宮間夕菜は夜の道を一人歩いていた。
「全く、これだけ探しても見つからないなんて、和樹さんいったいどこにいったんでしょうか」
彼女の脳内では恋人という設定になっている式森和樹は彼女と一緒にいるのが照れくさいためすぐに逃げ出してしまうのだ。
…実際は彼女と一緒にいるときに他の女性に目を向けただけで
「どうして私だけを見てくれないんですか!?」
といって半殺しの目にあうから逃げているのだが、夕菜の脳内では恥ずかしがっているだけということになっている。
実際、日が落ちるまで探し続ける事からも彼女の壊れ様はすさまじいものがある。
「和樹さんたら恥ずかしがってばっかりで、ちっとも一緒に帰ってくれないんですから…」
(ともかく明日の朝は早起きして和樹さんの部屋の前で待ち伏せして一緒に学校へ行きましょう)
と思いつつも寮へと戻っていく。
二度とそのような機会が訪れることは無いと知らずに………
そして寮への近道の途中の裏路地へと足を踏み入れた
「何だか気味が悪いですね…早く通り過ぎましょう」
そういって足早に通り過ぎようとしたとき
「中々の魔力だな、俺様の一番最初の獲物にふさわしい」
と長髪で色白で不健康そうな男が突然目の前に現れた。
「ど、どなたですか?」
と夕菜がおびえつつも問いかける。
「説明する必要は無い、すぐに分かる」
といいつつも、夕菜のほうに向かってくる。
夕菜が逃げようとしても何故か体は動かない。
「おっと、逃げようとしても無駄だぜ。ちょっと小細工をさせてもらった」
そして夕菜の首筋に噛み付いた。
しばらくすると満足したのか、夕菜の首筋から離れこう言った。
「これでお前は栄えある俺様の僕第一号だ、しっかり働けよ」
「ふざけないで下さい」
そういいつつも夕菜は長髪の男に攻撃魔法を放つ。死徒となることでパワーアップしたのか長髪の男を一撃で燃やし尽くし、その場には足首だけが残った。
「私は和樹さんの物です」
そういいつつも去っていく。血を吸われ、死徒となることで頭に流れ込んできた大量の情報を整理するために…
(和樹さん……)
「ふう…、今夜が満月で助かった」
といったのは先程の長髪の男だった。
「にしてもあの女…何であんなにあっさりと俺様の支配から抜け出せたんだ?」
これは夕菜の中にある存在が原因なのだが彼ーミハイル・ロア・バルダムヨォンにわかる術はなかった。
「まあいい…あの女の魔力は復活に使った分を差し引いてもプラスだ。また会うときがあったらそのときは根こそぎ血を吸い尽くしてやる」
そういうと彼もどこかへと去っていった。
後書き
皆様のSSに影響を受けてまぶらほ×月姫のクロスを書き始めてしまいました。生暖かい目で見守ってください。
…タイトルにピンと来た方はご一報くださると狂喜乱舞しますwヒントはファランさん。