でないと、胃に穴が開くとか何とか言ってたし。
さらに余談だが、今現在、葵学園は頑張って修理工事の真っ最中らしい。
その修理費の全額は宮間から徴収されている。
それに和樹の下宿先の修理費。
はっきり言うと、宮間は没落の一歩手前に来ていた。
もちろん、この調子で行けば宮間はほぼ間違いなく没落するだろうが。
「ったく、なんなんだよ、あの○○○○は」
すでに呆れるレベルを遥かに通り越している感じがするでもない和樹。
世の中の不条理さに頭を痛めていた。
「そもそも、あいつって今は確か刑務所の中じゃなかったか?」
「なんでも、保釈金が払われたので釈放されたそうです」
と、和樹の疑問に隣にいた凛が答える。
それを聞き、和樹が固まった。
「・・・・・宮間か?」
「正確に言えば、その女の方です。
男の方はすでに胃の痛みが激しいらしくまともに動けないようですね」
と言う凛の台詞を聞き、和樹は宮間の男たちの末路を祈った。
もちろん、祈っただけなのは間違いない。
「よくわかったな」
「幹也さんに調べてもらいましたから。
報酬は、幹也さん本人に渡しましたから、これでしばらく彼はお金に困ることはないと思います」
「へぇ〜、いくら出したの?」
「約200万ほど。ああ、円ですよ」
「なら、コクトーさんは張り切ってた?」
「はい、これでしばらく飢えなくてすむって」
「可哀想にな」
「はい、可哀想です」
と言いながら茶を啜る2人。
はっきり言って、ほのぼのとした雰囲気なのに話し合っている内容の性で全てが台無しのような気がする。
「それより、どうやらある人物がこの日本に帰国するそうです」
「ある人物?」
「はい」
そう言って凛は懐からある一枚の写真を取り出した。
その写真を見て、和樹は驚いたような、面白いものを見つけたような表情を作り上げる。
「こいつは・・・」
「はい、アイドラーが誇る史上最年少クラスAディテクティブ、八十神かおる」
写真に写されていた、18歳前後の少年。
少し癖のある髪に女性顔負けの綺麗な顔立ち。
そして、スーツで決めたその姿は、明らかに知識人を思い描かせる。
「表世界ではなんともありませんが、裏世界では騒然とされています」
「だろうね、史上最年少Aクラスのディテクティブが日本に再来日だ。
そりゃ裏世界の人間は騒ぐだろう」
「ここ数日、Aクラスとしても頭角を現し始めていますから。
噂では、彼の最高のAクラスと言われるジャスティスを上回ったとさえ言われています」
そう言って、和樹は凛に写真を返した。
凛は写真を受け取ると、懐にしまいこむ。
「で、なんでこの話を?」
「どうやら今回の八十神かおるの来日先が、どうもこの辺らしいので」
「へぇ」
「へぇって・・・それゆえ、先輩もトラブルに巻き込まれる確率があります。
注意してくださいね」
「クラスAディテクティブの事件に遭遇する確率は高い、か。
とりわけ悪行双麻クラスとまではいかないけど、な」
「一緒にしない方がいいですよ、彼は別格です」
「ま、あいつもそう言う星の元に生まれたと言うことだな」
などと言う和樹。
なんともさっぱりした言い方である。
そんな時、和樹の背中に冷たいものが流れるのを感じた。
それは、凛も同様であった。
「なぁ・・・・」
「はい、どうやら居場所がばれたようですね」
どうやって刑務所から抜け出したよ、って保釈金しかないか。
と考える和樹と凛。
「しゃない、逃げるぞ凛」
「わかりました、先輩」
そう言って玄関へ行って靴を履き、2人は窓を開けると躊躇なく飛び降りた。
なお、そこはビルの階であると言うことだけ行っておこう!!
で、やってきました痛い人。
偽名『宮間夕菜』
本名『超怪異SSS級魔王デビルキシャー』
で、当然と言えば当然だがあっという間に和樹の部屋の前まで侵入してくる。
「ここが、和樹さんの部屋ですね」
そう言ってキシャーは和樹の部屋の前で呟いた。
その眼はすでに狂喜以外は何もないのは間違いない。
「待っててくださいね和樹さん、今妻が行きますから!!」
だから、和樹はお前の妻じゃないって。
民法上、18歳じゃない和樹は結婚できねぇの。
と、言っても聞かないであろうデビルキシャーことキシャー。
とりあえず、チャイムを鳴らす。
鳴らした瞬間にキシャーはピッキングツールをポケットから取り出すと、何の躊躇もなくドアの鍵穴に差し込んだ。
こんなことするんなら、さっきのチャイムは何だったんだと言いたい。
無駄だろうけど。
で、当然なかなかうまくいかない。
そもそも、この辺のビルは非常に盗難対策は万全だ。
故に、ピッキング如きではドアの鍵を開けることは出来ない。
で、当然この状況に理不尽な怒りをあらわにするキシャーさn。
「どうして開かないんですか!?
