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「「それからのラジアータday's」(ラジアータ・ストーリーズ)」

でまえそば (2005-02-20 01:51)
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この「それからのラジアータday's」は最近ラジアータ・ストーリーズをクリアした、
でまえそばがエンディングが気に入らなくて書いたSSです。
あのエンディングがよかった!という方、もしくはクリアしていない方はネタバレになる
かもしれないので、読まない方がいいと思います。両方とも大丈夫!!という方は
下にスクロールどうぞー!!


            「それからのラジアータday's」


ここは人間と妖精族が同居している王国ラジアータ。

ほんの少し前まで人間と妖精族が、戦争を起こしてた、が、
今ではお互いに和平を結び、手と手を取り合い………とまでは行かなくとも
それでも、少しずつ距離を縮めようとしている。

そしてこれは、そんな戦争を終わらせ、人間と妖精族が共に生きられる道を
見つけ出した、少年―――ジャック・ラッセルのそれからの物語。


「うぅ、う〜ん………」

ここは橋の下にある、ジャックの家。
その家の、小さな窓から朝日がもれる。いや、朝というには少し遅すぎるかもしれない。
そんな中、年齢は16、7位の少年―――ジャック・ラッセルは目を覚ました。
ぼさぼさになっている栗色の髪、まだ半分ほどしか開いてない目。
あからさまなくらい寝起きを主張している顔でキョロキョロとあたりを見回し、
壁にかかった時計と目が合った………………………………瞬間、


「やべぇ!! 遅刻だぁッッッ!!!」


大爆発を起こした。


「やばい!やばい!やばい!!……あぁ〜、もう!
もっと早く起きろよなぁ! おれ!!」


と、自分で自分に八つ当たりをしながら凄まじいスピードで着替えて、
乱暴にドアを開けながら、急いで外に出る。

ジャックの家と、ジャックの所属している戦士ギルド「テアトル・ヴァンクール」
までは走ればすぐの距離にある。

ジャックはとにかく急いでテアトルに向かった。
街の人間はいつものことなのか、全く気にした様子もない。

入り口のドアを開けると正面の受付のようなところに
だるそうに座っている頬に傷のある男がジャックに声をかけた。


「おっ、やっと来たな。このねぼすけ。
 たくっ、副隊長はとっくにきてるってのに、締まんねぇ隊長だなぁ、おい」

「うっさい!タナトス……って、こんなこと言ってる場合じゃない!!」


ジャックはタナトスについ反論しながらも階段を降りて、自分たちの部屋に向かう。
地下二階にある自分たちの部屋――― といっても元は倉庫だったのを必死に掃除した
――― の前について軽く深呼吸をして、あくまでにこやかにドアを開ける。
瞬間、


「遅いッッ!!!」


激しい叱責が飛んできた。


「あっ、あはは……。わ、悪かったって、そう怒んなよリドリー」


ジャックを叱責した少女の名前はリドリー・ティンバーレイク
年はジャックと同じくらいだろうか、
太陽のように輝くきれいな金髪をツインテールにし、意志の強そうな目をしている
美しい少女だった。


「まったく!今日で何度目になるんだ!!ジャック、おまえは隊長としての
 心構えができているのかッ!?」

「いや、だから悪かったって……。そ、それに騎士団じゃないんだから
 そんなに細かくなくても………」


そう、実はこの二人かつては王国の騎士団に所属しいていた。
ジャックは騎士団にいた頃オークとの戦闘の際、リドリーが怪我を負ってしまいその責任を
とらされクビになった。

それが、リドリーはもっと複雑だ。
リドリーは先に起こった人間と妖精族との戦争の際に、王国の騎士団長でありながら妖精の側についた。
戦争が終わり、リドリーにも妖精側につく、様々な事情があったにせよ、
騎士団長であった人物が人間を裏切ったなどあってはならぬと、一時は極刑まで騒がれたが、
リドリーの父親である王国の宰相ジャネスと、戦争終結の立役者であるジャックが
必死に嘆願し、その結果リドリーは家督を剥奪、家から追放され、騎士団をクビになった。

そこで、ジャックがリドリーをテアトルに誘い大隊長の許可を得て
ジャックが隊長である、チーム「マハト」の副隊長になったのである。

余談ではあるが、チーム「マハト」に所属しているのは元々、ジャック一人であり
そこにリドリーが入っても結局二人しかいない。よって自動的に
この二人が隊長、副隊長になるのだ。


「そういう問題ではないッ!! おまえがそんな風でいると、
 チーム「マハト」のメンツにかかわるだろう!!
 ひいては、テアトルの顔に泥を塗るような…………、
 聞いているのかッ!ジャック!!!」

