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「ラブひなリバース(らぶひな) 2」

ガイザー (2005-02-19 14:41/2005-02-19 15:05)
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「はぁ〜〜、なーーんかやっかいなことになっちゃったなぁ」
 お婆ちゃんの部屋に戻ったときの第一声がそれだった。
 顔に手を当てて、心からの溜め息を吐く。
「どうしよう、みんな完璧にかんちがいしてるよ〜〜、俺は東大狙ってるだけで東大生でも何でもないのに」
 ホントどうしようかなぁ……
 テーブルに手を置きほうずえを突いて、ずずっとお茶を啜る。
「ふうぅ……ん?」
 そういや、この窓って。 突然気になったので、立ち上がって、来たときからずっと閉まっていた窓を開く。
 すると、
「へぇーっ 海だよ、いい眺めだなぁ」
 小さな丘の頂上にそびえるこのひなた荘からは、温泉街ひなた町とその背後に大きくて真っ青な海が広がって見えていた。
 しばし、絶景に目を奪われる。
「・・・・東大か・・・そういえば、あの子はちゃんと受かったのかな」
ふと、ずっと昔に約束した女の子のことが頭に浮かんだ
「あの子って?」
「誰・・・」
 真後ろから聞こえてきた声に後ろを振り返るとそこに立っていたのは、巫女の姿をした長い黒髪の子
「えーと、確か素子ちゃん?」
「まあ、もう名前を覚えてくれたのですね、私の名前は青山素子といいます、よろしくお願いします」
「あ……どうも…浦島景太郎です」
 頭をかきながら、どこか気まずげな様子で答える。
 どうしよう……って、やっぱりホントのこと言った方がいいよなぁ……
「ええ、東大生の浦島様ですね」
 にっこりと微笑む。さまってなんだよーーー
 俺は言いにくそ〜、に口を開く。
「あの〜〜、そのことなんですけど、実は俺…東大生じゃ……」
「ええ、もちろんわかってますわよ」
 え……何だ、分かっててくれたのか
 心配ないとばかりにうなずく素子ちゃんに、ホッと安心の溜め息を吐く。
「東大生とはいえ若い男ですもの、のぞきやチカンくらいは・・・・・・エッチ☆」
「い、いや、そうじゃなくて!」
 俺は慌てて否定する。
「それよりあの子のことは、気にしないでくださいね」
「――え? あの子?」
「前原しのぶさんのことです、あなたのことが気に入らないらしくて追い出そうとしてるみたいなんです」
 ああ、あの子か・・・・・・
「あぁ、前原しのぶっていうのかー」
「あら」
 急に素子ちゃんが素っ頓狂な声を出す。
「浦島様はああいうのがお好みで?」
「え、いえ、別にそんなことないよ……」、しどろもどろになって答える。
 自分ではわからないけど、顔はきっと真っ赤になっていると思う
「あの、浦島様は付き合っている人とかは?」
 上目遣いで覗いてくる素子ちゃんに少し慌てる。
「――え!? い、いや、そんな俺、彼女なんて」
「いきなりこんなこと言うのもとても恥ずかしいのですが・・・・・・」
 伏し目がちに素子ちゃんはそういい、俺の手に自分の手をそえた。
 …………………えぇ!
「私のこと……どう思いますか?」
「な、どっ、どうって!?」
 ………………………………えええぇっ!!
 添えられた手を両手で握り、さらに詰め寄る
「あ、あの・・・・」
 はっきりいって、この状況はかなりまずいと思うけど・・・・。
「わたしの・・・・・・・」
 そして、次の瞬間。
 ガラッ!
 勢いよく障子が開けられた。
「コラーーッ! なにやってんのあんた達っ!!」
 突然部屋に乱入してきた大声で、俺の意識が戻ってくる。
 乱入してきたのは、ショートのフライパン少女、キツネ目女、あと褐色の肌の子だ
「え、……あっ!」
 あわてて、手を離して、後ろに後ずさった。
「ふぅ」
 素子ちゃんは密かなをため息をついた。
「あんた今の自分の立場分かってないんじゃないの!?」
「い、いや、これは、その…あの」
 ぐぐっと迫ってくる、この女の子からなんとか逃げようと、周囲を見回す。
「ほぁ・・いきなり、やるとはええ根性しとるやないか!?」
「ちよ、ちょっとまってよ」
「・・・チカン?」
「・・・だから・・・」
「・・・・・ぅーーーーー」
ショートの子・・・いや、しのぶちゃんのうなり声が聞こえる。
「ごめん……」
とにかく、ここは一応謝っておこう
「いきますよ! 素子さん」
「はいはい……では、浦島さま、また後ほど」
 最後にしのぶちゃんは俺に向かって、氷点下の目で、
「チカン、サイッテー」
 と言って去って行った。
・・・・はぁ、これはもう完全に嫌われたな・・・
「・・・どうしたものかな・・・」
・・・って、俺ってなんでこんなに間が悪いんだろう 
 一瞬、ホンの一瞬だけ泣きが入るが、開いた左手を見て少し顔を赤くする
・・・・・そうか、女の子って、あんなに柔らかかったんだ・・・・しばらく忘れていたな
「・・・・素子ちゃん・・・・か」