さては私と和樹さんの仲を引き裂くためにこんな対策をしてるんですね!!?
許せません!! キシャアァアアァァァァァァァア!!!!」
と叫びながらS級攻撃魔法をドアに向かって五発も放つ。
いくら対魔法防御の素材を使っているとは言え、さすがにS級の攻撃魔法を5発も耐えることは難しい。
で、当然と言えば当然だがドアは綺麗に消し飛んだ。
その魔法の余波のためか、中の家具なども木っ端微塵と化している。
が、そんなことよりもキシャーはドアが開いたと言う一点にのみ喜びを感じていたりする。
すでに目的と手段を履き違えているような気がするが、まぁいいだろう。
「さぁ、和樹さん、妻が・・・ってなんですかこれは!!?」
キシャーの眼に飛び込んできたのは、すでにボロボロで原型すら留めていない家具などであった。
「だ、誰がこんなひどいことを」
いや、大丈夫だ。
やったのは間違いなくお前だから!!
ま、言っても意味などないだろうが。
「ゆ、許せません。
私と和樹さんの愛の巣をこんなひどい状態にするなんて。
このビルの管理人を許すわけにはいきません!!」
などとわけのわからないことを言ってくださいます、このキシャーさんは。
やったのはお前だって。
まぁ、言っても無駄だろうけど。
「さぁ、償いなさい。
キシャァァァァァァァ!!!」
そう言って凄まじい速度で走り出すキシャー。
その日、そのビルは倒壊した、とだけ記しておこう。
◆ ◆ ◆
「やれやれ」
和樹は倒壊するビルを見ながら呆れたように呟いた。
「倒壊しちゃいましたね」
「ああ・・・・まぁ、あの○○○○なら当然の行為なんだろうけどな」
「迷惑極まりないです」
「だな」
そう言いながら、和樹は歩き始めた。
「どうするんですか?」
「とりあえず、物件だな。金は腐るほどあるからいいが、このまま野宿なんてのは真っ平だし」
なお、本来和樹が入っていた学生寮は、なぜか崩壊していたりする。
誰が原因なのかは、言うまでもないだろうが。
「えっと・・・それじゃ・・・その・・・」
そう言ってモジモジする凛。
そんな凛を不思議そうな表情で見る和樹。
おい和樹、お前はまさか鈍感なのか!?
そんなんだから、志貴から朴念仁なんて言われるんだぞ?
まぁ、志貴も朴念仁だけど。
「わ、私の部屋に来ませんか?」
凛は学生寮ではなく、近くのアパートで1人暮らしをしている。
理由は、まぁ和樹と一緒だが。
「いいのか?」
「構いません・・・いえ・・その・・・出来れば来てくれませんか?」
そう言って上目遣いで捨てられた子犬のような雰囲気を作り出す凛。
これには、流石の和樹もグッときたようだ。
「あ〜、わかった。じゃお世話になる」
「はい!」
そう言って凛は本当にうれしそうな表情を作り上げた。
◆ ◆ ◆
で次の日。
和樹は新たな物件を探すために色々と見て回っていた。
次へ次へと物件を探していく。
出来れば超S級の物件が欲しいのが本音であった。
つまるところ、セキュリティがSSS級の物件である。
何しろA級のセキュリティでキシャーには完全に強引な手で進入されたのだから。
「なんかなぁ〜」
思うようないい物件が見あたらない。
世の中の不条理さに、和樹は涙がでそうになった。
「絶対に間違ってるって」
などと考える和樹。
まぁ、無駄だろうけど。
「くそ、これも全て、あの○○○○のせいだ」
そりゃ間違いないだろうけど、お前が言っても意味がないと思うぞ。
だって、相手はあのキシャーだし。
「そう言えば・・・・」
ここ最近、冬木市に行ってないな。
以前行ったときは、聖杯戦争の真っ最中だったし。
「あ〜、あの時は死ぬ思いをしたなぁ」
何しろ、バーサーカーと正面から激突したのだ。
マジで死ぬ思いをしたのは間違いない。
「で、どうしようか」
目ぼしい物件を見つけたのもの葵学園との距離や価格を見て少しだけ考える。
「ま、いっか」
で、和樹は新たな物件を購入。
とりあえず、高価なマンションだったとだけ記しておく。
ついでに、そのマンションのセキュリティーは前のビルよりも遥かに優れていたとだけ記しておこう。
◆ ◆ ◆
「キシャァァァアァァァァァァァァァ!!!!!」
で、またキシャってますキシャーさん。
なぜキシャってるかと言うと・・・・言いたくないけど。
「うるさい」
そう言ってキシャーさんは首筋に注射を打たれて眠ってしまった。
なお、打ったのは玖里子と言っておこう。
「ったく、なんでこんな奴が宮間の人間なのかしら? ・・・いえ、宮間の女だからこそ、かしらね」
などと考える玖里子。
ま、その考えは当たっているけどね。
「あ〜あ、最近、出番も少ないし、私って本当に影が薄いのかしら?」
ああ、あんたは間違いなく、影が薄いぞ。
まぁ、自慢でも何でもないけどね。
◆ ◆ ◆
で、とりあえず学校は休みになったので、和樹は久しぶりに冬木市に来ていた。
これでも数ヶ月前に、暇つぶしに遊びに来た和樹は幸か不幸か聖杯戦争に巻き込まれた。
その時、彼のゼルレッチの弟子である衛宮士郎と出会ったのだ。
「にしても、なぁ」
夜になり、早速だが和樹は絡まれていた。
死徒に!!