「聞いてる、聞いてる……。ところでさ、リドリー?」

「ムッ………、なんだ?」


まだまだ文句の言い足りなさそうなリドリーだったが、一応隊長である
ジャックの話を聞く。


「今日はなんか任務とかあんの?」

「いや、昨日でアナスタシア様の依頼も終わったし……
 今日のところは、何もないと思うぞ? 何か、あるのか?」


リドリーが不審そうに尋ねると、ジャックは二ッと少年らしい笑顔を浮かべ、


「今日はいい天気なんだ」

「うん? ……まぁ、そうだな。朝もいい天気だったからな」

「最近さぁ、任務、任務で忙しかったよなぁ……」

「そうか? だが……言われてみれば確かに、ここ毎日だな」

「だからさぁ………」

「だから?」

「デートに行こうっ!!」

「…………………………………………………にゃ?」

「デートだよっ!デート!! 最近ふたりでろくに遊んでないだろ?
 やっぱ、こういういい天気にはデートだよッ!」


ジャックが勢い込んで言う。一方のリドリーはまだ石化している。
………が、だんだん言われたことを、理解したのだろうか、
その色の白い綺麗な肌が真っ赤に染まっていき、


「んなっ!ななな、何を言ってるんだジャック!!
 で、でぇとなんて、そんな……!!こっ、こういう日はだなぁ
 た、鍛錬を積み、次の任務にそなえてだなぁッ…………」


激しくテンパっていた。そりゃ、もう首筋まで真っ赤になっていた。
リドリーは幼い頃から、強い騎士になる為に育っている。
こと、色恋沙汰になると、戦闘の時の勇敢さはどこえやらで
はっきり言ってだめだめだった。
ジャックに言わせると、そういうところが、かわいらしいのだが。


「鍛錬なんか、いつでもできるだろ?それよりも、デートだよ、デート!!
 なッ! 頼むよ、一緒にデートしようぜ〜、なぁ」

「う、ううむ、コ、コホン。まっまぁ、ジャックがそこまでしたいって言うんなら?
 そ、そのだな、デデデ、デートしてやってもい、いいんだが?」


真っ赤に染まった顔で、あくまでしょうがないといった風に言うリドリー。
緩んでくる頬を必死に直そうとしているのがまる分かりだった。
ジャックはそんなリドリーを見て笑いを噛み殺しながら、


「よっしゃ! んじゃ、さっそく行こうぜッ!!」


ジャックはリドリーの手を握り、部屋を出る。


「ジ、ジャック!!手、手ぇッ!!」


再び真っ赤になり、喚くリドリーを軽く無視して
階段を昇っていき外にでようとすると、


「よぉ! お二人さんこれから任務か?」


眼帯をしている大柄な男性に呼び止められた。


「副長!!」


二人が急に現れた男に驚いて声をかける。
この男性の名はジェラルド、テアトル・ヴァンクールで二番目に
偉い人間であり、チーム「ツヴァイト」の隊長である。
その実力は折り紙つきで、ジャックは入隊試験の際に触れることも
できないままボコボコにされてしまった経験がある。