・・・・確かに、綺麗な子だよな・・・


なにか、ちょっと引っかかるようなことがあるような気がするのは俺の気のせいだろうか


「・・・・散歩でもしてくるか」
まぁ、前ここに来たのは十五年位前だからな・・・・何か変わっているとこもあるかもしれないしな

しばらく歩いてみるとその広さに少しと驚いてしまった
うーーん結構広いな・・・それが寮なんて、少し贅沢な感じさえするよ


で、しばらく歩いて気がついたら俺はあのベランダにした
そして、それにいたのは・・・・・

しのぶちゃん・・・・・?


しのぶちゃんはこちらにふりむいて、俺を見るとあらかさまに不機嫌そうな顔になった
「・・・・なによ」
「いや、ちょっと散歩していただけだよ・・・」
「・・・あんまりウロウロしないでよ・・・私は、あんたを認めてなんかいなんだからね」
「・・・・・・・・・」
俺はしばらく言葉を失った・・・まぁ、嫌われているしな
「・・・まぁ、いいわ・・・ちょっと、聞きたいこともあったし」
「ききたいこと・・・?」
「東大に現役ではいるって、どんな気持ち?・・・東大ってどんなところ・・?」
「さぁ・・・それは、わからないよ・・」
「え・・」
「だって・・・俺は東大生じゃないからね」
あっ・・・・・やばい・・・・
「・・・・・・・」
「あっ・・・あのさ・・・・」
「・・・・そう、やっぱり、そうだったんだ・・・」
「だから・・・それは・・・」
どうしよう・・・なんとかしなければ・・・・・
「・・・私たちを騙していたんだ・・・」
「だ、だから・・・」
しのぶちゃんは俺をキッて睨み付けるとそれまま走り去っていった


やっ・・・やっ・・・やっちまったーーーーーー


俺の魂の叫びがむなしく誰もいないベランダに響いた


 ところ変わって、ここは自分の部屋。
 俺は一人で聞き役もいない愚痴を漏らしていた。
「はあーー、どうしよう、流れとはいえ自分から積極的に正体をバラしちゃったよ」
この子の怒りに燃えた顔が思い浮かんだ・・・・
「――しかも、よりにもよって、一番ばれちゃいけない人にばらしちゃうなんて」
 はぁ・・・・俺って馬鹿か・・・・
せっかく、うまくいっていたの、自分からだめにしちゃうなんて・・・本当に・・・
「まったく・・・こんなことだから、東大だって落ちたんだよな・・・」
まぁ、しょうがないか・・・こうなったのも・・・あっ、こんなことになったのは俺のせいじゃなくて、親父とジジイのせいじゃないか。
あーーなんか思い出してきただけでもムカムカしてきたよ
少し文句言ってやろうか
そう思い・・・携帯をとりだして電話をかけようとおもったけど・・・・
「はぁ・・やっぱやめた・・・どうせ、しらばくれるに決まっているしな」
でも、どうしようか・・・これから・・・
「まっ、いっか・・・何とかなるだろう」