「なんでだよ」
士郎君の口癖に似た言葉を発し、世の中の理不尽さを呪わずにはいられない和樹。
まぁ、確かに理不尽だ。
「貴様が『両儀なる瞳』だな。貴様を殺し、我らは・・・」
「『クイックシルバー』」
死徒たちが何か言っているが、そんなこと気にせず和樹は『クイックシルバー』を使う。
自分以外の全てがモノクロと化し、全ての時間が遅くなる。
その中で、和樹は静かに何もない空間に手を伸ばし天鎖斬月を取り出すと鞘から引き抜いた。
「斬っ」
何の躊躇もなく死徒たちの懐に入り込み和樹は天鎖斬月を振るう。
その瞬間、死徒たちの首が跳ね飛ばされた。
同時に、世界の時間と色が元に戻る。
「―――天照」
瞬間、残った死徒たちの胴体を超高温の炎が包み込む。
瞬きをする隙もなく、灰と化していく死徒たち。
一瞬にして、死徒たちは絶命した。
「やれやれ、これも聖杯の恩恵か?」
純粋なマナの塊である聖杯は、それだけでも膨大なエネルギーの塊だ。
今はないとは言え、それでも残留的なマナが冬木に漂っている。
幸か不幸か、それを狙うやからが後を絶たない。
何しろ、残留とは言えそのマナのエネルギーの量は膨大なのだから。
「そして、運良く俺はこの場所に脚を踏み入れた、ということか」
なんとも運がいいのか悪いのか。
明らかに後者であろうが、和樹は天鎖斬月を何もない空間にへと戻した。
「ったく、遠坂は何を考えてんだか」
この地のセカンドオーナーである遠坂は何を考えているのだろうか。
もちろん、彼女が死徒を野放しにしているとは考えにくい。
となると、今のは処理をし損ねた残り物と言うことになる。
「やれやれ」
和樹は歩き出した。
久しぶりに、聖杯戦争の勝利者に会うために。
あとがき
次回からはしばし本編を中止して番外編に移行させていただきます。
もちろん、内容はFate編です。
一応、セイバー編と桜編の混合です。
あと少しだけ、凛編も混ぜようかと考えています。
和樹がどのようにかかわってくるかは、ネタばれになるのでいえません。(マテ
suiminさんへ
はい、おそらく生きています。
マッドは、あれでは死なないのが世界修正ですから(ぇ
柿の種さんへ
当たり前を、当たり前としなかったから、人類は繁栄したについての意見は賛成です。
さらに私は、まずは当たり前を当たり前と認識し、その後で当たり前と追及するという意見ですね。
ちょっと、意味不明かもしれませんが(汗
紫苑さんへ
とりあえず、宮間は崩壊手前です。
キシャーは死にませんが・・・死んで欲しいですけど・・・(汗
あとは、宮間も風椿も馬鹿なことをしないでしょう。
D,さんへ
狼の兄ちゃんについては・・・・・どうなってるんでしょうね〜
だって、考えていませんでしたし(ぇ
皇 翠輝さんへ
はい、マジです。
いえ、男性陣はおそらく感謝できません。
だって胃の痛みのために動けませんから(ニヤリ
たーんあっぷさんへ
確かに、神凪と比べればマシですね。
あれは度が過ぎているように思いますから。
tttさんへ
まぁ、馬鹿で阿呆です。
だからこそ、凛は見限ったのですから。
それから、宮間の男性は苦労していますよ。
永遠の苦労を(ニヤリ
おそらくですが、士郎は正義の味方を目指さない可能性があります。
ついでに士郎の強さは原作以上です。
下手すればアーチャー以上かも・・・(あせ
では