「おぉ?ほっほう!なるほどなるほど……。
 任務ってわけじゃあなさそうだなぁ、ん?」


ジェラルドは二人のつながれた手をみてニヤニヤ笑いながら問いかける。
リドリーがそれに気付き、いそいで手を離す。


「いやいや、結構結構!! かぁっ!青春してやがんなぁ〜。
 おい、ジャック!男ならバシッと決めてこいよ!!」


ジェラルドはジャックの肩を二回ほど強く叩き、大笑いしながら階段を昇って行った。


「いてて……、なんなんだ?あのおっさん?………リドリー?」


ジャックが叩かれた肩をなでながら文句を言ってると、
リドリーの様子が変なことに気付いたジャックが声をかける。


「バシッと………、いや、それはまだ早い……べ、別に嫌というわけでは無くて……
 そういうのには順序というものが………」


なんかブツブツ言っていた。


「えーと、リドリーさーん?大じょ「なッ!!なんだッ!?ジャック!!!」う…ぶ…みたいね」


ぐわぁ!とこっちを向くリドリーに多少気圧されながらも、
とりあえず二人は外にでる。


「じゃぁ、どうしよっか?
 とりあえず噴水の広場にでも行ってみる?」

「とりあえずって……。
 予定も決めていなかったのか?」

「ん〜、いや、なんとなく? はは……」

「はぁ、まったく、それでよくデートなどと言えるな……」

「いや、リドリーが一緒ならどこでも楽しいし……」

「……なぁッ!!ば、馬鹿者ッ!!」


またしても真っ赤になるリドリー。
ジャックはそうなるリドリーが楽しくて言ってるのだが、
気付くのはいつの日になることか……。

とりあえず、広場に向かって歩く二人。
すると二人に近づいて来る、人影がある。


「ジャックさ〜ん!こんにちは!!
 今日は怪我していませんか!?」

「よっ、ミランダ。相変わらずのゴドウィン探しか?」

「はい……、多分向こうに行かれたと思うんですけど……」


にこやかにジャックと話をする、褐色の肌をした、健康的な女性
彼女はミランダ、神聖オラシオン教会の僧侶だ。

リドリー的にはこの女どうも油断なら無い気がする。
多分だが、ジャックに気があるような……、そんな気がするのだ。
天然だかなにか知らないが、いつもジャックの周りをうろうろしている。
そんな事をリドリーが考えている最中もジャックと談笑していた。
二人が笑いあうたびリドリーの眉毛がつりあがっていく。


「ジャックッ!いつまで話してるんだ!!さっさと行くぞッ!」


思わず大きい声をだしてしまい、ハッとするリドリーだが、
ジャックは気にした風も無く、


「あぁ、わるい、リドリー。
 んじゃ、行くわ。またな、ミランダ」

「いえ、こちらこそお止めしてしまって、ごめんなさい。
 今度どこか行くときは私も誘ってくださいね〜、いつでも空けときますから」

「おぅ、じゃあな!」


そう言ってミランダと別れるジャック。
しかし、ミランダと目が合ったリドリーは見てしまった。
彼女が自分に向けて挑戦的な笑みを浮かべていたのをッ!!

ミランダ………、怖い子っ!!

そうリドリーが、思ったかどうかは知らないが、
とりあえずリドリーは、ジャックは私が護らなければッ!とかは考えていた。


しかし、その後も、


「あら、ジャックさん、こんなところで偶然ねっ!、最近妹が寂しがってる
 から時々は会いに来てちょうだいね!!」

―――双子の姉妹だったり―――

「あぁ、ジャック、新しいメリッサちゃんが出来たの。依頼出しとくから
 一人で来てね、待ってるわ」

―――魔術学園のメガネ先生だったり―――

「よぉ、あんたか……、コテツが会いたがってるんだ。たまには遊びに来てくれ」

―――子持ちの女盗賊だったり―――


様々な女性に何かと声をかけられるジャック。
微妙に疲れているリドリーと何とか噴水の前につく。

ま、まぁたくさんの人に人気があるのはいいことだな、うん。

と、同時にリドリーは不安になる。
あれだけ多くの人たちに慕われているジャック、
自分には無いものをたくさん持っているジャック、

彼の周りにはいつも、魅力ある人達がたくさんいる。
ひょっとしたら、自分なんすぐに飽きられてしまうんじゃないか。
そんな怖い予想を頭を振って吹き飛ばす。

気にしすぎだな、この後はどこかに食事にでも行こうか、うん

そう思いリドリーがジャックに声をかける。


「ジャック!このあ…と…は…?」


リドリーは隣にいるはずのジャックの姿が無いことに気がついた。
リドリーは急に不安になる。さっきまで考えてたことが現実になりそうで
不安を打ち消すように彼女はあたりを見渡す、


「ジャックッ、ジャック!どこにいる!」


返事は無い。リドリーは泣きそうになりながらそれでもジャックを探す。


「ジャックッ!!さっさと出て来い!!デートなんだろ!!!」


やはり返事は無い。リドリーは突然世界に一人ぼっちになった気がして急に怖くなった。


「ジャック……、どこだ……、返事をしてくれ、頼むから……」


その声は普段の彼女からは考えられないくらい弱弱しく、今にも途切れそうだった。
思わず、膝をついてしまう。不安と恐怖で心が押しつぶされそうになった、


「たくっ!あの親父ぼったくりだぞ、ちくしょう…………って、リドリー!!
 おいッ!!どうしたんだよ、なにがあったんだ!!?」


ジャックが駆け寄ってきてリドリーを抱き起こす。
リドリーはぼんやりした目をしていたがジャックに気がつくと徐々に目に光を
取り戻す。


「ジャック………?……ジャック!!う、うぅ、うぁぁぁッッッーーーー!!!!」


突然泣き出したリドリーにどうしようか考えながらジャックはとりあえず、リドリーを
抱きしめていた。


「その………、すまなかったな……、突然」


泣き止んだリドリーはまだ目を赤くしたまま謝ってきた。


「いや、いいんだけどさ……、その、なにがあったんだ?」


リドリーは少し考えるそぶりをみせポツポツと話し出した。


「私が騎士をクビになって、お前にテアトルに誘われただろう……?」

「あぁ、なんか随分渋ってたみたいだけど」

「ふふっ、あれはな、本当はとても嬉しかったんだ。
 ティンバーレイク家からは追放されて、騎士であることもだめになった。
 結局、金龍の器にもならずじまいで………。
 何にも無くなってしまった……」