そういて、波乱に満ちた第一日目が終わっていった


翌日

朝、ロビーに下りてみてみると、予想通り、昨日のことはみんなに知れ渡っていたみたいだ
「これは、どういうことなのか説明してくださいますよね・・・・・」
制服姿の素子ちゃんからまず追求があった
「事としだいによってはただでは済まさんで」
きつねさん
「・・・・・・・・」
褐色の肌の子・・・たしかスゥちゃんはずっと俺をにらんでいるし
「・・・・・・・・」
栗色の髪の子・・・たしか、なるちゃんはうつむいて、目を合わせようとはしない
「・・・・・はぁ」
思わずため息が出てしまった
「いいかげん白状しなさいよ・・・この期に及んで言い逃れなんて・・・」
明らかに、このままでは俺は学歴詐欺、覗き、痴漢をした最低変態男のままでここを去らなきゃならない
そんなのははっきりいってごめんだ
こうなったら・・・こっちの言い分は全部言って、最低誤解だけは解いていかないと気がすまない
「別に、最初から東大生なんて俺は言ってないつもりだけど・・・聞かなかったのはそっちじゃないか」
そうだ・・・俺は確かに何度も言おうとしていた
「そんな言い訳通用するとでも思っているわけ」
「言い訳も何も事実じゃないか・・・東大、東大って騒いでたのはそっちだろう」
「なんですってーーーーー」
「でも、チカン、覗きをした事実は明らかやで」
「いや、あれは・・・単なる事故で・・・」
「うう・・・私のことも遊びだったんですね・・・・はじめてだったの・・・・・」
「ちょ、ちょっ・・・・な、な、なんの話をしているの、君はーーー」


しばらく言い争っていると・・・・


「どうやらみんな集まっているみたいね・・・よしよし」
「あっ・・・はるかさん!!元はといえばはるかさんが変なことを言うからこんなことになったんだから
あなたからもちゃんと説明してくださいよ」
俺をなにやら紙の束を抱えてやってきたはるかさんに詰め寄った
「ああ・・・あのことね、ごめんなさいね、ちょっと早とちりしてて・・・まさか景太郎が落ちるなんて思わなかったから・・」
「・・・・まぁ、それは・・・・そうですけど・・・・・」
「とにかくみんな、今朝こんなFAXが届いたんだけど・・・大変なことになっているから」
そういって、その紙の束を俺に渡した・・・なんで俺に・・・・?
「景太郎、ちょっとそれをみてみ・・・」

「土地……権利証明書?」
 書いてあるとおりに読んでみる。
「正式な書類みたい、お婆ちゃんが景太郎に全部あげるって」
「へ?」
 俺に考えるヒマさえ与えずに、はるかさんは一方的に言い終える。
「お婆ちゃんがひなた荘を全部お前にあげるんだって、管理人になったらどう、そうすれば全部丸く収まるし」
 ……
 ……
「「「「「「ええっーーーーーーーーーーーーーーーーーー」」」」」」
はるかさんを除く全員の声が響き渡る


ど、どうなっているんだ・・・いったいこれは・・・


「あっ・・・言っとくけど、もうこれは決まったことだから・・・文句があるのなら婆ちゃんにいってね」
にこって微笑み、はるかさんは戻っていっていってしまった


ど、どうやら今回のことは全部、仕組まれていたことなのか
なんか、自分がいまだに婆ちゃんの手の中で踊っているよう気がするのはたぶん・・・・気のせいじゃないだろう


こうして、俺・・・浦島景太郎はこの、女子寮ひなた荘の管理人をやることになってしまった

いいのだろうか・・・こんなことで・・・


第二話です。あんまり、原作はと変わってはないですけど・・・最初に書いたとおり、変える必要がなければ、原作に沿って進めていくので
完全に原作と分岐するはだいぶ後になりますが、それまで話が進められたらなって思います。
あと、景太郎はこの話じゃ一応、頭は悪くはないです。リバースですから
では、また二話で・・・・・ガイザーでした


思ったんですが・・・・この話って壊れに相当するのでしょうか?

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