「リドリー………」

「お前がそんな顔をするな……。
 ジャック、おまえがいたから、私は何とかここにいるんだ。
 ……なぁ、聞いてほしい、ジャック………」


リドリーは二、三度深呼吸をしてジャックの目をまっすぐ見ていった。


「私はお前が好きだ。すべて無くしてしまったと思ったが、
 お前がいた。いや……違うな……、私にはおまえしか、いないんだ」


話しているうちにリドリーの目にまた涙が浮かぶ。


「だっ、だからっ……、ック、そ、そばにおいて欲しい……。
 お前の傍に、ングッ、い、居たいんだ…………」


泣きながらの告白だった。しゃくり上げながら、
それでもリドリーは流れる涙をぬぐおうともせずにただ、ジャックを見つめていた。


「まいったな……、こういうのは男からってもんなのにな……。
 あ〜、リドリー?さっきな、これ………買ってきたんだ」


差し出された、ジャックの手には小さな銀色のリングがあった。


「その、今みたいに思ってることがあるんなら、いつでも言って欲しい。
 だから、その、あぁ、もう!おれもお前が好きだから!一緒にいてくれ!!」

ジャックは一息でしゃべってリドリーの手を取り、左手の薬指にリングをはめる。
リドリーは少し驚いた顔をしたが、嬉しそうに微笑んだ。


「あぁ、おまえと、共に居たい。ジャックと共に……」

「リドリー………」


とても綺麗な笑顔を向ける、リドリー。

二つの影はやがて、ラジアータの地で一つに重なり合った―――。


        あとがき     

あれ?ここまでする積もり無かったんだけどなぁ……。
どうも、でまえそばと申します。
まぁ、このジャックはうまいこと、中立ルートを行ったってことです。
あまり深く考えないでくださいね〜、突発的に書いた物なんで……。
なんかリドリーのキャラ違う気がするし……。
ていうか、需要あるのか、これ?
まぁ、読みたい人がもし、もし、いるなら、又書きますね、続編。
(いないと思って適当なことを言う)
                     それでわっ!!!


*蛇足は今までのイメージを崩す恐れがあります、ご注意ください。


   蛇足中の蛇足


そして離れる二人の影、お互いに少し照れているのか、顔を伏せていた……。
が、リドリーが突然、顔をあげ、いい笑顔で話し出した。


「では、ジャック、これで私たちは晴れて夫婦になったわけだな。
リドリー・ラッセルか……。案外いい響きだなッ!」

「………ふ、夫婦? いや、それは気が早すぎるような……、り、りどりー?」

「なにを言ってる。もう決定だ。責任だぞ、これは。
 あぁ、ちなみに私は浮気は一切、許さないからな。
 もしやったら…………ズバッと逝かせるからな」


いい笑顔で話続けるリドリー。浮気うんぬんについてのとこだけ、
得意の斧を取り出し、マジな顔をしていた。


「い、いや、逝かせるって……」

「そうだ!これからお前の家に引っ越すからな」

「へっ…?ひ、引っ越すって何で……?」

「当然だろう!私たちは夫婦なんだからな!!
 一緒に暮らすのは当たり前だ!!
 あぁ、一緒に暮らすといっても、そっ、そういうのは駄目だぞっ!
 やっぱり、順序があるからな!
 ど、どうしてもいうなら、ま、まぁ考えてやらんことも無いが……。
 とその前に、結婚式のことも考えねばッ!
 まぁ、そのあたりはじっくり考えよう。とりあえず荷物をまとめなくてはッ!!
 ジャック、お前はちゃんと部屋を片付けとくんだぞ!!」


そして、呆然としているジャックをそのままにリドリーは走り去っていった。
がんばれ、リドリー!!君の前には何人もの強敵が立ちふさがることになる!!
負けるな、リドリー!!その、愛のためにッ!!!


   ムシャクシャしてやった、落ちがつけば何でもよかった、今は反省してる。
                      ……………ごめんなさい。

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